EQではなくサチュレーターを使うとMIXレベルが上がるかも!

ミックスをしていると「もうちょっとこの帯域にガッツが欲しいなー」と思うことあると思います。しかし下手にEQでプッシュしようとしたら「なんか思っていたサウンドではなくなった」「高域をつついたら耳が痛いだけになった」「変なピークが出てきた」「音が痩せた」などなどEQで思うようにいかないことを経験した人は多いと思います。

もちろん私も経験しまくりでしたが、WavesFactory Spectreというプラグインを使うことでその問題から解放されました。

今日はEQを使わずにサウンドカラーを整えられるWavesFactory Spectreについてお話したいと思います。

WavesFactory Spectreとは

WavesFactory Spectreを一言で言えばグラフィカルパラメトリックイコライザーとエンハンサの機能を組み合わせたものと言えます。GUIはほぼEQに見えますが、特定の周波数のボリュームをあげるのではなく歪み(サチュレーション)を付加しているのがポイントです。

サチュレーターを使うとEQのような位相ズレが起きない

EQをすると位相が変わります。それは良くも悪くもサウンドに影響します。位相が変わる原因は、基音と倍音以外の周波数が上がると波形の周期に歪みがおこるからです。しかしサチュレーター(エンハンサー、エキサイター)のような倍音自体を扱うエフェクトプラグインでは位相のズレはおきません。

位相がずれると?

音の発生するタイミングがわずかに変わります。しかしわずかといっても音のクオリティを突き詰める最近の音楽にとってはあまり起きてほしくないこと。そのためにはイコライザーよりサチュレーター系の方がよいとされています。

使い方

操作方法はEQと基本同じですが、下にある項目から必要条件を選択して音を作り込んでいきます。EQとは違い指定した帯域に倍音を付加するのがこのプラグインの目的です。倍音を足すことで、例えば超低音域が弱いキックに歪み(サチュレーション)が生まれ存在感のあるキックなどを作ることができます。

サウンドデモ(ドラム)

設定は60hzにQ0.7で12dbを加えた状態です。これをLOGICの付属のEQにも同じ設定にしてサウンドの違いを確認します。

最初の4小節は何もかかっていない状態

次にLOGIC付属のEQをかけた状態

さいごにSPECREをかけた状態です。

SPECREをかけることで音にわずかながらサチュレーションをかかっているのがわかると思います。EQだけであげると確かに音量感はますのですが、その音量感の増加は時に邪魔になることがあります。そういう時はSPECREのサチュレーションが非常に役にたつと思います。

サウンドデモ(ギター)

超絶なローエンドのギターをイメージして設定しました。

最初の2小節はLogicProXのEQで後半がSpectreです

全体的に前にサウンドが出てきます。特筆すべきは低域を持ち上げた時の無理がない感じが素晴らしいです。スティーブルカサーのエヴァーチェンジング・タイムズというアルバムでギルカサーがターをの音を作ろうとした時にギターのローエンドを録音するのに12インチのスピーカーでは100Hz以下は鳴らせないからサブウーファーを別トラックに録って重ねた。そうすることで低音の厚みがよくなる

という記事を読んだことがありますが、まさにそのふくよかなローエンドを作り上げることができるようになります。次にSPECTREの操作項目について説明します。

機能紹介

Quality

Qualityはnormal Good Bestの3段階です。CPUの負荷は以下の通り計測環境はmacmini2018 で以下のシステムで動かしています。使用プラグインは1つだけ

Nomarl

Good

Best

使用している数は1つだけなので、そこそこの負荷があるようにも思います。

Color

音のキャラクターをしますカテゴリは次の10種類から選べます。66.2hzのサイン波でアナライザーチェックすると以下の感じになります。

「Tube」

「Warm Tube」

「Solid」

「tape」

「ClassB」

「Diode」

「digital」

「Bit」

「Rectify」

「Half Rectify」

「Clean」

とにかくキャラクターが豊富です。ClassAアンプではなくBがあるのがいいですね!個人的にはTubeとtapeが好みですCleanとdigitalは全く倍音が付加されていませんw何か特別な使い方があるのか気になるところです。

Preset

プリセットはドラムやベースギターなどに特化したプリセットが多数用意されていますので、音の傾向を知りたい場合はプリセットで確認することができます。

Mode

完全には把握できていないのですが、設定した周波数待機を「subtle」「medium」「Aggressive」という3段階に分けてより強調できるようです。

Processing

ステレオモードMSモードを選ぶことができます。MSモードがあるおかげでマスタリングにも使いやすいです。

他のサチュレーションプラグインとの違い

似たようなサチュレーションプラグインといえばizotopeのNeutronにもエキサイターとして似たようなプラグインがありますが、SPECRREのようなEQ的な使い方はできません。(Q幅やGainの設定がない)

使用者の声

SPECREに限らずサチュレーションを使う人は結構います。また、SPECREとは関係ないですが、作曲家の作曲家の和田貴史さんが公開している動画の中でもサチュレーションについて言及している部分があったのでその動画も参考になると思います。

和田さんが使っているのがBrainworkxのsaturator_v2というものです。

https://www.plugin-alliance.com/en/products/bx_saturator_v2.html

誰のためのプラグイン?

サチュレーションが楽曲にどのような効果を与えるのかをしっかりと理解している人の方がこのプラグインのポテンシャルを最大限に活かせると思います。音量をあげるのではなく特定の帯域をどう歪ませるか?その歪む意味を理解していないと音はすぐに飽和してまう可能性があります。

  • ミックス技術が中級者以上
  • サチュレーションの使い方を心得ている
  • EQのようにサチュレーションを扱いたい

こういう人たちはSpectreでさらに楽曲のための音作りの精度を高めていけます。

お値段は?

PLUGINOBUTIQUEで11,987円です。多少高く感じるかもしれませんが、GUIの良さと操作性の良さに音作りのための細かい機能を含めるとむしろ安いくらいです。たまにセールがあって最大で50%くらいまで下がることがあります。

公式サイトでは99€(2020年2月7日現在で11,950円)です。公式サイトの方が安いのでそちらの方がおすすめです。

wavesfactory

両サイトにはdemoもあるので試してみることをオススメします。ド派手なかかり方を求める人には地味な印象を受けるかもしれませんが、さりげないサウンドメイクをこなせるDTMerに録って欠かせない相棒となってくれるのは間違いありません。

Audio Plugins from Pluginboutique.com

SYSTEM REQUIREMENTS

Mac OSX (64 bit only):

  • 10.7 or higher.
  • DAW capable of hosting VST or AU, or Pro Tools.
  • Intel processor.

Windows (64 bit only):

  • Windows 7, 8 or 10.
  • DAW capable of hosting VST plugins, or Pro Tools.

さいごに

EQのように特定の帯域の音量をあげるのではなく倍音を付加することで耳に優しくもアグレッシブな音を作りこめるのが特徴です。初心者がこれを使ったらガンガンに音がよくなる!というものではなく、使う人のスキルが試されるプラグインですが、ミキシングエンジニア関係の人はもっておいて損はないと思います。

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