iZotopeのOzone Imager V2は、DTMや音楽制作におけるステレオイメージを簡単に調整できる強力な無料プラグインです。
このイメージャーを使用することで、モノラルの音源も含め、あらゆるトラックを左右に広げて、音楽に立体感を与えることができます。WidthとStereoizeモードの調整により、自然な広がりと位相の正確な処理を実現。
Vector scopeとCorrelation meterで視覚的にもフォローでき、プロフェッショナルなマスタリングが手軽に。iZotopeの技術をフリーで体験し、あなたのミックスを次のレベルへと引き上げましょう。
iZotope Ozone Imagerとは
iZotope Ozone Imagerは、複数の技術を組み合わせてステレオ調整を行うプラグインです。
Ozone Imagerは、WidthスライダーとStereoizeスライダーを使用してステレオ幅を調整します。これにより、音の広がりを制御し、モノラルに近い狭い音から超ワイドなサウンドまで作成できます。
Stereoize機能とは
Ozone ImagerのStereoize機能は、モノラル(モノ)信号をステレオ信号に拡張するためのプロセスです。この機能を使用すると、モノラル録音や狭いステレオフィールドを持つ音源に対して、より広がりのあるステレオ感を加えることができます。
具体的な機能としては次のようなものになります。
主な特徴 | 説明 |
---|---|
ステレオ幅の拡張 | – モノ信号をステレオに変換 – サウンドの広がりを感じさせる – 左右の広がり感を強化 |
位相相関の管理 | – 位相の問題を回避 – モノラル再生時の音の一貫性を保つ – 位相相関メーターで視覚的確認が可能 |
音質の保護 | – 音質劣化を防ぐアルゴリズムを使用 – クリアで自然なステレオエフェクトを提供 |
使用例としては
- モノラルボーカルやギター録音をステレオにして、ミックス内でのプレゼンスを向上させる。
- 狭いステレオフィールドのシンセパッドや効果音を広げて、より豊かなサウンドステージを作る。
Stereoize機能は、モノラル信号を広げてより豊かなステレオサウンドを作り出すための便利なツールであり、ミックスに奥行きと空間を加えるのに非常に役立ちます。
ステレオ化モード
Ozone Imagerには2つのステレオ化モードがあります。
- モードI:大胆なステレオ効果を生み出します。
- モードII:より自然なステレオ効果を提供します3。
これらのモードは、モノラル信号をステレオに変換する際に使用されます。
位相管理
Ozone Imagerは位相の問題を回避するよう設計されています。位相相関メーターを使用して、ステレオイメージの健全性を視覚的に確認できます。
Ozone Imagerの使い方と機能の違いについて
恐ろしくシンプルで単純です。Widthを上にやれば広がり、下にやれば中央(モノラル)になります。あとはAmountでその量を決めるみたいな感じ。あとは右側のVectorscopeでかかり方が表示されます。一つ注意が必要なのは「stereoize」のボタンをおさないと何も反応しないということ
つまり最初はOFFの状態になっているということ。なんでこういう仕様にしたのかちょっと疑問です。
ギターを左右に広げる際の定番の方法は、同じフレーズを弾くことです。しかし、DTMではギター音源を2本用意して左右にパンを振り、同じフレーズをコピペしても、ステレオ感は得られません。発音タイミングをずらすなどのテクニックもありますが、自然な広がりにはなりにくいです。こうした場合に、Ozone Imagerを使うと、ギターの音をナチュラルに広げることができます。

Ozone9のImagerは
- Band Widthを4つ調整できる
- 発音のディレイを調整できる。

左下のBandWidthで任意の周波数のかかる度合いを決定できます。周波数の変更は上部のウィンドウのスライドバーを動かします。
このメリットは、例えば150Hz以下はモノラルにしたいという場合に有効です。
しかし、下手に周波数をいじると逆に音像がおかしくなることもあるので、Ozone Imager 2を使う方が
よい結果につながると思います。
フリーでありながらバージョンアップも行われ現在はOzone Imager2が最新になっています。
もちろんこれもフリーで使うことができます。
iZotope Ozone Imager Ver1との違い
Ver1との違いはステレオイメージャータイプの種類が1つ増えて好みでステレオ感を選ぶことができるようになりました。

ozone imager が広がらない場合について
ozone imagerが広がらない可能性として、Modeの選択によって広がり方が異なります。モノラル素材の場合はModeを2より1にしたほうがわかりやすい広がり方をします。
また、Width幅を調整しながら、Polar Sampleで広がっている状態を確認してみましょう。
サウンドデモ
- ギターV-Metal
- ベース SR5
- ドラム MIR2
ギターだけにかけてみたいと思います。まずはかかっていない状態完全にモノラルです。
次にかけた状態
どうですか奥さん!って感じの広がり方ですwちなみにWidthをMAXにするとこんな感じ
あとはAmountの量ですが、10〜14くらいの間がくらいが好みですが、マックスにしてもそれほど破綻しないのがすごいです。こういうステレオイメージャーはやりすぎると気持ち悪くなってしまうのですが、iZotope Ozone Imagerはかなり優秀です。
おそらくM/S処理とsimple delayの合わせ技みたいな感じもするのですが、いままで聴いてきたステレオイメージャーとは次元が一つ違います。さすがiZotope Ozone です。いい仕事しています。とにかく広がり方がめちゃめちゃ自然で驚きます。
本来、このような広がりを作るのは同じフレーズを引くことで広げていくわけですが、それらの手間を省けるのがZotope Ozone Imagerの特徴とも言えます。
負荷について

ごちゃごちゃしていてわかりにくくすみませんw機能限定ということもありOzone7 imagerに比べると負荷もレイテンシーも低いです。サクッと使いたいときに便利です。というわけでさっそくどんな感じなのか聴いてみたいと思います。設定はこんな感じです。
ステレオイメージャー比較
一昔前のステレオイメージャーというのはいかにステレオ素材を広げるか?というところに重きありました。wavesのS1とかそういうものです。

で、モノラル素材を広げようとすると

PS22だったりしたわけですが、今使われることはほとんどありませんwちなみにPS22を通すとこんな音
うん。不自然wすごく気持ち悪いw10年以上前のプラグインと今のプラグインを比べること自体ナンセンスですがw
iZotope Ozone Imagerで広げた音にBrainworxのSherdspreadというプラグインを使います。こいつもステレオイメージャーの一種です。ギターのステレオ感をもうちょっと広げたいときに使ったり、最終ミックスでもうちょっとステレオ感がほしいときに使うこともあります。

BrainworxのSherdspreadとiZotope Ozone Imagerを組み合わせることでさらに自然な広がりと広がった先でも変に音が痩せるようなことにならないので便利です。
自然すぎるゆえに…
本当に自然なダブリングができるのですが、何でもダブリングするのではなく、ときには不自然なゆらぎをもって音を広げるのも1つの味にになります。その方法とはコーラスです。コーラスは音のゆらぎによって音像を広げる効果があります。特に中低域に特徴のあるエレピなどはイメージャーで広げるよりコーラスで広げた方がエレピ「らしさ」を作ることができます。

Ozone Imager ダウンロード インストール 方法
izotopeの公式サイトから無料でダウンロード可能です。詳しいダウンロード方法について解説します。
メールアドレスを入力後Continueをクリック
任意のパスワードを入力し、Create Accountをクリック、後、以下の画面になり任意のOSのバージョンの
Imager V2をダウンロード後、インストール

まとめ
モノラル素材であってもステレオ化してしまうので、ダブラープラグインと思ってしまいがちですが、Ozone Imagerはステレオフィールドを調整するのを目的で使うプラグインです。私も勘違いしていましたが、Ozone Imagerダブラープラグインではありません。
ですが、用途的には近い使い方も可能なので厳密な線引を必要とするかどうかはユーザー次第といったところです。
何度もいいますが自然すぎる広がり方!
モノラル素材をここまで自然に広げられる技術はすごいですね。
技術の高さにも驚きますが、これが現在無料で配布されていることにもっと驚きます。(期間限定っぽいですが)とりあえず持っておく!というより絶対持っておいた方が良い!と思えるプラグインです。ぜひ使ってみてください。