エキサイターとエンハンサーは、音楽制作における重要なエフェクトで、それぞれがオーディオトラックに独特の効果を提供します。
エキサイターは、音に歪みや倍音を加えることで、サウンドをよりはっきりとさせ、特にギターやボーカルの明瞭さを増すのに役立ちます。これにより、ミックス中で楽器がより前面に立つようになります。
一方、エンハンサーはサウンドのダイナミクスとテクスチャを改善し、低音や高音のレベルを調整して、よりバランスの取れた周波数レスポンスを実現します。
これらのエフェクトは、DTMやプロのスタジオ環境で、トラックに深みと空間を加えるために使用され、プラグイン形式で提供されることが多く、Aphex、Wavesなどのメーカーから人気のモデルが搭載されています。
この記事ではエキサイターとエンハンサーの使い方の違いや効果などについて解説しています。
エキサイターとエンハンサー サウンド比較
エキサイターは均等な倍音を合成するのに対してエンハンサーは高域に対して中域・低域を遅らせることで音の立ち上がりを改善することで自然な音に近づけるというものです。
Aphex Aural Exciteは歪(倍音の量)をミックスしていきトータルでボリューム調性します。
エンハンサーで有名なのはBBE882(ソニックマキシマイザーと呼ばれています)こちらはハイとローをブーストしてトータルでボリューム調性するというものです。
wavesのViaminというマルチエンハンサーはこれはエンハンスしたい周波数を設定できるというすぐれものです。で正直なところ違い云々より「使いやすいかどうか」というのが一番知りたいとことだと思います。というわけで三機種を聞き比べてみたいと思います。
Aphex Aural ExciterをBBE882とVitaminをスネアにかけて聴き比べてみました。
まずは何もかけてない状態。
dry
Aphex Aural Exciter
BBE882
Vitamin
3機種の設定はAphex Aural Exciterで一番ハイをでるように設定してBBE882もVitaminも一番ハイが出るように設定しています。Aphex Aural Exciterはいかにも歪ませている感じがある感じで高域の情報量が多いです。
BBEは高域より低域のサブハーモニックジェネレーターとして使う方が有名かもしれません。Vitaminは全帯域をまんべんなくブースとできるような感じですが、大人しい印象を受けます。
埋もれた音源を前に出すのは
使用帯域によりけりですが、やはりAphex Aural Exciterの方が音の立ち方がするどいです。しかし、この手のエフェクターは中毒性が高くなんどもかんでもかけたくなりますが、それだと効果がなくなるので「これっ!」というものを決めておきましょう。
余談ですがSY99のエフェクターにこのエキサイターが入っていてピアノにかけまくってハウスピアノを作りまくっていました。まぁハウスピアノにはならずにシャリシャリいうだけのピアノになるんですけどねw
各メーカーのエキサイターorエンハンサー
Nomad Factory COSMOS
エンハンサーを含めたマルチ的なエフェクトプラグインサブ・ジェネレーター …ベース用エンハンサーでWAVESのRBASSやMAXX BASS的な使い方が可能。ハーモニック・エキサイター …いわゆるエキサイター 、WAVES「Aphex Vintage Aural Exciter」やBBE H82 Harmonic Maximizeのようなわかりやすい音の変化が得られます。
リミッター …マキシマイザー的なもの、wavesのL1あたりの音色に近いかもステレオ・イメージャ― … モノラルをステレオにするのではなく、ステレオ音源をより広げる形で使うステレオイメージャー wavesのS1的な感じ
お値段¥16,848お値段は通常価格だとちょっと高い感じがします。一昔まえからするとこれだけのものが¥16,848ってのは安いんでしょうけど今は他が安すぎますね。セールになると70%OFFくらいにもなるので、その時が狙い目です。
La Petite Excite
フリーのエキサイタープラグイン聞き方としては良くも悪くもフリーといった感じでしょうか?
こちらでDLできます。
http://www.finecutbodies.com/?p=sound
slate digital Revival
我らが角刈りwからもフリーのエンハンサープラグインが出ています。かなり地味なかかり方をするので、ナチュラルに処理したいときはよいですが、地味過ぎてMAXにしてしまいたくなるかもしれないので注意が必要です。
こちらはフリー(ilokが必要)ですが今回の両機種に比べると実に地味で効果が薄いです。
exciterの使い方はとても繊細です。失敗すると耳にいたいだけのサウンドになります。そして多くの人が失敗したexciterサウンドを作ってしまいます。その理由は「さじ加減をしらない」からです。DTMエフェクターの多くは、かけすぎ厳禁です。しかしそのわかりやすい効果とインパクトにまけて「もうちょっとかけよう」と思ってしまいますが、
それは間違いです。
エフェクトに「こう使わなければ駄目!」という絶対のルールはありませんが「こうやって使った方がより効果的になるよ!」というのがあります。今日は過去の私みたいに間違ったエキサイターの使い方をしている人によりエキサイターが効果的につかえるようになるお話です。
かけすぎ注意!
エキサイターの効果は非常にわかりやすくかけた分だけハイが強調されます。基本は何にでもかけることができますが、ディストーションギターのようなミドルからローよりの音には非常に効果的でエキサイターをかければどんどん音の輪郭が強調されて音抜けがよくなってきます。
音が抜けるということはそれだけハイが立つということでもあり、かけすぎることで音が痩せてしまいます。もしエキサイターをトラック単体にかけた場合「おっ!めっちゃ音抜けがよくなった!エキサイター最高!」なんて状態になっている場合はかけすぎの可能性があります。「うーんちょっとだけよくなった気がする」もうちょっとかけたいこれくらいがベストです
エキサイターはバランスが崩れる
エキサイターが使用されたトラックは当然ハイが強調されることで他のトラックより抜けてきます。そうなると、当然今までで取っていたバランスは崩れます。エキサイターをかけるときはかけた状態でバランスがくずれないようにしましょう。
エキサイターをかけすぎてバランスが崩れたミックスはトラックダウン時にハイの成分が以上に強調されます。とにかく、バランスを意識しましょう。
エキサイターに頼る前にミックスアレンジを考え直す
エキサイターでミックスレベルの音抜けをよくするという考え方はかなり危険です。エキサイターはミックスの中で音抜けが悪いから使うものではありません。基本はミックスやアレンジが問題ない状態になったうえで、トラックを強調したいときにつかうものです。
これがわかっていないと「エキサイターをかけたら他のトラックが埋もれたから」「そっちかける」「そっちも」「こっちも」「そっちも」
シャリシャシャリシャリシャシャリシャリシャシャリシャリシャシャリエキサイター地獄の始まりですw
敢えて派手な効果を狙っているのであればそれもいいかもしれませんが、やはりいちばん効果的にかけたいトラックに使用するほうが失敗しない使い方になると思います。目指す感じとしては合コンでも化粧しまくりのおねーちゃんたちの中で1人ナチュラルメイクしている女の子は目立つみたいな感じですw
駄目なミックスをエキサイターで何とかしようという考えは辞めましょう
まとめ
エキサイターは気持ちの良いプラグインですが、使いすぎるとシャリシャリにしすぎて軽いミックスにならないように、あくまで隠し味的に使うのがポイントです。過ぎたるは及ばざるが如しと言いますので、使い所を見極めたいですね。