曲を早く作る方法は才能ではなくスキルです。
この記事では作曲の初心者の作曲時間最大で半分にできるテクニックを公開しています。
実際私もこの方法を試してから曲を作る速度が劇的にアップし、年間で何百という曲を作れるようになり、音楽を仕事にできるきっかけとなった方法です。
- DTM初心者が作曲を実感できる曲作りの流れは
- 少しでも速く曲を作りたいDTM初心者のDAWテンプレート活用方法
両者の記事はこちらの記事に統合しました。
時短テクニック①「ジャンルを徹底する」
よしこの曲はロックとEDMとヒップホップを融合しよう!
多くの人が一つの曲の中でいろいろなことを試そうとします。その理由はやれることを色々と試してみたいという気持ちの現れかもしれませんが、慣れない間は違う要素を組み込むことで当然音楽の統一性はなくなっていきます。
そして方向性を見失ったと気づいたときに元あるべきイメージした音楽に戻そうとしても膨大な労力のあとではその体力は作曲家に残っていません。
音楽の統一性はジャンルによって決まります。その中でもリズムという概念は非常に重要です。ロック、ファンク、EDM、ヒップホップ、そのジャンル特有のリズムの細かさがあります。そのリズムを意識することで作編曲迷子は減らすことができます。
そもそもごちゃごちゃといろいろな要素が入った曲はプロでもコントロールが難しいです。しっかりと一つに決めることの思い切りの良さは作曲にとって大切です。
慣れない間はシンプルに考える!
ドラムはループものを使う
ジャンルとはリズムである。このブログでも何度も取り上げてきました。以下にわかりやすいドラムを選ぶかでその曲のジャンルはほぼ出来上がったも同然です。私の話ですが実は昔ループものを使うのにすごい抵抗がありました。しかし、友人に「ええなーお抱えドラマーおるようなもんやん」と言われて気が付きました。
「そうだスタジオで友人にドラムを叩いてもらうのとループもの使うことになんら違いはない」そう気がついてからループものを使うことに抵抗がなくなりました。
可能であればコードもループものを使う
ループものコードはシンプルなしろ玉ではなくバッキングであったりアルペジオであったりいろいろです。そういうものを使えば白玉でコードを鳴らすだけのものよりそれらしく聞こえます。
DTM初心者がいきなり複雑なコードで曲を作ることは困難です。作れるようになったらそのときにコード進行にも作曲の意図をいれていけば良い話でまずは有り物のコード進行本を使います。
私が個人的にオススメするのは1番上の本です。コード自体が非常にシンプルでありながらもツボを抑えたものが多くとっつきやすいです。「えーこういうのパクリなんじゃないの?」と思うかもしれませんが、ここに書いてあること自体がすでに何かの曲のパクリです。
もう世界にまだ誰も聴いたことがないコード進行は存在してません。「作曲は0から1を生み出すこと」なんて言う人がいますが、音楽の世界にもはや「0」は存在しません。数百年もの月日をかけて進化し続けてきたのが音楽の世界です。だから思い切り参考にして使いまくっても何ら問題ありません。
時短テクニック②「頭から再生しない」
Aメロができた。よし頭から再生して確認しよう。
音楽は流れです。イントロ、Aメロ、Bメロ、サビといった大きな流れの中でそのセクションが正しく役割を果たしているかが重要なのは多くの人が知りうるところですが、何かあれば頭から確認するというのは思っている以上に時間を必要とします。
当然そのたびに、新鮮な気持ちは失われていき「なんかもっと良いメロディがある、もっとよいアレンジがある」と思い、あれやこれやと手を付けては頭から再生する。これではいつまでたってもそのセクションは完了しません。
より良いメロディやアレンジを追求するのは大切ですが、それは何度も再生して出てくるものではありません。多くは最初に浮かんだものが一番よかったりします。
ここでは「一曲にかかる時間を減らす」というのが目的です。完成に向けた意識を働かせ頭から再生したい気持ちを抑えしっかりとセクションごとに完成させていきましょう。
時短テクニック③テンポを決める」
もうちょっとテンポをあげよう! ……もうちょっとあげよう…
これは①のジャンルを決めると似ている部分でもありますが、このテンポ決めも非常に迷子に陥りやすい要因です。テンポを上げると気分が高揚してくるのでついつい上げてしまいがちですが、5以上あげると別のジャンルのように感じてしまうことがあります。また歌ものであれば譜割りとのバランスでボーカルが歌えなくなるケースもあります。
テンポをコロコロと変えてしまうということは曲のイメージが明確でない場合があります。
テンポが曲に与える要因をしっかりと理解しテンポ迷子にならないように気をつけましょう。
時短テクニック④「使う音色を決める」
SuperSawとシンセピアノと、ワブルベースとEDM系のドラムを…
音色は曲のカラーを決める大切な要素です。倍音を多く含んだ音色であれば広がりが生まれますし、倍音が少ない音色(サイン波)などは閉塞感のある雰囲気になります。
ここに必要以上の意図のない音色を投入使ってしまうということはそれだけイメージがぼやけてしまうことになります。
自分の中でこれは目立たせたい!という音色を見つけたらその他はできるだけ目立たないような音色にするとバランスがとれます。どうしてもそのような音色を多数使いたい場合は、5kHz以降をハイカットして少し曇らせるなどの処理をすることで優先順位をつけることが可能です。
時短テクニック⑤「オリジナルのテンプレートを作る」
テンプレートとはDAWに予め音源が立ち上がった状態ですぐに曲作りに専念できるためのファイルのことです。テンプレートは自分の好みによっていくつでも設定できるので、ジャンル別に分けて作っている人も多いです。
DAWを立ち上げたときに何もない真っ白な状態から作曲しようと思うと、いろいろな音源を読み込ませるところからスタートしなければいけません。テンプレートに関しては「毎回同じ音源を使うことでクリエイティブではない」という理由からプロの中ではあえてテンプレートを立ち上げない人もいますが、DTM初心者は「1曲でも多くの曲を作る。作曲の速度を上げる」といった目的があるわけですから、そのためのテンプレートは作っておいても損はないと思います。
テンプレートのメリット
- 自分の好みの音色がスタンバイされている
- 音源やエフェクトプラグイン立ち上げ(選択)の時間を短縮できる
何もない状態から音源を立ち上げ音色を選んでいくのも作曲のプロセスですが、最近の音源は何千というプリセットあるものも多いわけですから、そんな中から毎回音色を選んでいる時間も体力も初心者にはありません。だから「よし作ろう!」と思った瞬間に音源が立ち上がっているというのはモチベーションの維持にも役立ちます。
デメリットとして同じ音色を使いがちになるため楽曲がマンネリ化してくる可能性がありますが、まだこの記事を読んでいる人にとっては作曲のマンネリで悩む段階ではないので、速度重視で考えましょう
テンプレート作るコツ
テンプレートは作る曲やジャンルによっても異なりますが、まずは8トラック程度、で
トラック | 項目 | 説明 |
---|---|---|
メロディ用 | シンセリード | メロディーを奏でるためのシンセサイザー音。通常、曲の主要なメロディック要素を担当。 |
コード用 | 和音(コード用) | コード進行を作成するための音。ピアノ、ギター、シンセパッドなどが使用される。 |
ベース | ベース | 曲の低音部分を担当。リズムとメロディをつなぐ役割を果たし、音楽の基礎を形成。 |
リズム | ドラム | リズムセクションの核。ビートとタイミングを提供し、曲のテンポを決定。 |
基本はこの4つです、いわゆる4リズムという状態です。この4つの音源をDAW立ち上げ時にすぐに使えるようにすることで楽曲制作の速度があがります。
また、それぞれのトラックに、はイコライザーとコンプ、これらを最初から挿しておきます。とにかく必要最低限の準備を済ませるのがポイントです。
DAWによって異なりますが、作ったプロジェクトをテンプレートとして保存することで次回から作曲時短用のテンプレートを選択可能です。
時短テクニック⑥「使うツールの音色をある程度理解する」
音源の中の大量の音色を一通り確認することが大切です。自分が使っているソフトシンセにどんな音色が入っているのかをある程度理解できれば、音色選びの時間を削減できます。
音色選びは思っている以上に時間を取られます。1音色に付き1秒出会っても1000個確認すると16分近くかかります。もちろん1秒でどんな音を覚えるのは難しいと思うので、10秒くらいかけるとすると160分およそ3時間弱になります。
しかし、自分がどんな音色を持っているのかがわからないと音色選択難民になってしまうので多少時間をかけても音色チェックをするようにはしましょう。チェックマークがない場合はDAWにノート機能がある場合はそこに書き込むのもありです。
音源の中には★マークをつけてお気に入り登録ができるので自分だけのプリセットを作り上げる感覚で使うとよいですよ。
作曲時間を知る
作曲速度を上げたい!と考えている大半の人が実はやっていないのが製作速度の計測です。
自分の作曲平均時間を知らずに「作曲速度をあげよう!」と思うのはある意味で本末点灯です。
自分は一体1曲どれくらいの時間で作っているのか?まずこれを知らない限り作曲速度(スピード)の具体的な向上はありません。具体的な速度を知って初めて「もっと速くするにはどうしたらよいか?」と考えられるようになります。
「速くなりたい!速くなりたい」と考える人は車を走らせながら何キロ出ているか分かっていない状態です。1曲どれくらいかかっているのか?1秒単位まで計測して、はじめて改善点を見つけられます。速さを知るとは現状の把握から始まるということを理解しましょう。
余談「考えることに酔ってしまう」
DTMerには2つのタイプがいます。「長時間考えればよいものができる」と信じ込んでいるDTMerと「短い時間でも良いものは良い」と考えられるDTMerです。
DTM初心者ほど時間をかけて作り込もうとしますが残念ながらそれはDTM作曲泥沼にはまるだけです。なぜならば、長時間考えるのに必要な知識がないからです。時間をかけても作曲が終わらないのは必要な知識がないためです。
時間をかければ必ず良いものができると信じるのではなく、短時間でも良いものができると思いこむ方が自然です。
あれこれ考えているようで実は考えていません。とりあえず考えるフリをしているだけの可能性があります。。会社の会議も「とりあえず仕事をしている体裁をまもるための会議」がよくあります。これと似たようなことが作曲最中でもよくおきます
必要以上にプラグインを試してみたり、何度も再生して確認をしたり、これらはあまり生産的なDTM活動ではありません。しかし「何かをしている」雰囲気はあるので、気がつけば非生産性な行いに酔ってしまって結局何も生み出さないまま時間だけが過ぎていきます。
考えている時間はそれなりに楽しいのですが、まずは「一曲にかかる時間を短くする」という目的があるわけですから「完成」を目指しましょう。
長時間かけて考えないとろくなものにはならないという思い込み
長時間かけて作曲するときには思考の体力である「考え抜く力」が求められます。
その体力をつけるためには考える筋肉である考筋力をつける必要があります。
これは複雑な筋トレでうまれるものではなく、あくまでシンプルなランニング的な動作でみにつくものです。一週間で2km走るのと毎日100m走るのであれば毎日の方が筋肉が付きやすいのと同じです。作曲もシンプルな答えを速く作り出す癖をつけることで良い考筋力がつきやすくなります。
短い時間で作ったものはシンプルな答え
パッと音楽ができてしまうとDTMerは不安になるか、「やばい自分は天才かもしれん」と思うかのどちらかです。
不安になるのは「こんなにサクッとできるわけがない」と思うからです。これは昔から自分の行動に対して「もっとちゃんとしなさい」と言われてきた人に多く見られます。このちゃんとという言葉ほど適当なものはないのに否定され続けると自分の結果に自信がないので「できているわけがない」と思い込むことで心のバランスを取ろうとします。
当然誰かに聞いてもらったときに「全然だね」と言われたら「やっぱりそうか、ぱっと作った曲が評価されるわけないよな」と変な安心感を覚えます。
しかし、「天才」思った人はその行為自体に満足しているので誰かに聞いてもらうときにも「ヤバい曲できたから聞いて」とすでに自信満々で聞いてもらうことが多いです。自信満々の人からのアプローチを否定で切り返す人はあまりいません。自信がない人が無理やり自信をもて!とは言いませんが、速くできても遅く作っても良いものは良いと評価されます。
そしてこの「よい曲」というのはものすごく主観的な世界です。今の自分が良いと思っているものであれば「良いと思っていいのです」そこにはかけた時間ではなく思いの強さの方が重要です。
正解不正解を探さない
知識がないと何が正解どうかはわかりません。つまり正解不正解を探す手順すらない状態では正しくゴールに向かって進んでいるかわからなくなります。
音楽は直感的に好きか嫌いかを判断できるものです。それだったらまずは好きなものを作ることに全力でやった方が時間帯効果が高く、自分が進むべきゴールに向かっているのを実感できるので精神的に安心できます。
まとめ
「一曲にかかる時間を短くしよう!」と考えているのであれば、その目的をブレさせないことです。そもそも時間かかる理由の多くは「気がついたらわけのわかんないことになっていた」という作曲迷子が原因であり、その要因は「目的がブレる」からです。
今回紹介した方法を実践し続ければ「一曲にかかる時間を短くしたい!」と悩んでいる人の多くは時短に成功します。すぐにはできなくても定期的にこのブログの記事を読み直す、意識することで確実に作曲時間は短くなっていきます。
騙されたと思ってはまずは1週間試してみてください!