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[レビュー]80s Spaceはゲートリバーブとして使いたい3つの理由

最近のDAWにはクオリティの高いリバーブが入っているのでそれを使えばリバーブをわざわざ購入する必要はありません。しかし次の悩みを持っているのであれば今回紹介する80s Spaceは購入する価値を検討してもよいでしょう

  • DAWのリバーブは綺麗すぎる
  • 綺麗な響きもいいけれど密度がある響きがほしい
  • 昔の曲に使われている人工的なリバーブがほしい
画像アルハ

リバーブによってそんなに違うの?

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用途によってもどのリバーブを使うか変わってくるよ!

有償のリバーブプラグインとして最初の1つにオススメとはいいませんが、明らかに毛色の違うリバーブサウンドが楽しめるのは間違いありません。そして個人的にはゲートリバーブサウンドが好きな人には強烈にオススメしたいプラグインです。

評価まとめ

音質
操作性
価格(セール価格)
購入のしやすさ
安定性
目次
UG
作編曲家(DTMブロガー)
作編曲家/DTMブロガー&講師 /
日本シンセサイザー協会準会員/
テレビ番組/CM、映画、よさこい、
ゲーム、などのBGM及び効果音を作成

80s Spacesの特徴

80s SpacesはNomad Factoryによって作られたリバーブプラグインで、名前の通り80年代のリバーブサウンドの再現を目指したエフェクトプラグインです。

80年代のリバーブは人工的な響きで近年のナチュラル的な響きとは対照的な音質ですが、近年のシンセウェイブブームもあり再評価されています。

80s Spacesでエミュレーションしているリバーブは次の7つ、そして5つのリバーブバリエーションを選択することが可能です。

プリセット名実機名
Iconic 20Lexicon 200
Iconic 24Lexicon 224
Iconic 48Lexicon 480L
Iconic PCMLexicon PCM 60 or 70
Event 3000Eventide H3000
Retro MX16AMS RMX 16
Japanese 90Yamaha SPX 90
https://www.kvraudio.com/forum/viewtopic.php?t=496931

選択可能なリバーブバリエーション

  1. Hall
  2. Room
  3. Plate
  4. Ambience
  5. Mics

エミュレーション元についてはマニュアルに記載されていないので憶測領域はでませんが、海外サイトでは上記の憶測が建てられています。

使い方のポイントとしてはボーカル、ギター、ドラム、何にでも使うことは可能ですが、個人的にはゲートリバーブを使うことで80年代に流行った迫力のあるドラムサウンドをつくることが可能です。

ゲートリバーブとは?

ゲートリバーブとは残響をノイズゲートというエフェクト(プラグイン)を使って強制的に遮断することで作られたサウンドのことです。

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ヒュー・パジャム というエンジニアが1980年前後に多用して有名になったと言われています。冒頭のドラムがゲートリバーブサウンドです。

あまりにも多様されたため今ゲートリバーブを使うと「なんだか古臭い」という印象を受ける世代もあるかもしれませんが、新しい世代には新鮮に映る可能性もあります。

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そんなに古臭いかな?

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受け取り方は人それぞれだからね

ゲートリバーブの作り方

ゲートリバーブサウンドはDAW付属のエフェクトプラグインでもつくることは可能です。お気に入りのリバーブとノイズゲートを使えばいいだけの話です。

(Logic Proに付属しているリバーブとノイズゲート)

しかし、これはあまりオススメできません。理由は次の2つ

  1. プラグインを2つ使う必要がある
  2. ゲートが意図しない動き方をする

個人的にプラグインを使わなくてよいのならば必要以上に使わない方がよいと思っています。それは見た目の問題であったりどちらかの設定をかえればもう一つも変えなければ意図しないサウンドになりがちなだからです。

またゲートの開きはプラグインによって異なるので必ずしも意図した結果になるわけではありません。個人的にLogic Proのゲートの開き方は嫌いです

ちなみにLogic Proのリバーブはボリュームアンプという項目があります。それを短くすることで簡易的なリバーゲートサウンドをつくることが可能です(こちらの方がノイズゲートを使うよりよほどそれらしくなります)

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もっとゲートはシャッ!と閉じてほしい

またLogic ProではリバーブをADSR制御すること可能なEnVerbというものがあります。これを使えばゲートリバーブサウンドを再現することが可能です。

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上記で紹介している方法を使えば80s Spacesを必要ないという人もいるかもしれません。それでも80s Spacesをオススメするのいは2つの理由があります。

  1. EnVerbでは往年の名機といわれた80年代のリバーブサウンドの質感を再現できるわけではない
  2. 自然なリバーブゲートサウンドになりにくい

80s Spacesでエミュレーションしているリバーブは壮年の名機とよばれるものばかりであり、どの質感も使いやすいものばかりで、好みと違えばすぐに切り替えることが可能です。

またEnVerbのほうがADSRの設定でより細かくゲート感を演出できますが、リバーブの質自体がどうしても不自然になります。

なので、上記の2つが問題ないのであれば、Logic ProユーザーはSpace DesignerかEnVerbを使う方がよいかもしれません。

80s Spacesをリバーブゲートとしておすすめする理由

操作が簡単だから

これにつきます。GATEと書かれたパラメーターを回すことでどの時間でゲートを切るかを設定できます。またとなりのDECAYを使うことでリバーブの長さを設定します。

この2つのパラメーターだけしかないので逆を言えば「ゲート感を作り込めないのでは?」と思うかもしれませんが、そんなことはなく十分なゲートサウンドを楽しむことが可能です。

エフェクトの質を選べる

80s Spacesには7つのリバーブサウンドを選択できます。タイプ別によって音が明るいもの暗いもの、密度があるもの、少ないもの、などを選び、そこから好みの量のゲートを設定することが可能です。

プリセット名実機名
Iconic 20Lexicon 200
Iconic 24Lexicon 224
Iconic 48Lexicon 480L
Iconic PCMLexicon PCM 60 or 70
Event 3000Eventide H3000
Retro MX16AMS RMX 16
Japanese 90Yamaha SPX 90
https://www.kvraudio.com/forum/viewtopic.php?t=496931

個人的にはRetro MX16がオススメです。残響感、音の明るさ、非常に使いやすい音質です。

EnVerbはパラメータを動かすと音が止まる

EnVerbを使っての比較になりますが、EnVerbはパラメーターを動かすと動かしている最中音に変化はありません。止まったところの設定値の音が反映されます。

確かにエンベロープを動かしている最中の音を確認する必要はあまりないのかもしれませんが、そこだけエフェクトがバイパスされたようになるのが個人的に扱いにくいです。

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一度使いにくいと思うとその部分でイライラしちゃいますよね

80s SpacesはIRリバーブ?

IRリバーブ(コンボリューションリバーブ)とは畳み込み演算方法で作られるリバーブのことであり、色々な場所の響きを録音したデータを元に響きを作り出すため、その場所の特性をほぼ100%再現できるのが特徴です。

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家にいながら東京ドームの響きだって作り出せるよ!

画像アルハ

コンボリューションリバーブの技術はギターアンプのキャビネットシミュレーターでも使われてますね

ただ、IRリバーブは演算処理にCPUパワーをものすごく消費するのが短所です。

80s SpacesがIRリバーブなのかアルゴリズムリバーブなのかはっきりとしていません。(マニュアルには詳しい記載はなし)海外サイトでは左の青いウィンドウにWAVと書かれていることから「IRリバーブではないのか?」という話です

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これに関してマニュアルでは次のように明記されています。

Shows the reverb tail waveform. Original shown transparent, and current shown in black with applied attack / decay / gate values.

(リバーブテールの波形を表示します。オリジナルは透明で表示され、電流は適用されたアタック/ディケイ/ゲート値で黒で表示されます。)

しかし、この文言だけを見てレスポンスリバーブかどうかははっきりしないのでもう少し調べてみました。

80s Spacesをインストールするとアプリケーションサポートにフォルダが作られます。その中身を確認するとrev detaというファイルがありその容量が141.9 MBあります。

画像

(ちなみにLogic ProのSpace Designerの容量は675MBです)

画像

プラグインだけの容量は22MBなのでこの141.9MBは何に使われているのか?インターフェイスにしては容量が大きすぎますし…そうなるとやはりIRリバーブの可能性が高いように思えます。

しかし仮にIRリバーブであってもIRデータを読み込むことはできないのであくまでデフォルトのデータしか使用できません。

80s SpacesのCPU負荷

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS10.14.6 Mojave

Audio/IF Apogee symfony Ensemble

バッファー 256

DAW   LogicPro10.6.2

48kHz/24bit

再生ストレージ HDD

画像

CPU負荷はほとんどありません。かなりCPU負荷が軽い部類のリバーブといえます。ちなみに13個80s Spaceを指してみたCPU負荷の結果は以下の画像になります。

画像

最近はAUXではなくトラックにリバーブをさしてしまうケースも多くありますが、そでもこの程度の負荷であればあまり気にすることはないように思います。

80s Spaceサウンドデモ

普通のドラムと80s Spaceを通したものを比較してみます。ドラムはLogic ProのDrum Kit Designerを使いました。

設定は画像の通りです。

画像

まずは80s SpaceをOFFにした状態

次に80s SpaceをONにした状態

かなり大げさにかけていますが、実に存在感がある音色に変化します。

80s Spacesの価格と購入のポイント

定価は26,278円です。正直かなり強気な価格です。物が良くてもこの価格では手が出しにくいですね。ところがこれが今セールで3,799円になっています。

この価格まで下がるとほしい人には「めっちゃ安い!」という印象です(←私のことですが)

80s Spaces購入サイトへ

購入のポイントとしてはLogic Proユーザーの場合「DAW付属のもので買えがきかないか?」というところです。

ちなみにSpace DesignerとEnVerbを使って似たようなサウンドを作ってみました。

Space Designer

EnVerb

そして最後に80s Spacesです

Space DesignerはIRリバーブで多くのデータがありますし、どこかでIRデータを手に入れることができたなら、80s Spacesに近い音は出せるかもしれません。

EnVerbに関してはリバーブの種類こそ選べませんが、エンベロープによるゲート感の演出はかなり細かいところまで追い込むことが可能です。

ですが私の場合80s Spacesの質感及び、簡単な操作性で得られるリバーブサウンドが魅力だったので今回のセールで購入しました。

しかし購入は使ってから考えたい!という人もいるでしょう。その場合はNomad Factory公式サイトからデモ版をDLできるのでしっかりと試してみることをオススメします。

DLの方法は一番下のDownload All 80s Spaces というボタンをクリックしてDLページからできます。

80s Spacesのシステム環境

Windows/mac

  • AAXネイティブプラグイン
  • Audio-Unitプラグイン
  • VSTプラグイン
  • VST3プラグイン
  • OS:macOS10.8以降
  • CPU:Intel64ビット
  • RAM:2GB以上
  • ディスプレイ:1024×768以上
  • ソフトウェア:64ビットAAX / AU / VST / VST3互換ホスト
  • Windows:7以降
  • CPU:SSE2を搭載したIntel / AMD CPU
  • RAM:2GB以上
  • ディスプレイ:1024×768以上
  • ソフトウェア:32/64ビットVST / VST3互換ホスト
  • ソフトウェア:64ビットAAXホスト(Pro Tools 11以降)

80s Spacesのメリット

他にはない質感で圧倒的な存在力

近年のリバーブはクリアで抜け通い物が多く素材の良さを引き立たせるものが多いです。よく言えば「リバーブプラグインを使っていないような質感」とでもいうべきでしょう。

しかし80s Spaceは主張が強くナチュラルな響きというよりは「人工的な響き」が前面に出てきます。人工的がよい悪いというよりはその音の存在を求めるかどうかによって使用目的がことなりますが、特定のトラックだけに80s Spacesを使うことで存在感を高めてくれることは間違いありません。

パラメーターが少ないのでざっくり使うのにちょうどいい

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INPUT MIX OUTPUTを除いて考えても操作できるパラメーターは下記の8つ

  • PRE DELAY
  • ATTAK
  • DELAY
  • GATE
  • LO CUT
  • HI CUT
  • CHORUS
  • WIDTH

(8.12.24と書かれているのはフィルターのカーブです)

シンプルで必要最低限に押さえられていますが、それぞれのパラメータの音の効果が非常にわかりやすいので音作りも実感できます。

アンインストーラーがある!(MAC)

画像

地味だけどすごく嬉しいのがアンインストーラーを搭載していること、買う前に一度はデモを試してみたいけど気に入らなかったら削除したい!でもそれがめんどくさい!という人にはアンインストーラーは重要です。

80s Spacesのアンインストーラーは

Library/Application Support/Nomad Factory/80s Spacesのフォルダの中にあります。

80s Spacesのデメリット

GUIのサイズが変更できない

操作画面であるGUIのサイズが変更できないのは少し残念のように思います。

M1 MACに対応しているかはっきりしていない

インテルベースで使うには問題ありませんが、最新のM MACでの対応は明らかにされていません。このあたりが今後どのタイミングで明確にされるかがユーザーにとって購入の目安になるように思います。

Nomad FactoryのM1対応状況についてはメディア・インテグレーションで詳細を知ることができます。

Nomad Factory 動作環境

[個人的な願望]4つくらい切り替えられる機能がほしい

これはデメリットというわけではありませんが、80s Spaceでは2つのリバーブ設定を切り替えて比較することが可能です。

画像

しかし贅沢を言えばこれを4つくらいにしてほしいです。理由はリバーブタイプ別に同じ設定にしたときにどれくらい音に差があるのかを知りたいからです。

80s Spacesを3倍楽しく使う方法

wavesfactoryのCASSETTEをあわせて使う

80s Spaceは名前からして80年代のリバーブサウンドを再現するものです。ここで80s Spaceと一緒に使うことでより80年代のサウンドを満喫できるプラグインがこちら wavesfactoryのCASSETTEです。これはカセットテープサウンドをエミュレーションしたプラグインです。

使い方は使用したいトラックの一番上にさすだけです。そしてそれらをAUXで80s SpaceにおくることでカセットMTRの環境を再現できます。

wavesfactoryのCASSETTEを使うことで荒々しく密度が濃いサウンドになり、そこに80s Spaceのリバーブを通せば、聞こえてくる音はまさに80年代です!

D16 Group Audio Softwareのdecimort2をあわせて使う

D16 Group Audio Softwareのdecimort2はビットクラッシャーと呼ばれるエフェクトプラグインですが、往年の名機と呼ばれたサンプラーやレコーダーのDA特性を再現できるのが特徴です。

使い方はリバーブの後ろにdecimort2を使うことでリバーブサウンドを良い意味で汚します。こうすることでより80年代のデジタル的なリバーブサウンドをエミュレーションできます。

さいごに

80s Spacesをゲートリバーブで使うことをオススメしていますが、もちろん普通のリバーブとして使うのは当然ながらアリです。コーラスをうまく使えばダブラー的な音にもなります。何度もも書いてしまいますたがRetro MX16の音は質感もよく、どんな素材に使っても美しい響きを作り出してくれます。

またそれほど存在感を出したくないけれど薄くかかってほしい場合などはSPX90を再現したJapanese 90がオススメです。

定価で買うのを迷っていた人でも今回のセールは納得の価格になっているように思います。

80s Spaces購入サイトへ

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