かっこいいコードやフレーズを散りばめても作り続ければ刺激も弱くなります。「なんか刺激が足りない!もっとアグレッシブな音の変化が欲しい!」そんな悩みを持っているDTMerは少なくありません。そういう時はGlitch2の出番です。普通の曲にエフェクティブで刺激的な変化を与えてくれます。
Glitch2は一言で言うと「クールでかっこいいぶつ切りサウンドを簡単に作ってしまえる便利すぎるプラグイン」です。
Glitch2とは?
MIDIエフェクトと言われているカテゴリのプラグインで、Randomizer、Gater、Modulator,Stretcher、Shuffler,Rervrser、TapeStop、Lofi,Distortion,Retrigger,Delayの11からなるエフェクトをリアルタイムで変更できるエフェクトプラグインです。
各エフェクトのパラメーターもかなり細かいところまで追い込むことができるオリジナリティあふれるエフェクトサウンドをコントロールできます。
Glitch2の使い方
素材元となるなるトラックはオーディオでもMIDIでもどちらでもOKです。元になるMIDIトラック(オーディオトラック)とGlitch2のトラックと2つ必要になります。
(LogicProXの場合)エフェクトプラグイン選択タブからAU MIDI制御エフェクトからlllformedからGlitch2を選択します。
このままでGlitch2は反応しませんのでGlitch2のサイドチェーンを元になるトラックに合わせます。
サイドチェーンは右上のタブで設定できます。
これで元のトラックがGlitch2を通ることになります。ただ今のままだと元のトラックも音がなってしまうので、サイドチェーンの設定が完了したら、元のトラックのボリュームはゼロにした方がいいです。とりあえず上記の画像を再生するとこんな感じになります。
Glitch2なし
Glitch2あり
こんな感じに変化させることができます。
ピアノロールは4小節〜8小節 ディビションは最大8
立ち上げ時には4小節しか表示されていませんが、SEQUENCEのBeatsで最大8小節まで拡張でき、1拍の細かさを扱うDivisionは最大8分音符まで拡張できます。「なぜ16分音符までできないのか?」と思う人もいるかもしれませんが、グリッチエフェクは音を細かくするエフェクトの一種のなのであまり細かすぎても意味がないのだと思います。どちらにしてもエフェクトのオンオフのタイミングとして8分音符までの精度で十分です。
MIDI鍵盤にアサインできる
エフェクトひとつにつきMIDI鍵盤にアサインするのも可能です。(C1はディストーションC#1はテープストップのように)Glitch2は単体エフェクトのオン/オフから複合的にエフェクトを組んだシーケンス自体の切り替えまで柔軟に対応できます。
Stutter Editとの違いについて
まずStutter Editはモノラルアウトがあるのでギターやベースなどのモノラルトラックに使用できます。一方Glitch2はステレオアウトオンリーになります。モノラル楽器に使えないわけではありませんが、バウンスしたときにはステレオファイルになってしまいます。それを気にしないのであればステレオ/モノラルの差はありません。
また、Stutter EditはStutterの変化を鍵盤にアサインすることで独特のアルペジオ的な変化をさせることができます。これはStutter Editの大きな特徴の1つです。
Glitch2はプラグイン内でのピアノロールによるエフェクトのオン/オフ Randomizerによるランダムなエフェクトの選択がStutter Editとの一番の違いです。GUIの視認性と必要最低限の操作性に良さで簡単に複雑な処理ができてしまいます。またエフェクト面ではテープエフェクトストップなどはGlitch2にしかなエフェクトサウンドです。
色分けされたエフェクトの効果を確認できるのは本当にわかりやすいです。
Stutterの発音タイミング問題について
グリッドジャストでキースイッチを打ち込んでも上手く動作しない場合があります。そういう場合はすこし早めにキースイッチデータを打ち込むことで上手く対応してくれる場合があります。Glitch2の場合はプラグイン内でピアノロールが搭載されているのでオンオフのタイミングStutterより高いです。
この辺りはエフェクトに限らずソフトシンセ特にリアルなストリングスの打ち込みの場合においても有効なので、「キースイッチを入力しても上手くアーティキュレーションが切り替わらない」場合は一度タイミングを調整することをおすすめます。
ランダム機能
エフェクト個別におけるオン/オフのタイミングのランダマイズから全体のタイミングのランダマイズまでかなり細かくシャッフルされる感覚です。
負荷について
パソコン:Macmini2018
CPU :Corei7 3.2GHz 6コア
メモリ :32GB
使用DAW:LogicProX
Audio/IF :896HD
の環境でバッファは512にしています。
左ががStutter Editで右がGlitch2ですほとんど負荷らしい負荷はありません。
Glitch2の価格
公式サイトillformedにて49.95ユーロ(2020年2月5日現在6,025円)で販売しています。たまにセールをやることもあります。
一方Stutter Editは日本の代理店でも販売しています。在庫限りで5,170円ということ、Stutter Editの方が若干安いですが、セールがおわれば2万円代まで戻ってしまいます。
Glitch2はデモ版もあるのでしっかり試してみるのが良いでしょう。Stutter Editは昔デモ版があったように思いますが、今はどこにあるかわからなくなりました。こちらもためせるのであればしっかりと試した方がいいかもしれません。
誰のためのプラグイン?
やろうと思えばDAW付属のエフェクトオートメーションを駆使して近いこともできますが、それは時間の無駄です。このプラグインは
- EDM系のエフェクティブな効果が欲しい人
- ギターなどをぶつ切りにしてアグレッシブなバンドトラックを作りたい人
- Stutter Editとは違う操作性を求めている人
- リズミックにエフェクト処理をしてみたい人
これらの人は買う価値がかなりあると思います。
まとめ
Stutter EditもGlitch2も効果がわかりやすいだけに使う人のセンスが問われるエフェクトでもあります。夢中になって遊び過ぎて1日が終わってしまうタイプのエフェクトなのでしっかりと使い所を見極めてトラックに刺激と興奮を与えてください。
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