Synclavier Vは、かつて1億円を超える価格で話題となったシンクラヴィアのサウンドと機能を、手の届く価格で提供する革新的なソフトウェアシンセサイザーです。
この記事では、Synclavier VがいかにしてFM音源やサンプラー、シーケンサーなどの複雑なシステムをデジタル化し、音楽制作の現場で再び輝きを放つようになったのかを詳細に解説します。
小室哲哉をはじめとする多くのアーティストに影響を与えたそのサウンドと、現代の音楽制作環境におけるその役割と可能性について、深く掘り下げています。
シンクラヴィアとは?
シンクラヴィアのシステムはFM音源のシンセサイザー、サンプラー、シーケンサー、ミキサー、視覚的作業が可能なコンピュータ端末、鍵盤で構成される。これらはシームレスに連係し、音色データや演奏データはハードディスクに記録することができる。サンプラーのサンプリング周波数は最高100kHz、連続録音時間は最長75分。シーケンサーの分解能は1/1000拍
wikipediaより
簡単に説明するとFM音源とサンプラーが合体したものです。これが噂の一億円シンセサイザーですwサンプリングレートが100kHz…にメモリが今となっては「へーそうなんだすごいね!」というレベルでしかありません。
シンクラヴィアの時代のサンプラーは44.1kHzに満たないものが多かったり、搭載メモリも最大で何十Mという単位です。その時代に100kHzのサンプリングレートにHDDからのストリーミングなわけですから、時代を先取りしまくったシンセサイザーでした。ちなみに私が初めてかったパソコンのメモリは32MBで40,000円でした
Arturia synclavier Vについて
さてその万能一億円シンセことシンクラヴィアのエミュレートシンセsynclavier Vがarturiaから発売されています。お値段およそ15000円くらい。しかし単品で購入するよりバンドルVcollection5で買った方がお得なのでよほどのことが無い限り単品で購入する必要はないでしょう。
シンクラヴィアの音色は地味です。しかし、FM音源特有の倍音加算敵な音のトガリが気持ちよく音抜けも独特です。しかし、システムがちょっと複雑なので音作りの面ではそれなりの知識が必要になります。
サンプラー装備
Ver2になってサンプリング機能が搭載されました。シンクラヴィアのFM音源での音作りを再現していましたが、V2によってサンプラー機能が実装され波形を取り込むことができるようになりました。これでより本物のシンクラヴィアに近づいたとも言えます。
ただ残念な事?にステレオファイルの読み込みは不可モノラルファイルだけの読み込みとなります。ただ読み込みサンプルレートもビット数も上限はないみたいで192kHzの32bit Floatファイルを読み込むことができますwファンキーな謎仕様ですw
ためしに興味本位でLOGIC上に書き出したファイルをSynclavier V2に読み込ませてみました。このときのサンプルフォーマットは24Bitの48khです。
聞くとわかるのですが、Synclavier V2なぜか音質が変化していくw仕様なのかバグなのかwでも、何かしらの変化が起きているのは間違いないのかもしれませんw
どんな音色?(音の傾向)
1億という言葉でやたら期待値が上がりまくってしまうSynclavierですが、音の傾向としては基本FM音源的なものです。もちろんアナログシンセのようなリード、パッド、プラック系、ブラス系も出せないことはないですが、そういう類の音を求めるのであるならばSynclavier V2である必要はありません。
Synclavier V2の音の特徴はFM的な音作りとウェーブテーブル的な音作りのような音色を得意とします。音はアナログシンセのような暖かさではなく一昔前のいかにもデジタル音源という印象強いと思います。抜けが良くデジタル感満載の音がほしいときにこそSynclavier Vは効果を発揮するように思います。
シンクラヴィア搭載波形
1つのパーシャル(冷蔵庫なのか?)に
- Sin
- saw
- square
- triangle
4つの波形が選べるオシレータが2つあり。それぞれに24の倍音を調節できるみたいです。とりあえず無加工の音に戻さないとシンセサイズは始まらないというギターオヤジさんに激しく同意しながらプリセットを見たらテンプレートの中にsimple sineがあるのでこれでOKとりあえず触るも正直本当に難しいwそれ以上に困ったのは12個のオシレーターにすべてSAW波があるということはSuperSaw作れそうと思ってしまう。
安直なシンセ脳を何とかしてやりたいwシンクラヴィアはそういうマシンじゃないwちなみにシンクラヴィアの音ってこんな感じです。
すごい。古いwしかしこの音がたまらない人にはたまらないw
他社のシンクラヴィアソフト音源
UVIのThe BeastこちらはFM音源をサンプリングしたものとシンクラヴィアのADDAの音質を楽しめる外部音源をサンプリングしたものになります。こちらの方がよりわかりやすいシンクラヴィア音源を堪能できると思いますが、ゼロから作り上げたい方はarturiaのsynclavier Vをおすすめします。
シンクラヴィアを使った音楽CD
スーパージャズギタリストのパットメセニーライブ音源シンクラヴィアの名手として有名なJon AppletonCiriaco Taraxesポールハードキャッスルこれらはitunes-musicで聽くこともできるので気になった人はチェックです。どれもこれもとにかく音がクールです。音の温かみというよりはデジタル特有のキレのよさを押し出しているように思います。
ちなみに私がTKサウンド以外ではじめてシンクラヴィアサウンドに出会ったのはポールハードキャッスルでした。今でもポールハードキャッスルのクールな音質は大好きです!
IO版のsynclavierが発売
IOS版の新クラヴィアは発表されました。名前はsynnclavier Go! 名前からしてピカチューと言い出しそうな雰囲気もありますが、IOS版はPoket!として無料+課金でipad版は3600円で販売しています。巷では99.9976%OFFなんて言われていますね。
Arturiaのものと比べると簡単なものになっていますが、音色的にはかなり頑張っているように思います。最近はIphoneだけで作曲する人も増えてきているのでちょっと変わったシンセを持っておきたい!という人はアリなアプリだと思います。
まとめ
一億円のシンセサイザーをエミュレートしたSynclavierについて書いてみました。今となってはシンクラヴィアの音にインパクトは感じません。テクノロジーの進化で一億円のサウンドを私達はスルーできてしまうほどになってしまったんですねね。考えたらすごい話です。人と違ったサウンド極めたいという方はぜひ挑戦してみてください。シンクラヴィアで音を作ってる!ってTwitterのプロフィールで書いたりしたら注目されると思いますw