オーケストラル・ヒット(オケヒ)は、DTMにおいて一度は使ってみたい魅力的な音色です。
このインパクトのある音は、オーケストラが一斉に奏でる効果音で、80年代の音楽シーンで頻繁に使用されました。
オケヒは、その独特の音色と音楽への強烈なインパクトで、楽曲に独特の雰囲気を加えます。サンプリング技術を駆使して作られるこの音源は、YouTubeやお気に入りのDTM作品で耳にすることが多く、サンプルとしても広く利用されています。
オーケストラル・ヒットは、ただの1つの音色に過ぎないかもしれませんが、使い方次第で楽曲の印象を大きく変える力を持っています。
この記事ではオーケストラヒットの歴史と使い方やオーケストラヒットが内蔵されているソフトシンセ等について解説しています。
オーケストラヒット(略オケヒ)とは
フルオーケストラで「せーの」で一斉に「じゃん♫」と鳴らしたインパクトのある音です。この他にも、ストリングスやブラスだけのものがあったり、HIPHOPのポップなブラスで作ったものもありますが、それらを「インパクトのある音」を総じてオケヒと呼ばれています。
オケヒはアイドル曲やアニソンで多く使われました。音におけるわかりやすいインパクトはアイドル曲やアニソン系との相性がよかったためです。
音色カテゴライズでは楽器というより効果音の類です。90年代にさんざん使われまくり若干廃れた感もありますがまだまだ使われております。インパクト音源としてオケヒの変わりになる音色が生み出されていないのにはある意味驚きます。
オケヒの歴史
そんなオケヒですが世界で一番最初に使われたのが、ヒップホップの神様アフリカバンバータの「プラネットロック」1982年今みたいな使い方ではなく、試しに使ってみた!って感じですね
YESのOwner of a Lonely Heartの20秒付近のオケヒの使い方のセンスはさすがです。
プロミュージシャンのオケヒの捉え方
インパクトがある音というのはそれだけ耳慣れしてしまう速度も速いわけです。
山下達郎氏はオケヒに対して次のような印象を持っています。
あとは流行の楽器や流行のミックス手法といった「時代の音」というのがあって、刺激的なものほど陳腐化も早いので、そういうものになるべく手を出さない。80年代にゲートリバーブをついに一度も使わなかった。オーケストラヒットなんてもってのほかだった(笑)。シンセサイザーの音色選びは今もかなり慎重だし。ドラムループも同様で。すべてがその調子で
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本物のオケヒかシンセのオケヒか?
以前ブログでSC8850のオケヒの完成度の高さについて書いたところ「オケヒはビットよりサンプリング周波数が大切」というコメントをいただきました。オケヒはオーケストラの全楽器が一斉になった瞬間の音色ですから、低音から高音まで綺麗になる必要があります。しかし、SC8850はサンプリング周波数がCD44.1khz満たない32khzです。
それだとオケヒの特徴である幅広い周波数が再現できないません。でも、オケヒが使われた当時はサンプリングして使うのが主流でした。当時のサンプラーの機能は本来の生のオーケストラヒットの周波数を余すことなく再現できるものではありません。
だからある意味オケヒットにリアルを求めることは当時の録音技術のクオリティ=(サンプリング周波数だけがすべてではない)リアルなオケヒットとなっても間違いではないと私は思います。
オケヒが搭載されているソフト音源
オケヒが大量に搭載されているソフト音源は数が少ないです。1円音源で脚光を浴びたXPpand2
オケヒ搭載数は16かなり多種多様なオケヒが収録されています。
しかし、SC8850クラスのレベルかと言われると今ひとつな気がします。そこで登場なのが本家本元のソフト音源です。
最近iOSに移植されたiOS SOUNDCANVASは8850の下位バージョンですが、音色マップは8820mapなのでオケヒ搭載数は8850と同じく24です。値段が12400円なので、オケヒのためだけに購入するのは躊躇しますが、サンプリングCDを買うつもりのような気持ちで、オケヒットだけサンプリングするためだけにSOUNDCANVASを購入するのも有りかもしれません。
こだわり抜いたプロはオケヒを作ってしまう。
高音質なオーケストラ音源はたくさんあります。当然、上手に鳴らせば本物がならしたオーケストラ・ヒットと差のないレベルのオケヒを作ってしまえます。しかし、それには相当熟練した技術と知識が必要になります。そんなことをやってしまった人がいます。
気になる人は是非音源を購入するかゲームをプレイしてみましょう。オケヒで大切なのは使える音なのか使いたい音なのか大切なのは目的と合致しているかどうかだと思うので、かっこよく決まればそれでいいと思います
オケヒの魅力はダイナミック
私なりにオケヒがDTMerの心を鷲掴みにする理由は一発鳴らせばその場を支配できてしまうその音圧こそがオケヒの魅力だと思います。オケヒはとにかくその場を支配しなくてはいけないそれがオケヒの命題であるとさえ思っている。故にDTMerたちはその一音で自分たちの世界をかっこよく構築できる音源としてオケヒを好んでいるのではないかと思います。
まとめ
個人的には実際使えるオケヒは多くはないと思っています。どれだけかっこよく「ひゃん!」なってくれるかが使えるオケヒの定義になっています。しかし中々きれいに「ひゃん」と鳴ってくれるオケヒは少ないです。個人的に好きなのはEmulation2のオケヒ。これは綺麗に「ひゃん」と鳴ってくれる
あなたが望むのはどっち?プリセットのEmulationⅡ音作りのTAL-SAMPLER
wikiでは
2000年代に入ると、1980年代への懐古的なイメージや、「素人くささ」を意図的に演出するための用法が見られる。こんな説明があるくらいオケヒは使い方にセンスが問われる。意図的に使ったかっこいいオケヒ曲があったらぜひ教えてほしいです。
ちなみに私のマイオケヒ使用曲はTMネットワークのCOME ON EVERYBODYたぶん日本でもっとも早くオケヒを全面に打ち出した曲ではないでしょうか?
コメント
コメント一覧 (1件)
初めましてDAVIDです。オーケストラヒットの音ってテンション上がりますね。EASTWESTに収録されているもので生の感じがして素晴らしいです。AKAIのXRがイミュレーターっぽいので好きです。「ジャン!」ってなってる音を聞いたらとりあえずサンプル収集しています。