左右に広がりながら厚みもあって暖かみのあるクリーンギターを作りたい!その方法はコーラスVSTプラグインを使うとできます。しかし、コーラスエフェクトといってもDAWに付属しているものから有償のものまで幅広いです。
そして今回紹介するTriceraChorusは有償のものでは確実にコーラスエフェクトの中で最高品質のクラスと言われています。
「でもコーラスエフェクトにお金かけるのなんだかな?」と思う人もいるかもしれませんが、一度その音を聞けばお金を出す価値ありと思えるほど、別次元のコーラスサウンドです。
特定のトラックに厚みと広がりをもたせたい!という人は使ってみる価値が大いにありますよ!
TriceraChorusとは
メーカー | Eventide |
製品名 | TriceraChorus |
特徴 | ボイス、バケット・ブリゲード・スタイルのステレオ・トライコーラス。 みずみずしく渦巻くコーラスを生成します。 DEPTH は、LFO からの 3 つのボイスに適用されるモジュレーションの量をコントロール ステレオ周波数シフトを追加します。 信号の高域と低域を形成する TONE。 濁った低周波数または高周波数のロールを削除して、より暗いサウンドにします。 RIBBON では2 つの異なる設定間でエフェクトをスイープできます。 |
システム | PC Windows 8+ (32/64-bit) Formats AAX 32/64-bit VST2 32/64-bit VST3 32/64-bit Mac macOS 10.9+ (64-bit only) Formats AAX 64-bit AU 64-bit VST2 64-bit VST3 64-bit |
バージョン | v1.0.1.4(2023-04-18) |
認証方式 | シリアル認証方式 |
認証数 | 2つ |
容量 | AUプラグイン18.4MB |
マニュアル | 英語版のみ |
価格 | 99$(メーカー価格)貨幣表記は半額 |
備考 | 公式サイトにトライアル版あり(30日間限定) |
TriceraChorusは、ギターエフェクターで圧倒的支持されたEventideよりリリースされたコーラスエフェクトプラグインです。モデル元となったのはエレクリックピアノで有名なRhodesピアノを改造していた工房Dyno-My-Pianoが作ったコーラスです。
Rhodesの音色をよりRhodesらしく聴かせたとも言われるコーラスで透明感と広がりが特徴です。EventideのマルチストンプBOXH9のアルゴリズムとして多くのギタリストに注目されていましたが、DAWで使えるプラグインとして満を持してDAWで使えるTriceraChorusがリリースされました
TriceraChorus レビュー
音質 | 4 |
機能性(オリジナル性) | 4.5 |
操作性(使いやすさ) | 4 |
安定性(CPU負荷) | 4.5 |
価格(セールバリュー) | 3 |
総合評価 | 4 |
音質
たかがコーラスなのかされどコーラスなのか、それを体感していただくためには聴き比べが一番です。この動画では「Logic Pro X付属のChorus」「bx_blueChorus」「Logic Pro X付属のEnsemble」そして「TriceraChorus」という順番で
聴き比べしていきます。
パッと聴いた感じLogic Pro X付属のプラグインは検討しているようにも思いますが、TriceraChorusを聴いたときに音の芯がはっきりと感じられるのがわかると思います。わかり易い表現をすれば「音が太い」と感じられるでしょう。コーラスの多くは位相をずらすことで芯が弱くなる印象が多いですが、TriceraChorusは芯を残したまま音の輪郭が消えないコーラスサウンドを聴かせてくれるのが強みと言えます。
ちなみにギターエフェクトプラグインで有名なBIAS FX2の中にもいくつかコーラスエフェクトありますが、TriceraChorusクラスはありません。
さすがEventideクオリティです。
機能性
左、中央、右の3つの三相LFOコーラス
あまり深く考えずに触ってみるのが一番わかり易いですが、基本的にはDEPTH L C Rでコーラスの深さを調整します。左に回しきるとオフになりますが、オフにしたものはミックスから削除され、他のボイスのレベルはウェットドライブレンドを維持するために自動的に調整されます。
操作性
実にユニークな機能と言えます。リボンを使用すると、複数のノブをリボン一つで動かすことが可能です。
軽く触った感じの動画です。
アコースティックギターに使ってもとてもナチュラルなコーラスになってくれます。
また、一昔前にディストーションギターにコーラスを付けるのが流行りましたが、その再現性も当然の如くいい感じになってくれます
安定性
負荷はとても小さく他のプラグイン等へのCPU負荷を気にすることはないレベルです。
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Corei7(i7-8700B)6コア
HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS12.6.1 Monterey
Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble
バッファー 256
DAW LogicPro10.7.7
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
価格
99ドル(メーカー価格)
単品のコーラスとしては割高な印象です。ただ、セール時には40ドル近くまで下がることもあるのでセールを狙って購入するのがオススメです。
TriceraChorusのメリット・デメリット
とにかく芯があって広がりが美しい究極のコーラスサウンド!
これぞ「Theコーラス!」と言わんばかりの最高のコーラスサウンドです。DAW付属のコーラスプラグインが逆立ちしてもさすがにTriceraChorusには勝てません。圧倒的な音質です。ギターにかければどこまでも広がる荒野が見えますし、シンセにかけても暖かみがあり広がったサウンドが優しく包み込んでくれるような安心感があります。
最初にもお伝えしていますが、「音の芯」を感じられるというのは本当に強みです。
当然RhodesやWurlitzerにかけても「本物以上に本物を感じるエレピサウンド」になります。プロのコーラスの音ってこういう音だよな!と思わせてくれます。
弾けないギターが弾きたくなる!
個人的にはやっぱりギターにかけるの一番気持ち良いです。アルペジオをしたときの気持ちよさはTriceraChorusでしか味わえません。
癖がないゆえに癖になる!
デメリットとしては、あまりにも気持ちよすぎて全パートに使いたくなります。しかしそんなことをしたらTriceraChorusの良さはなくなってしまいますが、DTMを初めたばかりの人はその葛藤に耐えるのに苦労するかもしれません。
一世風靡した音ゆえに少し古い印象もうける
R40からすれば必ず一度はどこかで聴いた音です。それほど「プロが使いまくったコーラスサウンド」なので、多少「あーちょっと時代を感じるなー」という印象があります。
しかし、それでも「やっぱり使いたい!」「そうそう求めていたのはこういうコーラスだよ!」と声を張り上げたくなるほどのクオリティです。
まとめ
TriceraChorusは
- 3声、BBDタイプのステレオトライコーラス。
- RIBBONを使用すると、2つの異なる設定間で効果をスイープできる
シンプルではありますが、とにかく圧倒的な音質で中毒性が高いコーラスプラグインです。
どれにでも使いたくなりますが、やはりギターとの相性は抜群です。ナチュラルなコーラスによる音の広がりを是非楽しんでみてください。
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