Logic Pro X使って気がついたら実装メモリ以上メモリ使ってた。これってどういうこと?ナンカやばそう…
Logic Pro Xに限らずDAWがメモリ不足になると勝手にスワップ機能が働きSSDをメモリとして使い始めます。いくらSSDの寿命が伸びたからと言って無限に使えるわけではありません。
この記事ではメモリ不足からスワップにつながる原因と対象方法について説明しています。
なぜメモリ不足になるのか?
サンプル音源を使った、ストリングス、ギター、ドラム音源等を立ち上げれば立ち上げるだけメモリを消費します。
またサンプルを使わない音源であっても数十〜数百というメモリを使います。メモリがギガバイト時代の近年ではそれほど気にする必要はありませんが、
覚えておいた方がよいでしょう。
他のアプリでメモリを使ってしまっている
Logic Pro Xだけではなくブラウザアプリやメールアプリ、などのアプリを立ち上げることでも当然メモリを消費し、
Logic Pro Xで使えるメモリが減ってしまうことでメモリ不足になります。
解決方法①メモリを追加する
これが一番です。おそらく「Logic Pro Xメモリ不足」を経験するということは実装されているメモリーが8GB〜16GBの人が多いです。
最近は32GBのメモリも安くなってきたのでぜひメモリの増設をオススメします。
i macやMac mini、Macbookで使える32GBメモリ

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解決方法②サンプルレートを変更する
サンプルレートが高いほど高い周波数を再生できるので「音が良い」と認識している人が多いかもしれません。
これに関しては諸説があるので「自分が一番しっくりくるサンプルレートを使うのが良い」と思いますが、
高いサンプルレートほど処理が複雑になるためメモリを多く使うことになります。
Logic Pro Xにソフト音源やエフェクトプラグインを立ち上げていない状態での比較です。
48kHzの場合

96kHzの場合

48kHzと96kHzでソフト音源を立ち上げて消費するメモリの違い
では、48kHzと96kHzで音源を立ち上げて比較するとどうなるか?
ドラム音源 | BFD3 | 1.67GB |
ギター音源 | Kontakt V-Metal | 600MB |
ベース音源 | Kontakt SR5 BASS2 | 1.2GB |
ストリングス音源 | PLAY EWSO | 1.7GB |
音源のエンジンに表示されているメモリの合計は5170GBですが、エンジンを仕様するだけでもそれなりのメモリを使います。
さてまずは48kHzのLogic Pro X合計メモリ使用量は9.28GBになります。

次に96kHzの環境では10.7GBになりました。その差は1.5GBに近くになります。

たった4つの音源でこの結果なので数が多くなればそだけメモリ使用量は変わってくることが考えられます。
明確な意図があれば96kHzの環境であってもいいですが、「なんとなく高音質な気がするから」という理由であれば48kHzの環境のほうがメモリ使用量は抑えられます。
解決方法③Logic Pro Xを再起動する
他のDAWも同じだとは思いますがLogic Pro Xの場合、一度読み込んだ音源をすべて外してDAW立ち上げ時に戻したとしても使ったメモリはすべて解放されません。
メモリ使用量の表示が小さいの見えにくいかもしれませんが、次の動画では
すべての音源を削除し、再度それらを立ち上げ直したときのメモリ使用量の変化を表示したものです。
音源を削除する前は次の容量であり9.0.2GBで、削除すると7.43GBまで下がります。
そのあとUndoで同じ音源を読み込ませたところ10.32GBになりました。
これらはキャッシュ機能と呼ばれるものですが、このおかげで使用メモリはどんどん大きくなります。
一晩中、「あれじゃなこれじゃない」と音色のロードを繰り返しながらDTMをしていると朝には実装した以上のメモリを使っている場合があります。
これらを解消する方法は一つ「DAWの再起動」です。
DAWを再起動することでメモリが解放され不必要に膨らんだキャッシュ部分を削除することができます。
また、DAWに限らずOS自体も再起動することで他のアプリのキャッシュなどの不要なファイルを削除できるので、再起動することをオススメします。
DAWは再起動することで不要なメモリ使用量を解放できる。ソフト音源の入れ替えが頻繁な人は休憩時にDAWを再起動するのがオススメ
解決方法④VEPを購入する
VEP(Vienna Ensemble Pro)は本ネットワーク接続を使って他のパソコンをコントロールするソフトですが、一台のパソコンの中で使うことでDAWにメモリが集中することを
防いでくれます。

ただ、コストパフォーマンスの面で考えると32GBメモリを購入した方がいいと思います。
解決方法⑤フリーズ機能またはオーディオで書き出して使う
フリーズ機能
ソフト音源を一時的にオーディオ化する機能、操作できるパラメーターはボリュームとパンのみ、フリーズを解除するとすぐに戻れる
オーディオ書き出し
ソフト音源をオーディオデーターに書き出す機能、書き出されたオーディオはwavやAIFと言ったデータとして保存される。
これらはメモリだけではなくCPU消費量も解放できるのでオススメです
ドラム音源 | BFD3 | 1.67GB |
ギター音源 | Kontakt V-Metal | 600MB |
ベース音源 | Kontakt SR5 BASS2 | 1.2GB |
この音源の内容でLogicは10GB近く消費していましたが、フリーズすることでソフト音源は解放されほぼLogic Pro X デフォルトのメモリ使用量まで下がりました。

しかし、これはLogic Pro Xを再起動した状態です。フリーズしただけではLogic Pro Xはキャッシュで溜め込んだ部分を解放しないので、フリーズによるメモリ解放を考えるならば
やはりLogic Pro Xの再起動をしなくてはいけないようです。
解決方法⑥アレンジを見直す
不必要なソフト音源を立ち上げ過ぎてメモリが消費している可能性もあります。
「本当にこのトラックは必要なのか?なければこの曲は成り立たないくらい重要なのか?」という視点で見てみると無駄なトラックを削除できるきっかけになります。
その結果、メモリの使用量も少なくできるかもしれません。
どんなに多くても16トラック以内で作れるようにアレンジを考えてみると良いでしょう。
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まとめ
まとめるとこのようになります。
メモリ不足の原因
- 実装メモリが少ない(おすすめ32GB)
- Logic Pro X(DAW)でソフト音源を使いすぎている
- Logic Pro X以外のアプリを立ち上げすぎ
解決方法は
- メモリの追加
- サンプルレートの変更
- Logic Pro X(DAW)の再起動
- VEPの導入
- フリーズorオーディオ書き出し
- アレンジの見直し
とくにDAWの再起動は思いの外有効です。メモリ不足で悩んだらまずは再起動です。
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