DTMモニタースピーカーってどれがいいのか悩みますよね。音質が良くて価格が安いものが良い。と多くの人は思っていることでしょう。今回紹介するADAM Audio A7Xは決して「めちゃめちゃ安い」というわけではありません。
しかし、機能面から見るとコストパフォーマンスは高いモニタースピーカーです。
今日はADAM Audio A7Xの魅力について5年以上仕事で使っている私の経験を含めてレビューしてみます。
ADAM A7Xの外観とサイズ・重量比較
リアパネルがゴールドのグラデーションのようになっていますが、基本は黒です。ちょっと焼き付いている感じです。
製品名 | ADAM AX7 |
寸法 | 337mm(高) x201mm(幅)x280mm(奥行) |
重量 | 9.2kg |
周波数特性 | 42Hz ~ 50kHz |
ウーファー | 7インチ |
ツイーター | X-ART |
コントロールパネル | ボリューム +14dB/-∞ ルームEQ < 160Hz ±6dB ルームEQ > 6kHz ±6dB ツイーターレベル調整幅 ±4dBリスト |
サイズに関しては大きすぎず小さすぎずといった感じでほどよい存在感があります。
本来ボディの色は黒ですが、2015年にADAM Audio A7X Special Editionとしてチェリーウッドカラーモデルが50台限定生産されていました。(¥85,800 (税込 ¥94,380))
基本性能は同じですが、ウッドカラーが好きな私にとっては買い替えを真剣に検討するほどでした(結局しませんでしたが…)
ADAM Audio A7X レビュー
音像がわかりやすい
42Hz〜50kHzまで再生可能
音質調整が可能
音像がわかりやすい
ADAM Audio A7Xを使う前はYAMAHAのNS-10Mを使っていました。世界標準のモニタースピーカーと言われていますが音の再生レンジは現代に最適なわけではなく低音の弱さが目立ちます。なのでつい低音を出し気味にミックスしてしまう癖があり、クライアントから「もうちょっと低音を絞ってほしい」と言われることがありました。しかしADAM Audio A7Xにして指摘されたミックスを再生したところ「そりゃ言われるわな」と思うほどもりもりの低音が存在していました。
低域だけに限らず、すべての周波数の帯域がはっきりとわかりやすいために作曲時に「ここに音を入れてみよう」という気持ちになれます。音が見えるスピーカーは決してミックスだけで役立つわけではありません。
50kHzまで再生可能
なんと言っても42Hz ~ 50kHzの周波数特性です。7インチのウーファーによって42Hzまで再生可能ですが、39Hzくらいまで聞こえる感じがします。最近の音楽はとにかくローエンドの存在が大きいです。そのローエンドをしっかりと確認できるのは現代向きのスピーカーといえます。
またX-ARTツイーターは50kHzまで再生可能です。近年流行りのハイレゾ・オーディオもしっかりと美しい高音域を奏でてくれます。
ハイからローマで余すことなく再生できるおかげで無駄なイコライジングを減らせるメリットがあります。
トーンコントロールの効き具合がちょうどいい
背面にあるトーンコントール(平たくいうとイコライザー)のかかり具合が自然(当たり前な話なんですが)で音質調整に役立ちます。
ADAM Audio A7Xの惜しいところ(デメリット)
スピーカーセッティングがシビア
しっかりとしたローエンド(42Hz)が出てくるのでより良い音で鳴らそうと思うとシビアなセッティングが要求されます。ネットでは「AX7なんて家で鳴らすものじゃない!」という話を見かけます。確かにAX7のポテンシャルを完璧に発揮しようとするとそれなりの部屋の大きさである程度の防音設備が整っている必要があるかもしれません。
しかし、AX7の音のスピード感や低域の見え方は音量を下げていても感じることができるので決して「狭い部屋だから使えない」というものではありません。
ただ、ADAM Audio A7Xに限ったことではありませんが、モニタースピーカーの高さは意識する方がよりしっかりとしたモニタリングが可能になります。
またこれも可能であれば壁から30cm程度離すことで音のこもりが軽減する可能性があります。
ADAM Audio A7X 口コミ
うちの制作部屋(6畳)にはピッタリのサイズ,音量感.
・解像度,音像の正確さ.特に奥行きと左右のクッキリさに目が覚めました.
・低音はガンガン来ませんがそれなりに出ます.
・超高音の伸びがないとかいう話も聞きますが,私には十分のびのびした高音域に聞こえます.
・192kHz等のハイレゾ音源を再生するとしっかり違いがわかります.
・高解像度ゆえに一般リスニングに向かない,聴き疲れするといわれますが,そうは思えません.少なくとも私は疲れません.普通に楽しく音楽を聞けています.(私の耳が悪いのかも)購入してから3年経ちましたが,信頼性はまったく変わっていません.ユニットがこなれてきたのか,ややパキパキ感はとれたような気もしますが解像度が低くなってぼやけたわけではなくこれはこれでいい感じです.
メインモニタとして2年使用。
とってもフラットでモニタモニタした音です。完全なフラットに限りなく近いものを求めているならぜひご検討ください。ボリューム小さくてもそれなりに再現性があるしホームスタジオユーズでもプロフェッショナルユーズでもほぼ最高峰の出来栄えだと思います。
これらの他にも多くの人が「買ってよかった」という声を多く聞きます。
また「AX5と迷ったけどAX7にして正解だった」という話も聞きます。
ADAM Audio A7Xのセッティングとスタンドについて
スピーカーのスタンドは床から直接置くものから机の上で高さを補うようなものまで色々とあります。モニタースピーカースタンドは重い方が振動が接地面に伝わらないので可能であれば重量のあるものを選ぶとよいでしょう。
私が使っているのはハヤミ工産【TIMEZ】NXシリーズ 小型スピーカースタンド [2台1組] NX-B300Sです。
スタンドの高さが15cmあるのでちょうどツイーターの位置が目の高さにくるので重宝しています。また重量が一つ2キロということもあり安定した重さがあります。(机の上において作業するのでこれ以上重たいのは実は机にとって危険だったします)
あとAX7で使うにはスタンドの天板が3cm程度小さいので若干安定性にかけますが、それでもAX7が9キロほどあるのでそうそう動いたりはしません。
このスタンドを使う以前はPRIM ACOUSTICのRX7 recoil stabilizerを使用していました。そこそこ良い値段がするスタビライザーで音質もよく気に入っていたのですが、高さが4cm程度なので机において使用するぶんには低すぎました。
スタンドやスタジオの大型ミキサーの上において使用するとこのポテンシャルを活かせるのかもしれません。
ADAM Audio A7Xの価格(中古価格相場)
ADAM Audio A7Xの価格は一本75,680円(サウンドハウス調べ)ペアで151,360円です。
中古価格相場は71,980円〜115,000円(メルカリ)AX7は重量が一台で9.2キロあるので送料込みかどうかで中古価格の価値がかわりそうです。
ADAM Audio A7Xとは
1999年3月にドイツのベルリンで設立された。音響機器メーカーです。ADAMとは「Advanced Dynamic Audio Monitors」の頭文字を並べたものです。
ADAM Audioのスピーカーはクオリティの高いモニタースピーカーとしてプロフェッショナルオーディオの分野から絶大な支持を集めています。
ADAM Audio が開発しているスピーカーは次の三種類に分けられます。
- スタジオモニターの定番モデルAX SERIES
- ホームスタジオに最適なニアフィールドモニター T SERIES
- リファレンスモニターのフラッグシップ機 S SERIES
今回紹介するAX7はスタジオモニターの定番タイプで、宅録環境からプロの制作スタジオまで幅広く使用されています。
公式では現在市場に出ている中で最もバランスの取れた用途の広いスピーカーの1つと説明していますが使ってみるとそれが決して誇張表現ではないのがわかります。低域から高域まで非常に解像度が高く、音の速度感もよいので多くの人が使用しやすいと思います。
マスタリングエンジニアの森崎さんもADAM Audio A7Xユーザーです。
まとめ
幅広い周波数レンジを持っているADAM Audio A7Xはダンスやクラブ系からポップまで幅広く対応してくれるモニタースピーカーです。
クオリティの高いソフト音源を購入するのもいいですが、再生環境に投資することでよりその音源の良さや実力をしることができます。
セールで安くなった音源を買っていくと年間割とよいお値段になったりもします。それらの購入をちょっと控えそのぶんをADAM Audio A7X購入資金に回すのも賢い方法の一つですよ。
しっかりとした低域が見えることで確実にミックスのクオリティは変わります!
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