あなたのボーカルパフォーマンスを革新するエフェクターの世界へようこそ。
この記事では、ピッチ補正、ハーモニー、リバーブ、ディレイなど、多彩なエフェクトを搭載したボーカルエフェクターの選び方と使い方を詳細に解説。
ライブや録音での使用を想定し、TC HeliconやBOSSなどの人気ブランドの製品を例に、マイクやギター接続、USBやXLR端子、ACアダプターや電池駆動など、各種機能と操作性についても触れます。ボーカリストが次のステージへ進むための必読ガイドです。
ボーカルエフェクト、ハードウェアとソフトウェアの違い
ライブなどで使う場合はハードウェアです。そして歌ってみたやYoutuberとして使う場合は(パソコン)ソフトウェアにになりますもちろんライブでもパソコンのボーカルエフェクターを使うこともできますが、レイテンシー(遅延)問題があり(入力された音をパソコン内部で加工されてスピーカーから音が出てくるまでの時間差)
中々思うように使いにくいケースもあります。ソフトウェアの方が柔軟な設定が可能なケースもありますが、ハードウェアの利点はレイテンシーの無さと持ち運べる点にあります。
家で使うのがメインならばソフトウェア
ライブで使うならばハードウェア
ボーカルエフェクターでできること
ソフトもハードもボーカルエフェクターでできることは主に次の6つ
- ハーモニー系(自動ハーモニーを作る)
- 空間系処理(リバーブ、ディレイ)
- 揺らし系(ダブル、コーラス、フェイザー、フランジャー、ピッチシフト)
- 汚し系(ディストーション、サチュレーション(真空管的な歪)
- 調整系(コンプレッサー リミッター)
- アクティブ処理系(ケロケロボイス)
他にもより特化したものあるケースもありますが、およそこの6つになります。
ボーカルエフェクター で女声を作る
最近ではYotuberなどで男性の声を女性に変更できるエフェクターもあります。
有名なのはこちらのボーカルエフェクターです。
おじさん声がここまで可愛くなれる!と噂のエフェクターです。
「進化したおじさん声」と言われているといないとか…w
しかし、すべての男性声を女声に変えられるわけではなく、その声の声質にもよるところが
多いので「買ってみたけど、全然思い通りにならなかった」と後悔しないためにも
しっかりと情報を調べる必要があります。
一つ一つ見ていきましょう。
ハーモニー系(ダブリング)(自動ハーモニーを作る)
自分の声に対して自動でコーラス(ハモリ)を作ってくれます。最近だと4声くらいのものも作ってくれます。ドミソシみたいな感じです。一人アカペラが可能とういうとても便利なものです。バンドの最初を一人アカペラで始まったりしたらそれだけで「えっ?何?」みたいな
印象を与えられるとと思います。またサビなどを複数の人数が歌うことで迫力を出せるダブリングというものもあります。プロのレコーディング現場でも多いときは数十回もダブリングするケースもあります。ちなみにアイルランドの歌姫と言われたエンヤは100〜200回もボーカルを重ねる(ダブリング)ことで
幻想的な世界観を作り出しています。
ハーモニー系を使う・デメリット
しかし、この手のエフェクトにはピッチの正確さが求めれます。ピッチを補正しつつするものもあるのかもしれませんが、間違ったピッチに正確にハモリができるので、アカペラだったらごまかせるかもしれませんが(ごまかしちゃだめですw)他の楽器と合わせるとなると気持ち悪い以外の何者でもありません。
バンドでのボーカルは一番のメッセージを届けられる存在です。音痴なボーカルには結果的な音痴なコーラスしかつかない。そんなバンドを聞き続けたいと思いますか?
空間系処理系(リバーブ、ディレイ)
ボーカルに空間処理を行います。お風呂から教会みたいなところ、さらには洞窟まで最近のリバーブは密度もこく非常に美しいリバーブをつく出してくれます。バラードなどでリバーブを上手に使えば人々を魅了するボーカリストになること間違いなしです。ちなみにボーカリストが1番よく使うリバーブはプレートリバーブとよばれるもの。ホールリバーブより音が明るくぬけがよいものです。
このあたりのリバーブの処理の仕方についてはこちらの記事が参考になると思います。
またホールとプレートを組み合わせてつかうこともよくあります。ディレイに関してはリバーブを補佐する役目から音を8分音符飛ばしたりというグルーヴ的なテクニックから使うこともあります。後者の方は「ココだ!」というときに使うと非常に注目されるテクニックでもあります。
空間系処理系デメリット
下手な設定をしてしまうとお風呂リバーブになり、ボーカルの明瞭度が下がります。ライブなどではハウリングの原因になったりもするので実かなりシビアな設定が求められます。ポイントとして本人が思っているよりかなりうっすらとかけること。ついついリバーブの気持ちよさによってしまいがちですが、楽曲にまぎれてしまった場合は残響が音の濁りの原因にもなります。
揺らし系(ダブル、コーラス、フェイザー、フランジャー、ピッチシフト)
ダブルとはボーカルをもう一本増やした状態のことPOPSの歌ものでサビなどでもりあげるためにダブルにすることでオケに負けない強いボーカルを作り出すことができます。ギタリストの「ブースト」みたいなものと考えてもいいです。
コーラスもダブルをも似ている部分もありますが、最近のダブルはより自然になるため微妙に音をずらして本物のボーカリストが二回歌っているような印象与えてくれます。フェイザーやフラジャーは昔からあり、多用されたのもあって使いすぎると「古い」印象になることがありますが、
最近はボーカルにフランジャーを使うことも少なくなっていたので「一周回って新しい」とも言えますw
ピッチシフトは犯罪に巻き込まれた被害者がテレビで「音声を変更してします」っていうときに使われているときの声になります。ライブなどだったらMCのときの飛び道具として使うのもアリかもしれません
揺らし系デメリット
声をを揺らすということはピッチを変更しているわけなので、もともとのピッチが悪いとさらにピッチが悪くなってしまいます。
歌唱力を適切に届けるためには揺らし系も空間処理系と同じくらい薄くかけることが望ましいです。
汚し系(ラジオボイス、ディストーション、サチュレーション(真空管的な歪)
声にディストーションをかけるものです。非常に攻撃的な音質になり破壊的なイメージを作ることもできます。インパクトがかなり大きいので目立つサウンドにすることができます。またディストーションまでいかなくてもサチュレーションといって真空管のような温かい歪をボーカルにあたえることでボーカルに暖かさを与えてやることができます。
できる限り綺麗な声を聞いてもらいたい!と思うボーカリストはたくさんいますが、バンドの中で埋もれてしまって何をいっているかわからないバンドを聞いたことがある人は結構いると思います。そういう時に少しだけボーカルを歪ませる(汚す)ことで埋もれないボーカルサウンドに仕上げることができる可能性があります。
メタル系のデスボイスなどはまさにこの歪によて作られた究極のボーカルエフェクトといえます。
汚し系デメリット
使いすぎることで飽きられてしまいます。ディストーションは劇薬で「なんかわからんけどかっこいい!」というサウンドになりがちですが、実際使うと「歌詞が聞き取りにくい」サウンドにもなるので、慢性的に使うとただただ自己満足のサウンドになってしまうので要注意です。
調整系(コンプレッサー リミッター)
ある意味ボーカリストが1番使い所が悩むエフェクター大きいな音量を小さくして小さい音量を大きくすることが調整系の目的です。例えば、Aメロは楽器も少なく歌も小さいサビでは楽器も増えてボーカルも大きくなるのが普通ですが、サビの音量に合わせてAメロ歌うとボーカルがうるさくなってしまいます。
コンプレッサーを使うことでボリュームの差をなくし聞かせやすくすることができます。またリミッターは急激なシャウトなどで音が割れてしまわないようにするために音量の上限を決めておくことで音割れをふせぐことができます。
調整系デメリット
コンプレッサーはシビアな設定が求められます。正直素人がこねくり回して「ベストな設定」になることはまずないといえる代物です。下手にすると歌詞が聞き取りづらくこもっただけになります。プリセットがあればそれを使い、それもガッツリかけない方向が望ましいです。
アクティブ処理系(ピッチ補正、ケロケロボイス、など)
指定した以外の音程にならにようにするもの。つまり音を外さなくなります。当然音をはずさないので「上手く」聞こえる感じはありますが、大きく外すと下記の「ケロケロボイス」になります。
Perfumeなどで同じみのケロケロサウンドを作り出してくれます。昔はこれをリアルタイムですることはできず、レコーディングしたあとでエンジニアがケロケロボイスを作ってましたwいまでも細かいケロケロはそうやって作りますが、ライブでそれっぽいケロケロサウンドはボーカルエフェクター一発でて出来てしまいます。
ボコーダーサウンドはMidi鍵盤などを使ってドミソと弾くと自分の声がドミソと発音されます。こちらはもっとロボット的な音になっていたりするものもありますが、最近のボコーダーはロボットボイスにならないものもあります。ちなみにボコーダーという技術はもともと軍事的な技術で生まれたものだったりもします
ジェンダー変換はピッチチェンジと似ていますが、より人のフォルマント(声の要素を決める)に最適に働くもので男性ボーカリストがキレイなおねーちゃんの声になったりするものでもあります。カラオケでもありますが、あれもジェンダー変換機能の一種です。
アクティブ処理系デメリット
ケロケロボイスはとにかくアクのつよいサウンドになります。Perfumeみたいに割り切って使うのであればありかもしれませんが、中途半端に多用すると「Perfumeのぱくりやん」みたいな印象を与えかねません。適材適所な使い方が重要になります。
おまけ
よく「コーラスやリバーブだったら別にボーカルエフェクトじゃなくてもよくない?」という話をする人がいますが、ボーカルエフェクターにマイクプリがあったりエフェクターの内容もボーカリストの最適化されているものが多かったりするので普通のエフェクターを通すよりボーカルエフェクタ使いやすい音質(音色)であることが多いです。
おすすめボーカルエフェクター
高音質で長く使える究極のボーカルエフェクター
TC-HELICONはもともと業務用のエフェクターを開発していてその音質はプロのエンジニアお墨付きです。プリセットも充実していて非常に使いやすいです。
手頃な値段と使いやすさで多くの人に使われているボーカルエフェクターです。どのボーカルエフェクターも基本はできることが同じで、そのパラメーターの精度が会社によって異なります。
ボーカルエフェクターを使う前に
ボーカルエフェクターはその瞬間の演出には効果的ですが、ボーカルエフェクトなしでも十分に聞かせられるだけの技術をみにつけることが何よりも大切です。テクノロジーはみんなが使えば色あせますが、ボーカル一人ひとりのカラーは何十年立っても語り継がれるほどの奥深いものです。
まとめ
おすすめボーカルエフェクターを使うことのメリットとデメリットをまとめてみました。使うことでエフェクティブなボーカルサウンドを作ってくれるのでより目立ちたい!という人にはぴったりのものですが、まずは「正確に歌える」この基本中の基本を疎かにしたらボーカルエフェクターの魅力はおろかボーカリストとしての魅力も伝わりません。
店員さんにボーカルエフェクターについてたずねるときは「音が痩せがしない」というキーワードを使うとよいでしょう。ボーカルエフェクターの中には音がやせてしまうものがあるので注意が必要です。
上手くなるために使うのではなく効果的な使い方を目指して使いましょう。