CUBASEでreal-time peakエラーはSSDで回避できるかもしれないはこちらの記事にまとめました
CUBASEを使っているとオーディオパフォーマンスのメーターが跳ね上がって音が途切れてしまうことってありますよね。音源によっては立ち上げているだけでもCPUに負荷がかかるものがあります。
今回はBFD3を一つ読み込ませただけ、CPU過負荷の状態になる原因がASIO-Guardにあったことから
ASIO-Guardとはなにか?CPU負荷の状態はどういうことなのかについて詳しく解説していきます。
今回はその負荷の逃し方についてお話します。この設定をすることで安定性がよくなり作曲に集中できるようになります。
この記事はCUBASE10を使用しているときの内容です。現在の12ではまた違った動作をしている可能性があるので、記事は参考程度にお読みください。
CUBASEのオーディオパフォーマンスについて
CUBASEではCPUに関する状態をオーディオパフォーマンスというメーターで確認できます。
average load | CPU負荷 |
real time peak | オーディオエンジンにかかる負荷 |
disk | ストレージの負荷 |
average loadはCPU負荷 エフェクトを何個立ち上げたとかモデリング音源とか使った場合もここが反応
real time peak はオーディオエンジンにかかる負荷
diskはストレージの負荷 遅いストレージHDDだとここが反応する
基本はメーターが振り切れていない状態が良い状態で右に振り切るとCPUやオーディオエンジンに大きな負荷がかかっていることを示します。
CPU過負荷状態とは?
CUBASEに負荷がかかり、オーディオパフォーマンスメーターが振り切れて再生時に音が途切れるような状態になっているのがCPU過負荷状態であり、画像の一番上のaverage loadが左に振り切っている状態です。
こうなると音が途切れたり、最悪CUBASEの動作が不安定になり作業どころじゃなくなります。
最初にもお伝えしたようにBFD3一つを立ち上げただけでCUBASEのオーディオパフォーマンスが悲鳴をあげるというのはあまり考えられないことです。
BFD3を読み込ませた直後は特に問題ないのですが、ドラムパターンを作り再生させて停止すると数秒以内にメーターが上がっていきピークがついてしまいます
ただ、このあと音がでなくなるということはなく再生すると10〜20%の間でウロウロとし始めます。
ちなみにaverage loadの下にあるReal time peakはオーディオエンジンに対する負荷でこれはソフトシンセのオーディオエンジンとの設定によって変わってくる部分でもあります。
ちなみに、私の場合はBFD3を保存しているストレージをHDDからSSDに変更したらreal time peakは触れなくなりました。
CUBASEがCPU過負荷になる理由
原因は次の3つです
- マシンスペックの問題
- 音源の立ち上げすぎ
- バッファサイズの問題
すべては連動する話なのですが、マシンスペックが低い状態で音源を大量に立ち上げるとCPUに負荷がかかります。またバッファサイズが適正でないとCPUに負荷がかかり音切れや最悪のところ強制終了がよぎなくされます。
ちなみに私の作業環境は以下のようになります。
- Macpro2009
- OS High Sierra
- CPU3.46ghz6コアX2
- メモリ64GB
- 使用DAW CUBASE10
- 48khz 32bitF
- バッファ512
- オーディオインターフェイス Motu896HD
- CUBASE10上でのエフェクトはなし
改善のために試した内容
CUBASE上でのASIOバッファー変更 | 効果なし |
BFDのストリーミング系の設定変更 | 効果なし |
BFDのタムレゾナンス エフェクト オフ | 効果なし |
バッファーの設定での影響はBFD3という環境ではそこまで反応がなかっただけの話で、他のソフト音源やVSTプラグインでは影響が出てくると思います。バッファサイズに関しては使用DAWはLogicですが参考になると思います。
ひょっとしたらタワーマックプロにVelocity DuoというPCIカードを使ってSATA3環境にSSDをつないでいるのが問題なのかも?と思いmac直付け(SATA2)HDDからBFD3のファイルを読んでみましたが結果的には微減でしかありません。
しかしProtools StduioOne4 DigitalperformerでBFD3を使っていたときは各DAWのピークはつかなかったのでやはりCUBASEの問題かと思います。実は9.5の時代のときも同じような問題に悩まされていました。
そこで原因を調べていたらASIO-Guardなるものが怪しい可能性があるということがわかってきました。
ASIO-Guardとは
ASIO-Guard を使用すると、できるだけ多くの処理を ASIO リアルタイムパスから ASIO-Guard 処理のパスに移行できます。これによってシステムが安定します。
ASIO-Guard を使用すると、リアルタイムでの計算が必要ないすべてのチャンネルと VST インストゥルメントをあらかじめ処理できます。これによって、ドロップアウトが減り、トラックやプラグインの処理能力が向上し、使用するバッファーサイズを抑えられます。
引用元:ASIO-Guardより
システム安定させるためのコマンドという解釈が一番わかりやすいです。
ASIO-Guard で気をつけたいのは次の8点です。
ASIO-Guard は、以下に対しては適用できません
リアルタイム処理が必要なオーディオ信号
複数の MIDI ソースを持つ VST インストゥルメント (HALion Sonic SE など)
ディスクストリーミングを使用している VST インストゥルメント
特定のコントローラーを使用している VST インストゥルメント (Native Instruments Maschine など)
外部音源やエフェクトをコントロールするための VST エディタープラグイン
外部エフェクト、外部インストゥルメント
VST Bridge を使用しているプラグイン
引用元:ASIO-Guard について
今回BFD3でASIO-Guard をオフにすると安定する理由は3項に該当するものと思われます。
ASIO-Guard をオフにする方法
負荷を軽減する的なやつと思われます。オフにする方法簡単
スタジオ→スタジオ設定→ASIO-Guardを有効化のチェックを外す
外した結果がこちら
暴れん坊将軍がおとなしくなりましたw原因はASIO-Guardだったみたいです。ただこの機能をオフにすることが今後の作業にどのように関わってくるのか少しだけ不安にもなりますしかし、とりあえずBFD3を使うためオフにしておいてこれから不具合が出たらまた試してみたいと思います。
ASIO-Guardに対するユーザーの反応
周波数特性よりは過渡特性ですかね。 CubaseはASIO GUARD(PreGenのような機能と思われます)を入れないと運用上厳しいのですが、これを入れるとトランジェントが丸くなり、特にアタックの強い音色に覇気がなくなります。音場全体も狭くなった印象になります。
ASIO guard周りの挙動は海外フォーラムでも阿鼻叫喚になっていて、うちでもkontaktライブラリのドラムを2~3音タラタラ弾くだけでCPUが100%になったりする。
SAW(ソウ)@MACHINE STUDIO@holyworks余談だけど、まともなスペックのPCならAsio Guardはオンにしておこうね。ネットだと諸説あるけれど、負荷分散の役割というか今はほとんどのプラグインやインストルメントが対応してるから必須です
あとは96/24なプロジェクトでOzoneに本気出させるにはASIO Guard外さないといけないとか… 普段はオンの方が良いんだと思うんだけど、96/24でOzone挿すとCPU振り切っちゃってマトモに鳴らん…
M1 Macbook Pro動作検証中。 いやぁ、これは凄い。 Mac環境だとASIO Guardも効いて余裕すぎる。 ファン回らず、バッテリー駆動、そしてオーディオインターフェースもつけず。 しかも、これRosetta2の環境なんですよ。マジで凄い。 時代変わったなぁw
幼年期@enfwrデバイス設定でAsio-Guardを無効化したら音途切れなくなった引用ツイート
幼年期@enfwr·9月17日Cubaseの書き出し時に音途切れるやつ原因わからなくて困りますわね
Yugo(Yugoの不思議な国♪)@YugoWonderland·返信先: @misawaydiyさんASIO–Guard OFFにすると、落ちなくなりました
神前 暁 / こうさき さとる (本名)@MONACA_kosakiCubase12のデモソングでメインマシン(Windows)とMacBook Air M2の負荷を比較してみた。 さすがにCore i9は強いけどMacBook凄いな!? Audio IF:RME Fireface UCX(Win), IK Multimedia iRig Keys2(Mac) Buffer Size:256sample ASIO-Guard:無効 Mac版はsilicon nativeモード·Twitter for iPhone
これらから考えると、最新のMacM1チップ系の環境ではASIO-Guard はONの状態でも効果がある可能性は高いです。つまりCPUパワーと比例しているという見方ができそうです。
しかし、スペックが低い環境ではやはりASIO-Guard はあまり思わしくない方向で動作する可能性があります。
CUBASEのCPU負荷を軽減するテクニック
CUBASE10にはインストルメントが入っていない空トラックを選択することでCPU負荷を軽減できる「CPU負荷逃し」方法とインストルメントの表示を消すことでCPU負荷を多少低くきます。
もしCPU負荷の高さでお困りの人がいたら参考にしてみてください。
まとめ
BFD3でASIO-Guardをオフにすると安定するのはASIO Grand の特性に問題があることがわかりました。
それ以外でも以下の項目に該当するソフトシンセやエフェクトプラグインを使う場合はASIO-Guardの使用の有無を考えた方が良いかもしれません。
- リアルタイム処理が必要なオーディオ信号
- 複数の MIDI ソースを持つ VST インストゥルメント (HALion Sonic SE など)
- ディスクストリーミングを使用している VST インストゥルメント
- 特定のコントローラーを使用している VST インストゥルメント (Native Instruments Maschine など)
- 外部音源やエフェクトをコントロールするための VST エディタープラグイン
- 外部エフェクト、外部インストゥルメント
- VST Bridge を使用しているプラグイン