Roland CloudのTR-707 レビュー バキバキの筋肉質なビンテージリズムマシンサウンド

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シンセウェイブを聴くと、80年代のサウンドって独特の雰囲気があるなって思う。あのリズムマシンの質感を再現したい!

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それならRoland CloudのTR-707。オリジナルのPCMサウンドと遜色ないレベルで再現しているよ

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単に懐かしいだけじゃなくて、現代の制作でもあの質感を取り入れることで曲の雰囲気が一気に変わりそうだね。

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そうそう。シンセウェイブや80年代テイストのトラックに組み込むと、一気に世界観が完成する感じがするんだ。

メリットデメリット
ACB技術によるTR-707の音質をほぼ再現
強力なステップシーケンサー機能
良くも悪くもTR−707以外の音はでない
ヴィンテージ特有のジッターやタイミングゆらぎ?
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール

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Roland Cloud TR-707とは

Roland Cloudのプラグイン「TR-707 Software Rhythm Composer」は、オリジナルTR-707のPCMサンプルをもとに、Roland独自のACB技術(Analog Circuit Behavior)により回路特性や微妙な音のニュアンスまで再現しつつ、現代的なサウンドメイキングが可能な強力なソフトウェアです。

オリジナルの15音色・64パターンはもちろん、43種類の新キット・パターンを追加し、攻撃音(Attack)、スネアのスナッピー、PCMクロックやオーバードライブなども高度に調整可能。ステップシーケンサーにはフラム、サブステップ、各楽器別のシャッフル、ミュート/ソロ機能も備え、DAWへのMIDI/オーディオのドラッグ&ドロップ、多アウト、Resizable UI、VST3/AAX/AU対応など、現代制作に最適化されています。

Roland Cloud TR-707 レビュー

Roland Cloud TR-707
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • ACB技術によるTR-707の音質をほぼ再現
  • 強力なステップシーケンサー機能
デメリット
  • 良くも悪くもTR−707以外の音はでない
  • ヴィンテージ特有のジッターやタイミングゆらぎ?

絶対的な細マッチョサウンド!

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GUIの切り替えが可能

最初に申し上げるとRoland Cloud TR-707は今どきのリアルな音は間違っても出ません!サンプリングタイムが短くビットレートも高くない「カッチカチのアタックのキックにパスッ!というようなスネア」には何も感じない人は恐らくRoland Cloud TR-707には興味を示すことはないと思います。

しかし、80年代のような所謂シンセウェイブ系のドラムサウンドを探しているならば、Roland Cloud TR-707はベストチョイスです。

とにかく、音が硬い!カッチコチンです!優しさのかけらもない細マッチョなサウンドです。

しかし、細マッチョとは言っても下半身はバッキバキです!そんなサウンドです。

もう、リアルな余韻とかそんなのありません。斬鉄剣で切り刻まれたようなサンプルはむしろ清々しさすら覚えます。

でも、これがいいんです!これが80年代のサウンドです。

さて、TR-707はNative InstrumentsのBattery 4にもれなりのサンプルが収録されていますし、UVIのBeat Anthology2の中にもあります。

ではそれらと比較するとどんな感じなのか?比較してみます。参考までにすべてのパターンのベロシティは同じです。

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正直なところそこまで差を感じない人もいると思います。たぶん初見でどのパターンがどの音源なのか当てられる人はかなり少ないのではないかと思います。

コストパフォーマンスでいえば、TR-707だけではなく他のサンプルも収録されているBattery 4やBeat Anthology2の方が高いです。

Roland Cloud TR-707は良くも悪くもTR-707のサウンド以外出ませんし、サンプルを読み込む機能もありません。

しかし。Roland Cloud TR-707が面白いの再現の高いGUIによる操作感とボリュームを上げたときのアナログライクな飽和感です。

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Roland Cloud TR-707はボリューム以外にも実機にはないパラメーターがたくさん!

この質感の追い込みこそがACB技術(Analog Circuit Behavior)でありRoland Cloud TR-707のポテンシャルの1つといえます。

上記のデモサウンドではマスターボリュームだけを上げた状態ですが、個別のゲインを上げてもさらに音色が変化します。さらにはディケイを調整したりキックとスネアにはアタックが追加されていますし、ビットクラッシャー的なFXもすべてのサンプルに搭載されています

パターンの構築が面白い

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Roland Cloud TRシリーズすべてに搭載されている機能ですが、リズムパターンの構築もお手の物です。

ユニークなのはフラム等の打ち込みが可能なこと、個人的にはそのような機能がクラシックなデジタルドラム音源に必要なのかは疑問がありますが、リアルになれないけれど頑張った感があり、それはそれで面白いパターンになります。

ヴィンテージ特有のジッターやタイミングゆらぎの考察

Roland Cloud TRは実機を再現するにあたりヴィンテージ特有のジッターやタイミングゆらぎもエミュレートしています。ヴィンテージ特有のジッターやタイミングゆらぎというのは具体的に説明されているわけではありませんが、おそらくパターンの揺らぎみたいなものであると考えます。

しかし、パターンをDAWにドラッグアンドドロップしたものを数値確認しても揺らぎ的な要素はありません。

もっと細かい部分での揺らぎの部分なのかもしれません。これは確認次第追記します。

姉妹機でもあるRoland Cloud TR-727と一緒に使うとあの曲のサウンドを再現できる

姉妹機であるRoland Cloud TR-727はパーカッションに特化した音源です。Roland Cloud TR-727に関しては以下の記事が参考になります。パターンも記事の中で確認できます

さてあの曲というのはTMネットワークの名曲Get wildのアレンジ版というか位置づけのGet wild 89。これのパーカッションサウンドがRoland Cloud TR-727で再現できます。

そしてその中で使われているキックの音が実機のTR-707でありRoland Cloud TR-707で再現可能になります。ちなみにGet wildでなくても80年代のユーロビートパターン(あくまで80年代です)を再現したいという場合もTR-707とTR-727はベストな組み合わせなので、そちらも楽しめると思います。

まとめ

メーカーRoland
システムWindows: Windows 10 (64 ビット) または Windows 11。 
macOS: macOS 11 (Big Sur) 以降。 
認証方式シリアル認証
マニュアルソフト内で呼び出し可能(日本語)
価格$163.90
CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

最初にも申し上げましたが「カッチカチのアタックのキックにパスッ!というようなスネア」には何も感じない人は恐らくRoland Cloud TR-707には興味を示すことはないと思います。

しかし、実機のサウンド知っている人にはRoland Cloud TR-707のサウンドが一番耳障りがよいように感じるのではないでしょうか?やはり出音のアナログ感は実機のアウトプットのような音質を感じます。

このあたりの再現にこだわったのがRolandのプライドと遊びココロなのかもしれません。

使えるジャンルはそれほど多くはありませんが、説得力のあるクラシックでビンテージなリズムマシンサウンドは楽曲のリズム隊をしっかりと存在感のある(いや、ありすぎる)レベルまで引き上げてくれるでしょう。

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