作った曲がいまいちのっぺりとしてい味気ない。そんな時はリバーブを使うことで空間に奥行きが生まれ、リッチで高級感のあふれる雰囲気を作れます。最近はDAWにもリバーブが付属していてそのクオリティは10年前のリバーブ単体プラグインと同等かそれ以上です。しかし今でもよりリバーブはどんどん開発されています。
「リバーブはぶっちゃけのところどれが使いやいの?」と十得ナイフのようなリバーブを求める人も多いですが、リバーブはプレート、ルーム、ホールリバーブの3つを分けて使うのがよいと思います。なぜならリバーブの使い所は音色によって異なるからです。今回紹介するTverbはルームリバーブ演出に欠かせないほどのクオリティとわかりやすいGUIが好評のプラグインです。
なぜならTverbが作り出すルームアンビエンスがほかでは得られないほどの密度と暖かみにあふれているからです。
使いすぎには注意ですが、それさえ守れば「味気ないのっぺりなサウンド」サヨナラです。
Tverbの魅力
TverbとはEventideから発売されているルーム専用リバーブです。3本のマイクをルームの中に立ててそれらを自由に動かすことができるのが最大の特徴です。
Mic1は指向性とローパスハイパスフィルターを選ぶことがえきます。
Mic2とMic3にカーソルを合わせればドラッグすれば自由に動かすことができます。
Tverbのここが使いやすい!
コンプサウンドが良い!
搭載されているコンプのサウンドがおまけでではなく割としっかりとコンプレッションしてくれます。このコンプはリバーブにかかるコンプではなくMic1にかかるコンプなので、音の輪郭をしっかりつく込めるのでMic2.3で作るルーム感をさらに明確にしてくれる印象です。
パラメーターをダブルクリックで数値変更できる
地味なところですが、ツマミやノブにフェーダーで微調整しようとするとどうしても細かい数値が合わせくかったりしますよね?Tverbはすべてのパラメーターの数値の部分をダブルクリックすることでテンキーでの数値入力が可能です。
サンプルデモ
Tverb
ボサノバチックな感じの曲に使ってみます。プラグインは各トラックにEQだけで他には指していません。TverbはAuxに指してセンドで送る量を調整しています。
- ピアノ Pianoteq
- ベース Trilian
- ドラム Appleloops
4小節毎にONとOFFを繰り返します。雰囲気をわかりやすくするために少し大げさにかけています。
非常にふくよかで高級感があふれるルームリバーブです。ボーカルからドラムまで嫌味のないアンビエンスを自然に与えられます。Mic1は原音ではないのですが、原音的な意味合いが強いサウンドになるのでもっとルーム的な広がりが欲しい場合はMic1を下げてしまった方が好みの音になるかもしれません。
次にリバーブ比較としてBrainworxのrooMsを通してみます。
bx_rooMS
設定を追い込んでも同じサウンドにはなりません。こちらの方が明るい感じの響きで用途によってはこちらの方が好むサウンドになるかもしれませんが、リッチでふくよかなサウンドとは言えないデジタル的な雰囲気のするサウンドになっています。
次にEDM系などによくあるSuperSawに広がりをつける意味でのTverbとrooMSを比較してみます。
- SuperSaw D16 LuSH-101
- リズム AppleLoops
リバーブのオンオフについて
- 1〜4小節オフ
- 5〜8小節はTverb
- 9〜13小節はオフ
- 13〜17はrooMS
ルーム系ということもあり、宇宙空間を彷彿とさせるようなロングリバーブにはなりませんが、Tverbの質感の良さはEDM系に合いそうです。もう少し残響と明るさが必要であればプレート系のリバーブをあわせて使うと抜けがよく明るく密度に溢れたリバーブになりそうです。

rooMSについてはなるべく質感を似せようと思うと全然似てないサウンドになってしまいます。決して悪いリバーブではないのですが、やはり全体的にデジタル的な雰囲気が強く感じます。
負荷について
- パソコン :Macmini2018
- CPU :Corei7 3.2GHz 6コア
- メモリ :32GB
- 使用DAW:LogicProX
- Audio/IF :896HD
- バッファ :256
この環境ですが負荷はそれほど重くありません。ちなみにrooMSも似たような負荷です。
誰におすすめプラグイン?
クオリティの高いルーム系リバーブを求めている人はもっておいた方がいいです。私はこれを買ってからルーム系はすべてこれに差し替えたほどです。
- ギターやボーカル、ドラムのクオリティを高くしたい
- DAW付属のリバーブに飽きた人
- 密度のあるアンビエンスがほしい人
- ルームの広がりを自分で調整したい人
これらの人にはおすすめです。
Tverbのお値段
通常27,394円とかなり高い部類のリバーブですが、現在セール中にて6,491円です。これはかなりお買い得です。
さいごに
いままで多くのルームリバーブを使ってきましたが、密度がありリッチな嫌味のないリッチな響きにしてくれるルームリバーブはTverbが初めてです。ですがリバーブを使う時に絶対注意することがあります。それは「かけすぎ注意」です。
どんなにすぐれたリバーブプラグインであってもかけすぎは曲の良さを台無しにします。響いているかどうかちょっとわからないくらいでも最終ミックス時には十分前に出てくるのでバランスを意識して素晴らしいルームリバーブを楽しんでください。
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