プラグインを使ってミックスや音作りをするときに複数のプラグインをまたぐのは地味に億劫なものです。その切替で思考が途切れてしまって困っている人もいます。
そんなときに便利なのがイコライザーやコンプ、マイクプリを1つの画面にまとめたVSTプラグイン チャンネルストリップです。
いろいろなメーカーが様々なチャンネルストリップをモデリングしてリリースしていますが、今回お話するNativeChannel strip2は世界標準ミキサーとして名高いSSLシリーズを開発したSSL本家がガチで作り上げたチャンネルストリッププラグインです。
今日はNativeChannel strip2のレビューとwavesからリリースされたSSLプラグインと音質比較をしながら、SSL Native Channel Strip2の魅力をお話していきたいと思います。
5/1日まで89%オフフラッシュセール
SSL Native Channel strip2 | SSL Bus Compressor | SSL Native Essentials Bundle | |
通常価格 | $329.00 | $329.00 | $$479.00 |
セール価格 | $29.9 | $29.9 | $49.99 |
SSL NativeChannel strip2 概要
メーカー名 | SSL |
製品名 | SSL Native Channel Strip 2 |
特徴 | SSLのEシリーズとGシリーズの音色特性を切り替え可能な4バンドパラメトリックEQ 可変ハイパスおよびローパスフィルター カスタマイズ可能なシグナルフロールーティング 強力なレシオ、スレッショルド、リリース、ファストアタックのコントロール 周波数依存の圧縮アプリケーションのサイドチェーン処理 スムーズなリリースレスポンスを備えた自然な響きのゲート/エキスパンダー SSL 360と統合し、UC1およびUF8ハードウェアから制御可能 |
システム要求 | マック macOS 10.12 Sierra-macOS 11 Big Sur (M1 Macはまだサポートされていません)(64ビットのみ) 2.4GHz以上で動作するIntelデュアルコアMac 最小4GBのRAM(8 GBのRAMを推奨) AU、VST2、VST3、AAXネイティブ ウィンドウズ Windows 7-Windows 10 (Windows 11はまだサポートされていません)(64ビットのみ) 2.4GHz以上で動作するIntelCore2(または同等の)CPU 最小4GBのRAM(8 GBのRAMを推奨) VST 2、VST3、AAXネイティブ |
認証方式 | iLoKアカウント認証 |
マニュアル | V6.5MANUAL |
価格 | $526.90 |
備考 | 体験版あり |
SSL NativeChannel strip2はSSL 9000Kコンソールチャンネルストリップを再現したエフェクトプラグインです。NativeChannnel strip2をひとつプラグインスロットに挿しておくだけで世界品質のイコライザー、フィルター。コンプレッサー、ゲート、を自由に扱うことが可能になります。
チャンネル・ストリップとは
チャンネル・ストリップは、一般的に大型ミキシング・コンソールの各チャンネルに搭載されている機能群をひとまとめにした機器です。これにはゲイン調整、フィルタリング、イコライザー(EQ)、およびダイナミクス処理(コンプレッサー、エキスパンダー、ゲートなど)が含まれます。
市場に出ているプラグイン形式のチャンネル・ストリップは、多くが実際のコンソールのチャンネルを模倣して設計されています。これにはいくつかの例外はありますが、大部分は既存のハードウェアを基にしています。
SSL Native Channel Strip2はSSL本家から出されているということもあり、どのSSLモデリングプラグインよりも、ハードウェアの質感と操作性を手にすることができるため、プロミキシングエンジニアに好評です。
便利なチャンネル・ストリップですが、それぞれにメリット・デメリットも存在します。
具体的には説明すると次のようになります。
チャンネルストリップを使うメリット
- 一元化された操作性: トラック成型の基本ツールがすべて一つの画面に収まるため、複数のプラグイン間で切り替える必要がなく、操作が迅速かつ直感的に行える。
- 時間効率の向上: 必要なツールへのアクセスが迅速であり、クリック数を減らすことができるため、作業の効率が大幅に向上する。
- 思考の中断の回避: ツール間を往復することによる思考の中断を減らすことができ、サウンド制作に集中しやすくなる。
- 既存の実機との親和性: 実際のコンソールに慣れ親しんだユーザーにとって、似た操作性やパラメータを提供するため、経験を活かしやすい。
- デザインと実用性: 長年にわたり現場で実用性が認められたパラメータ群やEQカーブを採用しているため、信頼性が高い。
チャンネルストリップを使うデメリット
- 機能の制限: EQのバンド数やQ幅が限定的であり、現代の多くのプラグインが提供する無制限のバンド数や柔軟なパラメータ設定に比べると劣る場合がある。
- 均質性の問題: 同じチャンネルストリップを多くのトラックに使用すると、コンプレッサなどが同質のものになり、サウンドの多様性が損なわれる可能性がある。
- カスタマイズ性の欠如: モジュールを組み合わせてカスタマイズ可能なプラグインに比べると、決められたレイアウトと機能に限定されるため、柔軟性に欠ける場合がある。
- 親しみやすさと学習曲線: レイアウトや機能に一貫性がない場合、ユーザーが使いこなすまでに時間がかかることがあり、特に新しい製品や異なるデザインのものでは学習曲線が存在する。
どのスキルの人が使用するかによってメリット・デメリットの意味合いは異なりますが、ミックスに不慣れな人ほどチャンネルストリップを使ってミックスすると思考の迷いがなくなるため、より早くミックスの処理が完了し、より細かい部分のクオリティアップにつながります。
SSL NativeChannel strip2 レビュー
音質 | 4 |
機能性(オリジナル性) | 4.5 |
操作性(使いやすさ) | 4 |
安定性(CPU負荷) | 4 |
価格(セールバリュー) | 3.5 |
総合評価 | 3.9 |
音質
4
プロが納得する味付けないストレートな音質
SSL Native Channel strip2は、どのような設定を使用しても信号が非常にクリーンなのが特徴です。
このプラグインは、トラックを迅速に形成し、最小限の操作でトラック間のバランスを整えるためのユーティリティとして最適です。
ただし、クラシック音楽の録音のようにサチュレーション(飽和)を意図的に加えたい場合は、他のツールを使用する必要があります。
SSL Native Channel Strip 2には、EQやダイナミクスの調整機能と同様に、サチュレーションの量や質を細かく設定できる機能は含まれていません。
このため、ミックス全体のバランスを調整する基本的なツールとしての位置づけであり、サチュレーションを調整する際は他の専用プラグインを併用することが推奨されます。
比較的シンプルな操作でクリーンなサウンドを実現するSSL Native Channel Strip 2は、トラック数が多いプロジェクトでも迅速に、そして均一に「それっぽい音」に仕上げることができる点で有利です。
しかし、ミックス途中でサウンドの方向性に不満が生じた場合や、特定のトラックの調整が過剰に感じる場合には、その変更を元に戻すのは容易ではありません。
このような場合、bx_consoleなど他のプラグインで音作りを一からやり直すことが必要になるかもしれません。
結局のところ、どのチャンネル・ストリップを使用するかは、それぞれの音質特性を理解し、自分のワークフローに合ったものを選ぶことが重要です。
なので、もし味付け(サチュレーション)的なものが欲しいと思ったら、別途用意する必要があります。
ではそのサチュレーションについて具体的に見ていきたいと思います。
両者の音質の違いはwavesの場合アナログボタンを押しているかどうか大きく変わります。
waves EV2 channelの場合はアナログボタンをオフにすると倍音は出なくなります。一方でSSL Native Channel strip2はINPUTを10dB近く上げることで第3倍音が発生します。カラーを付けやすいwaves EV2 channel 無味無臭で素材の良さを余すことなく伝えるSSL Native Channel strip2という見方ができそうです。
シンセピアノで比較してみます。
設定は両者とも同じにしています。
8kHzを3dB
フィルターでLPを6kHz
コンプはスレッショルド-10dB
RATIO 1:4
Release0.1
両者を同じ設定にしても、SSL Native Channel strip2の方がコンプのかかり方が深いために圧縮感が強くなります。またイコライザーに関しても、広域の伸びみたいなものがSSL Native Channel strip2の方が少しハイがきつめの印象があります。
wavesの方は良い意味で落ち着いている感じがあります。
両者とも同じものを比較しているわけではないので、比較の結果にはそれほど意味はないのかもしれませんが、そもそも同じモデルであっても音が必ず変わってきます。(まったく一緒というのはありえませんし、あればそれはそれですごいことですw)
個人的にはwavesの落ち着き感は好みです。しっとりとしたバラードなどにはwavesの方が出番が多くなるのかもしれません。しかしSSL Nativeのバージョン1から使い続けているヘビーユーザーの私にとってはバージョンアップの度に音質の改善が進み。V2になった今、今まで以上に使いやすい印象を受けました。
次にベースを比較してみます。
こちらも設定は両者とも同じにしています。
コンプはスレッショルド-10dB
RATIO 1:5
Release0.1
100Hz 3dBブースト
wavesの方が低音が下に気持ちよく潜っていく印象があり、SSLの方はwavesに比べると低音感が多少少なくなっている感じがあります。
単体にして聞くと、ボリュームの減衰カーブが違うのがわかります。
スピード感のあるドラムやロック系のベースにはSSLが向いていて、EDM系などのベースはwavesの方が相性が良いように感じます。
最後にキックを比較してみます。
設定は同じです。ポイントは50Hz付近のブースト感です。
これもwavesの方が低音の質感が好みです。ただ、低ければいいということでもなく全体的なバランスなので、適材適所の使用方法が求められると思います。
低音にスピード感を求めるならばSSL NativeChannel strip2の方が適しているように私は感じます。
周波数帯域の見る両者の違い
これは、DDMFのPlugin doctorといって、耳で確認しきれないプラグインのイコライザーのカーブや特性を可視化できるソフトです。
DDMFのPlugin doctorは「とーくばっく~デジタル・スタジオ」の話の著者でおなじみのDavid Shimamotoさんも使用し解説本もリリースしているので測定の結果も信憑性のあるものです。
次の設定でどのような違いがでるかを計測してみました。
LPを6.3kHz
LFで50Hzを6dBブースト
上側(ピンク)がSSL NativeChannel strip2で下側(紫)waves EV2 channelです。
聞いた感じでは、wavesの方が低音が出ていたように感じますが、計測結果ではSSL Native channel strip2の方が1dB程度ですが、大きく出ています。
LPの方では6.3kHzにしていますが、SSL NativeChannel strip2の方が高域の沈み込みが早く、ガッツリとハイカットしている印象があります。
pluginDoctor参考動画
Studio Gyokimae 公式サイト(David Shimamoto)
バスコンプについて
SSLには有名なBus Compressorがあり、それもwavesに限らず多くのメーカーが再現しています。ここではwavesとSSLのバスコンプのかかり方を少しだけ見てみたいと思います。
ここでも同じ数値にしていますが、同じリダクションにしようとするとSSLは13.4dB wavesは11.5dBとなります。チャンネルストリップでもあったようにバスコンプでも低音のスピード感がSSLにはあるように気がします。
ローの出方に両者それぞれの個性があるので自分が求めるサウンド感を明確であればあるほど両者の特性を活かせいた音作りができるように思います。
バスコンプに関してはこちらの記事で多くのバスコンプの比較を行っています。
機能性
専用フィジカルコントローラーUC-1との連携で操作性アップ
SSLの機能性については、他のSSLモデリングプラグインと大きく変わるのは外部専用のコントローラーを使えるということです。
これによってミックスの操作性から音作りまで手元のコントローラーでできてしまうので非常に便利です。
この機能のためだけにSSLを購入する価値はあると言えます(UC-1にはSSL Native channel strip2とBus Compressor2は付属しています)
wavesは大量のプリセットがあるのに対してはSSL Native Channel Strip2のプリセットはかなり少ないです。そのため
プリセットを多様する人にはSSL Native Channel Strip2は少し不便に感じる部分もあるかもしれません。
ただバージョン1から使い続けている立場からするとこれでもプリセットは増えましたw最初はプリセットすらなくて「臨機応変にするのがイコライザーだろ?」と言われているような気分だったので、SSLにプリセットの多さはあまり求めなくなっていました。
操作性
4
洗練されたGUIにより音作りに集中できる
DAW付属のイコライザーに慣れている人にとっては自由度が少ないように感じる人もいるかもしれませんが、逆に迷いがないため音作りの速度やミックス速度が速くなります。
両者の違いといえば、
SSLではフィルターやイコライザーの順番を切り替えることができますがwavesはできない。
wavesではインターフェイスのサイズを変更できるが、SSLはできない。
などの細かい違いはありますが、それが両者を「使用/不使用」の理由はあまりならないような気がしています。
安定性
4
とにかく軽い
1つだけ使っている状態の負荷ですがほとんどかわりません。どちらも軽量なので全トラックに使える印象です。
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Corei7(i7-8700B)6コア HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS11.6.5Big sur
Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble
バッファー 256
DAW LogicPro10.6.3
48kHz/24bit
再生ストレージ SSD
価格
3.5
5/1日まで89%オフフラッシュセール
SSL Native Channel strip2 | SSL Bus Compressor | SSL Native Essentials Bundle | |
通常価格 | $329.00 | $329.00 | $$479.00 |
セール価格 | $29.9 | $29.9 | $49.99 |
メーカー価格は非常に強気です。さすがSSLです。この価格に意味を見いだせるのはブランドの強さを理解している人だと思います。
これを使う多くのプロは実機に近い音質感と操作性の良さに意味を見出しているようです。実際「音質よりもワークフローの流れの良さがこの製品の大きな魅力だと思う」というほど、プロの現場に慣れた人ほどChannle Strip2の価値を認識しています。
PluginBoutiqueで購入すると月替りプラグインが無料でもらえます。無料と行っても100ドル相当に売っているプラグインがもらえるのでかなりお得です。
4月の無料特典は
Audiified U78 Saturator または Excite Audio VISION 4X Lit
注意点
- Rent To Own プランは、無料トランザクション ギフトの対象外
- Plugin Boutique アカウントが登録されていることを確認してください。アカウントをお持ちでない場合は、 こちらから作成できます。
- 有料製品をバスケットに追加します (この特典は 無料製品には適用されません )。
- 無料ギフトを選択し、チェックアウトを完了してください。
- 取引の全額 に対してバーチャル キャッシュやクーポンを使用し ないでください。 (ただし、100% 未満の量でも問題ありません。)
- このオファーの製品をすでに所有している場合、代替製品を提供することはできません。
- この製品のコピーを別の製品と交換することはできません。
- この製品のコピーを再販することはできません。
- このプロモーションでは、製品の 1 コピーを請求する資格があります。
- 1 回の取引につき 1 つの無料製品のみを請求できますが、複数の無料ギフトの場合は、すべての無料ギフトを取得するまで個別のトランザクションでこのオファーを引き換えることができます。
U78 Saturatorについてはこちらで詳細を確認できます。
PluginBoutiqueでの具体的な購入方法はこちらの記事が参考になります!
まとめ
音質 | |
機能性(オリジナル性) | |
操作性(使いやすさ) | |
安定性(CPU負荷) | |
価格(セールバリュー) | ※ |
総合評価 |
非常に優秀でどのジャンルもそつなくハイクオリティにこなすちゃんねるストリッププラグインです。さすが本家といったところです。
クリーンな音質で楽曲に品格を与えたい!そんな人はSSL Native Essentialsおすすめです!
-
5/1日まで89%オフフラッシュセール SSL Native Bus Compressor 2 レビュー 透明感あふれるダイナミクスがかんたんに作れる!
-
5/1日まで89%オフフラッシュセール SSL Native Channel strip 2レビュー プロが求めるサウンドと操作性が簡単に手に入る!
-
SSL LMC+ レビュー 想定外の使われ方で一躍有名になった機材を再現
-
SSL Native Vocalstrip 2 レビュー 驚愕のボーカルサウンドへの道標
-
SSL Fusion Stereo Image レビュー 最高に自然な広がりを与える
-
SSL Fusion Transformer レビュー 類似製品と比較してわかった5つの魅力
-
SSL Fusion HF Compressor レビュー 高域をエレガントに整える
-
SSL Fusion Violet EQレビュー
-
SSL Fusion Vintage Drive レビュー
-
SSL Native Drumstrip レビュー
-
SSL Guitarstrip レビュー 最高品質のギター音作り専用プラグイン!
-
SSL SubGen レビュー 貧弱なローエンドを強化する!マルチバンドハーモニックシンセサイ