音楽制作において、現在使用している音源やサンプルに物足りなさを感じ、より豊富なライブラリと管理機能を備えたソフトウェアを求めている方へ。
SampleTank 4 MAX v2は、膨大な音源とサンプルを一元管理できる次世代の音楽制作ツールとして注目されています。この記事では、SampleTank 4 MAX v2の機能や実際の使用感を詳しくレビューし、あなたの制作環境に最適かどうかを見極めるための情報を提供します。また、購入を検討されている方に向けて、最新のセール情報もお伝えします。
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SampleTank 4 MAX v2 サウンドレビュー
マルチ音源に搭載されているピアノとしてはグレードの高い音質であり使用しているメモリも見間違い?と思うほどです。
個人的にはこのピアノはかなり使えるレベルに感じました。ここまで来ると専用音源の領域ですが、メモリ使用量とCPU負荷はそれなりに高いので少し前までの気軽に使えるマルチ音源ではないので、使用目的を明確にする必要がありそうです。
ドラムキットもアコースティックドラム専用音源を超えるレベルでメモリが使われています。またエレクトリックなものも幅広く揃っています。
パーカッションのアーティキュレーションが豊富
マルチ音源でありながらコンガやボンゴのアーティキュレーションが豊富なため、セール価格によってはこれだけで元をとれるレベルです。
ただ、congaに関しては特定の音の発音がたまにモタるような挙動があるので使用するときは、オーディオに書き出す必要性があります。
ストリングスは小編成的なもので、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスと基本的なストリングス編成は用意されています。容量も1GB近く使っていますが、それほど特筆すべき点はないシンプルなストリングス音源です。スタッカートが心地よいのでうまく刻んでやるとよい雰囲気になりそうです。
ブラスに関してはJPOPやアイドル曲などで使われるようなバリッとしたいかにも「ブラス音源」というよりはソロ音源によるアプローチが多く、俗に言うJPOPで使える(使いやすい)ブラス音源をイメージしていると期待はずれになります。
最後に、ギター、ベース、ドラム、シンセ、などを使ったかんたんなジングルのデモです。
曲が完成するまでのイメージが湧きやすい音色が揃っているので、音色にリードしてもらいながら作りました。
バンド以外でも、シンセ系の音色も揃っているので、どの楽曲へのアプローチも時間を無駄にすることなく、進めていけるように感じました。
機能性および操作性
ここで解説しているのはあくまで個人的な感想なので、1つの意見としてお読みいただければと思います。
メモリを潤沢に使ったプリセットではあるが
SampleTank 4 MAX v2はマルチ音源として様々な音色が用意されています。その中でも、ドラムやピアノ、ギターなどは2GB以上のメモリを使ったものもあり、マルチ音源としてはかなりのメモリ使用量といえます。
しかし、そのメモリの使用量については個人的に疑問があります。
例えばギター音源のBlackLP Full Keyswichですが、使用すると思われるメモリ量はINFO(ギターのイラスト)を見る限り、4.7GBとあります。これは、専用のギター音源にせまるレベルのメモリ使用量といえます。
ギター音源では重要なのはギター特有のアーティキュレーション(奏法)の豊富さといえますが、BlackLP Full Keyswichに搭載されているアーティキュレーションは、次の5つになります。
このアーティキュレーション量で4.7GBのメモリ使用量は多少使いすぎな印章があります。可能性としてはベロシティレイヤーを細かくサンプリングしているのか?と思いましが、強弱による音質の幅がそこまであるようにも感じませんでした。
音質自体は悪くはありません、ギター特有のノイジーなアタック感などがハマるシーンも多いとは思いますが、メモリ環境がシビアな人にとっては少し注意が必要かもしれません。
また、一見するとプリセットが多いようにも見えるのですが、その多くはエフェクトによるバリエーションになります。なので、多くの楽器が収録されている!という部分に期待すると肩透かしになるのでその点では注意が必要です。
GUIが少しわずらわしい
IK独自のGUIであり、左から、LIBRARY、CATEGORIES、そしてFILTER、INSTRUMENTSという順番で並んでいますが、例えばCATEGORIESでピアノを選んだあとに、他のカテゴリを選ぶと、Instrument欄ピアノのカテゴリと一緒に表示されてしまうため、個人的に少しプリセットが確認しにくいように感じました。
また、LIBRARYのフォルダマークをクリックするとFOLDERSとINSTRUMENTSの2つの表示にすることができます。
個人的にはこちらの方が音色が選びやすくわかりやすいので多用したいところですが、LIBRARYでSampleTank 4 MAX v2の拡張音源を選び、再びSampleTank 4 MAX v2を選択するとレインボーカーソルが数秒間発生してしまいます。
これらは私の環境だけで起きている可能性もあるので、再度インストール方法等で見直すことで改善できるかもしれません。
また、これも私だけの環境かもしれませんが、SampleTank 4 MAX v2を使ったプロジェクトを立ち上げて、音源を開くと、本来はINFOと書かれている部分に楽器の情報が表示されるているのですが、何も表示されません。もちろん音色は読み込めているので音は鳴ってくれるのですが、この表示エラー的なものには不便を感じます。
CPU負荷について
一昔前のマルチ音源はCPU負荷が低いものが多かったですが、近年は割と高めのものが多いです。今回のSampleTank 4 MAX v2もメモリを使いまくっているものはCPU負荷が高く、それらをいくつか使うとバッファ環境によっては再生が止まるか、ノイズが発生します。
下記のCPU負荷の画像はサウンドレビューの項目で最後に紹介したジングルのときのCPU負荷になります。
CPU負荷を軽減させるためにはCPU負荷が逃がしは有効というか、ほぼその使用用途でないと楽曲の再生は難しいように思いました。そこで使えるのがCPU負荷が逃がしです。
一番右側のシングルCPU負荷がなくなっているのがわかります。
音源が刺さっていないトラックを選択することでシングルCPUの負荷がマルチコアに分散されることを「CPU負荷逃し」と私が勝手に命名しています。
CPU負荷を効率化させより多くのプラグインを動作させる方法について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Intel Corei7(i7-8700B)6コア
HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS12.6.1 Monterey
Audio/IF Focusrite RED 8PRE
バッファー 256
DAW LogicPro10.7.7
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
バージョンの違いについて
以下は、SampleTank 4 CS、SampleTank 4 SE、SampleTank 4、およびSampleTank 4 MAX v2の各バージョンの機能を比較した表です。
バージョン | 価格 | プリセット数 | サンプル容量 | 含まれるコンテンツ | 新規追加コンテンツ (MAX v2のみ) |
---|---|---|---|---|---|
SampleTank 4 CS | 無料 | 50 | 5 GB | – | – |
SampleTank 4 SE | €99.99 | 2,000 | 30 GB | 25 GBの新規SampleTank 4サンプル、5 GBのSampleTank 3 SEのレガシーサンプル | – |
SampleTank 4 | €199.99 | 6,000 | 100 GB以上 | 70 GBの新規SampleTank 4サンプル、33 GBのSampleTank 3レガシーサンプル(SampleTank 3レガシーコンテンツ全体) | – |
SampleTank 4 MAX v2 | €299.99 | 19,638 | 600 GB以上 | 88のSampleTankライブラリとSampleTankパワード・バーチャルインストゥルメント、SampleTank 4全ファクトリーコンテンツ、SampleTank 2および3の全レガシーコンテンツ | 64のSampleTank 4ライブラリとSampleTankパワード・バーチャルインストゥルメント、361 GBの新規サウンドコンテンツ |
外貨は為替によって変動しますが、現在2024/08/27の価格でいうと、SampleTank 4 MAX v2は48,482. 円です。セール時においては$60を切ります。こうなるとMAX V2を買うのはコスト的に表示お得感があります。
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以下に、SampleTank 4 MAX v2追加コンテンツはすべて€49.99になります。MAXになると以下の追加音源がすべて搭載されます。
コンテンツ 1 | コンテンツ 2 | コンテンツ 3 |
---|---|---|
Alternate Keys | Electromagnetik – Stage 73 Mark V | L.A. Confidential |
Beat Machines | Electromagnetik – Wurly Model 120 | Mojo Synthesis – Alien Harbours |
Bionic Drums | Extraterrestrial Saxophone | Mojo Synthesis – Circuit Damage |
Cinekinetik – Fractured Piano | Hitmaker – EDM | Mojo Synthesis – Ring of Doom |
Cinekinetik – Malletopia | Hitmaker – Reggaeton | Mojo Synthesis – Swarm |
Cinekinetik – Malletension | Hitmaker – Synthwave | Mojo Synthesis – Vector Vision |
Cinekinetik – Shipwreck Piano | Hitmaker – Trap | Salsa Percussion Loops |
Clavitube | Electromagnetik – Electric Grand C70P | Spaceport ’77 |
Electromagnetik – Electric Piano Bass | The Code Volume 1 – Urban DNA Kits | The Resonator |
Miroslav Philharmonik 2 | SampleTron 2 | Syntronik 2 99 |
Syntronik 2 Blau | Syntronik 2 Bully | Syntronik 2 CATO |
Syntronik 2 DCO-X | Syntronik 2 Galaxy | Syntronik 2 GS-V |
Syntronik 2 Harpy 260 | Syntronik 2 J-8 | Syntronik 2 J-60 |
Syntronik 2 KW-8000 | Syntronik 2 M-12 | Syntronik 2 M-Poly |
Syntronik 2 Megawave | Syntronik 2 Memory-V | Syntronik 2 Minimod |
Syntronik 2 Modulum | Syntronik 2 Noir | Syntronik 2 Obie One |
Syntronik 2 OSC-V | Syntronik 2 OXa | Syntronik 2 Polymorph |
Syntronik 2 Pro-V | Syntronik 2 Pro-VS | Syntronik 2 SAM |
Syntronik 2 SH-V | Syntronik 2 Sorcerer | Syntronik 2 String Box |
Syntronik 2 Syner-V | Syntronik 2 Synth-X | Syntronik 2 T-03 |
Syntronik 2 Triptych | Syntronik 2 V-80 | Syntronik 2 VCF3 |
使えるかどうかの判断は人によって異なりますが、MAXを購入するとただで貰えるわけですから、使えなかったから削除するか、そのままにしておくとよいでしょう。
まとめ
- 専用音源に迫る音質
- PCのキーボードで音色切り替え可能
- 豊富なエディット
- セール価格が安い!
- 音色によってCPU負荷が高い
- GUIが少しわかりにくい
- メモリ容量と奏法のバランスに疑問がある音色がある
メーカー | IK Multimedia |
システム | Mac® (64ビット) 最小: Intel® Core™ 2 Duo (Intel Core i5 推奨)、 4 GB の RAM (8 GB 推奨)、 Windows® (64 ビット) 最小: Intel® Core™ 2 Duo または AMD Athlon™ 64 X2 (Intel Core i5 を推奨)、 4 GB の RAM (8 GB を推奨)、 Windows® 7 以降。 ASIO 互換のサウンド カードが必要 |
認証方式 | シリアル |
認証数 | 5 |
マニュアル | 英語 |
価格 | $329.99 |
備考 | 40 GB (SampleTank 4 SE)、 128 GB (SampleTank 4)、 640 GB (SampleTank 4 MAX) サポートされているプラグイン形式 (64 ビット) Audio Units、VST 2、VST 3、AAX。 OpenGL 2 互換のグラフィック アダプターが必要で |
SampleTank 4 MAX v2はマルチ音源としてはそつなくこなす優等生の雰囲気です。またピアノ、ドラム、などは専用音源に迫る音質といえます。
またパソコンキーボードの矢印で音色変更、そしてエンターキーでお気に入りが登録できるため、膨大な音色の管理の時間を時短できるのは地味ながらに大きなポイントです。
ただ、メモリを潤沢に使用しているギターに関しては、アーティキュレーションの量とメモリ使用量を比較すると、そこまでメモリを使用する必要はあるのか?とという疑問ありました。
エフェクトには同社のT-Racksと同等と思われるエフェクトが用意されているなど、マルチ内で完全に完結を目指した音作りが可能です。
多少使い勝手に難がある部分もありますが、SampleTank 4 MAX v2でしか得られない質感もあって、なんとかしてでも使いたいと思わせてくれる部分もあるので、うまく付き合えたら縁の下の力持ち的な音源になってくれそうです。
単体で購入するよりもTotal Studio 4 MAXを購入すれば同じ価格で以下のセットが購入できるので断然Total Studio 4 MAXの方がお得です。
製品名 | 定価 (USD) | セール価格 (USD)(税込み) |
---|---|---|
AmpliTube 5 MAX v2 | $329.99 | $109.99 |
T-RackS 5 MAX v2 | $329.99 | No sale |
SampleTank 4 MAX v2 | $329.99 | $54.99 |
Syntronik 2 MAX v2 | $219.99 | No sale |
ARC 3.5 | 記載なし | No sale |
Hammond B-3X | $110.59 | No sale |
Lurssen Mastering Console | $110.59 | No sale |
Miroslav Philharmonik 2 | $221.20 | No sale |
MixBox | $109.99 | No sale |
MODO BASS 2 | $219.99 | $54.99 |
MODO DRUM 1.5 | $299.99 | $49.99 |
SampleTron 2 | 記載なし | No sale |
TONEX MAX | $329.99 | $109.99 |
\バンドルセットが圧倒的にお得!/