M EXCITER レビュー自然派エキサイターで倍音革命が起きた!

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最近ミックスしてても、どうも高域が物足りないんだよな。EQで持ち上げると耳に痛いし…

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ああ、その感じわかる。EQじゃなくて倍音で補う方が自然だよ。試したことある?

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エキサイターってシャリシャリして嫌いなんだよな。どれもやりすぎ感があって…

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それならM-Exciterがちょうどいいかも。派手じゃないけど、AI解析で絶妙に倍音を足してくれるんだ。

エキサイターといえば派手に倍音を足して耳に痛いイメージが強く、「控えめなエキサイターなんて本当にあるの?AI解析なんて大げさでしょ」と思う人も多いでしょう。
しかしM-Exciterは実際に使うと“隠し味”のように自然に倍音を加え、AI解析も優等生的に音楽に馴染みます。

メリットデメリット
高域に自然な明瞭さを付加できる
高度なスペクトル抑制技術による滑らかな処理
使いやすさと柔軟な調整機能
バス/マスター一括”は破綻しやすい
典型的サウンドで“キャラ付け”は弱め
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UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール

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Techivation M-Exciterとは

Techivationが2025年8月に発表した「M-Exciter」は、入力音源の基音から“新たな倍音”を生成し、自然な明るさや存在感を付加するタイプのエキサイタープラグインです。

単なるサチュレーションやEQでは実現しにくい、音の鮮明さとパンチを保ったまま、透明感ある高域を加えることが特徴です。また、スペクトル抑制技術により不要な鋭さを抑え、高域がキツくならないよう制御されているため、かかりすぎてミックスが破綻するような心配がないのも大きな特徴です。

Techivation M-Exciter レビュー

メリット
  • 高域に自然な明瞭さを付加できる
  • 高度なスペクトル抑制技術による滑らかな処理
  • 使いやすさと柔軟な調整機能
デメリット
  • バス/マスター一括”は破綻しやすい
  • 典型的サウンドで“キャラ付け”は弱め

機能性および操作性

M-Exciter の特徴は、優等生タイプのエキサイターです。

倍音が不足している部分にだけ絶妙に彩りを与えるそのスタイルは、まるでプロの料理人が隠し味をほんの少し加えるかのよう。ボーカルに明瞭さを与えたり、アコースティック楽器に自然な空気感を足したりと、EQでは得られない倍音を補うことで音を前に出し、存在感を引き出すことができます。

今まで他のエキサイタープラグインを使ってきた人からするとM-Exciterの効果は「思ったよりも地味」という印象を持つ方もいるかもしれません。確かに全力でかければ強調されすぎたサウンドにもできますが、他の派手なエキサイターと比べると落ち着いた仕上がりになるのがM-Exciterの持ち味です。

ここで実際のサウンド比較を聞いてみましょう。

まずは何も処理していない素の音

次にM-Exciterを立ち上げたデフォルトの状態

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M-Exciter何もしなくてもそれなりに良い状態の音にしてくれていますね。

M-ExciterにはMix AssistというAI解析的な機能があります。これは3.5秒間かけて特定の音を解析します。(公式では一番賑やかな箇所をラーニングすることを推奨しています)

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実際解析した結果と音がこちら

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デフォルトの状態よりはかなり控えめなサウンドになりました。

解析結果は解析する場所によって毎回微妙に異なります。

個人的にはこちらの結果をもとに若干ブーストするくらいが自然で聞きやすいサウンドです。もう少しあげても問題はないのですが、無理のないエキサイターサウンドとしてこの結果は満足です。

この状態からExiteスライドバーでブーストする量をざっくり決めるのがわかりやすい使い方になりそうです。

ちなみに今回はマスターに使用していますが個別トラックも問題ありません。ドラムなどに使用すると明瞭度が上がり、ドラム音源の輪郭が感じやすくなります。

まずはM Exciterを使用していないドラム

続いてM Exiterを使用したドラム

ドラムにここまで自然なエキサイターをかけるのはプロエンジニアのレベルが必要です。この結果を作ってくれたのはMix Assist機能です、さすがです!

では、ギター、ベース、ドラム、そしてマスターすべてにM Exiterを使った場合はどうなるのか?

若干高域がきつくなりましたが、それでもここまで使っても自然な結果が得られるのはすごいです!

この3段階を聴き比べることで、M-Exciterが「優等生タイプのエキサイター」であること、そして隠し味のように自然に倍音を補うスタイルであることが実感できると思います。

この結果からこのプラグインのポテンシャルを最大限に活かすには、対象とする帯域を絞り、ほんの少しだけ加えることがポイントになります。ソロではなくミックス全体で聴きながら、「効いているか分からない程度」にとどめると効果が際立ちます。

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類似製品との比較

「OK!M-Exciterがなんとなくすごいのはわかったけれど、他のはどないやねん?」

って思いますよね。

そこで、Logicに付属しているExciterとArturiaのBus Exciter 104と比較してみます。

比較方法はマスタートラックに使用。できるだけ効果が近くなるように各プラグインで共通になる周波数レンジを6600Hz付近に設定します。

まずはLogic付属のExciter

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続いてArturiaのBus Exciter 104

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比較して思ったのはLogicはかなり音痩せがします。マスタートラックでこれですから、各トラックに使用するとかなり貧相なサウンドになってしまいそうです。

Arturia Bus Exciter 104はベースエンハンサーがついているので高域だけではなく低域にも倍音を付加できるのが特徴です。音の傾向としてはLogicのExciterよりは自然ですが、中低域あたりがスポイルされているような印象ですし、高域に限ってはかなり耳につくサウンドです。

ただこれらツールは必要に応じて使い分けること大切なのでこの結果だけを見てM-Exciterより劣っているという見方をする必要はありません。しかし、M-ExciterのExciterサウンドはマスターおよび個別トラックのサウンドをより自然な結果をもたらせてくれていると言えそうです。

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CPU負荷について

CPU負荷は私の環境ではほぼないという結論です。クオリティの項目にはスタンダードからウルトラまでありますが、こちらはオーバーサンプリングとなっています。

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正直これがオーバーサンプリングなのか?それともM4 Maxの恩恵かはわかりませんが、負荷はスタンダードで2〜3%、ウルトラでも5〜8%程度です。

まとめ

メーカーTechivation
システムWindows
7 and up as 64-bit VST and VST3, and
64-bit AAX (PT11 and up).

Mac OS
10.15 (Catalina) and higher as VST, VST3, AU, and
AAX. Intel processors, and Apple Silicon Chips.
認証方式シリアル認証」
認証数2
マニュアル日本語/英語
価格90ドル
CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

M-Exciterは、自然な高域の明瞭さと存在感を付加できるハーモニックエンハンサーで、スペクトル抑制を用いた滑らかな処理と、Mix Assistや豊富なパラメータ・プリセットによる使いやすさが特徴です。

一方で、生楽器などにはノイズやザラつきが出やすいこと、必要性のない素材では過剰に感じる場合があること、またExciter一般のリスクとして奥行きが失われる可能性がある点は注意が必要です。

これらのデメリットは、パラメータの微調整、diffでの確認、EQでの補正、適用対象の選別などで十分に回避できます。

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