SSL Native Drumstrip レビュー

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SSL Native Drumstripは、デジタルオーディオワークステーション(DAW)内のドラムトラックを強化するための専門的なオーディオ処理プラグインです。、平均的なドラム録音を鮮やかで刺激的なサウンドに変えることを目的としています。このプラグインは、以下の5つの厳選されたオーディオ処理ツールを提供しています。

  1. トランジェントシェイパー: ドラムのアタックフェーズを強化し、その効果を単独でモニターする「オーディション」機能も含まれています。
  2. 専用ドラムゲート: 独立したオープンとクローズの閾値コントロールと範囲を特長としています。
  3. 高周波エンハンサー: トップエンドの周波数を活性化します。
  4. 低周波エンハンサー: 低音周波数を改善します。
  5. SSLリッスンマイクコンプレッサー: バンド制限された圧縮をフルレンジの圧縮に変更する追加のバイパス機能を備えたクラシックなSSLコンプレッサーです。
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール

SSL Native Drumstrip サウンドレビュー

SSL Native Drumstripはドラムに特化したチャンネルストリップです。その音質は丁寧かつ自然です。Drumstripという名前なのでドラムにしか使えないような印象を持つ人もいるかもしれませんが、パーカッションや、ボーカルやギター、ベースでも使っても問題はありません。

ドラムであればキック、スネア、ハイハット、タム、何でもOKですが、SSL Native Drumstripはトランジェントとコンプが個性的なので、アタック感を調性したいパーツには特に有効です。

基本的にはドラムのレコーディング時に使うのが効果が高いプラグインですが、ドラム音源で使ってもメリットはあります。たとえば、アンビエント成分が多いドラムループからアタックを取り出すことでパーツの距離感を微調整できる可能性があります。

drum ambi dry
drum ambi wet

微々たる違いですが、これらをOHと組み合わせることで絶妙なドラムトラックを作り出すことができます。

drum ambi+OH dry
drum ambi+OH wet

SSL Native Drumstripは当然ドラムのステムミックスに通しても非常に効果的です。

drum stem dry
drum stem wet

ここでは個人的にお気に入りのLOW FREQ ENHANCER機能を使ってロー強調してみました。この機能を使えばとても簡単に気持ちよいモダンなドラムサウンドになります。

ではSSL Native Drumstripを使う前と使った後でミックスの中ではどのように聴こえるのかを最後に確認してみます。

song mix dry

song mix wet

全体がほどよくまとまりながら、ローエンドに深さが生まれ、「かっこいい!!」感じのミックスになりました。

SSL Native Drumstripは非常に高機能かつシンプルな操作性で最高の音質をかんたんに得られるプラグインだということがわかります。

SSL Native Drumstripで作られる音を別のプラグイン1つ1つ立ち上げて行くのは大変ですし、それぞれのプラグインの相性もあるので思っているような効果が得られない可能性もあります。

それらを踏まえて、音質面でモダンで深みのあるドラムサウンドを作りたいのならば、SSL Native Drumstripは強力な存在といえます。

機能性および操作性

SSL Native Drumstripはゲート、トランジェントシェイパー、ローエンハンサー、ハイエンハンサー、コンプレッサーの5つのエフェクトが1つになったものです。

特筆すべきなのは、コンプレッサー、こちらはSSLからリリースされているListenMicCompressor(LMC+)の機能限定版が装備されています。

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LMC+は$130.90もするコンプレッサープラグインであり、往年のクラシックロックサウンドをかんたんに作り上げることができるSSLを代表するプラグインの1つです。

ListenMicCompressorについて詳しく知りたい場合は以下の記事を参考にしてください。

他の楽器との相性も悪くはありませんが、歪みのあるコンプ感はドラムとの相性が良いので、ただ圧縮するだけのコンプではなく率先して音作りに使えるコンプといえます。

コンプにはパラレルミックスノブがついていますが、SSL Native Drumstripには全体のパラレルミックスノブがあるのでかなり柔軟なパラレル処理ができるのも嬉しいポイントと言えます。

SSL Native Drumstripで個人的にお気に入りのなのがLOW FREQ ENHANCER、かかり方がユニークで、設定した周波数のすぐ下にディップが生まれ、それより下が急激に盛り上がります。

とにかく一度使ってしまうとOFFにしたくないほど強烈なインパクトがあるので、ローエンドに深みを与えたい人には使ってほしい機能です。

LOWがあるならHIGHもある!

こちらもユニークでアマウントを変更すると、ピーク以外のフラットな部分が相対的に下がります。その結果より高域が持ち上がる印象です。

ただこれらの機能は基本ブーストのみでカットする機能はないということだけ覚えておいた方がよいでしょう。

トランジェントシェイパーも奥が深く、トランジェントのバリエーションを選び、よりイメージにあったアタック感を取り出すことができます。

ゲートに関してはこれは生ドラムのレコーディング時に活躍する機能ですが、DTMでドラム音源を主体にしている人はそこまで必要になる機能ではないかもしれません。

これらの機能とインプットゲインとアウトプットゲイン、そしてパラレルミックスノブを使って音作りになります。

これらのエフェクトセクションは自由にルーティングを変更が可能です。

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どの組み合わせがいいかはどのような音を作りたいのか?という点で考えるのが大切です。

エフェクトルーティンについて学びたい人は以下の記事が参考になります。

SSL Native Drumstripの音質は機能面との絶妙なバランスによって成り立っているように感じます。もっと機能が欲しいと思う人もいるかもしれませんが、最短最速で求めるサウンドに近づけるこれらの機能は使いこなせば使いこなすほどにより手に馴染むものばかりと言えます。

SSL Native Drumstripに限らずSSLの製品はプリセットは24個と少数精鋭タイプです。しかし、よく作り込まれた印象があるので、使うと多くのことが学べます。

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プリセットには私も大好きな「default」があるので、音作りに迷ったらデフォルトでまっさらにするのがオススメです。

CPU負荷について

CPU負荷も低く動作も安定しています。オーディオトラックに1つだけSSL Native Drumstripを挿した状態の負荷が次の画像です。

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オーディオトラックに1つだけSSL Native Drumstripを挿した状態
CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

もともと負荷はそれほど高くなかったと思いますが、さらにマルチコアへの負荷分散がうまくできている様子です。オーディオトラックからソフト音源トラックまで大量に使っても問題はなさそうです。

まとめ

メーカーSolid states logic(SSL)
製品名SSL Native Drumstrip
システムMac
macOS 11 Big Sur – macOS 13 Ventura (64-bit only) (M1 Mac supported)
Intel Dual-Core Mac running at 2.4GHz or higher
4 GB of RAM minimum (8 GB of RAM recommended)
AU, VST2, VST3, AAX Native
Windows
Windows 10 – Windows 11 (64-bit only)
Intel Core 2 (or comparable) CPU running at 2.4GHz or higher
4 GB of RAM minimum (8 GB of RAM recommended)
VST 2, VST3, AAX Native
認証方式 iLok
認証数2
マニュアル公式サイト英語版のみ
価格(メーカー価格)貨幣表記は半額

SSL Native Drumstrip改めて触ってみるとバランスの取れたドラムチャンネル・ストリップだと感じました。ローエンドの美しさ、LMCによる荒々しいコンプ感など今のドラムミックスを1〜2ランク上に引き上げてくれます。

音質:ダイナミクスが独特LOW FREQ ENHANCERのローエンド感が心地よい

機能性:難しい操作はなしに単体リリースされているLMC+のコンプレッションが得られる

操作性:プリセットは少数精鋭、それぞれに特徴があるので多くを学べる。

安定性:CPU負荷は低い

価格:セール価格は買いレベル。いまならHarrison Drum Flowとセットで安い

総合して、モダンなドラムミックスを得たいのであれば、SSL Native Drumstripは使える!全体的にバランスのとれた機能とGUIのバランスで最短最速で求めるドラムサウンドが手に入ります。

すでにSSL Native Drumstripを所持している場合であってもHarrison Drum Flowを39.49ドルで購入できることを考えればコストの高い買い物になるでしょう。

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