ArturiaのMini Vシリーズは、アナログシンセサイザーの王様、Moogをデジタルで再現した製品です。
特に、バージョン2から3へのアップデートでは、フィルター部分の音質が顕著に変化し、Arturia独自のTAE®テクノロジーにより、より深みのあるサウンドを実現しています。
これらの変更は、プリセットの選択肢を広げ、ユーザーが簡単に多彩な音楽ジャンルに対応できる楽器を提供。Mini V3は、音楽制作のためのDAW内で使えるVSTプラグインとして、シンセサイザー愛好家にとって必要不可欠なツールとなっています。
新旧聴き比べのきっかけ
私は新しい音源が出たらすぐにバージョンアップしてしまいます。しかし、今日作曲家の中土さんにこんなことを教えてもらいました。
えっ?そうなの?そんなに違いがあるの?「これは試してみる価値がありそうだ!」ということで新旧聴き比べとなりました。設定はテンプレートの1VCOを使用します。基本ほぼおなじパラメーターです。
A220hz
どっちがどっちかわかります?波形で見るとこんな違い
答えは上が(グラフだと左)がminiV2 で 下(グラフは右)がminiV3聞いた瞬間なんかV2の方がローがあって音が荒々しいと思ったのは間違いじゃなかったんですねどちらが良いかは好み次第ですが、V3はなんか優等生で大人しい印象を受けます。アナライザーで見ると結構な違いです。
オートメーションカットオフ
同じオートメーションを作って聴き比べてみました。
上がV2下がV3全然フィルターのかかり方が違います。これオートメーションでも違うんですが、マウスでカットオフ動かすともっとわかりやすいです。V2の方がギザギザした感じでV3はとてもスムーズに動きます。
EMPHASIS(レゾナンス)フィルターVCA
カットオフ-5
EMPAHSIS10
AMOUNT OF CONTOUR6
ATTACK TIME 600
DECAY TIME SEC
SUTAIN LEVEL 0
設定はほぼおなじです0.0.1程度の違いあります
同じ設定もここまで違うともはや別のシンセですね。例によって上がV2下がV3です。
Mini V3
これがMiniV3。V2と比べるとGUIが変わりました。個人的には以前の明るい木の色が好きでした。さてこのMini V3のモデリング元は当然Mini moog model Dというマシンです。
ちなみにmoog Model Dというのは製品化されたモデルのことで、これより以前にABCというプロトタイプが存在します。でよくいう話がこのmodel Dのに前期型、後期型というのがあって前期型はオシレーターが安定しないが太い音
後期型は安定するけど前期型に比べると地味といった音の違いがあるそうですが、今回の氏家さんのminimoog Model Dのレビュー動画で実機を並べて演奏しているのをみてはじめてわかりました。本当に個体差があるんですね。
さて話は戻ってArturiaのMiniV3シンプルなインターフェイスでしかも簡単にかっこいい音を出すことができます。
semi tone fineで音を太くする
太い音を作ろうと思ったらまずこれをやりますよね。しかしMiniVのオシレーターでデチューンをかけようと思ってつまみを回してもsemitoneにならないんですよね。
こういうときはマウスで右ボタンを押しながら回すとセミチューンになります。
追加2017年6月8日
シフトボタン押しながらでも出来ました。前のバージョンは普通に出来たような気もしていたのですが…とりあえずこの方法で音の厚みを出します。みんなだいすきSAW波形でやると気持ちいですw
リードにアタック音を加える方法
LOUDONESS CONTOURのDECAY TIMEとSUSTAIN LEVELを左に振り切ると「プツプツ」音になる。そこからSUSTAIN LEVELを右に回していくとアタックのついたリード音になるとのことたくさんの楽器が鳴っている中でのこのアタック音は確かに音抜け対策で使えそうです。
24VCOのリードサウンドをさらに超えていく
やり方はpoly設定で任意の発音数に設定します。氏家さんの動画では8音設定でしたが、私は調子に乗って「32」にしました。
そして後は右上のユニゾンボタンを押してこれにVOICE DETUNEを追加していやると、SUPERSAWならぬULTRA SAWともいえる3☓32発音数の96VCOのリードサウンドの完成wすごいです。(二回目)
何がすごいかって、低音を鳴らしたときの存在感。すでにサウンドエフェクト的な何かのような世界観がありますwこれから何かが始まる!!という期待感が溢れたリードサウンドというかパッドというか形容しがたい音になります。
まとめ
正直ここまで差があるとは思っていませんでした。たった1つのVCOの設定でもこれだけ違うのですが、VCOを重ねまくったら全然違う音になりそうな感じです。しかし…触っていたら分かる話なのにここまで触りこんでいなかったということにショック^^;しかし。これからV3を触りまくりってVer4の変化に備えてみたいです。
コメント
コメント一覧 (1件)
はじめまして。
記事のほう、大変興味深く拝見させていただきました。
ところで、自分は、miniVになる前の、minimoogV(右側のエンブレムのロゴがAutiruaではなくてR.A.MOOGと書いてあるやつです)を持っています。ちなみにminimoogV2です。
同じように220hzのノコギリ波をアナライザーに通して確認してみました。
すると、面白いことがわかりました。
96bit-music様が比較した際のminiV3のほうとそっくりな周波数カーブになったのです!
つまり、miniV2でいったん低音を持ち上げたけど、miniV3で、昔の音に戻したということなのかもしれませんね。
詳しいことは分かりませんが。