Pluck音ってどんな音?作り方や音の特徴について紹介

深夜の2時間DTMのテーマに使われた「Pluck音」ですが、「Plcuk音とは何?」という話が結構出たので作り方や使い方についてお話したいと思います。

Pluck音はかなり幅が広い概念で捉えられた音なので「何をもってPluck音」とするのかを決定しておかないと音色作りも音選びも困ってしまうので、しっかりと自分の中でPluckの定義を明確にするとよいでしょう。

ここでは「ギターサウンド的な音の変化」を再現したものをPluck音と考え、そこから私なりのアレンジをしながら音色を作ってみました。

Pluck音の特徴

Pluck音は弦楽器を弾いたときのニュアンスを感じることができる音色です。アタックが明確なので音の輪郭がわかり、メロディラインを強調できる効果があります。また伴奏としてリズムを押し出す使われ方もします。

またPluck音には短い音と長い音の2種類があります。これはギターをピックで弦を弾き音が鳴り止むまで弦を抑えない場合と、ミュート奏法で音がすぐに鳴り止むのを考えればわかりやすいと思います。

どちらが良いかではなくどちらが「曲に合うか」で考える必要があるのはしっかりと意識しておくべきポイントです。ちなみにPluck音は「Attackが速くSustainがない音(すぐに減衰する音)」というイメージをもった人もいますが、それだと木琴や鉄琴など打楽器との差がわからなくなってしまいます。

なのでいきなり減衰するとそれらの音色との差別化が難しくなるので、木琴や鉄琴のパーカッシブな音よりSustainをつけるようにしています。しかし実際はほぼパーカッシブな音色でもPluck音と書かれているプリセットも多いので最後は楽曲の中でそれをどう使うかという使う側のセンスが問われる問題でもあります。

では次にPluck音を作るために重要なエンベロープについて簡単に触れておきたいと思います。

プラック音をつかくるために知りたいADSRについて

Attack(立ち上がり)演奏開始からその音声の最大音量に到達するまでの時間を設定するパラメータ。0秒に設定すればいきなり最大音量になり、ピアノやギター、或いは打楽器の音声と同じになる。

Decay(減衰)Attackで到達した最大音量から、Sustainレベルに移行するまでの時間を設定するパラメータ。

Sustain(減衰後の保持)Decayの後、演奏が続いている限り出る音量を設定するパラメータ(これだけは時間的変化ではなく量の設定パラメータとなっている)。

Release(余韻)演奏を終了した(鍵盤の鍵を離した)時点から、音が鳴り終わるまでの時間を設定するパラメータ。ピアノなどの生楽器でのSustainに相当する。

Wikiより

この音色でADSRを説明すると鍵盤を押してからAttackは0.25sなので0.25秒かけて最大音量に達します。0.25秒なんて一瞬の世界のように感じますが、人間の耳は0.25秒は普通に感じとれます。続いてDecayは0.37sなので0.37秒かけてSustainレベルに達します。しかしSustainは100%なので最大音量以降からの変化はありません。そしてSustainに到達している状態で鍵盤を離すと0.37s 03.7秒の余韻が発生します。

鍵盤を押している限り音は途切れません。鍵盤を離した瞬間にReleaseが発動します。この音色を聴いて「Pluck音だ!」と思う人はいないと思います。

Pluckに重要なアタックが感じられないからです。

ではここからPluck音を知る上で重要なADSRの設定で音がどう変わるのかを確認していきましょう。

Attackを最速にすると当然最大音量までの時間が早くなるのでAttack音が強調された音色になります。

続いてDecayをゼロにします。

さてこの状態で音を再生しても上記のパラメーターの音と変わりません。なぜならばSustainが100%に設定されているので、鍵盤を推し続けている限りDecayの長さは影響されません。

次にSustainを50%にすると音の変化は次のようになります。

Attackで最大音量に到達した0.0秒後に50%まで音量が下がるので、最初から半分の音量を出力するとソフトは認識してしまいます。

Decayを0.5秒Sustainを0.0にする

この状態ではまだPluck音ではないので音量の時間変化においてはそのニュアンスが出てきたと思います。

Pluck音作り方

まずPluck音を作るとき「どのジャンルでどういう目的で使うか」を明確にします。でないと音の存在が希薄になってしまいます。今回は「EDM系でリズム的な役割をもちながら、空間を広く演出できるもの」と定義しながら音色を作っていきます。

Decayの要素はソフトシンセ側のパラメーターで作るのではなく打ち込み時のピアノロールの長さで作るのがポイントです。パラメーダーだけで音作りを完結しない理由はパラメーターだけでPluck音を作り上げてしまうと音の長さのバリエーションがなくなります。

最初にお伝えしたようにPluck音は「長い音」と「短い音」の二種類があります。長い音はピアノロール上である程度コントロールできる要素なので、幅を利かすためにもこのようなすこし曖昧な音作りをしています。

Alchemyでの音作りなんでもっていない人は近いパラメーターにすることで雰囲気を感じ取れると思います。

まずオシレーター1はデジタル的な音ウェーブテーブルに入っているようなギザギザした音です。

ここではGrindという波形を選び、オシレーターと比べて1オクターブ下げています。もともとのギザギタの成分はある程度の雰囲気でいいのと、低い音が若干歪んでいるようなイメージのためにそうしています。

オシレーター2は普通のSUQARE波です。

次にADSR(エンベロープを作ります)

Attackは最速で、Decayは秒数的には0.05 Sutainは60%程度、この辺りは好みにもよりますが、0.05秒かけて最大音量の60%まで音量が下がります。こうすることでPluckの音量変化をイメージしています。

これで次の譜割りで打ち込んでみます。

ふわりの長さで音量変化もコントロールできているのがわかると思います。

次に、FILTERを設定します。オシレーター1をFILTER2に通し、FILTER2のCutoffをLFOに同期させます。こうすることでワウのような効果を作ります。 ただ実際はワウとして使うのではなく連続する音色変化がつけた方が有機的になり音に面白みをつけたかったためです。

Cutoffのパラメータを右クリックして、Add modulationからLFO LFO1SINを選び、modulationでDepthで深さを決めます。LFOの周期は任意で決めて良いと思いますが、1/8より遅い方があまりわざとらしくない感じになってよいかもしれません。すると次のような音になります。

次にオシレーター1のユニゾンを8にして厚みをもたせます。そして、リバーブとディレイを任意の設定でかけます、エフェクトやディレイの設定によっては譜割りや音程を多少変更しています。

完成したのがこちらになります。

さいごに

Pluck音をどのジャンルで使うかによってエフェクトのかけ方も変わってきます。今回はEDM系的なアプローチなので、そのようなエフェクトにしました。この音がいいか悪いかは聞いた人の感性によるところですが、Pluck音の定義を明確にしながら自分なりのアレンジも入れて音作りました。

音作りで大切なのは「意図」と「目的」ですなぜその音になったのか?を明確にしていくとより楽曲にマッチして音色を作れるようになると思います。