Bloom Vocal Aether レビュー 100を超えるボーカル素材を自由に演奏できる!

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Bloom Vocal Aetherは、Excite Audioによって開発された、選び抜かれたボーカルサンプルとループを簡単に演奏できるボーカルサンプリング音源です。

音源選択からピッチコントロール、モジュレーション、再生速度の調整まで、全てが直感的に行え、楽曲のBPMに合わせたボーカルトラックも作成可能です。

CPU負荷が少し高いですが、これだけのボーカル素材を自由にエディットできるのは大きな魅力です。

Bloom Vocal Aetheのプリセットとエフェクト(リバーブ、ディレイ等)を駆使することで、あなたの音楽に深みと表現力を加えることができます。このレビューでは、Bloom Vocal Aetherがどのように音楽制作のプロセスを簡素化し、クリエイティブな選択を豊かにするかを掘り下げます。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
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Bloom Vocal Aether サウンドレビュー

Bloom Vocal Aetherの声ネタの音質は良く言えば馴染みやすように加工されている感があり、悪く言えば少し細い感じます。このあたりをどのように捉えるのかによってBloom Vocal Aetherの扱いが変わってくると思いますが、私が感じた細さの部分はそこまで気にならないように思います。

その理由として、Bloom Vocal Aetherはあくまでエッセンス的な解釈で使うためのボーカルシンセプラグインであるので、そこまでの主張は必要ないと思うからです。

では、実際、作曲で使うとどんな印象なのかを作った曲で解説していきます。

ボーカルネタはすべてBloom Vocal Aetherです。この曲では5つのBloom Vocal Aetherを使用しました。

デモを聴いたとき同様に音は細いです。しかし、鍵盤に割り当てられているピッチエフェクト系など面白く使っていて、創作意欲が刺激される素材が多いため、そこまで音質の細さは気になりませんでした。

素材は一聴するとすぐに飽きてしまいそうな印象もありましたが、エディットモードにより素材の発音タイミング(どの位置から素材をスタートさせるかなど)やステップシーケンサーの搭載によって工夫次第で奥深いボーカル素材音源として利用できる可能性を強く感じます。

インスト曲にアクセントとして声ネタがハマると曲がより魅力的になり、聞く人に独特の世界観を提供できるので、ゲーム音楽や、配信系の動画の曲との相性が良いのではないでしょうか?

機能性および操作性

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画面は一部編集しております。

Bloom Vocal Aetherの画面はシンプルで、4つのエフェクト、Warmer、Speaker、Doubler、Eternalが並んでおります。それぞれの機能は次のようになります。

Warmerサチュレーション系
Speakerフィルター複合処理系
Doublerステレオイメージャー
Eternalリバーブ

これらのエフェクトであらかじめ音の質感を決めてトラックの中で微調整していく形をすると、馴染みやすい音源として使用できます。

ボイスは全部で112種類

Bloom Vocal Aether に収録されているボーカル素材は全部で112種類、コーラス的なロングトーンのものから、ショート的なもの、歌詞混じりのフレーズのもの、シンセコーラス的なものまで幅広く収録されている印象ですが、ラップ等は収録されていません。

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ボイスバンクの選択は画像のEmajと書かれた右隣にあるアイコンをクリックすることで切り替えが可能です。

Bank1〜8の黒鍵を除く14の白鍵にそれぞれ素材がアサインされており、任意の素材をドラッグアンドドロップで一番下の鍵盤にアサインすることで任意の波形をMIDI鍵盤等を使うことで自由に呼び出せます。

黒鍵には逆再生や、オクターブ再生、等のエフェクトにステップシーケンサーの呼び込みがアサインされており、リアルタイムやピアノロールでキースイッチとして使い音を変化させられます。

プリセットは、これらの素材とエフェクト、エディット内容の違いをまとめたものになります。

プリセットにはフェイバリットモードもあり、自分好みのプリセットだけをYour Favoriteタグにまとめられます。

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自由度の高いエディット機能で複雑なボーカルフレーズも作成可能

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Bloom Vocal Aether の心臓部とも言うべきエディット機能では、ボーカルの発音タイミングにループ設定、素材のエンベロープ、エフェクトの設定が可能です。

その中でもユニークだと思ったのは、フレーズプレイヤー「PHRASE PLAYER」と言われるもの、これはアサインされた素材を任意の順番で再生できるステップ・シーケンサー的なものです。

そしてこれのすごいところは、素材の再生調整だけではなく、PHRASE PLAYERの下にあるエフェクトのかかり方もステップ調整可能であるということ、これらのステップシーケンスは当然DAWとのBPMと同期/非同期の切り替えおよび、再生(ループ設定)等も可能です。

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これらの機能を使えば3小節めの16分音符の裏だけディレイをかけたり、ピッチを変更することが可能です。この機能のおかげで、Bloom Vocal Aether は単なるボーカルサンプリングマシンだけにとどまらない存在になっています。

エフェクトの設定は1〜16のステップ番号の左にあるサイコロアイコンをクリックするとランダムな設定も作り出せるので、雰囲気を掴みたい人にはありがたい機能となるでしょう。

オリジナルの波形は読み込めない

機能的には申し分ないように感じますが、残念ながら、オリジナルの波形を読み込むことはできません。正直な気持ちとしてあと、数十ドル高くてもいいので、オリジナル素材読み込み機能を付けてほしかったです。

また今後、拡張音源的なボーカル素材が出ればより多くの人が使ってみたいと思える音源になるように思います。

しかしながら、ボーカルの素材の数と質の面から考えるとコストパフォーマンスは悪くないプラグイン音源です。

キーは変更できるけれど、音階で並んでいるわけではない

それぞれの素材はすべてのスケールに合わせることが可能です。

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画面左端下にあるコードネームをクリックすると、すべてのキーのメジャーマイナーが表示されます。ボーカルネタで一番困るのはこのキー調整なので、この機能は素材として扱う場合とても便利です。

しかし、すべての素材が下の三角じるし(二オクターブの鍵盤)に音程順で並んでいるわけではないので、その部分では少し慣れが必要だと感じました。

トランスポーズ設定が残るのは便利

個人的に便利だと思ったのはプリセット等を変更しても、トランスポーズ設定がそのまま残るという仕様です。

例えば楽曲のキーがCメジャーであるのに、プリセットを変更するたびにプリセットに準じたキーが採用されると毎回トランスポーズのやり直したが求められますが、トランスポーズが固定であるとおかげでその手間が省けます。

地味な仕様ですが、この効果は大きいと思います。ユーザーフレンドリーな考え方だと感じました。

CPU負荷について

Bloom Vocal AetherのCPUは割と高めの印象です。

下の画像はBloom Vocal Aether を一つだけ使ったCPU負荷になります

右はシングルコアにかかるCPU負荷、左はマルチコアに負荷を分散させた負荷です。

最大値は50%超えなのでそれなりに重たい部類に入る音源です。

マルチコアに分散させるためにはCPU負荷逃がしという方法を取るのがよいです。ただこのCPU負荷逃がし最新のMチップとIntelCPUでは異なる可能性があるので、実際試して負荷軽減を確認するようにしましょう。

また、Logic Proだけの可能性もありますが、Bloom Vocal Aetherには出力が5.1サラウンドモードがあります。

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しかし、5.1を選択するとLogic Proごと落ちてしまいます。ユニークなボーカル素材であるため、サラウンドで再生できるとユニークな効果が見込めそうですが、今後のバージョンアップに期待したいところです。

CPU負荷逃しとは?

音源が刺さっていないトラックを選択することでシングルCPUの負荷がマルチコアに分散されることを「CPU負荷逃し」と私が勝手に命名しています。

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CPU負荷を効率化させより多くのプラグインを動作させる方法について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Intel Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS12.6.1 Monterey

Audio/IF Focusrite RED 8PRE

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.7

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

まとめ

メーカーExcite Audio
製品名Bloom Vocal Aether
システムマックOS
macOS 10.15 以降 (Intel / ネイティブ Apple Silicon をサポート)。
プラグイン形式: VST、VST3、AU、AAX、スタンドアロン。

ウィンドウズ
Windows 7以降
プラグイン形式: VST、VST3、AAX、スタンドアロン

サポートされている DAW: Ableton Live、
Pro Tools、Logic Pro、FL Studio、Cubase
、Nuendo、Reaper、Reason など。
互換性: 64 ビットおよび 32 ビットと互換性があります。
認証方式シリアル認証
認証数記載なし
マニュアル記載なし
価格$64.90→$42.90
備考分割支払いRent To Own
$3.62/month for 12 months

とてもユニークなボーカルシンセプラグインです。ただ、この手の音源は個性が強すぎるが故に、使用しているとだんだんと飽きてくる可能性があります。しかし、Bloom Vocal Aetherは高精度のエディット機能でマンネリにならないような使用が可能になるため、常にクリエイティブな状態で向き合うことが可能です。

多少CPU不可の高さが気になるので、よいフレーズができたら書き出して使うのが安定動作につながるのではないかと考えれます。

個人的にはエディット機能優れているのでできればオリジナルの波形を読み込ませられるとなお良かったですが、この価格帯でそれを実装するのは難しいかもしれません。

今後はボーカルフレーズサンプル集的な追加パックがでればより多くの人が使えるプラグインになっていくのではないかと思います。

ボーカルネタはハマれば楽曲がさらに魅力的になりますよ、気になる人は一度試してみるのをオススメします。

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