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izotope NeoverbレビューAIが作るプロレベルのリバーブコントロール

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DTM初心者が気になるプラグインそれはizotopeのAIプラグインシリーズ、その中でもリバーブVSTプラグインであるNeoverbに多くのDTMerは次のような疑問を持っています。

「これを使えばどうなるの?簡単にかっこよくなる?」

「まったくプラグインの使い方とか知らない人だけど使ったらプロレベルになれる?」

結論から言えば「Neoverbを使えば秒速でプロレベル」とはなりません。

しかし、Neoverbを使えば、次のメリットが得られます。

音の濁りが消える

リバーブのかけ過ぎもなくなる

自分が望んでいたリバーブを作り出せる

またAIアシスタント機能はそこから多くのことを学べるというメリットにあります。

使い方がわからない、知識がないという状態ならばなおさらNeoverbから学べることは多いです。この記事ではDTM初心者の頼もしい相棒になってくれる可能性を秘めたリバーブVSTプラグインである。Neoverbの使い方やメリット・デメリットについて解説しています。

総合評価
音質
操作性
価格 
購入のしやすさ
安定度(CPU負荷)
評価の根拠について
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール
タップできる目次

Neoverbとは

Neoverbとは高品質なオーディオ編集ソフトOzone等で有名なizotopeが作ったリバーブプラグインで、巷ではインターフェイスのデザインから通称おにぎりバーブプラグインと呼ばれています。、Neoverbが他のリバーブプラグインと違うのはリバーブをAIによってデザインできるという点です。

リバーブ使ったらかかりすぎてお風呂みたいになった

リバーブを使ったら音がこもってミックスがごちゃごちゃする

こんな悩みをほぼ知識なしにAIの力を使って解決してくれる。それがNeoverbです。

私は基本作曲がメインでミックスは時短できるのであれば時短したい!と考えるタイプの人なのでこういうソフトは大歓迎ですし、Neoverbが示したパラメーターの意味を考えることでリバーブの知識も身につける。とても有り難いプラグインです。

触った第一印象としては「王道なリバーブサウンドを王道な使い方を提示してくれる有り難いプラグイン」という感じでした。

Neoverbの特徴

Exponential Audioから継承した技術を融合させて開発された

一度に最大3つの異なるリバーブをブレンド

アンマスキングテクノロジーによりリバーブを自然に馴染ませる

リバーブアシスタントによるリバーブサウンドの最適化の結果の提示

まずリバーブサウンドの質自体はとりわけ「とんでもないモノが出てきたな!」というほど目新しいものではなく、むしろ「リバーブってこんな感じだよね」というオーソドックスな質感です。それゆえに使いやすく音選びに迷いが無く選択できます。

リバーブタイプの選択は次のように形で選択することが可能です。

Room
Plate
M Chamber
ReflectionHall
L Chamber
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中央の丸いマークを任意で動かすことでそれぞれのリバーブタイプをミックスしたサウンドをつくることができます。

また各リバーブタイプ左側のリバーブタイプ選択画面にある右矢印をクリックすると詳細なエディットページが開きます。

画像

パラメーターの種類が難しい!と感じたら今は無理して理解する必要はありません。Neoverbはそんなリバーブの「リ」の字もわからない人でも扱えるようになっているのが最大の特徴も言えます。

Neoverbの使い方のコツ

リバーブについてもう少しかんたんに理解を深めたいという人はこちらの記事が参考になります。

AIでトラックにあったリバーブを最適化しよう!

AIによるリバーブ設定はとてもシンプルです。インサートしたいトラック、またはAUXにNeoverbを挿してReverb Assitantをクリックします。

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すると次のような選択画面に変わります。ここでは自分がイメージする結果から逆算するように選択項目をクリックしていきます。

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Style:残響の多さ Realisticは少なく、密室感、Dramticは多い、

Size:部屋の大きさ、XSが小さく、XLで大きくなります。

Tone:リバーブの明るさ、Cleanが標準?Darkがこもった感じ、Airyが抜けがいい。

だいたいこのような感じです。ここでの使い方のコツは、CleanとAinyを比較することです。そうすることで「どれくらいの明瞭さをAIが出そうとしているのかを確認することができます。

NEXTをクリックすると解析が始まります。ここでは音源を再生しないと解析が始まらないので少し注意が必要です。

画像

解析が終われば、AIが解析した結果が表示されます。好みの質感が得られないのであればPlay audio&beginで設定し直して再度調整してみるとよいでしょう。

またここでのポイントはリバーブのDry/Wetの量をあまり大きくしすぎないことです。初心者のリバーブサウンドはいかにも「リバーブかかってますよ感」になっています。それが垢抜けないサウンドのになってしまうので、Dry70くらいのイメージで自分の好みのサウンドになってきたなと思ったらそれでOKです。

AIが解析しているものって何?

さて、私はここでこんな疑問を思いました。

「AIは一体何を解析してどういう結果を提示しているのか?」

そこでドラムパターンは同じで違うキットに切り替えるとAIはどう判断するのかをチェックしてみました。

808系ドラムループ
アコースティック系ドラムループ

これらのループは次の条件で解析しました。

画像

その結果は次の通りになります。

音源を変更してもPlay audio&beginで設定したパラメーターが同じ場合、音源等を変えてもパラメーターは基本同じです。変化するのはPre EQとReverbEQです。

PreEQリバーブに入る前の素の音にかけるイコライザーです。そしてReverbEQはリバーブ自体にかけるEQになります。

リバーブテイル(ホールやルームといったもののこと)パラメーター等はすべて同じです。AIが解析している多くはPreEQとReverbEQで、設定したリバーブサウンドに原音をイコライザーで最適化する、そしてさらにリバーブをイコライザー調整しより最適化する。これらがAIの仕事になります。

このような設定は初心者からすれば変化の度合いが少ないため「あまり変わらない」印象を受けるかもしれませんが、この僅かな調整が脱初心者のポイントでもあります。

脱初心者リバーブ設定

初心者のリバーブ設定に多いのは次の2つが多いです。

かけすぎ

アーリーリフレクションの設定が適当

かけすぎは先程もお伝えしましたが、とにかく「リバーブをかけてしまおう」というノリでかけた状態です。意図があってそうしているのであればよいのですが、そこに意図はないため、音は濁り、距離感のイメージもバラバラになります。

そこでまず、かけすぎはやめる、先程もお伝えしたように「Dry60〜70」くらいをイメージで使ってみると、かけすぎ問題は解消できます。

つぎに少しむずかしいアーリーリフレクションの設定ですが、これはショートリバーブだと思ってください。ドライすぎるドラム音にほどよいかなり小さい部屋感を提供してくれます。

厳密には初期反射音といって、最初の音の跳ね返りをさす言葉ですが、「がっつりリバーブになりすぎないために使えるショートリバーブ」と思ってください。

ポイントは、リフレクションと他の残りの2つのリバーブ(ルーム、及び、プレート、ホール)のバランスのとり方になります。Neoverbは3つのリバーブを扱えると説明ましたが、まずは2つを使ってリバーブを追い込むようにするとリバーブ迷子にならなくてすみます。

マスキング機能で他のNeoverbのトラックとかぶっている周波数を軽減できる!

izotpeのプラグインの強みであるマスキングを使えば、他のトラックに挿したリバーブプラグインでかぶっている周波数帯域をマスキングが可能です。つまり音がごちゃごちゃせずにすむ、有り難い機能です。

画像

例えばギターとスネアは帯域が近い場合があったりしますが、そのような場合でもギターマスキングすることリバーブの団子状態を防ぐことが可能です。

Neoverbのメリット

Reverb Assitantが便利すぎる

リバーブタイプを選択し読み込ませるだけでイメージに近いリバーブを瞬時に提供してくれるのは有り難いです。ただ、あくまでここではプリセット的なものを読み込ませているだけ、AIが働くのは最後のページのAutoCutとUnmastのみ、

これで原音に対して濁りの少ないリバーブを提供してくれます。それでもまだ「濁りが多い」と感じたらPre EQでAIによって解析したポイントをさらに削ってみるのも有りかもしれません。

またこのAutoCutとUnmastはReverb Assitantを使わなくても、PreEQとreverbEQの項目のところでも解析が可能です。

自分である程度リバーブを作り込んでから設定する場合はこのような方法が便利です。

オーバーサンプリング等はない

デメリットのように聞こえますが、私はメリットとして受け取っています。オーバーサンプリングを使うことでよい高音質的な処理が可能になりますが、下手につければCPU負荷を上げる原因になります。

Neoverbはオーバーサンプリングによる音質よりもAIによる音質改善の方にウェイトを置いている感じがします。

CPU負荷は軽い!

リバーブプラグインは基本的にCPUの負荷が重たい部類のプラグインです。しかしNeoverbはそれほど負荷はかかりません。

画像
CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS10.15.7 Catalina

Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble

バッファー 256

DAW   LogicPro10.6.3

48kHz/24bit

再生ストレージ HDD

Neoverbのデメリット

リバーブの音がオーソドックスすぎる

悪いことではありませんが、全体的に非常にナチュラルというか聞き覚えのある親しみのあるリバーブサウンドです。それ故に「突き抜けた感のあるリバーブ」や「もっとアグレッシブなリバーブ」がほしいという人にとってはちょっと物足りなくなるかもしれません。

しかし、そのレベルの人はすでに多くのリバーブを持っている可能性があります。リバーブで悩んでいる初心者であれば全く問題なく使えるレベルです。

逆にNerverbの響きを覚えることでよりクオリティの高いリバーブプラグインを見つける手助けになると思います。

Neoverb 口コミ

これら以外にも、やっぱり便利だizotope!と他のizotopeプラグインと同時に使う人などもいます。とにかくAIによるサクッと感でこれだけの結果を作れるのは便利だと思います。

Neoverbのシステム要求環境

システム要求

  • Mac:macOS 10.13.6 El Capitan-macOS 11 Big Sur (Intelのみ、M1 Apple Siliconはまだサポートされていません)(64ビットのみ)
  • PC:Windows 8 -Windows 10  (64ビットのみ)

プラグインフォーマット:

  • AU、AAX、VST2、VST3
  • すべてのプラグイン形式は64ビットのみです。

サポートされているホスト:

  • Logic Pro X、Live 9.7–10、Cubase 9.5–10.5、Pro Tools 12–2020、FL Studio 20、Studio One 4、REAPER 6、Reason 11、Bitwig Studio 3、Cakewalk by Bandlab、Digital Performer10。

iZotopeの製品は、IntelベースのMacにインストールされたBig Surに対応しました。 

AppleのARMチップへのBig Sur及び本体への対応はまだお待ちください。

M1 with Logicのワークアラウンドについて:

M1チップへの製品をインストールした場合の、Logicでの問題のご報告が多数きており、
こちらは特定の製品にてプラグインエフェクトのスキャニングができないとの報告が
あります。 暫定での回避策は以下の通りです:

– Finderを開き、「アプリケーション」フォルダに移動します。- Logic Proのアイコンを右クリックします。- “情報をみる “をクリックします。- “Rosettaを使って開く “にチェックを入れます。- Logic Proを再起動します。
これで動作をするようになるかと思いますので、一度ご確認ください。

引用:iZotope製品:macOS 11 Big SurそしてARMチップ搭載のMacの互換性について ( 2021.6月下旬現在 )

残念ながらM1 Appleの正式対応はまだなのでかりに動いたとしても安定動作は補償されていません。一刻もはやい対応が望まれます。

ただwavesもV13よりM1に正式対応となったので、おそらく時間の問題とは思います。Neoverb FAQ

まとめ

リバーブ初心者はNeroverbを使うとおそらくリバーブの影響で音が団子になるのはかなり回避できると思います。しかし、アレンジレベルの団子を回避できるわけではないのでそこは注意が必要です。

リバーブサウンドの好みによって好き嫌いは分かれるところかもしれませんが、いわゆる王道なリバーブサウンドと各トラックをリバーブに最適化した状態を簡単に作れてしまうのはかんり便利です。

「でもこんなAIを使ったらうまく慣れない」って聴いたことがある人もいるかもしれませんが、しかし、バシッと決まるのであればそれは使うべきです。そもそも創作にはゼロという世界はありません。すでにある1をどう自分らしく見せられるかどうかです。そのためのツールとしてNeoverbのテクノロジーの恩恵は受けて良いと思います。

Neoverbを使うことで「どういった状態のリバーブならばよいリバーブと言えるのか?」を学ぶことができ、今後のリバーブ選びも楽しく確実なものになっていくでしょう。

個人的にはDTM初心者にはぜひもっておいてもらいたいリバーブプラグインです。

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