本物のアナログシンセがほしいけれど高い!そんな人におすすめなのがULTRA ANALOG VA-3です。
ソフトシンセにはアナログシンセの再現を謳っているものは多くありますが、ULTRA ANALOG VA-3はその中でトップレベルの再現度を頬っているアナログシンセエミュレーションです。
伸びのあるリードやパッド、太いベースなど、VA-3が得意とするところです。
今回はバージョン2からのアップグレードの検討をしている人にもわかりやすい比較記事にしています。
ULTRA ANALOG VA-3 概要
メーカー | Ultra Analog Session (AAS) |
製品名 | ULTRA ANALOG VA-3 |
特徴 | 超高域まで伸びる2 ボイス マルチティンバシンセ 560 個の新しいプリセット 648 の改訂された VA-2 レガシー サウンド 32 のシンセサイザー サウンド カテゴリ |
システム | Mac macOS 10.11 (El Capitan) 以降 Intel Core i5 (2015 年頃)、Apple M1 プロセッサ以降 64ビットDAW PC Windows 10 64 ビット以降 Intel Core i5 (2015年頃) プロセッサー以降 64ビットDAW |
バージョン | V3.2.6(2023-09-21) |
認証方式 | シリアル |
認証数 | なし |
容量 | 321.5MB |
マニュアル | 公式サイト英語版のみ |
価格 | 218.9ドル→108.90ドル |
備考 | 体験版あり(15日期間限定) アンインストーラーあり |
ULTRA ANALOG VA-3は、音楽制作のプロフェッショナルやエンスージアストにとって、次世代のバーチャルアナログシンセサイザーです。このシンセサイザーは、極めてリアルなアナログサウンドをデジタル環境で再現する能力に優れています。
- 多彩なプリセット: 数百ものプロフェッショナルによって作成されたプリセットが用意されており、即座に高品質なサウンドを生成できます。
- 高度なモジュレーション: LFO、エンベロープ、ステップシーケンサーなど、多様なモジュレーションオプションが用意されています。これにより、独自のサウンドを作成する自由度が格段に向上します。
- リッチなエフェクト: リバーブ、ディレイ、ディストーションなど、業界標準のエフェクトを内蔵。これ一台で、プロフェッショナルなサウンドデザインが可能です。
- 直感的なインターフェース: ユーザーフレンドリーなGUIにより、初心者でも容易に操作できます。また、エキスパートユーザーには深いカスタマイズオプションも提供されています。
- 高い互換性: VST、AU、AAXといった主要なプラグインフォーマットに対応しているため、ほとんどのDAWで簡単に統合できます。
- コミュニティサポート: アクティブなオンラインコミュニティと充実したサポートがあり、疑問や問題に対する解決策を容易に見つけられます。
これらの特長により、ULTRA ANALOG VA-3は音楽制作の新たな可能性を広げるツールと言えるでしょう。一度使えば、その多機能性と高度なカスタマイズ性に魅了されること間違いなしです。
VA-2とVA-3の最大の違い
2レイヤーになったことやギターアンプシミュレーターが内蔵されたこと、目で見た違いはいくつかありますが、個人的にはオシレーターサウンドの変化が大きいと思いました。
VA-2は95kHz付近に独特のピークをもっていました。もちろんその辺りの周波数は人が直接聴くことができる周波数ではありませんが。ハイレゾにこだわりがあり,肌でその違いを感じることができる人からするとそれがVA-2のカラーとなっていたでしょう。
C1を押してスペクトラムアナライザーで計測した画像です。独特のピークが見てわかります。他のVAソフトシンセを見てもこのようなピークはVA-2だけでした。
VA-3の場合はピークが削れ、96kHz付近までキレイに伸びています。私としてはVA-3のほうが「音が伸びてきれいな印象」を受けていたのはこの変化によるものだったと思いました。オシレーターの癖を修正した結果、好む人とそうでない人は出てくると思いますが、私は嫌いではないです。
以上の結果がVA-2のアップグレードを待った方がよいかもしれない理由です。
SuperSawオシレーターは似て非なるもの
VAソフトシンセの購入を考えるときに「SuperSawサウンド」のクオリティを意識するDTMerもいます。SuperSawオシレーターとは一つのSaw波形を7つ集めて少しずつデチューンでずらしたものです。
VA-3は一つのオシレーターをユニゾンモードで4つにできます。それをもう一つのレイヤーに適用することで8オシレーターサウンドになりますが、ローランド的なSuperSawサウンドとは何か違います。もちろんこのサウンドを「求めていたSuperSawだ!」と思う人もいるかもしれませんが、好みの分かれる音であることは間違いないです。
4ユニゾンX2のSuperSawはこんな感じになります。エフェクトでもう少しらしくはなりますが、やはりSerumやLuSH-101とは雰囲気が違います。
負荷について
Mac mini2018
Core i7 3.2GHz 6コア
メモリ32GB
LogicProX
バッファ128の環境で4レイヤーX2サウンドの場合はかなり高負荷になります。
イニシャライズパッチを作って軽装してもやはり負荷は高めのVAソフトシンセです
音の作りやすさについて
2レイヤーになったことで音色の幅は倍以上に広がりました。またレイヤーAのパラメーターをそのままレイヤーBにコピーできるので、音作りの効率化も図られています。
エフェクトにもアンプシミュレーターとディストーションが追加されたことでJD-800のディストーションリードに近い雰囲気の音も出せるようになりました。
音色の切り替えたは矢印キーで簡単に変えられるので音色選びの時短になるのは嬉しい限りです。ただ、私がソフトシンセに求めるイニシャライズプリセットがないので自分でそのパッチを作る必要があるのは少し残念です。(個人で作ってしまいましたがw)
誰が買いなのか?
最初にもお伝えしましたが、良質なVAソフトを持っていないのであれば買いとお伝えしましたが、バリバリのEDMやダンス・ミュージックをしたいのであればSerumやSylenth1などがよいと思います。
個人的にVA-3の良さは「弾いてわかる気持ちよさ」にあります。つまりアナログシンセライクな音色を求めているが、Arturia製品を買うまでもない…でも演奏で気持ちよくアナログシンセサウンドを堪能できるVAソフトシンセがほしい場合はVA-3は50%のセールで買っても損はしないと思います。
しかし、このサイトでも何度もお伝えしていることですが「DTMerとして誰も聞いたことのない音色を使う」このおかげで一目おかれるDTMerになれる可能性もあります。
VA-3はSerumなどと比べるとそれほど多様されているシンセではありませんので、VAソフトシンセ使いとしてVA-3を使いこむのは間違いではありません。
流行りの道を行くか、自分で道を切り開くか? どちらがあなたのDTMライフに適したものでしょうか?
まとめ
多少癖が抜けたように思えるVA-3ですが正当なVAソフトシンセとして進化しているように思います。必要以上にゴテゴテと新機能をつけてこないのもサウンドに自信がある証拠だと思います。どうしてもコレでなければいけない!という理由にたどり着いた人はよほど音にこだわりがある人だと思います。こだわりが強い人ほどこのオシレーターサウンドの制度の良さは受け入れられると思います。
また公式サイトには有名なアーティストによる大量の追加プリセットの販売されていますので、プリセットにあきた人は追加音源の購入を検討するのもいいかもしれません。
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