〇〇曲を耳コピしたいけれど耳コピには自信がない
多くのDTMerが抱える悩みです。何を隠そう私も耳コピは苦手です。耳コピは鍛えれば上達する能力ですが、できればソフトでかんたんにできる方法はないか?
そんな悩みを解決してくれるのがzplane deCodaです。
このソフトを使うことで気軽に耳コピをアシストして音楽のハードルをDTM初心者や音楽をする人の裾のが広げられるのではと思っています。そこから、将来プロのミュージシャンが生まれることは否定できません。そのきっかけになるかもしれないソフトなのがdeCodaです。
deCodとは
deCodaは耳コピが苦手な人でもかんたんにコード、テンポ、メロディを解析して視覚化してくれる超便利なソフトです。
deCodaで楽曲解析をすれば、有名な曲のコードを解析して作曲に役立てることや、メロディの動きなどを勉強して自分の楽曲クオリティアップにつなげることが可能です。
deCoda機能について
- 高度なコードおよびテンポ検出アルゴリズム
- 柔軟なループオプション
- 曲構造の自動検出-パートA、BC、A2、B2など
- 選択したキーに即座に移調
- ピッチを維持しつつテンポの変更が可能
- トラックの一部を分離するためのフォーカスEQ
- ピアノロールに表示されるメロディ情報
- MIDIエクスポートが可能
コード検知機能はStudioOneにも搭載されています。選択したキーに即座に変更できる点やピッチを維持したままのテンポ変更など基本的には似たタイプの楽曲アナライズソフトと言えます。ただ、deCodaはプラグインではなくスタンドアローンになります。
個人的にはプラグイン内で立ち上がってくれる方がDAW上で使えて便利な気もするのですが、この辺りは人によって違う感覚があると思います。便利なのはMIDIエクスポートが可能という点メロディやベースなどを解析後、それらをMIDIファイルでエクスポートできるのでそれを読み込ませてDAW上でより正確なデータにブラッシュアップできます。
deCodaメリット
70点の解析能力で曲の構成理解に役立つ!
このソフトによる解析が100%だとは思えませんが、70点くらいのクオリティで解析してくれるように思います。
このタイプの解析ソフトを使って100%の解析を求めることに意味はありません。
コード解析などの制度もある程度という参考レベルにおいておくのがいいでしょう。それより私はベースとメロディの関係を理解することに使うのが効果的だと思います。ところでなぜコードやメロディにベースに曲の構造を解析してどうなるのでしょうか?解析するには明確な理由が必要です。でないと、解析から得られるものはありません。
解析とは事柄を細かく分けて、組織的・論理的に調べること。です。そしてそこには解析から得られるであろう結果に仮説をもっておく必要があります。もちろん初めから仮説をもって解析するのは難しいです。なのでそういうときは、「自分にとって良いメロディとは何か?」を考えます。そこで、ベースとメロディの音の関係を調べます。
例えば、ベースがCでメロディがミの場合はコードのメジャーマイナー感を決める重要な3度の関係の音(ベースからだともっと広いわけですが)によって成り立つことが分かれば、「自分が好きな曲はそういう音が多い」ことがわかれば、それらの音を使えば、自分が求める音楽性に近づけられます。
またベースに関してC-G/B-Am-G-F-とベースが順次進行で下がっていくのかベースがC-G-Am-Dmと5度進行で上がるのかによって、「どちらがダイナミックに感じるか」を理解することで「メロディが動かないのはベースが派手に動いてたからなのか」ということもわかってきます。
このようにベースとメロディの関係だけ作曲に重要な要素がいくつもあります。deCodaを使うことで作曲のための理解の階段を登るきっかけを与えてくれます。デメリットは「これが絶対に正しい」と思い込んでしまうことかもしれません。バンドスコアにもミスがあるように完璧な解析をしてくれるわけではないのであくまで「アシスト機能」「補佐役」というイメージで使うことをオススメします。
deCodaを使うと耳コピ能力が落ちる?
耳コピを続ければ筋トレと同じなので確実に耳コピ筋は鍛えられます。それをソフト頼っている以上耳コピ筋を鍛えられません。ですが、大事なのはその瞬間だけを見て「楽をしている」という判断するのは意味がありません。そういう人も「ソフトでは、やはり限界があるな」と思って耳コピ筋を鍛えるようになるかもしれません。バンドスコアを買ったけど実は結構間違いが多く「だったら自分で耳コピをするわ」というプロの作曲家もいました。
つまりツールはなにかのきっかけであって、そこからどういう選択肢が自分に与えられたかを感じることがクリエイティブな使い方になります。AIミックスプラグインのときにもありましたが、テクノロジーの便利さを否定するというミュージシャンもいます。しかしそういう人もDAWを使ってピアノロールで作曲しています。大御所の人から言わせれば、「コンピューターなんか使うな、ペンとピアノを使え」になります。どのようなことでも否定的に見れば何でも「自分の主観が正しい」になります。
そうではなく、新しいテクノロジーをしっかり使って時代にあった音楽を作る。それができるのが近年のDTMなわけですから、遠慮なくどんどん使うべきです。
新しいテクノロジーのもとで鍛えるセンス
ミックスも耳コピもコンピューターに任せられるとこは任せてしまえばいいのです。deCodaを使って自分の好きな曲を100曲くらい解析してDAWに打ち込み続ければそれだけでもメロディセンスは鍛えられます。苦手な人が3年かかってやっていたことを数日できてしまうわけですから時間というリソースを効果的に使えます。そこで得られるセンスによって、その人が作曲に進むのか、編曲メインの人になるのかミックスエンジニアになるのかわかりませんが、自分に特化した分野を見つけられます。
ひょっとしたら、音楽とは関係ないところにいきつくかもしれませんが、「選択する」という時間を手に入れられるわけですからより人生が豊かになるのは間違い有りません。これが新しいテクノロジーによって鍛えられるセンスです。「便利=楽をする」というのは本当に意味のない決めつけです。
deCoda使い方等の動画紹介
まとめ
deCodaは便利な耳コピアシストツールだけではなく時短ツールとして自分が時間とお金を投資する部分をも解析しくてるものです。ちょっと言い過ぎな表現かもしれませんが、時短ツールの本質はそこにあると思っています。便利を否定しては駄目です。便利を否定した瞬間から時代に取り残されます。価値観も技術も時代に合わせてアップデートして
よりよいDTMライフを送るきっかけとなるdeCodaを使ってみるのはアリですよ。
さて、こういうソフトを使うとき「いやいや、耳コピは自分の耳でしなければいけないでしょ?」「こんなソフトつかっちゃ駄目でしょ?」とこんな意見が出てきます。
私の個人的な意見としては「使いまくっていい」です。なぜならば作曲において、耳コピ能力は必要不可欠ではありません。耳コピ能力は編曲の分野の方が大いに役立ちます。なので良いメロディを書きたいと思ったら自分の好きな曲の楽譜データがあれば、そこから勉強すれば作曲能力は身につきます。
「いやいや、こんなん使ったらプロとしてやっていけないよ」というスタンスで語る人もいますがその人が必要ないのものを他の全員が必要ないと考えるのはクリエイターらしからぬ決めつけです。音楽の楽しみ方を「根性論でクリアしてきたスタンス」で語るのも同様です。
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