DTM パワーディストリビューター の効果と必要性について

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最近、DTM機器をつなぐパワーディストリビューターって本当に必要なのかな?高そうだし、普通の電源タップじゃダメなの?

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普通の電源タップと違って、パワーディストリビューターは音楽制作環境に特化してるんだよ。特にノイズ対策や機材保護でその効果が大きいんだ。

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ノイズ対策ってそんなに重要?正直、今のところあんまり気にしてないんだけど……。

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ノイズって気づきにくいけど、音質を悪くする大きな要因。例えば、電源由来のハムノイズがミックスに影響してくるよ。パワーディストリビューターならそれをかなり抑えられる。

私はTASCAM AV-P250とTEAC AV-P25というパワーディストリビューターを所持していますが、電源管理(ON/OFFの一括化)が楽になって助かっています。、特にTASCAMのAV-P250では音質の改善効果も得られるので、ミックス時に音の処理もはかどります。

プロフェッショナルな現場で使用されるのはもちろんですが、自宅環境でも電源トラブルを防ぐために非常に有用です。

初心者であっても、最初から導入しておけば、電源ノイズや突然の電圧変動による機材トラブルを未然に防ぐことができ、余計な悩みや時間のロスを減らせます。これから、パワーディストリビューターの具体的な効果や選び方、どんな人に適しているかについて詳しく解説していきます。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
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パワーディストリビューターとは?

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ディストリビューターは「distribute」に「er」をつけて名詞にした言葉で、「分配する」「配給する」「割り当てる」という意味になり、電気機器においてはそれぞれの機材に電力を分配するのでパワーディストリビューターと呼ばれています。

パワーディストリビューターと電源タップの役割の違い

パワーディストリビューターは、複数の機材に電力を供給する電源管理装置です。複数の機材に電力を供給するという点において電気屋さんやホームセンターで売られている電源タップと同じ仕事をしますが、パワーディストリビューターと電源タップには次の違いがあります。

項目パワーディストリビューター電源タップ
用途音響機器やDTM機材の電源管理に特家庭用電化製品の電源を増やすための基本ツール
ノイズフィルター有り(電源ラインのノイズを低減し音質を向上)基本無し(搭載タイプもある)
電圧安定化機能有り(電圧変動を抑え、安定した電力供給)無し
サージプロテクション有り(雷サージや突発的な高電圧から機材を保護)一部高性能モデルで搭載、基本は無し
音響品質への影響クリーンな電源供給により、音質向上やノイズ低減に寄与電源由来のノイズや音質劣化が発生する可能性
耐久性高耐久でプロ向けの設計一般的に家庭用のため耐久性は平均的
価格高価(数万円程度が一般的)安価(数千円以下から購入可能)
スイッチ機能個別または一括で電源をオン/オフできるモデルが多い一部モデルのみ搭載
設置環境ラック型が多い据え置き型が多い
備考3口コンセントタイプが多い2口コンセントタイプが多い

雷サージなどの突発的な高電圧から機材を保護する、スイッチひとつで複数の機材を一括管理できる。このような機能を搭載した電源タップも存在はしますが、電圧を安定化させる、電源ラインに含まれるノイズを除去する。この2つの機能はディストリビューターの最大の特徴といえます。

使用用途としてはDTMで、オーディオインターフェースやモニタースピーカー、ハードウェアエフェクターなど、多数の機材に安定した電力を供給し、機材の寿命や音質を守るのがパワーディストリビューターの役割といえます。

電源タップはOAタップやテーブルタップという呼び名がありますが、基本的な機能は同じものが多いです。あくまで据え置き型で手軽に使用できるというのが電源タップのあり方と考えられます。

電源タップ(パワーディストリビューター)として有名なFURMANのSS-6Bはメーカー公式サイトではテーブルタップという位置づけで紹介されています。

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画像引用 公式サイトSS−6B紹介ページ

製品概要

6口のテーブル・タップです。ステージ、スタジオ、ツアー、ホームユースなど幅広い環境の電源をクリーンにします。金属製の筐体は、激しい現場での酷使に耐える頑丈さがあります。サージ・フィルターとEMI/RFIフィルターで電源環境を改善します。

引用元:公式サイトより

しかし、機能面で言えばパワーディストリビューター同じ機能であります。SS-6Bはパワーディストリビューターをライブ等で使いやすく設計されたテーブルタップタイプのパワーディストリビューターといえます。

ECサイト等では紹介方法がパワーディストリビューターとテーブルタップが混在しているため、迷うユーザーも出てしまいますが、FURMANのSS-6Bは小型で使いやすく、コストパフォーマンスも優れたテーブルタップタイプのパワーディストリビューターという認識で間違いありません。

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パワーディストリビューターの効果

パワーディストリビューター(電源分配器)は、オーディオやビデオ機器、PCなどの電子機器にクリーンで安定した電源を供給するために使用されます。その効果を具体的に解説します。

電源品質の向上(ノイズの除去)

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電源は想像以上に汚れている状態です。電源の汚れ方は環境によってことなりますが、一般家庭では次のような原因があります。

無線機器: Wi-Fi、携帯電話からの高周波ノイズ。

家電製品: 冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどのモーター。

照明: LEDや蛍光灯によるノイズ。

電源アダプター: スイッチング電源のハーモニクス。

サージ: 雷や電力供給の変動。

配線: 長すぎるケーブルや不適切な配置。

グラウンドループ: 複数の接地ポイント。

これらのノイズは、特に高感度なオーディオ機器、ビデオ機器、計測器などに影響を与え、パフォーマンスを低下させる可能性があります。

これらの原因をパワーディストリビューターのノイズフィルターによって除去しできる限りキレイにしてくれます。

これにより、電子機器が受ける外部からの干渉を低減し、音質や映像のクオリティ向上に寄与します。機器がその性能を最大限に発揮する助けとなります。

特にオーディオ機器ではノイズフロアを低減し、より純粋なサウンドを実現します。

配線と接続の簡素化に作業効率化

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複数機材の管理が簡単に
DTM環境では、多数の機材(PC、モニタースピーカー、MIDIキーボード、外部エフェクターなど)を使用します。これらを個別にオン/オフするのは手間がかかり、作業効率を下げる原因になります。

これらの複数の機器を1つのディストリビューターで電源オン/オフを管理できると、作業開始時や終了時に電源管理の手間を大幅に削減できます。また電源ケーブルの整理が容易になり、見た目の美観も保つことができます。また、電源接続の単純化により、誤接続のリスクを減らします。

電源をスムーズに管理することで、「電源オン時にスピーカーから突然大きな音が出る」「特定機材をオフにし忘れてノイズが入る」といったトラブルも防ぎます。

次の3つの機能は高級なパワーディストリビューターに搭載されている機能ですが、音質、さらに作業効率を高める大きな要素といえます。

電源の安定化

一部の高級なディストリビューターには、電圧の変動を抑える機能があり、電源の安定性を保持します。これは機器の動作安定性を高め、長時間の使用でもパフォーマンスが変わらないようにします。

シーケンシャルパワーアップ/ダウン

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シーケンス機能: 電源のオン・オフを機器ごとに順番に行うことで、インラッシュ電流を制御します。これにより、起動時の電源ラインへの負荷を分散し、機器の寿命を延ばすことに寄与します。

DTM 機材を守る正しい電源ON/OFFの順番の記事も詳しく紹介していますが、正しい電源の順番を守ることで機材を故障から守ります。この順番をパワーディストリビューターで行ってくれる機能がシーケンシャルパワーアップダウン機能になります。

しかし、超個人的な使い方でありこれを推奨するつもりはありませんが、電源の順番を私はあまり気にせずパソコンをシャットダウンしたあとはオーディオインターフェイスとスピーカーがつながっているパワーディストリビューターの電源スイッチで一括OFFにしてしまっています。

ホントはたぶんよくないと思いますが、数十年その使い方をしてきましたが、オーディオインターフェイス、とくに電源の順番によるダメージの被害が一番出やすいスピーカーは15年以上使っていますが、壊れたことはありません。

機器間の干渉防止

一部の高級モデルでは、各アウトレットを電気的に分離(アイソレーション)し、機器間での電源ノイズの干渉を防ぎます。これは特に高感度なオーディオ機器や映像機器にとって重要です。

パワーディストリビューターは、特に高感度なオーディオビジュアルシステムやコンピュータシステムにおいて、電源の品質を向上させ、機器の性能を最適化するために重要な役割を果たします。

適切なディストリビューターを使用することで、ノイズの低減、電源の安定化、機器の保護と長寿命化、そして全体的な視聴体験の向上に寄与します。

パワーディストリビューターが必要、不要な人とは?

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まず、大前提として、電源がとれたら問題はないわけなので、機材が少ない初心者の場合パワーディストリビューターはそこまで必要ではありません。

ただ、今後機材を増やしたい!という目的が明確であるならばパワーディストリビューターを持っておいても良いです。

以下に「パワーディストリビューターが必要な人・不要な人」の条件を表でまとめました。

カテゴリ必要なケース不要なケース
プロフェッショナルDTMerやレコーディングスタジオ高価な機材を多数使用し、電源管理やトラブル回避が重要少数の機材しか使用せず、電源トラブルがほとんどない場合
高価な機材を使用している人電源トラブルで機材の損傷リスクを回避したい機材が比較的安価で、頻繁な入れ替えが可能な場合
自宅環境でノイズが気になる人電源由来のノイズを減らしたい、安定した音質を保ちたい電源環境が安定していて、ノイズの影響を受けない場合
初心者や限られた予算で始めたい人機材の保護を優先し、少しでもトラブルを防ぎたい初期費用を抑えることを重視し、電源管理にコストをかけたくない場合
ノイズや電源トラブルが少ない環境電源トラブルやノイズが発生しにくい環境で、余計な設備投資を避けたい外部環境が不安定で、ノイズや電源の問題に悩まされている場合
最小限の機材で音楽制作を行う人少数の機材を簡単に管理でき、パワーディストリビューターが不要と判断できる機材が増え、手動での電源管理が煩雑になってきた場合

さらに補足と付け加えると

またラックタイプのパワーディストリビューターとなると設置場所の問題も出てくると思います。一つだけラック型のパワーディストリビューターが机のうえでにると邪魔でしかたないです。

ノイズ軽減による音質改善効果は比較する状態があってはじめて認識できるので、パワーディストリビューターがない状態でしばらく作業をしてミックスや作曲に慣れてからパワーディストリビューターを購入するとその効果はよりわかりやすく感じるかもしれません。

ただ、そもそも電源があまり汚れていない環境である場合(あまりそのようなことはありませんが)パワーディストリビューターを使ったからと言って電源クリーン化による効果もそこまで見込めない可能性があります。

DTM電源に関するFAQ

ここではよくある質問。電源タップとパワーディトリビューター、パワーコンディショナーとの違いとパワーサプライとディストリビューターの主な違いについて解説します。

電源タップとパワーディトリビューター、パワーコンディショナーとの違い

電源タップ、パワーディストリビューター、パワーコンディショナーの呼び名の違いは主に機能の高度さと形状に基づいています。これらの機器は基本的に同じ機能を持っていますが、以下の点で区別されています:

  1. 機能の高度さ:
    • 電源タップ:最も基本的な機能を持つ
    • パワーディストリビューター:ノイズ除去や電力サージ防止などの機能を追加
    • パワーコンディショナー:より高度なノイズ除去や電圧安定化機能を持つ
  2. 形状:
    • 電源タップ:一般的に家庭用のタップ型
    • パワーディストリビューター:タップ型またはラックマウント型
    • パワーコンディショナー:主にラックマウント型
  3. グレード:
    低グレードなパワーコンディショナーをパワーディストリビューターと呼ぶことが多い
  4. 製造者の判断:
    明確な区別がないため、製造者の判断で呼び名が決められることがある

これらの呼び名の違いは、主に機器の機能の高度さと形状の違いを反映していますが、業界内で完全に標準化された定義されていない

パワーサプライとディストリビューターの主な違いについて

パワーサプライとディストリビューターの主な違いは、電力供給の安定性と機能の違いにあります。

パワーサプライは日本語で直流安定化電源といいます。

  1. 電力供給の安定性:
    • パワーサプライ: 各出力端子から決まった容量の電力を安定的に供給できます
    • ディストリビューター: 接続するエフェクターの数や順番によって供給できる電力が変化します
  2. 電力配分方式:
    • パワーサプライ: 各出力端子に指定の最大容量(例:MAX100mAなら100mA)の電力を確保します
    • ディストリビューター: 引き算式に電力を配分するため、先頭で大容量のエフェクターを接続すると、他のエフェクターの電力が不足する可能性があります
  3. 機能:
    • パワーサプライ: より高度なノイズ除去機能や電圧安定化機能を持つことが多いです。
    • ディストリビューター: 基本的な電源分配機能を持ちますが、パワーサプライほど高度な機能はありません。
  4. 形状:
    • パワーサプライ: 独立した機器として設計されることが多く、より大型で堅牢な構造を持ちます。
    • ディストリビューター: デイジーチェーンや分岐ケーブルのような、より小型で軽量な形状のものもあります

エフェクトによっては電力供給量が異なるため、それらに適した電力を提供できるのがパワーサプライの特徴です。

まとめ

パワーディストリビューターは、音楽制作やレコーディング環境において、機材の保護と電源管理を最適化するために重要な役割を果たします。特に、高価な機材を使用している場合や、電源由来のノイズやトラブルに悩まされている場合には必須のアイテムです。

主な効果として、サージプロテクションによる電圧変動からの機材保護や、ノイズフィルターによるクリアな音質の維持が挙げられます。

また、ポート数の多い製品を選べば、複数の機材を効率よく接続可能です。一方、初心者や少ない機材で制作を行う場合は、電源環境を確認し、導入の必要性を検討することが大切です。用途に合ったパワーディストリビューターを導入することで、制作環境の信頼性と快適さを大幅に向上させることができます。

パワーディストリビューターは必要不可欠な製品ではありませんし、初心者にとってはその効果はあまり認識できないかもしれませんが、制作環境をよりよくしようと考える姿勢はすでにプロ志向的な発送であると言えます。

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