1年で200曲作ってオーディションに送るも評価されない生活を2年くらい続けた結果

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自分の実力をはかるために作曲オーディション(コンテンスト)送ったことがある人はいると思いますが、中々通りませんよね。

私も2年で400曲書いて100社近くの作曲オーディションに送りましたがどれもダメでした。そこで私がどんな送り方をして落ちてしまったのかについてお話します。私の失敗を踏まえることでオーディションの合格率が上がる可能性があるのでぜひ参考にしてみてください。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
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クオリティなんか知るか!とにかく作って送る

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20歳くらいのときにルームズレコーズというレーベルの作曲オーディションを受けました。それが何かの間違いで楽曲審査を通過してしまいました。今聴いても何故受かったのかイマイチよく分からなかったしますが、それでもプロの人達の何かをひっかくことに成功したのですから「おっ!私プロとしてやってけんのかも!」と勘違いするには十分すぎる出来事です。

しかしそれは壮大な勘違いで、そのまぐれ当たりを信じた故に数年間迷走し続けたのが今回のお話です。

なれる!プロになれる!そう思い込んだ私は1日1曲〜3曲くらいのペースで作り続けました。1フレーズ作ったら秘技!コピー&ペースト!量産!量産!寝る暇なく、ひたすら作る自分の可能性にかけた生き方を手に入れるために見出した一筋の光!そして出来上がったものを片っ端から楽曲募集をしている会社などに送る!送る!送り続ける!(この辺りは立木文彦で再生してください)

だが結果はすべて落ちる!端にも棒にもかからない

受からない理由を考えずに送り続ける

なぜ?ルームズレコーズの楽曲審査通ったんだからクオリティは問題ないはず!分からない!そうかわかった「私のよさを理解できないんだ!それならば仕方ない」わかるまで送り続けよう。そして再び「クオリティなんか知るか!とにかく作って送る」に入ります。そんな生活を2年続けました。ネガティブなんだかポジティブなんだかよくわからないテンションです

行動することは大事。オーディションに送るかどうか迷ったらとりあえず送るのは基本!チャンスはどこに転がってるかわからない

オーディションの意図とは

オーディションの意図はいわば最高の広告塔を探しているということだと思ってください。歌が下手でもそのイメージがあえば合格できるのは、あくまでクライアントが求めているイメージと合ったわけです。

そこで落ちたからといってあなたの人生観を否定されたわけではありません。人は「挑戦したらその結果が報われないと凹んでしまいます」それは今一生懸命やったことを否定された気分になるからです。

でも、何度もいいます。オーディションは人生観を否定される場所ではありません。

オーディションに落ちたら「あー残念」と深い溜息をついて「なぜ落ちたのか?」を考える癖をつけましょう。

  • あなたの選んだ曲(歌)はクライアントが求めるものなのかどうか?
  • 大勢のオーディション参加者からあなたを見つけてもらえるための工夫はしたか?

歌ものを諦めてインストものに舵をきる

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2年で400曲近く送り続けて反応がなければ身も心もバテますw東芝EMIはハガキで落選通知を知らせてくれるのですが、そのハガキだけで何十枚もありました。(20枚くらいまでは数えてたw)そして最初のルームズレコーズがビギナーズラックだったことに2年かけてやっと気づきます。

そこでやめていれば違う人生がまっていたと思いますが、なぜか止めないwどうしてやめないw すがってしまったんです「ビギナーズラック」に…しかし、送っても評価されないのは面白くありません。そこで今度は歌ものではなくインストものを作り始めます。もともとは歌ものよりサントラ系が好きだったので、インスト系を楽曲募集しているゲーム会社に送り続けます。

するといくつかの会社から反応がありました。「やった!これでプロになれる!」と思い喜んでいたところ反応のあった会社から「じゃあお題出すからそのお題にあった曲作って」と言われました。

お題は「ADV系の放課後のようなイメージ」でした。そのとき作ったのがコレ

結果「残念ですがまたの機会で」2年間言われ続けたセリフを再びここでも聴くことになりました。落ちた理由は方向性に合わないということでしたが当時は「俺の才能に気づかねーやつは…」状態w

今なら落ちた理由はよくわかります。

ゲーム系の曲を作りたい人に経験談からアドバイスをするとDTMerの多くは「ゲームっぽい曲を作ります」当然といえば当然なのですが、ゲーム会社が求めるものは「シナリオにあった曲」です。つまりどこかで聞いたことがあるような「ぽい」曲は使える範囲が限られます。

つまり曲を送るときは「シナリオに響く楽曲」であるのが前提です。70人のオーケストラサウンドにデジタルビートの曲を送るのもいいですが、それは採用基準の一つでしかありません。後に入社したゲーム会社では音大の作曲家院卒の人がシナリオにそった曲をかけないということで研修期間でやめていきました。

ネットに曲をアップするようになる。

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送っても評価されないのはやっぱり楽しくありません。今度は作った曲を片っ端からネットにアップするようになりました。当時はmuzieによく使っていまいた。一月に20曲くらいのペースであげていたところとあるメーカーが「アップしている曲を企業PVに使わせてほしい」という連絡がきました。

「すみません。ギャラは1万5千円しかだせません」と言われて「仕方ないですねー」みたいな雰囲気をだすもの「えっ?お礼もらえんの?やったー」と調子にのっていましたちなみにそのときの曲がこちら

そこからちょいちょいそのメーカーさんとは着うたリミックス関係でお仕事をもらえたりしました。そのあともネットにアップしながらもいろんな楽曲募集サイトを見つけては片っ端から送っていました。そして相変わらず楽曲募集という言葉を検索し続けていたときに同人ゲームの楽曲募集を見つけました。

「無償でもいいですか?と言われたので」「OKです」と答え楽曲を聞いてもらいました。すでに20代後半、作るものの評価されない今の自分にヤバさを感じている状態です。

「いいですね。無償は嘘です、と言っても1曲4000〜5000円くらいですがいいですか?」ということ、どうやら「無償でもいい」という気持ちをもった人に来てもらいたかったとのこと当時は無償でもなんでもいいから音楽を作りたいという気持ちが強かったんですよね。もちろんすぐにOKそのときに送ったのがこちら

和モノ好きだったんですwその方とはゲーム3本 アレンジサントラBGM2本というお付き合いをさせていただきました。

それでもまだこんなんじゃ先々不安すぎるという思いから楽曲募集サイトをあさりまくり、大手レーベルから小さいところまで受けまくり続けます。もう毎日のように20代で「楽曲募集」というワードでググったのはたぶん日本で私が一番だったと思います。そして、とある方と知ります。それがこちらの話につながる人です。

コンペ作家のアレンジを受ける仕事でしたが、結果的に私のスキルが足りないために辞めることになったら事務所からお声がかかるという変な話です。その後、30代を前にしてゲーム会社にサウンドクリエイターとして入社します。

社会保障万歳ですw数年努めたあと退社したあとフリーランスになり音楽コンテストで賞をもらった結果fripsideの八木沼さんとお知り合いになれたりするお話はこちら

そのあとは色々ですw

会社やオーディション(楽曲募集)に音源を送る場合の心構え

大事なのはその一回ですべてが決まるという考えをする必要はありません。そもそも送っても聴いてもらえていない可能性の方が大きいのです。

「へっ?聴いてもらえない?」って思うかもしれませんが、あなたがめちゃめちゃ忙しいプロデューサーや作曲家の場合、見ず知らずの音源をわざわざ聴く時間をどれくらいとりますか?「いや私は、ちゃんと聴くよ」という人は素晴らしいですが、一日分刻みで作曲をしている人たちはそんな余裕がありません。だからこそ、まずは名前を覚えてもらうことが大切です。

ファイナルファンタジーの作曲家の植松伸夫は音源を贈り続けました。理由は相手を根負けさせるためです。「何かしら返事をしないとこいつずっと送ってくるぞ」と相手に思わせたのでしょう。もちろんそこにはプロとして最低限のクオリティはパスしているのが前程です。

今ならTwitterで100人くらいの作曲家に「曲を聴いてください」と送れば3人くらいには聴いてもらえるかもしれません。とにもかくにも「聴いてもらうため」の環境を作るのが大事です。

振り返ってわかった1年で200曲作ってオーディションに送るも評価されない生活の答え

今振り返ってわかったことですが、当時は真剣だと思っていたことですが、今の自分からみたら「遊び」でした。なぜなら200曲も書いて一度も相手にされない音楽活動というのは相当コスパが悪い方法です。「何が何でもプロになりたい」と思うのであれば、あらゆる方法を持って作家やプロデューサーに直接アポイントを取って音源を聴いてもらう方法などはいくらでもあります。

それをしなかったということは「今やっている努力に酔っていた」いわゆる自己満足の世界での音楽活動でした。もちろん、この経験を持って得られたものを否定するつもりはありません。そのおかげでこうしてブログを書けるわけですから、

ですが、「おれ本気だから」というその言葉に説得力を与える行動が示されていない場合、百戦錬磨のプロからオファーを貰えることはありません。

まとめ

振り返ってみればとにかく半端なくスベっていますね。そしてとにかく「イタイ人」です。それでもイタイ人なりにを続けてれば何かしら見えて、できることも増えてきます。

今でも自分には音楽の才能ないと思っています。なので勉強し続けています。ドラクエのように「〇〇はホイミを覚えた」なんて人生はないように今日勉強したことが明日からいきなり使えるわけではありません。

それでも続けていれば、あるとき自分の能力が開花する瞬間があります。だから今すぐできない=才能がないと考えるのは意味がないことだと思っています。ただ私はしぶとく動き続けただけです。凡人ができるのは動くことです。無駄な動きでも動き続ければ誰かの目に止まります。それを辞めるかやめないかだけの話です。

ちなみに今まで作った曲は1000曲くらいは超えていると思います。完成していない曲を合わせると4倍〜5倍くらいにはなると思いますが…そのなかで何かの形で世に出てきちんと仕事になったといえるのは10%いくかいかないかだと思います。でもその10%のためにのこり90%がスベりまくったのは無駄ではないと思いますし、90%すべらないとたどり着けなかったということでもあります。

なかなか結果がでずに焦っている人もいると思いますが、私のアドバイスは人前でスベる!ことです。つまり作ったものを世にだしてそこで評価されない経験をするということ1人で作って発表しないものはスベっていることになりませんので、できるだけ人まえでスベりましょう

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