この記事では、ドラムフィルインの基本16パターンを初心者にもわかりやすく解説しています。
フィルインは楽曲にリズムの変化やアクセントを加える重要な演奏技法で、ドラマーが曲の盛り上がりや転換点で使用します。紹介されているパターンは、シンプルなタムの連打から、複雑なリズムやシンバル、スネアを組み合わせたものまで多岐にわたります。
これらのフィルインをマスターすることで、ドラム演奏の表現力を格段に向上させることができます。各パターンは、演奏の役割、効果、そして実際の楽曲への適用方法についても詳しく説明しており、ドラマーが自身の演奏にバリエーションを加えるための王道アプローチとなっています。
ドラムフィルインとは
このセクションでは、ドラムフィルインの定義と役割・効果について紹介します。ドラムフィルインは、ドラム演奏において特別なパートであり、音楽に独自のリズムとエネルギーを与えます。その役割と効果は、独特のフィーリングやテンポの変化などによって、曲全体の雰囲気や盛り上がりを演出するものとなります。
ドラムフィルインの定義
「ドラムフィルイン」とは、ドラム演奏の一部であり、楽曲にアクセントを加える技法のことです。
一般的には、ビートやリズムに対して、一時的な変化や装飾を追加することを意味します。ドラムフィルインは、楽曲の構成や演奏のテクニックによって異なる形で現れますが、一般的にはシンバルやタムを使ってパターンやフレーズを奏でることが多いです。
ドラムフィルインは、曲の盛り上がりや転換点を演出するための重要な要素であり、リスナーにとっても印象的な瞬間となります。ドラムフィルインは、ジャンルや楽曲によって異なる特徴を持ちますが、正確さ、リズム感、そして創造性が求められるものと言えます。
ドラムフィルインの役割と効果
ドラムフィルインは、音楽の演奏において重要な役割を果たし、効果的な表現手法として広く活用されています。ドラムフィルインの役割は、曲の展開やリズムの変化を引き立て、聴衆にリズムの変化を感じさせることです。
また、ドラムフィルインは繊細なテクニックと音楽の理解が求められるため、ドラマチックな効果を演出することができます。
ドラムフィルインの効果は、演奏の魅力を高めるだけでなく、聴衆に活気や興奮を与えることもあります。フィルインの適切なタイミングとフレーズによって、音楽の盛り上がりやクライマックスを演出することができます。さらに、適度なフィルインの使用は、曲の流れをスムーズに繋ぐ役割も果たします。
ドラムフィルインは、音楽ジャンルや曲のコンセプトに応じて様々なスタイルがあります。
ハードロックやジャズ、フュージョンなどのジャンルでは、高度なテクニックやスピーディーなフレーズが求められることがあります。一方で、ポップスやバラードなどのジャンルでは、シンプルでメロディに合わせたフィルインが重要となります。
以上のように、ドラムフィルインは音楽において重要な役割と効果を持ちます。演奏の魅力を高めるだけでなく、リズムの変化や曲の流れを盛り上げることができるため、音楽制作や演奏において欠かせない要素です。ドラマチックな効果を演出するためには、適切なタイミングと適切なフレーズの習得が必要です。
フィルインの意味?フィルアウトってあるの?
フィルとは英語で「(隙間を)埋める」という意味です。
アンケートで気になる方は空欄にお書きくださいはフィルイン(一部空欄を埋める)
医者の問診票にすべて書き込む場合はフィルアウト(隙間をすべて埋める)
ドラムのフレーズのフィルイン(以下フィル)とは
一定のパターンを繰り返したあとで楽曲のつなぎ目に即興的なフレーズを入れることで変化をつけて聞き手を飽きさせないことを目的としたものです。
ちなみにフィルイン日本ではオカズと言われていますが、普通のパターンを「ご飯(ゴハン)」としていかに「上手いオカズ」を出してくるのかがドラマーという料理人の腕の見せどころです。
昔けいおんの曲で「ごはんはおかず」という曲がありましたが、フィルに例えた歌詞ではないですが、その視点でみると面白い解釈が可能になりますw
ゴハンはすごいなんでも合うよ!
さてここで一つ注目すべきなのはフィルとは「楽曲のつなぎ目に即興的なフレーズを入れること」になるわけですが、これドラムだけの仕事ではないのわかりますか?
「楽曲のつなぎ目に即興的なフレーズ」であればドラム以外の楽器、ピアノであれ、ギターにベースであってもすべてフィルになるということです。
なぜドラムのフィルが注目されるのかというと
やはり打撃音によるアクセントの明確さが他の楽器よりわかりやすいからだと思います。タム回しなど入れてくる場合はそこに音階的なフレーズを感じることもできます。ダイナミックなアクセントの移動はドラムの十八番と言えますね。
ドラム フィルイン 考え方
フィルインの長さで表情が変わる
フィルインは長いほど変化する期待値が高まります。
例えば、一拍だけフィルインを入れるのと、一小節フィルインを入れるのとでは、何が始まるのか?という期待度が変わってきます。フィルの数が少ない方が、変化の度合いが少ないので、気がつけばフィルが終わっている。という印象です。
これを楽曲の中で使う場合は
イントロ→A→A2→B→サビ→イントロという流れの場合、
サビの前に大きくて長いフィルを持ってきた方がより大きな変化が訪れることが予兆させてくれるのでサビの期待値が高められます。一方で、AからA2ではそれほど変化させる必要がないので、短いフィルでも問題ありません。
大事なのはフィルを入れることの意味です。
長いフィルインの場合
サビの前などに、フィルをいれる場合は一小節、または二小節という長さになることも珍しくありません。
その場合、どのようなフィルが望ましいのか?という疑問があると思います。これは製作者の意図しだいになるわけですが、次の2パターンが割とオーソドックスなものになります。
音価が長いものから短いものに変化していく、
低い音から高い音に変化する
もちろんこれを意図的に反対にすることも可能ですが、定番的なアプローチとしてはこちらの方が多いです。
ルールはないが常に最適化を考える
フィルの定義に「即興」という言葉が使われている(解釈されている)ので基本はルールなんてなくてもいいわけです。
音楽は自由です。
支配からの卒業です!w
ただそれが音楽的に「効果的かどうか?」という視点をもったときに「適していないケースが多いから使うことがない」となっているのがほとんどです。
DTMの場合ではクラッシュシンバルとハイハットを同時に打ち込んではいけないという掟に近い言葉がありますが、これも目くじら建てるほどのことでもありません。
聞いていてそれがおかしくなければ問題ありません。実際。クラッシュシンバルとハイハットが同時に打ち込んでいる曲もあります。そんな小さいことより基本は「そのフィルで気持ちよくなれるかどうか」です。
ただ、大切なのは、ドラム以外の楽器がフィルイン的なフレーズを使っていないかなどに注意しましょう。どれだけかっこいフィルインを入れても、それぞれがバラバラだと意味がありません。
これはアレンジの基本的な話にもなります。誰かを目立たせようとしたら必ず誰かは後ろに回る。これを理解しておけば、フィルのパターンにルールはありません。
そして、ドラムのフィルインはつい「派手こそ正解」と思ってしまいますが、それは違います。大切なのは楽曲を引き立たせる一要素としてフィルインが機能するかどうかです。
「おれこんなフィル知ってるんだ!すごいだろう」っていうのは聴いている人からすると「うるさい」だけになる可能性があります。
ドラム フィル パターン
次からはド定番のドラムフィルに少しだけスパイスを聞かせたフィルを紹介します。ここでもそのフィルの意味を考えながらみることでフィルの効果をよりわかりやすく覚えることができます。
つなげるフィルと終わらすフィル
終わらせるというのはちょっと誇張した表現になっていますが、フィルによって次に繋がりやすいかどうかという点を考えます。
これはスネア→スネア→ハイタムのフィルとハイタム ミッドタム キック というフィルです。低音が最後はいる方が安定度が増します。
もちろん後者のフィルがすべて「終わらせる目的」ではないのですが、キックが入ると低音が閉まるので文章で言うところの「。」の効果に近いものがありスネア→ハイタムは「、」的な意味合いが強くなります。
埋めないドラムフィル(タン フィル)
隙間を埋めるのがドラムフィルじゃないのかよ!って声が聞こえますw
その側面と同じくらい「即興演奏としての役目」もあり
また本来のゴハンであるパターンを活かすこともフィルの目的です。
この「埋めないフィル」は連続するハイハットがなくなり、より4拍目のアクセントを強調した
れっきとしたフィルになります。
画像はフラム気味で打ち込まれていますが、フロアタムを一緒に鳴らしたり、クラッシュシンバルを鳴らすなどして
より4拍目を強調する方法もあります。
打ち込むときのポイントは
ごはんとしてのスネアはベロシティを少し冴え気味にして、フィルの2小節4拍目は思い切り叩く
こうすることでフィルとしての4拍目をより強調できます。
フィルだけをベロシティで細かく調整するのではなく前後のバランスの重要です。
少し埋めるドラムフィル(タンタン フィル)
シンプルながらこれもよく使われるフィルです。
4拍目のスネアを2回叩くパターンも王道のフィルです。
またはこれを半拍分前にずらしたものもよく使われます。
スムーズな8beatを維持したままさりげない展開を作りたいなどに向いています。
1つ目のタンフィルと違って静止感のないので流れを潰したくない場合に向いています。
Aメロで8小節のパターンを2回繰り返すときなどの一回目などにも最適です。
基本は4拍目に8分音符を2回入れる「タンタン」フィルというもので、
スネアは2回でもタム2回でもOKです。
オーソドックスなドラムフィル(ンタンタンタン フィル)
3拍目裏拍から入ってくるの特徴的な多くのDTMerが最初に作るであろうフィルです。俗にタム回しと呼ばれます。
このタムの譜割りをそのままスネアに置き換えられたパターンも王道です。
このフィルを扱うときは3拍目裏のキックは必要ありません。あくまで「ンタンタンタン」という譜割りをもってのフィルなので、そこにキックが入っているとそのキックを含めてのフィルになります。
ポイントは8ビートを重視している曲では下手に派手な16分音符の激しいフィルを入れるとそこだけ浮いてしまう可能性があります。もちろんそのようなフィルの聴かせ方もあると思いますが、ノリを止めたくない場合はオーソドックスな8ビートのフィルを入れる方が良い結果をもたらします。
他にも
①ハイタム→スネア→キック
②スネア+フロアタム→スネア+フロアタム→スネア+フロアタム
というパターンもあります。
②のフィルはフロアタムの低音感が迫ってくるイメージがあるので
勢いをつけたい場合などに効果的です。
詰め込みフィル(タカタン フィル)
最後の4拍目が16分音符2つと8分音符一つの(タカタン フィル)16分音符音符のフィルで最もシンプルかつ多様されるのがこのフィルです。
この画像では4拍目の前にドラッグといってスネアをなぞるような音色がたされています。これは好みにもよりますが、ちょっとルーズさを作りたい場合などにドラッグがあるとらしくなります。
ドラマーによる手癖でドラッグしてしまう人も多いですが、このような細かい音を入れなければ駄目!というわけではありません。むしろ入れ過ぎたら「暑苦しいだけのフィル」になってしまいます。
16分音符によるスピード感がこのフィルの特徴ともいえます。
詰め込みフィル2(タンタカ フィル)
これもよく使われるフィルイン
普通に4拍目だけタンタカするケースも多いですが、3拍目の16分音符の裏にキックを使うのドラマーも多い。3拍目頭のキックがなくなるために。ちょっとしたブレイクポイント的なフィルに使える
こういうフィルを使うときの注意は「他の楽器がガチャガチャリズムを演奏するのではなく」その間を聞かせることを目的としたフレーズが良いと思う。こういう間こそドラマーが聞かせたいポイントだったりもします。
詰め込みフィル3(タカタカ フィル)
4拍目に16分音符をMAX詰め込んだド定番すぎるフィルです。
多くのDTMerのフィルはスネアだけを16分音符で打ち込んだパターンが多いですが、ちょっと一捻りを入れてこんな形にしてみました。ポイントは4拍目のタムとスネアのアクセントの位置です。(赤いところが一番強い)
言葉にすると(タトトタ)という感じにアクセントがつきます。速いテンポではドラマーはこのようなアクセントのつけてしまう場合が多いです。
またよくある16分音符4つのスネアフィルもドラマーによってはハイハットを引っ掛けて叩いてしまうことも多くハイハット→スネア→スネア→スネアというパターンもわりかし多く見られます。
応用(タカタカ フィル)スケベドン
タモリさんが名付けたスケベドンフィル
4拍目にスネア→ハイタム、フロアタム、キックの順番で鳴らします。とにかくドタバタ感が強いので忙しないフィルに聞こえます。派手に決めたい場合などはこれを3拍目から2回連続するのも面白いでしょう。
組み合わせフィル(タンタンタカタン フィル)
3拍目からのフィルです。
タンタンタカタンも鉄板フィルとして有名です。3拍目をスネア→スネアというのが定番的ですが、フレーズに彩りをつけたい場合は音程差のあるフロアタムを入れるのがオススメです。
組み合わせフィル2(ターンタタンタン フィル)
タメを強調できる定番フィルです。
付点8分というのはドラムでは中々コントロールが難しい譜割りです。DTMのドラム音源でも、リリースが短いとこのタメを作り出すことができないので、ベロシティを極力下げた音符を入れて長さを保管すると付点8分の雰囲気を出しやすいかもしれません。
その場合気をつけたいのは
「タトトタ」というリズムに聞こえないようにする必要があります。16分音符の4つの強弱の違いではなくあくまで間(タメ)を強調した付点8分であるのがこのフィルの特徴です。
組み合わせフィル3(タタンタンタタン フィル)
ハイハットを使ったファンク系の鉄板フィルです。
この場合どこが「タタンタ ンタタン」かわかりにくいですが、ピアノロールに書き込んでみるとこんな感じでスネアとキックによるタタンタ タタンになっています。
ポイントはハイハットのオープンがキックと一緒に鳴っていることでキックの輪郭を強調するのに一役買うのと同時にフットハイハットで音を短くきりスピード感を作っています。
3連フィル組み合わせフィル(タタタタタタフィル)
3連によるフィルです。ちょっとテクニカルな雰囲気のフィルです。
単調になりがちな3連符にスパイスをつけたい場合に向いています。タタタという譜割りをどのパーツで鳴らすかですが、ここでも安定させたいのか、次に繋げやすいフィルにしたいのかで考えれば作りやすいと思います。
ド派手詰め込みフィル(タカタカX4 フィル)
1拍目からとにかく16分を詰め込むだけ詰め込んだド派手フィルです。
こういった16分のフィルを作るときは、左右(LR)の腕を動かしながら、確認すると体もそのフィルを覚えてくれるのでオススメです。
ド派手詰め込みフィル2(タカタカX8 フィル)
2小節の間何かしらドコドコ叩いていますが、
それほどうっとおしくないフィルになっています。その理由はハイハットを絡ませることであつすぎないクールな雰囲気に仕上がっているからです。フィルを作っていて「なんだか暑苦しいなー」と思ったら
このようなハイハット絡ませ方で違った雰囲気を作ることもできます。
かっこいいフィルの定義とは?
複雑え誰も叩けないようなフィルには一定の魅力はあります。しかし、それはそれが活かせられる曲で初めて効果を発揮します。そういった意味では歌ものではひたすら派手で長いフィルは自己満足なイメージになり、聴いている人からすれば「速く終わってよ」みたいなイメージに繋がりやすいです。
かっこいいフィルを考えたときに意識するのは次の3つ
適切なフィルの量(細かさ)
楽曲の中で独りよがりになっていないか?(周りとの役目は守られているか)
自然な入り方になっているか?
これらのバランスは取れているものは例え16分音符のスネアの連打であったとしても「かっこいい」という印象に繋がります。
このあたりがわかってくると「あのスネア2発だけのフィルなのにかっこいいな!」という見方ができるようになります。
フィルは歌!歌え!歌のだ!
フィルはメロディです。音程感はボーカルやギターには及ばなくてもその譜割りこそドラムのメロディです。そしてこの譜割りを歌い続けることで譜面にも強くなるメリットがあります。
まとめ
フィルにルールはないけど、守った方がより効果的なフィルになるフィルはただドタドタやるのではなく次にどうつなげたいのかをするのがフィルの本来の目的
フィルはおかず、大切なのはごはんである定番パターンを疎かにしないけいおんは「ごはんはおかず」は名曲である。16分音符を並べただけのフィルよりもドラムのカラーを打ち出した
フィルの方が聞いていてワクワクする要素がありますね。フィルは頭で考えてもわからないことが多いので、とりあえずいろいろなフィルを打ち込みながら右左と動かしていくことで
無理のないドラマーが叩いているようなリアルなフィルを作ることができるようになります。
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