作った曲がいまいちのっぺりとして味気ない。そんな時はEventide Tverbを使うことで音楽的でリッチなルームリバーブを手に入れることができます。
操作性も必要最低限のパラメーターだけで直感的に奥行きをコントロールできるのでリバーブに不慣れな人でも安心して使えます。
Eventide Tverbを使うことで「とりあえずリバーブかけておくか…」というのはなくなります。自分でしっかりと簡単にベストなルーム感を作り上げることができるとても便利で頼もしいリバーブです。
この記事では他のリバーブプラグイン等と音質を比較しながら使い方やメリット・デメリットをしっかりと解説していきます。
音質 | |
操作性 | |
価格 | |
購入のしやすさ | |
安定度(CPU負荷) |
Eventide Tverbとは
TverbとはEventideから発売されているルーム専用リバーブです。ドイツのハンザエスタジオスタジオをミュレートしたルームリバーブで3本のマイクをルームの中に立ててそれらを自由に動かすことができるのが最大の特徴です。
Mic1は指向性とローパスハイパスフィルターを選べます。
Mic2とMic3にカーソルを合わしドラッグすれば自由に動かせます。
リバーブで重要なのは奥行き感ですが、その奥行をマイクを動かすことで直感的にコントロールできます。数値だけが並ぶリバーブプラグインより扱いやすいのは魅力です。
Everntideは空間やモジュレーションの処理が他のメーカーより抜きに出てるメーカーです。今回紹介するTverbの他にもギター専用のエフェクトプラグインもあります。
Eventide Tverbのメリット
パラメーターはすべてテンキーによる数値入力が可能!
どんなに音質の良いリバーブであっても「操作性が悪い」と使うことを躊躇してしまいます。Eventide Tverbはすべてのパラメーターの数値の部分をダブルクリックすることでテンキーによる数値入力が可能になります。
音楽はきっちりとした数値入力(100とか50とか)がすべてではありませんが、自分で気持ちの良い数字をカチっと入力できるのはメリットだと思います。
奥行き感を直感でコントロールできるのは最強!
これが本当に最強だと思っています。そしてその奥行き感が実に音楽的です。IRリバーブを使えば限りなく本物の響きなのですが、それが音楽的かと言われれば違うと思っています。
もちろんリバーブに限らずプラグインの使い方は適材適所でわけるべきなのですが、ルームリバーブに関してはTverbを使うことで「問題ない存在感のルーム」をすぐに作り出せるのが本当に便利です。
実はコンプサウンドが良い!
搭載されているコンプのサウンドがおまけでではなく割としっかりとコンプレッションしてくれます。このコンプはリバーブにかかるコンプではなくMic1にかかるコンプなので、音の輪郭をしっかりつくり込めるのでMic2.3で作るルーム感をさらに明確にしてくれる印象です。
このコンプとルームサイズを上手に組み合わせることでロックで分厚いドラムのアンビ感をつくることが可能です。Tverbはボーカルで使うのがメーカーがオススメしていますが、迫力のある空気感はドラムややロックに似合うピアノ等も相性は良いです。
パラメーターをダブルクリックで数値変更できる
地味なところですが、ノブやフェーダーで微調整しようとするとどうしても細かい数値が合わせにくかったりしますよね?Tverbはすべてのパラメーターの数値の部分をダブルクリックすることでテンキーでの数値入力が可能です。
Eventide Tverbのデメリット
画面の大きさが変えられない
最近のプラグインはインターフェイスの画面のサイズを変更できるものが増えてきていますがTverbはそれができません。もう少し大きければもっと使いやすくなるのに…と思ってしまいますが、それは補ってあまりある音の存在感がすごいです。
Eventide Tverbサンプルデモ
Tverb
ボサノバチックな感じの曲に使ってみます。プラグインは各トラックにEQだけで他には挿していません。TverbはAuxに挿してセンドで送る量を調整しています。
- ピアノ Pianoteq
- ベース Trilian
- ドラム Appleloops
4小節毎にONとOFFを繰り返します。雰囲気をわかりやすくするために少し大げさにかけています。
非常にふくよかで高級感があふれるルームリバーブです。ボーカルからドラムまで嫌味のないアンビエンスを自然に与えられます。Mic1は原音ではないのですが、原音的な意味合いが強いサウンドになるのでもっとルーム的な広がりが欲しい場合はMic1を下げてしまった方が好みの音になるかもしれません。
次にリバーブ比較としてBrainworxのrooMsを通してみます。
bx_rooMS
設定を追い込んでも同じサウンドにはなりません。こちらの方が明るい感じの響きで用途によってはこちらの方が好むサウンドになるかもしれませんが、リッチでふくよかなサウンドとは言えないデジタル的な雰囲気のするサウンドになっています。
次にEDM系などによくあるSuperSawに広がりをつける意味でのTverbとrooMSを比較してみます。
- SuperSaw D16 LuSH-101
- リズム AppleLoops
リバーブのオンオフについて
- 1〜4小節オフ
- 5〜8小節はTverb
- 9〜13小節はオフ
- 13〜17はrooMS
ルーム系ということもあり、宇宙空間を彷彿とさせるようなロングリバーブにはなりませんが、Tverbの質感の良さはEDM系に合いそうです。もう少し残響と明るさが必要であればプレート系のリバーブをあわせて使うと抜けがよく明るく密度に溢れたリバーブになりそうです。
rooMSについてはなるべく質感を似せようと思うと全然似てないサウンドになってしまいます。決して悪いリバーブではないのですが、やはり全体的にデジタル的な雰囲気が強く感じます。
負荷について
- パソコン :Macmini2018
- CPU :Corei7 3.2GHz 6コア
- メモリ :32GB
- 使用DAW:LogicProX
- Audio/IF :896HD
- バッファ :256
この環境ですが負荷はそれほど重くありません。ちなみにrooMSも似たような負荷です。
Tverb 口コミ
以前H9をレビューした時にEventideの空間系は良いなあと思ったんだけど、Tverbを試してみたらやっぱり良かったので今のうちに購入。https://t.co/bfNeApLl57
— Godspeed/青木征洋 (Masahiro Aoki) (@Godspeed_ViViX) November 29, 2016
EventideのTverbが59ドルになってるので、インサートしてがっつり音像を変えるリバーブが欲しい人にオススメ。https://t.co/r4kMG2V4LL
— Godspeed/青木征洋 (Masahiro Aoki) (@Godspeed_ViViX) June 4, 2019
10/5までTverbが60%OFFですよ❗️
— ひろぽん@MIX師 依頼受付中◎ (@hiropon_pegasus) September 22, 2021
師匠主催のMix大会において、最も多くの方が使っていたリバーブでした
絶対持ってて損のないリバーブですんでね、この機会をお見逃し無くhttps://t.co/pmfPhJtHr7 pic.twitter.com/VN6uQmgZ7N
eventideのtverb、もっと早く買うべきだったと懺悔中…
— TAKUTOBEATZ(ビートメイカー) (@takutobeatz) December 5, 2018
ハイハットやクラップ、スネアの奥行き表現が他のリバーブよりも作りやすいな。 pic.twitter.com/oZphmfIdbn
Eventideの音の良さは折り紙付きでそこを評価しているプロも多く、また一度触ったら「なんでもっと早く買わなかったんだ!」と後悔する人も多いです。
私もTverbを初めて使ったときに「あーこれだよね!無理のないルーム感って!」って思いました。
Eventide Tverb システム要求
PC
- Windows 8 and later (32 / 64bit)
- AAX, VST2, VST3 (32 / 64-bit)
Mac
- macOS 10.9 and later (64-bit only) (macOS 11 Big Sur only supported on Intel-based Mac systems)
- AAX, AU, VST2, VST3 (64-bit)
Notes:
- Eventide tests their desktop plugins in Ableton Live, Cubase, FL Studio, Logic Pro, Pro Tools, and Studio One (However, our plugins should work with any compatible host.)
- New 32-bit macOS installers are no longer being made for this product.
- No iLok dongle is required to run this software – only a FREE iLok account/Manager is required for authorisation.
- macOS 11 Big Sur is only supported on Intel-based Mac systems.
Big Surでも動きますが、M1 Macの場合はDAWをRosseta2で起動する必要があります。
またiLokキーは必要なくライセンスマネージャーで登録できるのは嬉しいです。
iLokは一括でライセンスが管理できて便利ですが、最近のMacなどはUSBポートが少ないのであまりiLokに頼りたくない人も多いと思いますし、何より魅力的なプラグインを見つけてiLokを新規購入する必要があるとそれだけで「触ってみたい!」という意欲が削がれてしまいます。
まとめ
いままで多くのルームリバーブを使ってきましたが、密度がありリッチな嫌味のない響きにしてくれるルームリバーブはTverbが初めてです。ですがリバーブを使う時に絶対注意することがあります。それは「かけすぎ注意」です。
どんなにすぐれたリバーブプラグインであってもかけすぎは曲の良さを台無しにします。響いているかどうかちょっとわからないくらいでも最終ミックス時には十分前に出てくるのでバランスを意識して素晴らしいルームリバーブを楽しんでください。
クオリティの高いルーム系リバーブを求めている人はもっておいた方がいいです。私はこれを買ってからルーム系はすべてこれに差し替えたほどです。
- ギターやボーカル、ドラムのクオリティを高くしたい
- DAW付属のリバーブに飽きた人
- 密度のあるアンビエンスがほしい人
- ルームの広がりを自分で調整したい人
これらの人にはおすすめです。
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