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LogicProXマスタリングのやり方(純正プラグインによる実例付き)

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有償プラグインを使わずにLogic Pro だけのプラグインでマスタリングってできないの?こんな疑問を持った人は多いのではないでしょうか?

結論から言えば可能ですが注意点があります

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注意点?

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大切なことだからしっかりと聞いてね!

それはマスタリングは曲によってプロセスが異なるので、「〇〇すばOK」みたいなテンプレートはありません。

イコライザーの使い方もコンプのスレッショルドも曲によって当然違います。なので、ここで紹介するのはデモとして使っている曲に対して「私ならこのような処理をする」というものです。

なので、みなさんがこのパラメーターをそのまま使ってもその効果は50%程度と考えてください。

ただ。これをベースにしながら考えることでマスタリングの基礎的な知識と考え方についてはみにつきます。

曲の数だけマスタリングの方法があるので「何が正しいかは最終的に自分の耳」するのが一番です。ですが、一般的なマスタリングプロセスに則った方法でなおかつこの方法で仕事をしてクライアントから「マスタリングが悪い」とは言われたことがないので、参考にできる部分は多いと思います。

なお、この記事ではすでにある程度ミックスのバランスが出来ている人を対象にしているので、ミキシングがまだ出来ていない人はミックスでのバランスのとり方から覚えるのをおすすめします。今回は実例としてサビだけの曲にLogicProX純正のプラグインを使ってマスタリング作業を行います。

UG
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マスタリングとは?

マスタリングとは、複数のトラックをステレオに纏めたあとにする微調整の作業です。厳密な意味では再生フォーマットに合わせたファイルを作る作業でもあります。

つまりCDを作る場合も、ハイレゾ音源を作る場合も、はたまた配信用のmp3AACフォーマットに合わせた音源を作る工程もすべてマスタリングと言えます。

また、アルバムなどの複数の曲を違和感なく聞くために「整える」という作業もマスタリングの作業になります。一曲めと3曲めの音量が違ったりすると聞きにくいですからね。しかし、DTM的な意味でのマスタリングを完結に説明すると以下のようになります。

マスタリングとは「適切な音量感と広がり」を作り出す。

マスタリングで調整できる音量は音量はせいぜい3dB。左右の広がりでさえも無限に広げられるわけではありません。

このわずかな質感をコントロールするのがマスタリングです。

マスタリングは雰囲気作り?

例えば女性が髪の毛を切ったときに「あれ?少し雰囲気変わった?」ってなりますよね。このときの雰囲気がマスタリングです。

真っ黒な髪を金髪にしていたら雰囲気というよりはもはや外見が変わった!という変化の大きさに驚くでしょう。切ったかどうかわからない、でも少しだけ可愛くなった。それに気がつけるかどうかがマスタリングの世界です。

マスタリングとミックスの境界線

プラグインなどを使ったマスタリング作業は前提としてステレオに纏められたものを質感を調整するものです。

一方ステレオにまとめるまでの作業はミキシング(ミックスダウン)と言います。

しかし近年ではこのマスタリングとミックスダウンの境界線は曖昧になりつつあり、どこからがマスタリング作業なのかわからないものもあります。

なぜなら、音圧をあげるためにマスターチャンネルにマスタリングで使用するプラグインを使いながら、各トラックの調整するというマスタリングとミキシングを同時にするというのが最近の流れにもなっているからです。

一昔まえはマスタリング・エンジニアに送られてくるものはすべてステレオに纏めらた音源のみでした。それゆえにマスタリングという作業が確立していたわけです。

しかしどんな作業工程であっても完成したものに問題がなければマスタリング作業は終了したと言えます。

そしてこのマスタリング作業の1つのゴールとして「音圧」という要素が注目されます。本来マスタリングとは音圧だけを求める作業ではありません

誰もが共有できる作業の結果として音圧上げ=マスタリングになっていることに関しては、視野が狭い見方であるということを念頭に置きながら音圧を含む「聞きやすい音楽」を作り上げることが大切です。

よくマスタリングプラグインを使うときに「1つ1つの楽器の音にフォーカスをあてる」という表現をする場合があります。

ただこの作業は本来ミックスの作業です。このフォーカスをあてるという作業はプラグインではあくまでバランスの上で作り上げるものということだけを覚えておいてください。

そして結論としては完璧なバランスで作り込まれたものはマスタリング処理は必ずしも必要ではありません。

マスタリングの音圧の目安は?

どのようにすればマスタリングはゴールになるのか?その1つの目安として音圧の数値が上げられます。一昔前はラウドネスウォーと言われ音圧が高いほどよいという傾向がありましたが最近は落ち着きつつあります。

目指す音圧に関してはリファレンス曲を参考にするのが一番ですが、RMS値で-9dBあれば問題はありません。これはジャンルによっても異なります。EDM系やラウド系等の曲では-5dB程度まで上がっているものもあります。

しかし音圧が高いだけの曲では聴く方にも耳の負担が生じます。音圧重視の結果は「何度も連続して聞きたいとは思わない」ということになります。

なのでここでは-9dBと音圧が高いと言われている-5dBの間をとってマスタリングによる音圧のゴールは−8dB程度とします。

RMSとLUFSの違いについて(どちらを目安にするべき?)

RMSとは平均的な音量を計測したうえで人の聴感上の音圧を測るのに使用されたもの

LUFSとはラウドネスメーターは、放送業界向けに開発された規格です。主に人が周波数帯域によって感じる音量の差を考慮した音圧と言われ、近年のメーター表示の中で人の聴覚に近い値と言われ注目されています。

放送業界別として考えると次のようになります。

  • Youtube:推定-13LKFS/LUFS(情報は公開されていない)
  • ニコニコ動画:-15LKFS/LUFS (Integrated Loudness)
  • Spotify:-14LUFS
  • 日本の放送業界の基準:「平均-24LUFS±1」

これはこれ以上の音が入ってくると自動的にラウドネスノーマライズが発生し乱暴な説明をすると配信先で勝手に音量を調整されるわけです。

それによって「音の変化」について賛否両論が起こっているわけです。

さて問題は「どちらが良いのか?」という話になると思います。

答えとしてはどの配信フォーマットを利用するか?に尽きるのではないかと私は考えます。ラウドネスノーマライズによる影響を受けたくないのであれば、その既定値を上回らないようにマスタリングするしかありません。

しかし大事なのはLUFSだろうがRMSだろうが、その曲が人の心をうつレベルまで作り込まれているか?という点を重要視するのが先ではないかと考えます。

人に最良のリスニング環境を提供するための手段の1つがLUFSであって、その手段を目的とすると音楽への情熱は小さいものになってしまいます。

マスタリングに必要なリファレンス曲の準備

重要なことでなので再度お伝えしますが、曲の数だけマスタリングは存在するということです。

ではマスタリングをするためにまず何が必要なのか?というところからお話します。

マスタリングで必要なのはリファレンス曲です。これがないとマスタリングは始まりません。この始まらないという言葉の意味はゴールが明確でなくなるという意味で受け取ってください。

つまり自分の作りたい曲の最終形態をイメージ化するのに使います。

「こんな曲を用意しなくても別にできるんじゃないの?」と思いますよね?もちろん可能です。マスタリングプラグインのプリセットを使って70点の質感が得られる場合もあります。

しかし、この記事を読んでいる人は少しでも「かっこいい曲を作りたい」と思っているはずです。そしてそれは自分のためだけではなく、聴いてくれる人を心から楽しませたいという気持ちからだと思います。

その気持がマスタリングには必要なのです。

大事なのは自分が作った曲がどのようにリスナーに届いてほしいか?ということを考えた時「明るい雰囲気」や「楽しい雰囲気」といった漠然的なイメージがあるはずです。そしてそれを具体的にするのが「〇〇のような曲の感じ」ということになります。

それを再現するために必要なのがリファレンス曲です。

DAWでリファレンス曲を再生するときのコツ

リファレンス曲をDAWに入れておくことで聴き比べをしながらマスタリング作業ができます。

ただDAWにリファレンス曲を入れると当然その曲はマスターチャンネルに送られます。するとどうなるか?マスターチャンネルに刺さっているマスタリングプラグインの影響を受けてしまうことになります。

そうなるとリファレンス曲として聴くことができなくなります。この場合の解決方法は3つ

  • リファレンス曲以外のミックスをBUSに送る
  • リファレンス曲を個別に出力する
  • リファレンス曲確認プラグインを使う

オーソドックスなやり方はリファレンス曲以外をマスターに送らずBSUチャンネルに送りそこにマスタリングプラグインを指しておき、ステレオチャンネルには何もかけないという方法です。

リファレンス曲だけをマスターチャンネルに送ることで、プラグインがかかっていない状態で確認することができます。

すべてのアウトをStOutから任意のBUSチャンネルに変更します。

ここではBUS31に設定しています。これをSUBMASTERとして使用します。ドラムなどをサミングミックスする場合も最終的にまとめたDrumの出力先はBUS31にします。

案外忘れがちなのがエフェクトの出力先もBUS31にします。つまりリファレンス曲以外の出力はすべてBUS31にするのがポイントです。

また、複数の出力があるオーディオインターフェイスとMackieのモニタリングミキサーがある場合は、リファレンストラックだけ物理的に外部出力して必要に応じて切り替えるという方法もあります。

ただ、多少の手間とそれらの機材を揃えているケースはあまりない可能性があるので、多くの人が再現できる方法ではありません。

これらの設定が面倒だと感じるならばADPTER-MetricABというプラグインがオススメです。

LogicProXマスタリングプラグイン①コンプレッサーの使い方

これは定番的な使い方で、コンプによってローが潰れて帯域が狭くなります。ローが潰れる理由はローエンドのエネルギーがコンプにかかりやすいためです。つまりエネルギーが一番強い部分にコンプがかかります。もしイコライザーでローエンドを取り払ったキックを作った場合はおそらくキックのアタック部分にコンプは反応します。

マスタリング時にコンプの設定はミックス時とは違いかかっているかどうかが微妙なレベルにとどめます。ここでは音作りをするのではなく取り終えたバランスをよりよく見せる(雰囲気)作りです。

今回はStudioVCAというコンプを使います。LogicProXには複数のタイプのコンプを選ぶことができるのでキャラクターになったコンプサウンドをチョイスできるのがとても便利です。

設定は

  • スレショルド-20
  • レシオ1.3
  • アタック10ms
  • リリースAUTO

なお今回はアナライザーでの結果をわかりやすく確認するためにアウトプットゲインを-3dBにしていますが、本来は0dBにしています。

コンプ設定の意図と目的

基本はどれだけゲインリダクションさせるか?という点で考えます。この曲の場合スレショルド-20でゲインリダクションは-3dB程度になっています。全体的に少しだけ棘をとるイメージの感じにしたいのでこの程度でも十分に意味があります。

ここではとにかくコンプ臭くしないためにレシオもあまり深くしないようにしています。

アタックタイムに関してはジャンルやテンポにもよりますが、5ms〜10msであれば、音色の頭にコンプが反応しやすいタイミングなので、任意でその幅から好みのポイントを探します。

リリースに関してはAUTOモードの賛否両論はありますが、リリースを長くすればするほどコンプがかかったままになります。つまり「曇った音」になりやすいです。

AUTOモードはそれを音楽的なタイミングで開放してくれます。なので「とりあえずLogicProXでのマスタリングさくっと覚えたい」のであれば、AUTOから試してみることをそすすめしています。そのうえで「ではAUTO以外ではどんな感じになるのか?」という疑問をもつことが私の1番ののぞみですが、出来ることやれることには今の知識量と比例します。そのためリリースはAUTOをこの記事では推奨しています。

このコンプはかかり方もスムーズでなおかつコンプくささがなく自然なままコンプレッションしてくれます。ではこれ以外のコンプを使った場合はどうなるのか?というのを動画にしてみました。

他のコンプに買えた時のアナライザーの動きに注目してください。黒がコンプをかけたマスターで、赤がコンプをかけていない状態です。

当然コンプをかけることで音が圧縮されるので黒のメーターは下がります。これがコンプされている状態ですね。他のコンプにしたときにこの黒のメーターが大きく下がるのが見てわかります。音が少しこもるような印象を受けるのはそのためです。

設定はすべて同じでもコンプによって圧縮される量が違います。これがコンプの特性であったりカラーと呼ばれる要因の1つです。

なおこのあとコンプで圧縮したぶんだけコンプでゲインを2dB程度あげます。

LogicProXマスタリングプラグイン②エキスパンダーの使い方

エキスパンダーとは、コンプの逆で音を飛び出す効果のあるエフェクトプラグインです。コンプでならしたぶんをエキスパンダーで飛び出させるイメージで使います。その結果全体似フォーカスがあたったような印象になり音の明瞭度が上がります。明瞭度を上げる場合イコライザーを使うことが多いですが、特定の周波数でプッシュするよりはこちらの方が効果が自然になります。

「エキスパンダーを使ってゲインを上げるならコンプでゲインを上げればいいのでは?」という疑問があるかもしれませんが、コンプのゲインは圧縮した音をそのまま持ち上げるのに対して、エキスパンダーは設定したレシオより低い音を持ち上げているので今まで埋もれていた音にもフォーカスあたります。そのため、コンプでゲインを上げたただけの効果ではない音の明瞭度がエキスパンダーで得られます。

動画で確認すると、エキスパンダーを当てた方が黒いメーターで表示されます。全体的にメーターが上がっていることがわかります。

LogicProXマスタリングプラグイン③トータルイコライザーの使い方

ここでトータルイコライザーとして全体的な音の最終傾向を決めます。簡単に言ってしまえば「ドンシャリ」であったり「シルキーな質感」であったりという部分です。

今回はよりラウドにしたいので、ドンシャリ傾向気味にイコライザーを設定しています。

「マスタリングイコライザーはリニアフェイズの方がいいの?」という疑問があるかもしれまえせん。答えはどっちでもよいです。というのはリニアフェイズの質感が理解できれば使うべきですし、それがわからないのであれば普通のものでも構わないのです。大切なのは1つ1つのプラグインがどういう効果があるのかを理解することです。理解しないことにマスタリングの階段は登れません。わからずに使っても「効果が実感できないなー」となるとその場で立ち往生してしまいます。

イコライザーの設定の意図は先程もお伝えしたドンシャリ傾向です。

しかしここでも基本2dB程度の処理でしかありません。また、240Hz付近は音のたまり場に鳴りやすいところでもあるのでここをカットすることでスッキリとした印象になることがあります。2.6kHz付近のカットにもノイジー部分が要素があるのでここをカットすることで耳に痛い成分を和らげる効果が期待できます。

マスタリング時であってもミックス時であってもイコライザーが処理しているのは基音より倍音の方が大きいです。

基音というのは音色からすべての倍音を取り除いたものです。すべての音色は倍音を取り除くとサイン波になります。例えば、440Hzをギターで出した場合基音は当然440Hzのラですがここに多くの倍音が含まれることでギターらしい音色になります。

自分がイコライザーでいじっているのが基音なのか倍音なのか?というところを意識することでイコライジングによる音作りに無理がなくなるので倍音と基音の関係については覚えておいた方がよいでしょう。

LogicProXマスタリングプラグイン④サチュレーターの使い方

ここを本当に味付け程度なので無くても問題はありません。ただ使うことで音に暖かみが出せるプラグインです。

LogicProXにはサチュレーション系のプラグインがないと言われていますが実はビンテージイコライザーの中にサチュレーションは存在しています。

右側にあるOUTPUTのDRIVEというのがサチュレーションです。TUBEやコンソールタイプなど3つのサチュレーション効果を得ることができます。

サチュレーションって何?ってなっている人はこちらの記事を参考にしてみてください。

一番効果がわかりやすいのがPunckyと呼ばれるものでした。今回はわかりやすくMAXにしています。サチュレーターは癖になりやすいプラグインですが、使いすぎると音に個性がなくなります。今回の曲では最終的に8〜9の間に落ち着きました。

LogicProXマスタリングプラグイン⑤adaptivelimiter使い方

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デフォルトではGainが3.0dBOut Cellingが0dBLockaheadが50となっています。(画像ではCelling-0.1してしまっていますがデフォルトでは0です)使うコツとしてはどれくらいの音圧を上げたいのか?ということとリミッターとしての使い方になると思います。この2つを理解して初めて「マキシマイザー」になります。

Out Cellingが-0.1になっていますが、この数値を-1dBにするとStereoOutのメーターが-1dBより上には上がらなくなります。ただし、書き出し時やフォーマット特に圧縮フォーマット(mp3)などでは音が割れたりするケースがあります。なので、-0.1〜-0.2辺りの範囲で調整してみることをおすすめします。

1つだけでも十分に効果がありますが、二段かけする方法もあります。その場合1つのadaptivelimiterの原因は2dB程度、2つ合わせて4dB程度にすることで音が飽和しにくくなるのでオススメです。

イエロゾーンに突入すると0dBを超えてしまっていることを意味します。この状態では音割れの原因になるので、コンピューターは0dBを超えないようにします。それがREDUCTIONで6.4にして、リミッティングしている状態です。ただ勘違いしてはいけないのはこのインプットの0dBはStereoOutの0dBではありません。あくまでadaptivelimiterの中で決められた0dBです。なのでStereoOutのボリュームを絞ってもこのインプットの量は変わりません。

コンプなどの場合はこれが0dBではなく-15dBなど任意に設定し、それを超えた音をREDUCTIONするつまり圧縮することでコンプレッサーとしての機能が働きますが、adaptivelimiterの場合はマスターリミッタなので設定が0dB固定になります。そして、このイエロゾーンを超えていない音はリダクションされません。つまり圧縮されない状態になります。

リダクションされていない音は音圧がありませんので、adaptivelimiterを通して音圧がでがないということで悩んでいる人はここが原因だと思われます。REDUCTIONがない状態でGainが3dBの状態は単にボリュームが3dB上がっているだけです。

もし圧縮させたいのであれば、全体的なボリューム調整をする必要がありますが、Gainを使うことで、INPUT量を増やして、0dBを超えさせてadaptivelimiterを動かすことでREDUCTIONが得られるようになります。これが基本的なadaptivelimiterの使い方ですが、それだと具体的に音圧がどれくらいあがったか認識できないのでMultiMeterというプラグインをadaptivelimiterのあとにさします。

これは音圧や周波数解析をしてくれるプラグインで全体の周波数をひと目で確認できます。アナライザープラグインを使うことで「あー低音があまり出ていないな」というのを目で見て確認できるのでミックス、マスタリングになれていない人にはおすすめです。この曲の現時点でのミックスとadaptivelimiterをかけた場合はこのような状態になります。

見るべきポイントはいくつかありますが、わかりやすいところで右端のメーターでRMSという数値が俗に「音圧」として解釈されているところでもあるので、そこがどれくらいの数値になっているかをみることで音圧について確認することができます。

現状では-6.6となっています。RMSはジャンルや使っている楽器によっても大きく変わってきます。ここで「どの楽器を使えば音圧が上がるのか?」を説明すると長くなってしまうので簡単にだけ説明すると「低い持続音は音圧を稼ぎやすい傾向にあります」クリーンギターとディストーションギターではクリーンギターの方が早く減衰します。

最近のポップスなどではこの数値に近くなったりしていますが、-10くらいになっていればまず「音圧がない」というサウンドにはなりませんので、そこを基準にしてもいいと思います。

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adaptivelimiter音割れの原因

adaptivelimiterを使って音割れをする原因は、REDUCTIONの量が原因です。目安としては3dB多くても5dBがadaptivelimiterが機能がフルに発揮できるREDUCTIONの目安です。それを超えるようなadaptivelimiterや他の有償プラグインでも音割れの原因になります。

しかし、それでも何かしらの理由でREDUCTION量を増やしたい場合は2つのadaptivelimiterを使って、REDUCTIONの合計が6dbになるようにします。つまり、一つのadaptivelimiterのREDUCTION量を3dB程度にします。こうすることで、音割れをふせぐことができるようになります。

ミックスは聞かせたいパートの優先順位が明確出始めてなりたつ作業です。あれもこれも聞かせたい!という状態ではミックスはできません。このあたりはこちらの記事でもふれていますのでよければ参考にしてください。

LogicProXマスタリングプラグイン⑥ディザリングの使い方

マスタリングが終了しバウンスするときにディザリングを行います。これは、異なる再生フォーマットに変換するときに音の劣化を防いでくれるものです。耳の良い人ならば

このディザリングの音の違いを聞き分けることができるそうですが、正直私には「変わった気がする」という程度でブラインドテストではわからないと思います。

今回はLogicProXの純正プラグインでのマスタリングだったの下記の画面でディザリングを選ぶことになりますが、wavesや他のメーカーのMaximizerにはディザーが付いているものがあるのでその場合は、ここでは「なし」を選択します。

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ここで気をつけたいのはLogicProXのミキサーは64bitです。つまり24bitで書き出す場合でもディザリングは必要になります。

ディザリングについて簡易的ではありますがこちらの記事でその違いを認識することが可能です。

Logic マスタリング テンプレートについて

今回のマスタリングにおけるプラグインは次のようになりました。

コンプ

エキスパンダー

イコライザー

サチュレーター

マキシマイザー(状況に合わせて2つ)

これらが絶対的に正しいわけではありません。曲やサウンドの好みによって柔軟に変化させることでよりよいマスタリングにつながると思っています。

まとめ

最終的な音圧はRMSが-7.0程度になりました。かなり高めの音圧です。

マスタリング処理における違いはこのような感じになりました、赤いがマスタリングBefore黒がマスタリングafterです。

今回のマスタリングが正解とはいいません。最初にもお伝えしましたが、曲の数だけマスタリングは存在します。ですが、マスタリングとはなにか?

LogicProXの純正でもマスタリングってできるの?と思っていた人には十分できることをお伝えできたように思います。

一朝一夕で身につく話ではありませんが、数をこなすことで必ずできるようになります。そのためにも多くの曲を聴いて自分が求めるマスタリング像を常に思い描けるようにしておくのが大切です。

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