adam audio sp-5は私が今まで使ってきたヘッドフォンとは比較にならないほど解像度が高いヘッドフォンです。
この記事では私が所持している2台のヘッドフォンとの音質差やスペックを比較しながらadam audio sp-5を実際使ってみた感想(レビュー)しています。
またサポートから直接聴いたsp-5の音を調整するするためのtips(裏技)をお伝えします。
adam audio sp-5ってすごいって聞くけど実際どうなんだろう
価格は高い!でもこれがあればヘッドフォンで悩むことはなくなります。とりあえず今まで聴いてきた音と時間を返してくれと言いたくなる音質ではあることは間違いありません。
総評
SP-5 | MDR-Z1000 | HD598 | |
音質 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
装着感 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
価格 | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
音質に関しては高すぎる解像度の音質を好まない人もいるかもしれません。音がギラついて感じるという人もいるかもしれませんがこの辺りは好みによるところもあるでしょう。しかし、一度聴いたあとに普通のヘッドフォンを聞くと「元気がない音」という印象になります。
価格帯があと少しだけ安ければ…と思うことはありますが、比較したヘッドフォンと比べると次元が違うので価格的には納得もできます。
ただこれはadam audio sp-5に限ったことではありませんが、イヤーパッドやヘッドパッドがどれくらいの強度があるのか気になるところです。MDR-Z1000はパッドは思ったより速くパッドが消耗しました。

エンジニアだけではなくミュージシャンにも使ってほしいadam audio sp-5
ミキシングおよびエンジニアヘッドフォン的な立ち位置ですがぜひミュージシャンにも使ってほしいです。それは従来のヘッドフォンでは確認できなかった音の細部がかなりはっきりと聞きとれます。
ギターで言えばピッキングニュアンスやアンプサウンド、ボーカルで言えば息遣いや僅かなピッチのズレ、これらがしっかりと確認できます。つまりadam audio sp-5を使うことで演奏レベルをあげられるということです。
しかし、逆を言えばadam audio sp-5を使ってしまうと自分の演奏のあらさが耳について仕方ないというところでもあります。
adam audio sp-5とは
ADAM Audio STUDIO PRO SP-5(通称SP-5)は開発はADAM Audioと同じくドイツにあるULTRASONEという会社です。基本的な設計はULTRASONEで最終的なチューニングをしたのがADAM Audioと言われています。ULTRASONEのテクノロジーは次の3つのクラスがあり
- S-Logic
- S-Logic Plus
- S-Logic EX
adam audio sp-5に搭載されている技術はS-Logic Plusになります。
S-Logicテクノロジーについて
ULTRASONEヘッドフォンの独特かつ自然な聴感は、特許技術のナチュラルサラウンドサウンド・テクノロジーS-Logic™に支えられています。S-Logic™は、ヘッドフォンによるサラウンド・サウンドに新機軸をもたらす画期的な技術です。
詳しいレビューは後述しますが、adam audio sp-5を聴いた人の多くが「音の奥行きが素晴らしい」「ミックスが格段にわかりやすくなった」「スピーカーから聴いている感じと大差がない」というレビューコメントがあるのは、このS-Logicのおかげかと思われます。
adam audio sp-5の価格
日本代理店の価格は平均して¥66,000です。この価格だけ見ると「うわ!高い」と思うかもしれませんが、adam audio sp-5を一度でも耳にしてしまうと「価格だけの価値はある!!」と思ってしまうほど素晴らしいサウンドです。
一度でもSP-5 Headphonesを体験したユーザーの多くは「ぜひ購入したい!!」と考えているほどです。多くのサイトでADAM SP-5 review記事が見られますがとにかく「高いけど価値のある買い物」と絶賛しています。

adam audio sp-5の中古について
SP-5 Headphonesはほとんど中古に出てきません。メルカリで¥59,800という価格を見かけたことがありますが国内ではほとんど見かけません。高級なヘッドフォンですし買った人の多くは「売る必要はない」と判断しているように思います。
ただ私は個人的にadam audio sp-5はオススメしません。なぜならADAM製品は次の特典があります。
2年間の部品保証、製品登録によって5年間に延長可能
中古ではこのメリットがなくなってしまいます。
adam audio sp-5使ってみた感想
それではここからが本題です。SP-5 Headphonesを触って感じたことをレビューしてみます。
頑丈なケースと折りたたみ可能なヘッドフォン本体
私はヘッドフォンを持ち歩くときはいつも適当なかばんに入れて持ち歩きます。




adam audio sp-5は5cmほどの頑丈で軽いケースに収納が可能です。その理由はDJタイプでよく見られるドライバーユニットを折り畳むことができるからです。
しかし、個人的にはこの折り畳めるヘッドフォン正直言ってあまり信用していませんでした。なぜなら必要以上に稼働する部分が多いということはそれだけ破損リスクも高くなるからです。
しかしadam audio sp-5はそんな心配には及ばないほど、折りたたみ部分もパーツの強度がよいのが見てわかります。ドライバ部を回して不安になるような軽さはなく安心して折りたたみしまえるのがよいです。


あと何気にケースのファスナーの動きがスムーズなのが良いです。安物は引っかかってそれがストレッスになりますが、SP-5 Headphonesのケースにはそれがありません。
目の不自由な人にも最高の音楽環境を提供
このようなコンセプトがあったのかどうかわかりませんが、adam audio sp-5にはLRを確認できるように点字が打たれています。他のヘッドフォンでも何かしら左右を認識できる目印はありましたが、正しくLRが記載されたものは初めてみました。


最高の音はすべての人に平等に提供するadam audioとULTRASONEの優しさがあります。
スネークケーブルとストレートケーブルを両方付属!
ケーブルは着脱式タイプで、3mカールケーブル6.3mm金メッキジャック、1.2mストレートケーブル3.5mm金メッキジャック両方が付属しています。音的にはストレートが好みという人も多いみたいですが、私はそこまで気になりませんでした。



ただストレートケーブルは短めなのでその辺りが少し注意です。

リケーブルが可能かどうかはわかりませんが、それほど複雑な端子でもないので自作することはできそうです。
側圧はあるのに苦しくない音漏れしない究極の装着感
音質とともに私が気に入ったのがこれです。
ヘッドフォンに重要なのは音質そして側圧です。側圧とはヘッドフォンをしたときの締めつけ感です。側圧がきついと物理的な痛みや疲労にも繋がりますし、かといって弱すぎるとすぐに落ちてしまうことになります。

adam audio sp-5の側圧は多少強く感じますが、装着感はバツグン!ヘッドパッドも硬すぎず柔らか過ぎずほどよい感じです。慣れてくるとつけていることを忘れてしまうほどです。
またこの装着感は重要で、微妙に位置を修正することで音の聴こえ方が変わります。
これはサポートの方のお話ですが装着感について次のようなアドバイスをいただきました。
SP-5のご使用について、僭越ながら何点かアドバイスをさせていただきます:
イヤパッドが最初若干固く感じるかもしれませんが、使用するにつれて側頭部の形状に馴染んできます。ご購入いただいた方からは、形状が馴染んできてから音の硬さがとれてさらに使いやすくなったとのコメントをいただくことが多いです
ヘッドホンの装着は一度少し深めに被ってから、パッドが無理なく耳を覆い、側頭部にフィットするポイントを見つけるとより深い低域が見えやすくなることがあります。使い始めは、ご自身にとってベストなフィット感を探ってみてください
私はデモ機をかりたのでそこまで固いとは感じませんでした。しかし、装着し続けることで不思議と馴染む感覚がありました。実際アドバイスの通りに装着すると最初は中低域に少し弱い印象もありましたが、装着感を調整した結果、満足のいく音量で再生することができました。もしadam audio sp-5で「中低域の音量が乏しい」と感じた場合は一度試してほしいです。
adam audio sp-5の音質に関して
ここでは私が所持しているヘッドフォンと聴き比べをしながら音質についてadam audio sp-5をレビューしていきます。
adam audio sp-5の特徴と比較



adam audio sp-5 | Sony MDR-Z1000 | Sennheiser HD598 | |
型式 | ダイナミック型(クローズ) | ダイナミック型(クローズ) | ダイナミック型(オープン) |
インピーダンス | 70 Ω | 24 Ω | 50 Ω |
周波数特性 | 8 Hz – 38 kHz | 5-80kHz | 12Hz~38.5kHz |
入力感度 | 95 dB/mW | 108 dB/mW | 112dB/mW |
重量 | 290g | 270g | 246g |
私は、Sony MDR-Z1000 Sennheiser HD598と所持していますが、adam audio sp-5に驚かされたのはとにかく解像度です。
これはS-LOGIC® Plusという技術とADAM Audioの融合によるところだと思いますが、奥行き、ステレオ管、が素晴らしく視聴した多くの人が「リバーブの見え方が変わる」と表現しています。解像度の高さゆえなのか音量を下げても音の粒が見渡せることも注目すべき点です。
印象としては最高級ELテレビの8K映像を見ているような印象です。どこまでも音がクックリと見渡せます。この解像度の高さこそ「ADAMの音」です。音の明暗、ダイナミクスどれをとってみても今まで聴いてきたヘッドフォンの音ではありません。
ADAMスピーカーを使っている人ならばわかるのですが、ヘッドフォンとスピーカーの差を感じません。スピーカーからヘッドフォンに変えると音質の違いに戸惑う経験をしたことがある人は多いのですが、adam audio sp-5はそれがありません。まさに「ADAM To ADAM」という印象です。
私は普段ADAMのA7Xを使っていますが、音の印象としてはお借りしたS2Vに近い解像度です。



再生周波数について
再生周波数は8 Hz – 38 kHzです。私が所持しているSony MDR-Z1000と比較すると明らかにS再生周波数はony MDR-Z1000の方が上です。(5-80kHz)しかし、聴いた音は全く別次元、adam audio sp-5の後ではSony MDR-Z1000は曇って元気のない音に聞こえてしまいます。
adam audio sp-5はインピーダンスが高いため音量が小さいというイメージがありましたが、そんなことはまったくなく、私が使用しているオーディオ・インターフェイスAPOGEEの Ensembleで聴いた限り、一番大きく感じたのがadam audio sp-5です。
インピーダンスとは
電流の流れやすさを表すも単位はΩ(オーム)インピーダンスは数値が大きいほど抵抗が大きくなり、流れる電流量が減る
インピーダンスについてはサポートからは次のアドバイスをいただきました。
SP-5のインピーダンスは一般的なヘッドホンと比べて若干高めに設計されております(70オーム)。iPhoneやMacBookのヘッドホン出力ではなく、高品質なオーディオインターフェースや専用のヘッドホンアンプをお使いいただくと、よりクオリティの高い音をお楽しみいただけます
ヘッドホンとインピーダンスの関係についてより詳しく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

まとめ
adam audio sp-5は決して安いヘッドフォンではありません。しかし、adam audio sp-5を購入すれば他のヘッドフォンは必要ありません。この一つでミックスも作曲も演奏もすべて使えます。
投資するには多少勇気がいる価格ですが、安いと思って買っても使わなくなるプラグインに投資するよりはみのりが大きいことは間違いありません。

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