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作曲家とコンポーザー、サウンドクリエイターの違いと意味について

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なぜ作曲することを英語でComposeと言うか知っていますか?「えっ?そんなの気にしたこともないわ」「ってかサクッと良い曲を作れる方法を教えてよ」と思うかもしれませんね。

しかし、言葉に含まれている意味を理解するということはとても大切です。なぜならばよく使われる言葉には本質が語られているからです。

音楽(作曲)初心者はそんなことを知らなくてもいい?確かに知らなくても音楽は作れますが、これを意識して一年間作曲をするのと適当に作曲するのとでは比べるまでもないほどの音楽的知識とセンスが身につきます。

write musicでもいいはず、Songwriteでもよいはず、そして最近よく耳にするサウンドクリエイターとは何が違うのか?それぞれの違いと意味について解説していきます。

UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
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  • DTM記事執筆500以上
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Composeの意味

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作曲のことをComposeと言われていますが、これはラテン語の componereが語源でです。compose 読み方は「コンポーズ」Comとは「一緒に」ponereは「置く」これらを合わせて、「音を置く」「組み合わせる」という作曲的なプロセスをComposeと呼ぶようになったと言われています。

そこにerをつけて音楽(Music)を作る人(Composer)のことを「Music Composer」と呼ばれています。

ルールを気にしなければ作曲という行為は誰にでもできます。それを本人が「音楽だ」と認識できれば、それはComposeです。

Composeの本質をを理解する

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Composeには作曲以外に「構成する」という意味があり構成とは次のような意味になります。

各部分を集めて、または各部分が集まって全体を組み立てること。その組立て。

これは「一緒に置く」=「組み合わせる」ことを意味し、作曲も「音を五線譜の上に置く」「音を組み合わせる」という行為はまさに構成と呼べます。

この作曲という行為に欠かせないのが次の2つの表現です。

  • construction(コンストラクション)
  • composition(コンポジション)

constructionとは

「積み上げる(組み上げる)」という意味でラテン語のstruereから来ています。建設関係に詳しい人ならば聞き覚えがあると思いますが、主に「建設」という意味で理解されていることが多いです。

作曲も積み上げていくプロセスは建設的といえます。では何を積み上げているのでしょうか?答えは「モチーフ」です。モチーフとは音楽を作るうえでの最小単位と呼ばれている2小節〜4小節程度の繰り返しのフレーズです。ギターなどのリフもそれにあたります。

音源などでベースやギター、ドラムやピアノのフレーズによる「コンストラクションキット」などはまさにモチーフを使って「積み上げる」「組み立てる」「建設といったプロセスで作曲をしていることになります。

constructionには他にも「解釈」「構成を作ること」「考えを組み合わせる」という考えがあります。

解釈とは次のような意味になります。

文章や物事の意味を、受け手の側から理解すること。また、その理解したところを説明すること。その内容。
 「―のしようで、どうにでもとれる

この解釈というのは作曲をするうえで重要です。解釈とは自分の中で「そう感じた」というだけではなく「それを感じてどう思ったのか?」という説明をするまでが解釈です。つまり「好き勝手に解釈した」というのは正しい使い方ではなく内容を説明できてこその解釈になります。

解釈には必ず自分以外の他人が存在していることになります。

最小単位であるモチーフは「どう解釈されて作られたものなのか?」「それをどう積み上げていくのか?」 「それらをどう考えるのか?」 などを自問することができます。それゆえにconstructionとは作曲の重要なプロセスとも言えます。

compositionとは

compositionとは目的を持って作られたもので、これを日本語にすると「作品」になります。それを構成する人のことをComposer(作曲家)と呼びます。

ではその目的とは何でしょうか?ここにはいろいろな意味があるでしょう。ハーモニーとしての美しさを追求した音楽を作る人、よりリスナーが感動できる音楽を作る人、誰も聴いたことのないような旋律を作る人

文字の意味だけから捉えると「目的=意図のない」ものは作品とは呼べない。ということになります。「あーこういう見ると作曲する気なくすわー」「音楽ってもっと自由だろ?」「なんだよ。エラソーな英語とかわけわかんねー文字ばっか並べて」と思う人いるかもしれません。

確かに音楽は自由です。どんなアカデミックな言葉を並べても音楽創作を楽しむ大前提は自分であるべきだと私は思います。

しかし、音楽を作り続けていると「もっとよくしたい」「もっとうまくなりたい」という願望が出てきます。これは人間は誰でも「探究心」「向上心」といった「今をもっと良いものにしたい」という思考を本能レベルで持ち合わせています。これを心理学用語で優越性の追求と言われています。

つまりまとめると

デタラメに弾いても「これは私が作った音楽!」言ってしまえたそれは作曲Compose

construction「構成を作ること」「考えを組み合わせる」という行為は何かしらの解釈があり、それらによって作られたもの、それは何かしらの目的をもったものがcomposition(作品)と呼ばれる

これが私が常日頃「音楽に明確な目的を持つことた大切」と言い続けている根拠です。

このようにComposeという言葉から見る作曲の本質とは「構成の明確な目的」と捉えることができます。

Composeする上で大切なこと

みなさんは気持ちが集中していない状態でも「作曲」はできますか?私はできません。一人で自分と向き合う環境を必要とします。しかし、そうでない人もいるでしょう。まちなかでヘッドホンをしながら作曲できる人もいます。環境によって作られたものの良し悪しは問題ではありません。

ただ、自分なりに集中とは何かを考え時にその意味もComposeから読み取ることができます。

Composeには「落ち着かせる」という意味があります。英語では「compose one’s mind」「compose oneself」と表現します。作曲するうえで一つ一つの音を構成し、モチーフ作り、それが大きな音楽という形になる。このプロセスが複雑であってもシンプルであっても自分なりの構成の方法を突き詰めている状態は集中している状態なのではないでしょうか?

自分との対話とは「本当にこれで良いのか?」「これが最善なのか?」「これ以上の答えは無いのか?」作曲においてこのような自問自答は音楽に真摯に向かい合うものであり、それを乗りこえるには勇気が問われます。

コンポーザーとサウンドクリエイターとの違い

作曲する人をコンポーザーと呼ぶ理由についてある程度納得していただけかと思います。ではサウンドクリエイターとコンポーザーの違いはどこにあるのでしょうか?

まずCreateの意味から考えるとCreateは以下のような意味があります。

Creatorの動詞形はcreateです。この言葉は元々ラテン語の「creare(産む、作り出す)」という言葉からできたものです。さらに、このcreareという単語自体は、同じくラテン語の「crescere(成長する、増大する)」という言葉が語源

引用元:「クリエイター」って英語でどう表現するの?英語なの??

もう一度コンポーザーについて確認すると

ラテン語の componereが語源

Comとは「一緒に」ponereは「置く」これらを合わせて、「音を置く」「組み合わせる」という作曲的なプロセス

コンポーザーは何をどう使用するかという視点に対して、クリエイトはゼロから作り上げるという意味合いが強いように感じます。

世間ではクリエイトの認識は「能力をアウトプットし、何かを作り出す人」という意味合い強いです。なので自分の持っている音楽知識を総動員して作り出すことをサウンドクリエイターと呼ぶわけですが、

ゲーム会社などでサウンドクリエイターは音楽だけではなく、効果音や音全般に関わるカテゴライズとして捉えているので、サウンドクリエイター募集と言われてゲーム会社に入ったら音楽を作らせてもらえず効果音ばかりだったという話も起こりうるわけです。

自分がコンポーザーなのかサウンドクリエイターなのかは自分自信がしっくりくる方を選ぶのがよいでしょう。どちらを名乗っっても法的に問題はありません(ちなみに士業(弁護士等)はアウトです)

クリエイトはもっと広い意味で捉えてよいと思っている

クリエイトという言葉を聴くと専門的な技術や知識を持ち合わせた人のイメージが強いです。実際世の中でクリエイトする力を持った人がそれで仕事をしているわけですから、そのような印象をもつのは自然なことだと思います。

しかし、私はそれだけがクリエイターとは思いません。

クリエイトとの本質は創造です。その創造とはゼロからイチを作ることだけではなく、自分が手にかけているものが誰かの生活に繋がることも私はクリエイティブだと思っています。

例えば流れ作業的に出来上がるものであって、それに従事している人であってもその作業に誰かとのつながりを意識していくのであればそれは立派なクリエイターだと私は思いたいです。

まとめ

作曲は今まで専門知識がないと出来ないものを思われていましたが、最近そのハードルが下がりつつあります。それは良いことだと思います。クリエイティブを探求することとは突き詰めると自分の生き方まで考える、つまりDTMを通して哲学をすることに繋がります。

しかし、「哲学をしろ」という話ではありません。適当に作っても誰よりも拘っても出来上がる音楽として同じです。そこにどういう意味付けをするかでその音楽の価値は決まります。

  • Compose 作曲するという意識
  • Construction  自分が解釈したモチーフを積み上げる(組み上げる)
  • composition   目的によって作られたものが作品

もし自分の中で「もっとよくしたい」という気持ちがあるならば、Composeとうい言葉の意味の深さに理解を努めようとすることで、あなたの作る音楽の本質が明確になります。

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