ADAM Audio D3Vっていう小型モニタースピーカーってどうなの?
サイズもほどよい大きさだし、説明書もわかりやすく、そして何より音質がいいよ!
メリット | デメリット |
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大出力240W パッシブラジエーターによるふくよかな低域再生 USB−Cによるデジタル接続 | デジタル接続は48kHz |
ADAM Audio D3V
カテゴリ | 詳細 |
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音響特性 | 周波数特性(-3 dB):48 – 22.6k Hz 周波数特性(-6 dB):45 – 23.2k Hz 最大SPL(1 m、100 – 6k Hz、3% THD):92 / 96 dB SPL クロスオーバー周波数:4.0 kHz |
ドライバー | パッシブラジエータ径:2 x 3.5インチ ウーファーコーン:一体成形アルミニウム ウーファーバスケット径:3.5インチ ウーファーボイスコイル径:1インチ (25 mm) ツイータータイプ:D-ART |
オーディオ入力/出力 | アナログ入力:2 x バランス6.3 mmジャック 最大入力レベル:+9 dBu デジタル入力:USB-C サンプルレート:32, 44.1, 48 kHz ビット深度:24ビット ヘッドフォン出力:3.5 mm TRS、32Ω |
信号処理 | ADコンバーター:24ビット 内部サンプルレート:48 kHz 内部処理ビット深度:28ビット レイテンシー:4.0 ms 保護機能:独立ピーク&サーモリミッター |
増幅 | ウーファーアンプ:70 W RMS、80 Wピーク(10% THD) ツイーターアンプ:30 W RMS、40 Wピーク(10% THD) |
コントロール | 入力感度:0 dBu = 88 dB SPL at 1 m @ 0 dB設定 レベル調整:-∞ dB~+6 dB ルームアダプション(低音/中音/高音):0, -3, -6 dB / 0, -2, -4 dB / 0, -1.5, -3 dB |
キャビネットデザイン | デュアルパッシブラジエーター構造 材質:塗装ABSポリカーボネート 設置方法:デスク、スピーカースタンド、マイクスタンド対応 |
電源仕様 | AC入力電圧:100 – 240V 定格電力:最大60 W |
寸法・重量 | 高さ:200 mm(スタンド使用時240 mm) 幅:115 mm 奥行:150 mm 重量:左1.85 kg / 右1.73 kg |
付属品 | 左右モニター、スタンド、デスクトップパッド、リンクケーブル、電源ユニット、USB-Cケーブル、USB-Aアダプター、ガイド類 |
2024年10月25日に発売されたADAM Audioの「D3V」は5万以下の小型モニタースピーカーとしては、高機能かつ、多様な使い方ができるモニタースピーカーです。
カラーはブラックとホワイトの2色が用意されており、生活スタイルに合わせた選択が可能です。
ADAM Audio D3Vでは底面にアタッチメントをつけることで15度の角度をつけられます。そのため最適な再生環境を構築できますし、マイクスタンドに取り付けられるコネクタも搭載されています。
サイズ
寸法(mm) | 高さ200 x 幅115 x 奥行150 (スタンド使用時は高さ240)(サイズはmm) |
重量 | 1.85kg + 1.73kg(梱包重量5.6kg) |
サイズとしては、高さが200mm(20cm)となります。2リットルのペットボトルより一回り小さい印象です。
小さいわりにすこしどっしりとくる重量は高級感を感じさせてくれます。
スモールサイズのデスクにノートパソコンと一緒にセッティングすると少し大きさは目立ちますが、そこまで邪魔になりません。
同社のADAM Audio A7X(7インチウーファー)のサイズを比較
説明書
説明書には日本語を含む各国の言葉で操作方法について書かれていますが、操作方法自体そこまで複雑ではないので、そこまで熟読しなければいけないようなものではありません。
ただ、本気の特徴の一つでもある、アナログ入力とデジタル入力の切り替え等については、スピーカー全面のノブをクリックすることで切り替える方式になっているので、その切替方式についてはなれるまで説明書を手元に置く方がよいかもしれません。
またもし説明書を紛失した場合は、公式サイトで説明書のPDFファイルをダウンロードすることも可能です。
入力方式(切り替え方式)
ADAM Audio D3Vは、2種類の入力方式に対応しています。アナログ入力にはTRS(フォンプラグ)、デジタル入力にはUSB-Cを採用しています
ADAM Audio D3Vレビュー
まずADAM Audio D3Vの音質からレビューします。
もともとADAM Audioの製品が大好きでA7Xをはじめ多くのADAM Audio 製品を使わせていただきました。今回価格帯から見ても、「ADAM Audioの音がするのだろうか?」と心配でしたが、ADAM Audio D3Vには新しいADAMサウンドがありました。
まず、目を引くのはペアで240Wという大出力。このサイズから想像できないほどの大音量を聞かせてくれます。
また小型モニタースピーカーによくある「スカスカな音」ではなく、ローエンドがしっかりと確保されています。このサイズでこれだけの低音域がしっかりと再生できる理由は3.5インチアルミ製ウーファーと左右に搭載されているパッシブラジエーターのおかげです。
またパッシブラジエーターを搭載しているためバスレフポートがないため風切音(ポートノイズ)等に悩まされることもありません。
パッシブラジエーターは、スピーカーの低音再生を強化するための部品です。アクティブドライバーが生み出す空気圧を利用して振動し、追加の低音を放射します。これにより、小型スピーカーでも深みのある低音が再現可能で、バスレフポートによる風切り音も回避できます。
ただ、再生周波数範囲を超えるような低域(キックやベース)が入ると、パッシブラジエーターからポートのノイズ的な音が聞こえる場合もありますが、このサイズではどのスピーカーも同じです。
機能性
ADAM Audio D3Vの機能として内蔵DSPによる音作りが可能です。それぞれスイッチを切り替えるだけで環境に最適な音質を作り出せます。
本気の特徴としてUSB-CによるデジタルADコンバーター接続が可能です。
信号処理のスペックが、サンプルレート48kHz/24bit、内部処理が28bitなので、ハイレゾ再生には適していませんが、リスニング、ミックス、作曲時の使用には問題ない素晴らしい音質を聞かせてくれます。
オーディオ入力/出力 | アナログ入力:2 x バランス6.3 mmジャック 最大入力レベル:+9 dBu デジタル入力:USB-C サンプルレート:32, 44.1, 48 kHz ビット深度:24ビット ヘッドフォン出力:3.5 mm TRS、32Ω |
信号処理 | ADコンバーター:24ビット 内部サンプルレート:48 kHz 内部処理ビット深度:28ビット レイテンシー:4.0 ms 保護機能:独立ピーク&サーモリミッター |
また、DAWで使用する場合ドライバ必要もなく、USBケーブルの接続だけで出力デバイスに表示されますし、低レイテンシーなのも助かります。
操作性
ADAM Audio D3Vには多くの機能が搭載されていますが、その機能は前面に設置されているボリュームノブをクリックすることで変更できます。変更情報はLEDのカラーによって確認できます。
LEDステータス表示
LED色・点灯状態 | ステータス説明 |
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赤色の点灯 | 起動中またはシャットダウン中 |
赤色の点滅 | リミッター作動(ボリュームを下げる必要あり) |
緑色に点灯 | アナログ入力で再生可能 |
青緑色に点灯 | USB-C接続からのデジタル入力で再生可能 |
オレンジ色にパルス点灯 | スピーカーがミュートされている状態 |
オレンジ色に3回点滅 | 左右チャンネルが反転したことを示す |
紫色にパルス点灯 | ファームウェアアップデート実行中 |
緑色に3回点滅 | ファームウェアアップデート成功 |
また入力方法の切り替え以外にも以下の機能が搭載されています。
操作方法 | 機能詳細 |
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ノブ1回押し | スピーカーのミュート/ミュート解除 |
ノブ2回押し | アナログ入力とデジタル入力の切り替え |
ノブ3回押し | 左右チャンネルの入れ替え(ステレオイメージ反転) |
ノブ長押し(2秒) | スタンバイモードの有効化/通常動作モード復帰 |
スタンバイモード
動作条件 | 動作内容 |
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ノブを2秒間長押し | スタンバイモードの手動有効化 |
20分間信号が入力されない場合 | 自動的にスタンバイモードに移行 |
ノブを1回押す | スタンバイモード解除 |
特記事項 | 可聴範囲外の信号が原因で解除されない場合、入力ケーブルを抜くこと |
価格比較
以下は、IK Multimedia iLoud Micro Monitor、PreSonus Eris E3.5、およびADAM Audio D3Vの主なスペックを比較した表です。
特徴 | iLoud Micro Monitor | PreSonus Eris E3.5 | ADAM Audio D3V |
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周波数特性 | 45Hz – 20kHz | 80Hz – 20kHz | 45 Hz – 23.2 kHz |
スピーカー構成 | 3インチウーファー 3/4インチツイーター | 3.5インチウーファー + ツイーター | 3.5インチ + ツイーター |
アンプ出力 | 70W | 50W | 240W |
入力端子 | RCA、1/8″ミニジャック Bluetooth | RCA、1/4″バランス、1/8″ミニ Bluetooth | 1/4″バランス USB-C |
サイズ (W×H×D) | ・80 mm x 135 mm x 90 mm(1台につき) ・920 g(左スピーカー単体)、800 g(右スピーカー単体)、1,720 g(左右合計) | 高さ:210mm 奥行き:164mm 幅:140.5mm 質量:3.1kg | 左スピーカー重量:1.85 kg ・右スピーカー重量:1.73 kg ・高さ:200 mm ・スタンド使用時の高さ:240 mm ・幅:115 mm ・奥行き(長さ):150 mm |
重量 | 1.7kg | 3.1kg(ペア) | 3.58kg(ペア) |
価格(およそ) | ¥37,400 | ¥20,211 | ¥43,000 |
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スピーカーサイズがほぼ同じサイズのiLoud Micro Monitor、PreSonus Eris E3.5と比較してみます。
iLoud Micro Monitorはフラットかつ高音質なサウンドが特徴の小型モニタースピーカーです。音の解像度という点においては、ADAM Audio D3Vとはまた種類の違うタイプの音質で、プロアマ問わず多くのユーザーがサウンド確認用途で使える音質です。
サイズでいうとiLoud Micro MonitorはADAM Audio D3Vより少し小ぶりで軽いです。
しかし、フラットすぎるので面白みにかけるサウンドですし、特定の低域でポートノイズが発生することもあります。
PreSonus Eris E3.5はコストパフォーマンスに優れたモニタースピーカーであり、解像度はそれほど高くありませんが、音楽的なサウンドで作曲時に使いやすい印象がありました。
コストを重視するのであればPreSonus Eris E3.5は非常に効果的ですが、サウンドとしてはADAM Audio D3Vと比較するのは少し可愛そうな気がします。
まとめ
発売日:2024年10月25日
価格:¥43,000
機能:USBによるデジタル接続、4インチパッシブラジーエーター装備
ADAM Audio D3Vは5万円以下のモニタースピーカーとは思えない音質。機能面でも申し分なく、自宅スタジオで使うにも問題ありませんし、小型確認用モニタースピーカーとしても十分な機能です。
もし、今、5万以下でおすすめのモニタースピーカーは?と聞かれたら迷いなくADAM Audio D3Vと答えるほどおすすめできる小型モニタースピーカーです。