ねえ、AV-P25RMKIIIとAV-P250って、何が違うの?どっちを使ったほうがいいとかあるの?
主な違いはコンセントの数とタイプだけど、使い勝手を求めるならばAV-P250の方がいいと思うよ
なんで??AV-P25RMKIIIの方が安いみたいな話も聞いたけれど、
安いだけよりは使い勝手を重視する方がストレスフリーな音楽環境を作れるよ!
AV-P25RMKIIIとAV-P250はネットでもその違いについて調べている人が多い製品です。この記事では私が所持しているAV-P250(初代AV-P25Rも所持)とAV-P25RMKIIIとの使い勝手や機能さについて比較をしながら両者の違いについて解説していきます。
AV-P25RMKIIIとAV-P250は何が違うのか?
AV-P25RMKIIIとAV-P250の違いを表にまとめました。
項目 | AV-P25RMKIII | AV-P250 |
---|---|---|
背面コンセント数 | 12口(2ピン) | 10口(3ピン) |
前面コンセント数 | 3口(3ピン、常時通電) | 3口(3ピン、常時通電) |
ノイズフィルター | 搭載 | 搭載 メーカー: NICHICON(ニチコン) シリーズ: UECQUL 定格電圧: 275V 静電容量: 0.22µF 許容誤差: ±2% インダクタ(コイル) |
サージフィルター | 搭載 | 搭載 |
極性チェッカー | 搭載 | 搭載 |
電源コード長 | 3m | 3m |
電源 | AC100V、50/60Hz | AC100V、50/60Hz |
消費電力 | 0.4W | 0.4W |
トータル電力 | 1490W | 1490W |
質量 | 3.4kg | 3.5kg |
リリース日 | 2013年1月中旬予定 | 2013年1月中旬予定 |
サイズ | 482.6 mm 45 mm 300.5 mm | 482.6 mm 45 mm 294 mm |
ECサイトによる価格比較 | Amazon (¥17,480) 楽天(¥18,600) Yahoo(¥18,600) | Amazon(¥19,000円) 楽天(¥19,800円) Yahoo |
どちらもTASCAMが提供するパワーディストリビューターで、ノイズフィルターやサージフィルターを搭載し、接続機器を安全に保護する設計スタジオやライブ環境の電源管理に適しているという点においてはそこまで機能/性能差はありません。
一番の違いはコンセントの数と形状になります。AV-P25RMKIIIは背面12(コンセントタイプ2ピン)前面、3(コンセントタイプ3ピン)にたいして、AV-P250は前面に3つ、背面に10。すべて3ピン仕様なのが一番の違いです。
この2機種が比較される理由
AV-P25RMKIIIとAV-P250は、同じTASCAMのパワーディストリビューターシリーズで、スタジオやライブ環境で使いやすい設計や用途が似ている上に、価格差が約1,500円と近いこと、さらに背面と前面のコンセント数や配置の違いが選択のポイントとなるため、よく比較されます。詳しくは次章で解説します。
どちらが自分に合う?
まず価格面で比較すると、AV-P25RMKIIIとAV-P250はおよそ¥1,500程度の違いです。この程度の違いならば、私は個人的にAV-P250をおすすめします。
その理由はディストリビューターコンセントの数と形状の違いです。
例えばオーディオインターフェイスなどの場合は、電源はデスクトップサイズであれば、USBによる電源供給タイプかAC電源タイプもありますが、少しグレードの高いラックタイプになると3ピンタイプのケーブルが一般的です。
AV-P25RMKIIIの背面は2ピンタイプなので、3ピンタイプの電源ケーブルを使用するためには変換コネクタを使用する必要があります。
こんなやつですね、ただこれの問題点は大きいということです。つまり、AV-P25RMKIIIの背面はすべて2ピンタイプなので、この変換コネクタを使うとすると、設置できる場所が限られてきます。
画像はAV-P25(初代の前面)ですが、イメージとしては変換コネクタを使用するとこのような状態になります。
では、前面の3ピンタイプに接続すればよいのでは?と思うかもしれませんが、前面は常時通電型といって、ディストリビューターの電源を切っても通電されるタイプなので、一括電源ON/OFFのメリットがありません。
その点でいえば、AV-P250は、背面はすべて3ピンタイプなので、問題はありません。
また電源コネクタが3ピンなので、極性の反転が起こるリスクを回避できます。
極性の問題は合わせないといきなり機材が壊れるというリスクはそこまで高くありませんが、機器のポテンシャルを最大限活かすためにはやはり極性は合わせるべきといえます。
AV-P25RMKIIIとAV-P250には極性チェッカーが搭載されていますが、使い方には少し注意が必要になります。
音質性能の違い:どちらがより高音質?
AV-P25RMKIIIは所持していないので、純粋な比較にはなりませんが、AV-P25RMKIIIはコンセントが2ピン使用なので、アース設置はできません。その部分での音質の違いは現れると思われます。
AV-P25RMKIIIの場合前面が3ピンなので、その部分で比較すると、そこまで違いはない可能性もありますが、よほどのオーディオマニアレベルでないと、そこまで音質の違いは感じないのではと考えれます。
AV-P25RMKIIIとAV-P250の極性チェッカーの正しい使い方
AV-P25RMKIIIとAV-P250にはそれぞれ極性チェッカーが搭載されています。PLLARITY CHECKという鉄の部分にふれるとランプが点灯することで極性があっているかどうかわかるというものです。
しかし、この機能はネットでわりと勘違いされている機能でもあります。
極性チェッカーはAV-P250に接続された機器の極性をチェックするのではなく、AV-P250が壁コンセントに対して極性があっているかどうかの機能です。
AV-P250の電源ケーブルは3ピン仕様であり、一般家庭の壁コンセントは2ピン仕様がほとんどだと思います。
このときに先程の2ピン変換コネクタを使用すると極性を反対に挿してしまえるわけです。この極性をチェックするのがAV-P25RMKIIIとAV-P250であって、ディストリビューターに接続された機器の極性は自分で計測する必要があります。
外観とデザインの違い
外観のデザインはほぼ同じです。特に、前面はほぼ同じ使用なので、一瞬で見分けをつけることは難しいです。
AV-P25RMKIII | AV-P250 | |
サイズ | 482.6 mm 45 mm 300.5 mm | 482.6 mm 45 mm 294 mm |
AV-P250の方が6mmほど小さいのですが、音質やポータビリティに影響を与えるようなことはないと思われます。
ちなみに、AV-P25RMKIIまではサイズは割とコンパクトだったのですが、AV-P25RMKIIIになってAV-P250とほぼ同等になっています。(画像は初代AV-P25)
AV-P25RMKIIIとAV-P250のメリット・デメリット
以下はAV-P250のアマゾンのレビューをまとめたものです。
AV-P250メリット
- 音質改善
- S/N比が向上し、特にノイズが軽減されたという報告が多い。
- 高域のクリアさが増し、全体的に澄んだ音質になったと感じるユーザーが多数。
- レコードプレーヤーやギターアンプなどのノイズ問題が改善された。
- 安全性・信頼性
- 雷サージ対策が施されており、安心して使用可能。
- 電源供給に関する安定性が高く、複数機器を接続しても問題がないとの声が多い。
- 利便性
- 前面・背面の両方から電源を取れる設計が便利。
- 接続機器が多くてもトラブルが少ない。
- コンパクトなサイズ感で、狭い場所でも設置可能。
- コストパフォーマンス
- サウンドハウスなどの他の販売店より安価で購入できたケースあり。
- 性能と価格のバランスが良いと評価されている。
AV-P250デメリット
- 明確な音質変化を感じられないケース
- 一部ユーザーは、音質やノイズの変化をあまり実感できなかったとの意見。
- 特にDTM用途では、大きな効果を感じない場合もある。
- 物理的な使い勝手
- コンパクトな設計ゆえに、DCアダプターが隣接するコンセントを塞ぐことがある。
- 一部のプラグでは上下逆に刺さないと接続できないことがある。
- 安定化電源機能の欠如
- 安定化電源の機能があると思って購入したが、実際にはその機能がないと感じたユーザーもいる。
- 耐久性に関する未知数
- 使用直後のレビューでは高評価だが、長期的な耐久性についてはまだ確認されていないケースが多い。
AV-P25RMK3のメリットとデメリットは以下のようにまとめられます:
AV-P25RMKIIIメリット
- 音質の向上:
- 多くのユーザーが音質の改善を報告
- 高音域のクリア感向上
- 低音の締まりが良くなる
- 音場感の拡大
- ノイズ低減効果:
- スピーカーからのノイズが減少
- PCのファン音も静かになったとの報告あり
- 画質向上:
- テレビやPCディスプレイの発色が良くなったとの報告
- 使いやすさ:
- コンパクトで配線管理がしやすい
- 極性がすぐに分かる
- 安全性:
- サージ保護機能とブレーカー機能搭載
AV-P25RMKIII・デメリット
- サイズ:
- ラックマウント仕様のため、一般家庭での設置に不向き
- マウント部分が取り外せない
- 接続の問題:
- 3極プラグのため、変換プラグが必要で重くなる
- 一部の機器(JCOMチューナーなど)と相性が悪い可能性
- 効果の個人差:
- 音質向上を感じられないユーザーもいる
- 既に高品質な電源環境がある場合、効果が限定的
- 価格:
- 効果に対して高価と感じるユーザーもいる
アマゾンでのレビューをまとめてみましたが、音質改善には両者とも一定の効果を感じ取っている人が多い印象です。
AV-P25RMKIIIでは2ピンによる使いにくさはそこまでレビューには上がっていませんでしたが、3極プラグ利用による使いにくさについては私も同意見です。
これらの評価を見た限りでも¥1,500の違いでは、AV-P250の方が購入するハードルは低いと言えそうです。
急激な電圧変化から機材を守り、なおかつラインノイズフィルターでクリアな電源を確保するという点においては両者とも優れた機能といえますが、よりプロフェッショナルな使い方をするならば、電源の順番を守ることが大切とされています。
詳しくは初心者でもできる!DTM 機材を守る正しい電源ON/OFFの順番とは?で解説しています。
シーケンス機能を搭載したAV-P250Sでは、ディストリビューターの電源を切ると、順番に電源がOFFになるなるため電源の一括管理をさらに効率的かつ安心して使用することができます。
まとめ
両モデルともフロントパネルに3ピンコンセント3口があります。3ピンコンセントはアース付きで、ノイズ低減に効果があるため、重要な違いと言えます。
- 3ピンプラグの機器が多い場合はAV-P250が適している
- 2ピンプラグの機器が多い場合はAV-P25RMKIIIが適している
- 将来的に3ピン機器への移行を考えている場合はAV-P250が良い
AV-P25RMKIIIは背面に12口の2ピンコンセントを備え、価格がやや低めです。一方、AV-P250は背面に10口の3ピンコンセントと前面に常時通電の3口を持ち、利便性が高い設計となっています。選択の際は、接続機器のプラグ形状や必要なコンセント数、設置環境に応じて検討されることをおすすめしますが、¥1,500程度の違いであれば、AV-P250の方が使い勝手は良いです。(背面がすべて3ピンなので2ピンも自由にさせます!)