Arturia KeyLab 88 Essential 88は結論からいえば買って大満足な88鍵盤タイプのMIDIキーボードです。使いやすく価格面と機能面のバランスもよい優等生なMIDIキーボードです。
買って数ヶ月経ちましたが特に不満もなくしっかりとレビューができるだけ触り込めたので感想等などを書いていきます。
「88鍵盤のMIDIキーボード」を探している人に参考になる内容です。
Arturia KeyLab 88 Essential 88とは
ハードシンセからソフトシンセまで幅広く開発しているArturia作った88鍵盤タイプの打ち込み用MIDIキーボードです。Arturiaの製品はデザインが洗練されているものが多く、Arturia KeyLab 88 Essential 88もまた白を基調にしたおしゃれなMIDIキーボードですが、ただおしゃれなだけではなく機能も充実しています。
Arturia KeyLab 88 Essential の特徴
鍵盤 | 88鍵、ベロシティ対応キーボード(シンセ/ピアノ・ハイブリッド・フィール) |
コントローラー | コントローラー:クリッカブル・エンコーダー×1、エンコーダー×9、30mmフェーダー×9、トランスポート・スイッチ×6、コマンド・スイッチ×4、モジュレーション・ホイール×1、ピッチ・ベンド・ホイール×1、タッチ&プレッシャー対応パッド×8 |
接続その他 | MIDIアウト、USBポート、サステイン・ペダル・イン 汎用MIDIコントローラーとしても動作可能 2行表示LCD MCU/HUIコントロール互換 コード・プレイ・モード |
重量 | 8.48 kg |
サイズ(W-D-H) | 1260mm 260.6mm 63 mm |
付属ソフトウェア | Analog Lab 4 Ableton Live 10Lite UVI Grand Piano Model D |
価格 | ¥39,600 |
OS、Androidにも対応KeyLab Essentialは、Windows、Macに接続するだけですぐに使用できるUSBクラス・コンプライアント仕様。iPad上のDAWアプリやバーチャル・インストゥルメントもLightning-USBカメラ・アダプターでコントロールでき、AndriodデバイスもUSB経由でコントロールできます。
- Analog Labに完全対応:
- サウンドの選択、プリセットのブラウジング、パート切り替え、音色パラメーターのスマート・アサイン
- スタンドアローン動作のほか、VST、VST3、AU、AAXプラグインとしても動作
- Arturiaの定評あるV Collectionから厳選された、TAE®、Phi®テクノロジーによるプリセットを6,500種類以上内蔵
Arturiaの特徴はホワイトと再度の木目パネル。木目好きな私はこれだけでテンションあがります(普段はあまりみえませんが…)
背面は接続端子4つのシンプルな構成です。一応ACコンセントがあり外部電源を取ることができますが、自宅で打ち込むだけならパスパワーで問題なくうごきます。
コントローラー部は左からピッチベンド&モジュレーション。中央、ディスプレ&大型ノブ、右、ノブ&スライダーです。
Arturia KeyLab 88 Essentialの素晴らしいところは少しでも横幅を稼ぐためにピッチベンドが上パネルに設置されているところです。通常のシンセは鍵盤のすぐ横に有るのですが、これだと15cmくらいどうしても大きくなってしまいます。上部パネルに設置することで、88鍵盤のサイズであっても横幅は1260mmというサイズに収まり有名どころの88鍵盤タイプのMIDIキーボードの中で一番幅が小さいです。
メーカー/品名 | 価格 | サイズ | |
Arturia KeyLab 88 Essential | 39,600円 | 1260mm 260.6mm 63 mm | |
Native Instruments KOMPLETE KONTROL S88 MkⅡ | 115,000円 | 1390mm 346mm 115mm | |
M-AUDIO Keystation88 MK3 | 23,100円 | 1377.7mm 216.4mm 73.1mm | |
ROLAND A-88MK2 MIDIキーボード | 110,000円 | 1429mm 274mm 119mm | |
NEKTAR IMPACT GXP88 | 34,650円 | 1345mm 230mm 80mm |
ちなみにローランドの往年の名機D-70(76鍵盤)と比べてみました。音源を搭載していないこともありますが、かなりサイズが小さいです。
また重量も8.4kgと女性でも持てないことはない重さです。大型のDTMデスクなどではスピーカーやパソコン、などが乗っている場合机の強度が甘いと反ってしまうことがありますが、このくらいの重さなら問題はありません。
Essentialシリーズの特徴
Arturia KeyLab 49 Essential | Arturia KeyLab 61 Essential | |
ブラックタイプ | ||
鍵盤 | 49鍵キーボード(ベロシティ・センス付き) | 61鍵キーボード(ベロシティ・センス付き) |
コントローラー | コントローラー:クリッカブル・エンコーダー×1、エンコーダー×9、30mmフェーダー×9、トランスポート・スイッチ×6、コマンド・スイッチ×4、モジュレーション・ホイール×1、ピッチ・ベンド・ホイール×1、タッチ&プレッシャー・センス付きパッド×8 | コントローラー:クリッカブル・エンコーダー×1、エンコーダー×9、30mmフェーダー×9、トランスポート・スイッチ×6、コマンド・スイッチ×4、モジュレーション・ホイール×1、ピッチ・ベンド・ホイール×1、タッチ&プレッシャー・センス付きパッド×8 |
接続その他 | MIDIアウト、USBポート、サステイン・ペダル入力 汎用MIDIコントローラーとして動作可能 2ラインLCDスクリーン MCU/HUIコントロール互換 | MIDIアウト、USBポート、サステイン・ペダル入力 汎用MIDIコントローラーとして動作可能 2ラインLCDスクリーン MCU/HUIコントロール互換 |
重量 | 3.0kg | 3.3kg |
サイズ(W-D-H) | 784mm 248mm 76mm | 882mm 248mm 76mm |
付属ソフトウェア | Analog Lab 4 Ableton Live 10Lite UVI Grand Piano Model D | Analog Lab 4 Ableton Live 10Lite UVI Grand Piano Model D |
価格 | ¥18,600 | ¥24,444 |
基本的な違いは鍵盤の数の違い(88鍵盤は種類自体も49と61とは異なります)だけで、ノブやパッド、スライダーなどのコントローラーの数、付属ソフトも同じです。Arturia KeyLab 61 Essentialのブラックタイプも以前はありましたが現在は廃盤になっています。
Arturia KeyLab 88 Essential の使い方
接続はUSBでArturia KeyLab 88 Essential とパソコンを繋ぐだけで認識します。ファームウェアアップデートやノブやパッドなどのカスタマイズを行う場合はMIDI CONTROL Centerというソフトを使います。
ユニークだと思ったのはサスティンペダルの情報も他のMIDICCに切り替えが可能という点です。
Logic ProでArturia KeyLab 88 Essentialの使い方
Arturia KeyLab 88 EssentialをLogic Proで使う場合はメニューよりコンロールサーフェースから「設定」を選択、一覧の中にMackie Controlを選択すれば、Arturia KeyLab 88 EssentialのDAW Command CenterからDAWをコントロールしたりやノブなどにパラメーター等をアサインできます。
一つ注意点というか一覧の中にArturia製品の名前があります。しかし選択してもモデルをスキャンすることができず仕様できません。
英語になりますが詳しくこちらの動画が参考になります。
Arturia KeyLab 88 Essentialメリット・デメリット
打鍵音が静か!(深夜の打ち込みにも安心)
以前はNative InstrumentsのKOMPLETE KONTROL S88を使っていました。88鍵盤のMIDIキーボードの中でトップクラスの鍵盤でピアノのような程よい重さがあがりました。
しかし、鍵盤が重たいためにその振動も大きく、夜中には家族から「もう少し静かに弾いて」と言われることも多かったです。
KOMPLETE KONTROL S88の鍵盤ノイズ
Arturia KeyLab 88 Essentialも88鍵盤ですが、その鍵盤はピアノのように重いものではなく、言い方は悪いですが、ふにゃふにゃとした感じのプラスチック鍵盤です。
なのでガチガチのピアニストがこれを使うと「弾きにくい」という印象をもつかもしれません。しかし、シンセプレイヤーからすればそれほど悪い鍵盤でもなく打ち込み時に少し演奏する分には軽くて弾きやすいです。
KOMPLETE KONTROL S88と比べると部屋の外に伝わる振動は少ないために家族からのクレームもすくなりました(それでもゼロではありませんので弾きまくると「ちょっと…」という話になります)
Arturia KeyLab 88 Essentialの鍵盤ノイズ
KOMPLETE KONTROL S88と比べると「ゴトッ」という重い振動がありません。この重い打鍵音が騒音の元です。環境が許してデザイン等に問題なければKOMPLETE KONTROL S88は良いMIDIキーボードなのでオススメできますが、
- 鍵盤が軽い方がいい
- 打鍵音も小さいが方がいい
- 黒い威圧感のある色ではなくおしゃれな色のMIDIキーボードがよい
という人にはArturia KeyLab 88 Essentialを強くオススメします。
また鍵盤が軽いのでグリッサンドがまったく痛くないのがありがたいです。
価格もおまけもすごい
Live LiteもあるのですぐにDAWを持っていない人でもLiveを使ってDTMをスタートできますし、ピアノ音源はUVI音源で人気のMODEL Dがついてきます。
そして極めつけはArturiaの音源を一つにまとめたAnalog Labがついてくるということ。
これらを値段にすると3万以上のおまけということになります。
付属ソフトウェア:
- Analog Lab:6,500種類以上のシンセ/キーボード・サウンドを収録
- Ableton Live Lite
- UVI Model D
- Ableton Live 10 Lite:レコーディング、レイヤー、サウンドのエディットから楽曲の完成までできるレコーディング・ソフトウェア
- UVI Model D:Steinwayグランドピアノを再現するサンプルベースのソフトウェア・インストゥルメント
- 主要なデジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)に対応:Pro Tools、Logic Pro X、FL Studio、Bitwig、Cubase、Ableton Live、Digital Performer、Studio One ** すべてのブランド名、製品名は各保有者の商標または登録商標です。
Arturia Analog Labが3倍楽しくなる操作性
Arturia KeyLab 88 Essentialが活躍及び堪能できるのは付属のAnalog Labを使っているときだと思います。
DAWと併用時にはmapselectボタンを押してAnalog LabモードとDAWモードを切り替えます。
Analog Labモードの場合は、ディスプレイしたのノブを回せば音色を切り替えることができ、右に並んだ、ノブとスライダーを使って音色パラメーターを変更できます(もちろん自由にアサインすることも可能です)
DAWモードのときはノブとスライダーはDAWのフェーダーとパンの役目を果たします。
地味にテンションが上がる点灯アクション
Arturia KeyLab 88 Essentialはしばらく触らないでいるとパッド等が光だします。こういうの見ると地味にテンションがあがります。キラキラって素敵です!
Arturia KeyLab 88 Essential修理に出した分かったこと
購入して1年も経っていないのに特定の鍵盤から音がでなくなる不具合が発生したので修理に出しました。修理はKORGによって行われます。
修理内容は以下の3つ
キー接点基盤交換
ゴム接点内クリーニング
機能チェック
修理費は12,000円、購入して1年以内ということもあったので修理費はかかりませんでした。今回はハズレの個体を引いてしまったのかはわかりません。引き続き使い続けてまた何か問題が発生したらこちらでお知らせします。
修理期間は3週間〜4週間程度でした。
まとめ
個人的にはArturiaの製品が好きでV Collectionは3の時代がから愛用しています。
今まで、KORGのKRONOS88、KOMPLETE KONTROL S88とピアノタッチの鍵盤を長く使ってきたのでArturia KeyLab 88 Essentialの鍵盤の軽さが創作時に気になるのでは?と思っていましたがそんなことはなく非常に打ち込みやすい優れたMIDIキーボードです。
付属のソフト
- Analog Lab:6,500種類以上のシンセ/キーボード・サウンドを収録
- Ableton Live Lite
- UVI Model D
これらも嬉しい人は多いと思います(私はすべてもっていたのでこの部分にはさほど嬉しさはありませんでした)
そして価格が¥39,600
今後もよき相棒となってくれそうです!
コメント