Retronaut レビュー 他のレトロ系プラグインは捨ててもOK!!究極のノスタルジックLoFi生成プラグイン

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レトロなシンセサウンドを作りたいけれど、かんたんでいい感じない?

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それならRetronaut がおすすめだよ!雰囲気のあるGUIといかにもなレトロ的なサウンドをかんたんに作り出せるよ

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でも音が細くなったりしない?

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Retronaut のレトロサウンドアプローチはアナログ感あふれる音の太さや存在感も大切にしているから、出音には満足するはずだよ!

メリットデメリット
Synthwave的なローファイサウンドを簡単に出せる
雰囲気のあがるGUI
楽器を選ばない音色
リミッター装備
使い勝手が限定される可能性がある
パラメーターの意味が初見でわからない場合がある
音響ノイズはない
United Plugins
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール

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Retronaut

2023年2月にリリースされたRetronautは、United Plugins社が提供するモジュレーションプラグインで、レトロでノスタルジックなサウンドを生み出すことを目的としています。

このプラグインは、古いシンセサイザーやテープマシンの特性を再現し、現代の音楽制作にヴィンテージ感を加えることができます。

多彩なモジュレーションエフェクト

Retronautは、コーラスやリバーブ、ディレイなど、多様なモジュレーションエフェクトを提供し、エレクトリックピアノやギター、シンセサイザーなどの楽器にレトロな質感を加えることができます。

独自のパラメーター設定

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Retronautのパラメーターは、DEGRADE、MOD、LFO、MIX、VCF、DIVERGEの6セクションに分かれています。

MOD,MIX、LFO,VCFに関してはソフトシンセによも見かけるパラメーターですが、DEGRADE、DIVERGEは少し独自性のある項目でありパラメーターの意味が初見では分かりづらいので、その意味について解説していきます。

DEGRADEは「劣化」や「品質を下げる」という意味。音声信号に意図的に劣化を加えることで、ヴィンテージ感やレトロなサウンドを再現します。例えば、古いテープレコーダーやローファイな機器のような質感を作り出す際に使用されます。

その意味合いからDEGRADEのパラメーターには次のような効果が得られます。

項目説明
FLUTTERモジュレーションにランダムな揺れを加えてテープのフラッター効果をシミュレートします。
DUSTモジュレーションにノイズを追加し、テープやアナログ機器の独特な質感を再現します。
WARPすべてのボイスに微妙なピッチ変化とトレモロ効果を加え、自然な揺らぎを作ります。速度はメインモジュレーションの半分です。
FAILピッチと音量にランダムな不具合を追加し、古い故障したギアのような雰囲気を作り出します。
DIRTテープサチュレーションの強さを調整し、温かみやアナログの質感を付加します。
FEED出力音を互いにフィードバックさせる量を調整します。クロスフィードバックで広がりのある音を作ります。
MONO音声をモノラルに切り替え、古いモノラルスピーカーやラジオのような音響効果を再現します。

DIVERGEは「分岐する」や「離れる」という意味があります。モジュレーションに微妙なズレや揺れを追加し、各ボイス間の動きをバラバラにして、サウンドに広がりや複雑さを加えます。結果として、自然で生き生きとした空間効果が得られます。

項目
SPREAD左右のチャンネルでLFO位相をずらし、ステレオ幅を調整します。最大値では左右が完全に逆位相になります。
LAG各ボイスに時間差を加え、ビブラートやリバーブ効果を作り出します。「船酔い」のような効果も可能です。
PHASE各ボイスのLFO位相を調整し、コーラスの広がりを「フル」から「タイト」に変更できます。
V2 SCALEボイス2のモジュレーション速度をメイン速度からオフセットします。半分〜2倍まで調整可能です。
V3 SCALEボイス3のモジュレーション速度をメイン速度からオフセットします。半分〜2倍まで調整可能です。
V4 SCALEボイス4のモジュレーション速度をメイン速度からオフセットします。半分〜2倍まで調整可能です。
RESYNCLFOの位相をリセットし、同期を取り戻します。オフセットによるズレを修正する際に便利です。
  • DEGRADE: 音を「古びた」質感にする役割。
  • DIVERGE: モジュレーションにランダム性や個性を加え、豊かな広がりを作る役割。

どちらも音に個性を与える重要な要素で、ヴィンテージサウンドの再現に欠かせない機能といえます。

直感的なユーザーインターフェース

視覚的に分かりやすいインターフェースを持ち、初心者からプロフェッショナルまで、誰でも簡単に操作できる設計となっています。

これらの機能により、Retronautは音楽制作において、温かみのあるクラシックなサウンドを手軽に実現するツールとして評価されています。

Retronautレビュー

Retronaut
総合評価
( 4 )
メリット
  • Synthwave的なローファイサウンドを簡単に出せる
  • 雰囲気のあがるGUI
  • 楽器を選ばない音色
  • リミッター装備
デメリット
  • 使い勝手が限定される可能性がある
  • パラメーターの意味が初見でわからない場合がある

レトロ感に特化したパラメーターと音質

Retronautのカテゴリは主に「汚し系」と呼ばれるもので、ローファイ感を演出するのが目的のエフェクトプラグインです。機能はモジュレーション(LFO,コーラス、)フィルター、ドライブ、によって構成され、それらを細かすぎないレベルで調整できるのがRetronautの魅力です。

とにかく、一撃で、レトロなサウンドになります。というかレトロなサウンド以外になりません。

次のようなデモに、Retronautを使うとその効果がわかりやすいです。

以下のデモは、ArturiaのProphet-5 Vで、ブラス、アルペジオ、ベースを作り、ドラムはAppleのプレイヤー、ギターはOrange Tree SamplesのINFINITYを使用しています。

それでは個別にRetronautを使ったものがこちらになります。

今まで色々な汚し系を触ってきましたが、ここまでレトロ感を前面に出せるプラグインはなかったように思います。

とくに、Retronautは音を太くするドライブ系の効果ががよく、良い意味でレンジを狭めて、勢いのある音が出せるので、現代の抜けが良すぎるドラムに使うことでレトロ的なニュアンスの勢いのあるサウンドもかんたんに作れます。

また、音色の内容に特化したプリセットも用意されているも特徴です。例えばVerbと書かれたものであれば残響的なサウンドをメインにしたプリセットになります。意外と音色に特化したプリセットの選び方は少ないので便利な機能だと思います。

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そして、個人的に、汚し系は思った以上に音量が上がってしまうというトラブルに遭遇しやすいですが、Retronautにはリミッターが搭載されているので、突発的なピークにも対応できるのは嬉しいです。

しかし、個人的にはこれらのリミッターを含めたこのボタンのデザインが往年の明記を彷彿とさせてくれてテンションがあがります。(少し汚れているのもいい感じですよね)

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類似製品との比較

汚し系プラグインといえば各メーカーからリリースされています。機能が近いという意味合いで比較すると、

XLN Audio RC-20 やBABY AUDIOのAudio Super VHSが類似製品として挙げられます。

SuperVHSもRC-20 Retro Colorはプロからアマチュアまで幅広く使用されている汚し系の定番プラグインです。

Retronautと比較して思ったのはSuperVHSRC-20 Retro Colorも音が軽いというまだキレイなのが目立ったのと、レトロ感によくある密度があって濁り気味のモジュレーション(コーラス)はRetronautに叶わないと思いました。

RetronautはDIRT機能とVCFフィルターによる音作りでサブウーファーあると部屋が吹っ飛ぶくらいのローエンドまで処理ができるので、ただ汚れているだけではなく、存在感のある音色になります。

ここではドラムでその効果を確認してみましょう。

SuperVHS
RC-20 Retro Color
Retronaut

アナログサウンド特有のローエンドの深みもしっかりと再現されています。

SuperVHSRC-20 Retro ColorRetronaut
価格$75.90$109.95$104.50

過去のセールでは最高で$19まで下がっているので、セール価格時が狙い目かもしれません。

プラグイン名最安値時期販売元
RC-20 Retro Color$19.002022年4月2日Plugin Boutique
Retronaut€19.002023年2月United Plugins
Super VHS$29.002023年11月Baby Audio

まとめ

メーカーUnited Plugins
システムシステム要件
Mac
macOS 10.10 以降
(Apple Silicon および macOS 11 Big Sur をサポート)  (64 ビットのみ)
SSE2 をサポートする Intel / AMD プロセッサ
VST2、VST3、AAX、AU互換ホスト

Windows
Windows 8 – Windows 11 
(32 / 64 ビット)
SSE2 をサポートする Intel / AMD プロセッサ
VST2、VST3、またはAAX互換ホスト
認証方式シリアル
認証数制限なし
マニュアル英語
価格$104.50
CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

レトロ感を演出するプラグインはいくつもありますが、Retronautは音の存在感が際立つプラグインです。音色の傾向がレトロ的な印象でしかないので、使い勝手が限定される可能性はありますが、だからこそ逆に割り切って使えるプラグインであるとも言えます。

アナログシンセエミュレーター系との相性は抜群なのは言うまでもありませんが、ギターのコーラスプラグインとして使っても確かな存在感を示すことができます。

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