サブベースを使うことで、低域の迫力と心地よさを増すことができます。
ジャンルによって使い方は異なりますが、基本を理解すれば効果的に使えます。この記事では、サブベースの定義と歴史、ベースエンハンサーとの違い、そしておすすめのサブベースソフトシンセやプラグインについて解説しています。初心者でも適切なサブベースサウンドを見つける手助けとなる情報が満載です。
サブベースとは? – 基本知識と定義
サブベースは、楽曲に深みと迫力を与える重要な低音要素です。特にヒップホップやEDMで重視され、20Hzから60Hzの低音域は身体で感じる振動としても認識されます。適切に使用することで、楽曲はより印象的になります。
サブベースの歴史背景
サブベースは低音強化という考え方が一般的であり、その歴史は古くクラシックの楽曲制作において活用されたのがはじまりです。
クラシック音楽の進化と低音楽器: クラシック音楽の歴史を通じて、低音楽器(例:コントラバス、チェロ、ファゴットなど)の進化や役割が変わってきました。これらの楽器はアンサンブルの中で重要な役割を果たし、サブベースの領域を担当しています。
オーケストレーション: 作曲家は時代とともにオーケストレーションの技術を発展させ、低音楽器の可能性を広げてきました。ロマン派の時代には、サブベースの領域を強調する作曲が増えました。
現代音楽: 20世紀以降の音楽では、電子音楽やアコースティック音楽でのサブベースの探求が進められました。これにより、さらに深い低音や新しい音色が探求されています。
クラシック音楽において、サブベースの領域が効果的に使用されている例は数多くあります。以下はその一部です:
リヒャルト・シュトラウス – 「ツァラトゥストラはこう語った」: この作品の冒頭にはコントラバスとオルガンの低音が特徴的に使われています。
これらはサブベースが効果的に使われているクラシックの曲の一部ですが、実際には多くの曲や作曲家がサブベースを魅力的に利用しています。上記の曲を聴いてみると、サブベースの力強さや美しさを感じることができるでしょう。
本来サブベースは「元となる音(原音)+補う音としてのサブベース(付加音/補強音)」の考え方でしたが、後述する近代ポップスにおいてはサブベースの音を原音として使うような楽曲も多いのが特徴です。
サブベースの音域と特徴
サブベースは、20〜60Hzの低音域を強調し、リスナーに物理的な振動を感じさせる役割を果たします。エレキベースの最低音域はサブベースの範囲に入りますが、サブベースとは認識されません。サブベースと通常のベースの違いは「音色」にあります。「サブ」は「代わり」を意味し、ベースの代理として倍音を取り除いたサイン波が使用されます。
ちなみに一般的な88鍵盤ピアノの最低音はラ(27.5Hz)
ベーゼンドルファーの96鍵盤になると最低音はドの音(16Hz)
パイプ・オルガンででは1オクターブ下のド(8Hz)まででるものもある。
サブベースの特徴的な低音域は、スモールタイプのスピーカーではわかりにくいのでラージタイプのスピーカーまたは超低域まで再現可能なヘッドホンを使うことで確認できます。この特性は、特にクラブやライブハウスなどの大音量で音楽を再生する環境で効果を発揮し。映画のサウンドトラックや特定の音楽ジャンル(ヒップホップ、EDMなど)では、サブベースを効果的に使用することで、観客やリスナーに深い感情的な反応を引き出せます。
サブベースは、その特有の低音域によって音楽や映像作品に深みと迫力をもたらします。その効果は、リスナーや観客が物理的な振動を通じて直接感じることができるため、音楽制作や映画制作において非常に重要な要素といえます。
サブベースの必要性について
サブベースは、楽曲に深みや迫力を与える重要な要素で、20Hzから60Hzの低音域をカバーします。この音域は耳には聞こえにくいが、振動として体感できます。
特にクラブやライブハウス、ホームシアターでの再生環境で効果的です。近年、低音再生が可能な環境が増え、サブベースの重要性が高まっています。ただし、適切に使わないと楽曲のバランスが崩れるため、用途を理解した上で使用することが重要です。
サブベースとエンハンサーの違い
サブベースと誤解されやすいのがベースエンハンサー(エキサイター)と言われるものです。
エキサイターやエンハンサーは「埋もれたサウンドを前面に引き出す」効果があります。これは、原音から失われた倍音成分を再生し、強調することで実現されます。基本的には歪みを生む回路を使用しており、ギターやベースの音を目立たせたり、ベースの輪郭をより強く強調できます。
サブベース | 指定した周波数の半分のサイン波を出力 |
エンハンサー | 指定した周波数に高次倍音を加える |
また発生する倍音はプラグインによって偶数倍音だけや奇数倍音だけのものもありそれらがベースエンハンサープラグインのとしての特徴にもなっています。
- 偶数倍音=音が暖かい
- 奇数倍音=音が冷たい
ベースエンハンサープラグインのメリットデメリット
サブベースと違い基音に整数倍音を加えることで超低域であってもその音を認識しやすくなります。私達はベースの最低音E1を聴いているつもりでも実際はE2つまりオクターブ上の倍音の音を実音のように聴いています。
その倍音を加えることで感じることしかできにくいローエンドを耳で認識できるようになり、タイトでファットな低域を作り上げることが可能です。
しかし、倍音を足していくこと若干のドライブ感のあるサウンドになり、ミックス時に音が飽和しやすい原因にもなります。
サブベースと違い基音に整数倍音を加えることで超低域であってもその音を認識しやすくなります。私達はベースの最低音E1を聴いているつもりでも実際はE2つまりオクターブ上の倍音の音を実音のように聴いています。
その倍音を加えることで感じることしかできにくいローエンドを耳で認識できるようになり、タイトでファットな低域を作り上げることが可能です。
さて、ここで「ベースに倍音を加えるならばサチュレーション系のプラグインと同じなので?」と思った人もいるでしょう。ではサチュレーション系のプラグインを使ってベースをエンハンスするのとベースエンハンサーを使うのと何が違うのか?
限りなく近い効果を得られるものもありますが、基本的にはベースエンハンサーはベースの帯域に特化したサチュレーション(倍音)が作りやすいということが挙げられます。
またサチュレーション系では通すだけでも音が変化し意図しない倍音が発生することもありますが、ベースエンハンサーではそれらがなるべく起きないように処理されているのも特徴です。
サブベースが特徴的な楽曲
以下ではサブベースが有名な曲をいくつか紹介しています。
“God’s Plan” は、カナダのヒップホップアーティスト、Drake(ドレイク)による楽曲で、2018年にリリースされました。この楽曲は、Drakeの代表曲の一つとして知られており、YouTubeのミュージックビデオは15億回以上の再生回数を記録しています。
サブベースに関して、この楽曲はヒップホップジャンルに属しているため、低音域の重要性が非常に高いです。サブベースは、楽曲のリズムと深みを強調するために使用されており、リスナーに心地よい振動や重低音の体感を提供します。
「Ariana Grande – thank u, next (Official Video)」は、Ariana Grandeの大ヒット曲の一つで、その音楽ビデオも非常に人気があります。
この曲では、サブベースはリズムセクションを強化し、リスナーに心地よい低音の振動を感じさせるために使用されています。特にサビ部分では、サブベースの存在感が際立っており、曲全体のエネルギーを高めています。
曲の中盤や後半にかけて、サブベースはより強調され、その結果、リスナーは曲のクライマックスを強く感じることができます。
「when the party’s over」はBillie Eilishの代表的な曲の一つで、彼女の独特な音楽スタイルを反映しています。この曲は、深い感情や繊細な雰囲気を持っており、その音楽的要素の中でサブベースも重要な役割を果たしています
この曲のサブベースは、深くて重厚な低音域を持っており、リスナーに心地よい振動や響きを感じさせます。特にヘッドフォンや高品質なスピーカーで聴くと、その深さをより実感できます。
when the party’s overのサブベースは、曲の全体的な雰囲気や感情の深さを強調する役割を果たしています。特にサビやクライマックス部分でのサブベースの使用は、曲の感情的なピークを強化しています。
Billie Eilishと彼女の兄であるFinneasは、音楽制作において独自のアプローチを持っています。この曲においても、サブベースは繊細かつ効果的に使用されており、曲の他の要素と調和しています。
他のポップソングと比較すると、「when the party’s over」はサブベースの使用が非常に独特であり、Billie Eilishの音楽スタイルを強く反映しています。
「James Blake – Limit To Your Love」という曲は、James Blakeの代表的な楽曲の一つで、サブベースの使用が特徴的です。この曲は、James Blakeの独特なボーカルとピアノのメロディに加え、深く響くサブベースが印象的な楽曲として知られています。
この曲のサブベースは非常に深く、他の楽曲のサブベースとは大きく異なります。冒頭はピアノだけですが0:56秒からサブベースが顔を出し、その量感はとてつもない量といえます。しかしそれがリスナーの心地よい振動を感じさせるような低音域です。ウーファーを所持していてもこのレベルのサブベースはなかなか切れに鳴らせないのでは?と思うほどなので、体感したい人は超低域が再生できるヘッドフォンや良質なスピーカーで聴くのがオススメです。
曲のクライマックス: 曲の中盤や終盤にかけて、サブベースの音量や振動が増していくことで、曲のクライマックスを演出しています。
「James Blake – Limit To Your Love」は、サブベースの効果的な使用方法を学ぶ上で、非常に参考になる楽曲と言えるでしょう。サブベースの存在が、曲の雰囲気やリスナーの感じる振動をどのように変えるのかを体感することができます。
他にもダブステやブロステの場合ベースの補佐としてサブベースが疲れたり、ドラムンベースの場合はそのままサブベースがベースである場合もありサブベースの使われ方はアーティストの数だけ存在するとも言えます。
サブベースVSTプラグインランキングベスト5
VSTエフェクトプラグインリリースしているサブベースとベースエンハンサーをお気に入り順で並べてみました。
メーカー | サブベース | ベースエンハンサー | ||
SSL | Subgen | ✓ | ||
Brainworx | subsynth | ✓ | ||
Leapwing Audio | RootOne | ✓ | ||
waves | LoAir/Submarine | ✓ | ||
waves | Renaissance Bass/MaxxBass | ✓ | ||
Boz digital Labs | Little Foot |
SSL Subgen
SSL Subgenは4つの帯域と、3つのアナログサチュレーションを用意、さらにサブベースに用に用意されたコンプレッサーではサブベースの長さや量感をコントロールできます。
音質面ではクリアなサブベースと見やすいインターフェイスで自分が作り出したいサブベースを的確に生成できます。
私も最近使い始めましたが、音質と使いやすさでは多くのサブベースVSTエフェクトプラグインの中では一番だと思っています。
Brainworx subsynth
Brainworx subsynthのはサブベースを発生できるVSTエフェクトプラグインで機能面では3つのバンドやトリムコントロールの調整が可能です。
使いやすく機能面も豊富であり、多くのユーザーが使っていることでも有名です。
指定した周波数の半分のサブハーモニックを出力できるものをサブベースと定義した場合、wavesでよく使われているRenaissance BassやMaxxBassはサブハーモニックを出力できないので、ベースエンハンサーのカテゴリに分けられます。
Leapwing Audio RootOne
WAVES LoAir/Submarine
WAVESのLoAir/Submarineはサブベースを出力する文字通りサブベースVSTエフェクトプラグインです。
機能面でのそれぞれに違いはあるものの一番の違いは、LoAirはオクターブ下のサブベースを出力するのに対してSubmarineは2オクターブ下のサブベースも出力可能です。そのためより深く重たいサブベースサウンドを楽しめます。
WAVES Renaissance Bass/MaxxBass
Renaissance Bass/MaxxBassはサブベースではベースエンハンサーというカテゴリになります。
付加音としてのサブベースを作り出すのではなく指定された付近の倍音を付加することでその帯域をより感じ取りやすくするものです。その結果低音の厚みが増えることになります。
Boz digital Labs Little Foot
例外としてBoz digital LabsのLittle Footは指定した周波数は変化できません。つまり40Hzを出力した場合、その周波数は固定になるので、ベースなどの音程が変化するトラックには使用できませんが、キックなど周波数が固定された楽器には使いやすく、クリアで使いやすいサブベースを得ることができます。
上記はVSTエフェクトプラグインつまりエフェクトスロットに使用するものですが、サブベースに特化したソフトシンセを次に紹介します。
サブベースハーモニックシンセ8選
ここではインストゥルメントとして使えるサブベースシンセを紹介します。
Future Audio Workshop「SubLab」「SubLab XL」
SubLabはFuture Audio Workshopが開発したベースシンセサイザープラグインです。特にモダンな音楽制作において求められる深く、パンチのあるサブベースや808サウンドの制作に特化しています。
SubLabの最大の魅力は、その直感的なインターフェースと高品質なサウンドです。特に808サウンドの制作において、深みと振動を持ったサウンドを簡単に作成することができます。また、多彩なFXやプリセットを駆使して、オリジナルのベースサウンドを迅速にデザインすることが可能です。これにより、プロデューサーやアーティストは楽曲制作の効率とクリエイティビティを向上させることができます。
Future Audio Workshop「SubLab」「SubLab XL」の違いについて
SubLabには無印バージョンとSubLab XLバージョンの2つがあり、その違いは以下のようになります。
項目 | SubLab | SubLab XL |
---|---|---|
FX | ||
Compressor | ○ | ○ |
Distortion | 4x | 6x |
Waveshaper | ○ | |
Tape | ○ | |
Bitcrusher | 2x | |
シンセエンジン | ||
Sine wave | ○ | ○ |
Triangle wave | ○ | ○ |
Saw wave | ○ | ○ |
Square wave | ○ | ○ |
Super Oscillator mode | ○ | |
サンプル & プリセット | ||
Bass packs | 6 | 10 (全く新しい) |
Presets | 60+ | 100+ (全く新しい) |
Factory samples | ○ | 元のSubLabのサンプル + 新しいサンプル |
Macro page | ○ |
エフェクトの数とSuper Oscillator mode、Macro pageの有無が大きな違いですが、無印であっても十分なサブベースを作ることができます。
Initial Audio「808 Studio 2」
808 Studio 2はInitial Audioが開発したベースシンセサイザープラグインです。最先端の品質の808サブベースの制作に特化しており、ヒップホップ、トラップ、その他の808サウンドが必要なジャンルに最適です。
ドラッグ&ドロップのモジュレーション、高度なシーケンサー(オーバーラップするノートでのピッチグライド効果のため)などの先進的な機能を備えています。また808 Studio 2はサンプルを読み込むことができ、多数のキックや808サンプルが含まれています。
エフェクト面では3バンドイコライザーやアナログモデルフィルター、高域にのみ適用可能なエピックなコーラスなどの高品質なエフェクトが組み込まれて80のプリセットが付属しており、簡単に好みのサウンドにカスタマイズすることができます。
Iceberg Audio「The Sub」
The SubはIceberg Audioが開発したサブベース専用のシンセサイザープラグインです。「The Sub」は、サブベースの制作に特化した楽器として設計されており、強力なベースラインの作成や他のベースラインとのレイヤリングに適しています。
「The Sub」の魅力は最小限のインターフェースを持ちながら、毎回巨大なサブベースを提供します。 50以上のプリセットと2つの無料の拡張が含まれており、他の拡張も利用可能です。
魅力: 「The Sub」の最大の魅力は、そのシンプルさと効果的なサウンド生成能力にあります。エンドレスな調整や複雑な設定なしに、すぐに使用できるベースサウンドを提供します。また、多数のプリセットと拡張機能により、さまざまな音楽ジャンルや制作スタイルに合わせてサウンドをカスタマイズすることができます
Rob Papen「SubBoomBass 2」
SUBBOOMBASS 2は、Rob Papenが開発したサブベース専用のシンセサイザープラグインです。使いやすさを追求し、新しいスペクトル波形やKarplus-Strong弦合成を導入しています。これにより、従来のベースとは異なる独特の音色を持ちます。また、4つのシーケンスを同時に実行することで、多彩なサウンドが生成可能です。X/Yスクリーンや新しいパターンモードなどの機能は、音楽制作の幅を広げ、クリエイティビティを刺激します。これらの特長により、「SUBBOOMBASS 2」は他のプラグインとは一線を画すサウンドデザインの可能性を提供しています。
United Plugins「SubBass Doctor 808」
SubBass Doctor 808は、United Pluginsが開発したサブベース向けのプラグインです。このツールの主な目的は、低周波数の問題を効果的に診断し、治療することです。特に、不完全な音響環境や不十分なモニタリングシステムでのミックスにおいて、低周波数が過度になり、大きなPAシステムを破壊するリスクを回避するためのものです。
その主な特徴は:
有害な低周波数をフィルタリングし、健康的な範囲内に保ち、低域の損失を補償するためのサブ周波数の追加。
そしてサブベースに温かみを追加するためのサチュレーション機能をもってより深く思いサブベースを簡単に作り上げます。
Loopmasters「Bass Master」
Bass Masterは、Loopmastersの長年の音響の歴史に基づいて構築され、サブベースに完全に特化しています。
217の波形から成る2つのサンプルベースのオシレーターを持ち、これによりほぼ50,000の組み合わせが可能です。
350以上のミックス準備済みのプリセットを提供しシンプルなUIで、理想的なベーストーンを簡単に設定できます。
エフェクト面では13種類のフィルタータイプを持ち、専用のフィルターエンベロープとLFO変調が可能。3つのエフェクト(歪み、コーラス、リバーブ)を提供。これにより、サブベースに温かみや広がりを追加できます。
大きな魅力として周波数ブースターを搭載しています。3つのバンドで信号を加熱し、サウンドを微調整または大幅に変更できます。
サブレイヤーをフィルタリングせずにクリーンに保つDirect out、トップレイヤーのSample Start選択、Legato/Portamento再生機能などがあります。
DopeSONIX「Bass Engine 2」
Bass Engine 2は、DopeSONIXが提供するベース専用のVST/AUプラグインです。300以上のベースインストゥルメントが含まれており、808、サブベース、ヴィンテージベースなどの多彩なサウンドを提供します。
808 Bass、Sci-Fi Bass、Live Bass、Sub Bassなどの様々なカラーティストのベースを生成できるのが魅力であり、低CPU使用率で、ラップトップやタブレット、低スペックのPC/MACでも快適に使用できます。
「Bass Engine 2」は、ヒップホップ、トラップ、ドリル、グライムなどのジャンルで使用できるベースサウンドを網羅しています。特に、808のサウンドやヴィンテージシンセからのベースサウンド、ライブベースのサウンドなど、多彩なベースサウンドを提供しており、プロデューサーのクリエイティビティを引き出します
Softube Monoment Bass
Monoment BassはSoftubeが提供するベースシンセサイザープラグインで、トップエンドのブティックハードウェアからのステレオ音源を特徴としています。
100以上のステレオ波形が収録され、全てのソースは3度収録され、キー毎に3種類のサンプルも用意。これにより、ナチュラルさとアクティブさを両立させ、スピーカーから飛び出すような迫力と心地よさが得られます。
さらに、ドライブ、EQ、マルチバンドコンプレッサーなどのエフェクトや、Madison MarsやVandalismなどのプロフェッショナルからのプリセットが搭載されています。ModularやAmp Roomとの統合も可能で、サウンドデザインの幅が広がります。
このプラグインは、ビートやボーカルを中心にした現代のトラック制作に最適で、ミックスにおいても取り扱いやすいサウンドを提供します。プロデューサーやミュージシャンにとって、高品質なベースサウンドを手に入れるための必須のツールと言えるでしょう。
サブベースの作り方とコツ
ここではサブベースの作成手順について解説します。
サブベースの作り方は主に次の2つです。
- シンセサイザー等でサイン波を出力する
- サブハーモニックシンセサイザーを使用する
オシレーターを搭載したシンセサイザーから作る
SERUM、SPIRE、VITAL、FM8、AVENGERソフトシンセであれば基本的にサイン波が搭載されています。
シンセサイザーでサブベースを作る方法としては意味合いとしてかんたんです。例えばベースであればベースの一オクターブ下にサイン波を重ねればサブベースとして機能します。
よく808のキックをサブベースとして使う方法がネット上等で語られるのは808のキックがサイン波形に近いためです。
サブベースの使い方と注意点
サブベースを使うことで低域が増強され迫力が増しますが、それと同時に弊害も発生します。またジャンルによってもサブベースの扱い方に注意をする必要があります。
使う場合に注意したいのはサブベースを原音として捉えるか補強音として捉えるかというポイントです。
例えば、ヒップホップやトラップの場合、サブベースの音質(補強音)をそのまま使うことが多いので、基本的にはクリーンなサイン波であることが望ましいです。近年ではそのサイン波をドライブさせるなどのエフェクティブな効果を与えることも多いのですが、それらの効果はできる限り純粋なサイン波の方が効果がわかりやすいです。
ダンスミュージック、ポップス、ロックの場合、多くは補強音として使用されることが多いです。そのため実際演奏している音のオクターブの下の音が発音されることになるので、低域楽器であるキックやベースのバランスが非常に重要になります。
そのための解決方法としては音色の選定が大切です。つまり使いたいと思うベースまたはキックを見つけた場合、それらにサブベースを施すことでどういう音色になるのかを最初に確認し、その音色ありきでベースのバランスを考えます。
実際トラックメーカーはキック1つ作るのに多くの時間を費やします。キックの質感ありきで曲が作られるわかりやすい例と言えます。
まとめ
サブベサブベースの考え方はジャンルによって異なります。ポップスやロック、ダンス系であれば原音に対する付加音として捉え、ヒップホップ系では付加音であるサブベースを原音として使う傾向が強いです。
また、サブベースとベースエンハンサーでは役目が異なり、設定した周波数のオクターブ下のサイン波を付加するのがサブベース、設定した周波数に倍音を付加するのがベースエンハンサーとなります。
ベースの輪郭をはっきりとさせたいのであれば、ベースエンハンサー、ベースに重みと存在感を持たせたい場合はサブベースハーモニックシンセを使うのがセオリーになります。
専用のサブベースハーモニックシンセもリリースされており、それらはよりサブベースという音質に特化した音色が得られますが、SERUMやSPIRE,AVENGERといったソフトシンセであってもサブベースサウンドを作ることが可能です。