DAWに付属のチャンネル・ストリップってイマイチぱっとしない。もっと音もGUIもかっこよくてワクワクさせてくれるチャンネル・ストリッププラグインってないかな?
チャンネルストリップとはイコライザーとコンプが一緒になったVST プラグインのことです。DAW付属しているものもありますが、正直あまりパッとしないのは、音が無難であるのと、使い勝手があまりよくないからです。
しかし、今回紹介するUniChannelは違います。UniChannelはマイクプリ、イコライザー、コンプを3種類ずつ搭載し、最大で27種類の組み合わせを実現した変幻自在のチャンネルストリッププラグインです。
「組み合わせっていってもそんな大したことないんじゃないの?」
「結局操作性がややこしいだけではないの?」
って思うかもしれませんが、非常にシンプルでわかりやすいインターフェイスになっており、ボタン1つで自由に組み合わせを変更することが可能ですし、それらの機能を最大限に生かしたプリセットも多数用意されています。
今回はUniChannelの使い方と一緒に、それぞれのセクションの音質をわかりやすく比較するために複数のサウンドデモを用意しています。また、ミックス時に使う場合と、作曲段階から使う場合とで見えてきた、メリット・デメリット、などを詳しく解説しています。
音質 | |
操作性 | |
価格 | |
購入のしやすさ | |
安定度(CPU負荷) |
United Plugin UniChannelとは
トラックの音量を自動で調整してくれるオートレベラーのAutoformerを作ったUnited Plugin がリリースしたチャンネル・ストリップそれが UniChannelです。 UniChannelは有名なマイクプリやイコライザーそしてコンプを3つずつエミュレーションしそれらを自由に組み合わせて使うことができるユニークなチャンネル・ストリップです。
触った第一印象としては「マイクプリやイコライザー、コンプそれぞれのクオリティもよく、心地よい飽和感が得られるので使いすぎてしまう」というものでした。
このマイクプリに関してはAutoformerに搭載されているものと同じだと思います。United Pluginのプリアンプのカラーは好き嫌いがあるかもしれませんが、色付けもわざとらしくないので使いやすいです。
United Plugin UniChannelのメリット
チャンネル・ストリップとは?
1つのモジュールの中にマイクプリ、イコライザー、コンプ、フィルターなどが搭載されたものです。
実はエフェクトプラグインのスロットも言い換えればチャンネル・ストリップと同じです。上から、マイクプリのプラグインコンプ、イコライザーと挿していけば立派なチャンネル・ストリップです。
ではなぜわざわざ別々のプラグインを一つにまとめたチャンネルストリップなるものがあるのか?これは有名なミキサーなどについているチャンネルストリップにはそれでしか出せない味があります。それをバラバラにしてしまうとどうしても再現度が落ちてしまう等の理由があります。
また、必要に応じてプラグインを入れ替える作業はそれなりに
27通りの組み合わせが可能なチャンネルストリップ
UniChannelの魅力はマイクプリ、イコライザー、コンプレッサーがそれぞれGE(ドイツ)US(アメリカ)BR(ブリティッシュ)の3タイプが用意され、それらを自由に組み合わせることで最大27通りの音作りが可能になることです。
この3タイプを1つのプラグイン内で自由に組み合わせることのメリットは次の通りです。
DAWのプラグインスロットを占有しなくていい
音作りにおいてとてつもなく時短
マイクプリ、イコライザー、コンプレッサーというプラグインを立ち上げた場合、当然ながらプラグインスロットは3つ埋まることになります。3つもあるとそれぞれのパラメーターを把握するのにも一苦労になります。これらを1つのスロット内で完結することで、プラグインをまたいだ音作りの必要がなくなります。
「やっぱり違うから変えよう!」と思ったら毎回その3つのスロットのものを変更していくのはかなり大変
UniChannelではボタン1つでマイクプリ、イコライザー、コンプの切り替えが可能なので、音を変更したいと思ってもすぐに対処できます。
VARM Ⅱ Technologyによるアナログ回路の再現
UniChannelの音はふくよかであり高品質です。音が丸いと聞くと「こもっている」と捉えていしまう人もいるかもしれませんが、音に下品なギラツキがなく音に気品を感じます。その理由がVARM Ⅱ Technologyです。
VARM IIは、アナログ世界の混沌とした振る舞いとランダム性の知識に基づくテクノロジーです。VARM IIのおかげで、各プラグインインスタンスの動作は少し異なります。VARMは、実際の電気ユニットや実際のコンソールチャネルとまったく同じように、電気部品の値の微妙な違いのランダム性をモデル化します。その結果、ハードウェアユニットのサウンドが最も正確に表現されます。
このマイクプリモデリングしたDAW FRONTというエフェクトプラグインだけを販売するほどVARM Ⅱ Technologyはよく出てきています。(DAW FRONTはVARM ⅠTechnologyでありUniChannelはバージョンⅡになっています)
各セクションを任意にバイパスできる
イコライザーとコンプでは個別にBYPASSスイッチが搭載れています。
これはマイクプリはいいけれど、どうしてもイコライザーやコンプは他のものを使いたい!という要望に答えてくれるものです。「チャンネルストリップでイコライザーとコンプをBYPASSするのってチャンネルストリップの意味なくない?」と思うかもしれません。
たしかに先程お話しした違うプラグインを使うということは結果的にプラグインスロットを多く使うことになります。しかし、これはUnited Pluginのクリエイターに対する紳士な回答と私は受け取ります。自社のプラグインに自信があったとしても最終的にそれを使うかどうかの判断をするのはユーザーであり、そのユーザーが最高の結果を得るためにイコライザーやコンプや好みのものをチョイスできるようにする。
こういう考え方なのではないかと私は考えます。
各パラメーターはテンキー入力が可能
UniChannelではノブなどの上でダブルクリックすることでテンキーでの入力画面が表示されますし、右クリックではHelpおよび設定デフォルト値に戻す画面が表示されます。
音作りのための音質への拘りとそのために必要な操作性、それらを見事に融合させています。
もちろん、毎回私が口をすっぱくするほど言っている。イニシャライズプリセット(向上出荷時)もちゃんと用意されています。
さて、少し余談ですが、テンキーの画面に見覚えがある人もいるかもしれません。Autoformerの記事で書いていますが、United Pluginは多数のエフェクトプラグイン/音源をリリースしているmeldaproductionの支援を受けています。そのためなのかはわかりませんが、テンキーの雰囲気がよく似ています。
使用していないときはCPU負荷を下げるインテリジェントスリープ
CPU負荷を少しでも抑えることはプラグインデベロッパーの課題の1つです。UniChannelは使用していないと自動スリープになりCPUへの負荷を軽減してくれます。CPU負荷が原因で再生がとまるなどのトラブルを少しでもなくし、快適な音作りに集クリエイティブな時間をコミットしてくれるUniChannelは使えます。
United Plugin UniChannelのデメリット
Logic Proでのプラグイン表記が少し分かりにくい
United Pluginには3つのブランドがありそれぞれで斬新でクリエイティビティなプラグインを制作しています。しかしそのため、DAW上でプラグインを選択するときはそれぞれのブランド名でカテゴライズされています。
個人的にはUnited Pluginでカテゴライズしてほしいところです。
コンプとイコライザーの順序が決まっている
UniChannelの音の流れはマイクプリ、イコライザー、コンプという順番です。しかし人によってはイコライザーとコンプを入れ替えたいという人もいるかもしれませんが、残念ながらUniChannelではそれができません。
次回のアップデートでこの順番の入れ替えができるようになると、さらに操作性がよくなるように思います。
このプラグインの順番(プラグインチェーン)は音作りにおいて意味を理解するとより音作りに深みがでるのでよければ下記の記事も一緒に読み進めていくことをオススメします。
パラメーター等を動かしても数値で表示されない
マイクプリやコンプなのノブを動かしてもそれが数値上でどのくらい動いたのかが表示されません。もちろん耳で判断するのが重要なのはわかりますが、自分が動かしているパラメーターが何デシベルくらい動いたのか気になる人も多いと思います。
一応、動かしたノブの数値は、テンキー入力画面で最初に表示されています。
電卓の上の部分に+3.07dBと書かれているのが現在のノブのポジションになります。個人的には動かしたらすぐ近く。または、下の黒い部分でもいいので表示してほしいところです。
United Plugin UniChannelの使い方のコツ
初心者にオススメのプリセットから使い始めよう!
UniChannelはマイクプリ、イコライザー、コンプのそれぞれにⅢ種類ずつタイプがあるとお話しました。自分で好みの組み合わせを楽しみたい!という前に試してほしいのがタイプ別のイコライザーです。
Rootと書かれたフォルダーの中にあるAll〇〇と書かれたプリセットはマイクプリ、イコライザー、コンプそれぞれをすべて同じタイプでまとめたものになります。まずはここでそれぞれの音質の方向性を確認していくとよいでしょう。
UniChannelのインプットとマイクプリエミュのインプット量を意識して音作り!
UniChannelにはプラグイン自体のインプット/アウトプットがあります。このプラグインに入ってくるインプット量を考慮しながらマイクのインプットを調節することでよりカラーが出やすくなります。
作り方は好みによるところもありますが、私の場合はプラグインへのインプット量はレッドゾーンにいかないようにゲインプラグインで調整しています。その方がマイクプリのインプット量による音作りの幅が広がると考えているからです。
UniChannel サウンド比較
プリセットによる音質比較として、ドラム、ピアノ、マスターとそれぞれでUniChannel のサウンドを比較してみます
ドラム
ベース
ピアノ
マスター
比較してわかったのはALL GEの音量がALL BR,ALL USと比べて4dBくらい大きいこと。そのためゲインでなるべく近い音量になるよう調節しています。
音量の差はあるにせよ。GEの質感とふくよかさはかなり気持ち良いです。USはカラッとすっきりとした音ですが、GEと比べると少し芯が細い印象も受けました。
それ以外に面白いと思ったのはコンプでゲインリダクションが触れていなくてもコンプのスイッチをOFFにするとかなり質感が変化するということ。調整になれるまで少しなれが必要かもしれませんが、音はかなり良いです。
United Plugin UniChannelのCPU負荷
UniChannelの特徴の1つインテリジェントスリープがCPU負荷にどれほど影響があるのかを調べてみました。
静止画なのでそれほど変わらないようにも見えますが、音が入っていないときは確かにCPU負荷は抑えられているように思います。今回のCPU負荷テストではUniChannel は1つだけだったので多く使うともっと効果がはっきりと出る可能性があります。
CPU計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Corei7(i7-8700B)6コア HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS10.15.7 Catalina
Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble
バッファー 256
DAW LogicPro10.6.3
48kHz/24bit
再生ストレージ HDD
United Plugin UniChannelの特徴
United Plugin UniChannelのシステム要求環境
Mac
- macOS 10.10 and later (M1 Silicon Mac and macOS 11 Big Sur supported) (64-bit only)
- Intel/AMD processor with SSE2 support.
- VST2, VST3, AAX or AU compatible host.
Windows
- Windows 8 – 10 (32 or 64-bit)
- Intel/AMD processor with SSE2 support.
- VST2, VST3 or AAX compatible host.
M1チップ及びBigSurにも対応済なので安心して使えます。しかし、MacbookProの最新型はOSがMontereyなのでそこで使えるかどうかはわからないので少し注意が必要です(というかほとんどのメーカーはまだMontereyの正式対応をアナウンスしていません)
オーソライズ方法はシリアル認証方式とオンラインオーソライズ方式の2つです。詳しいオーソライズ方法はこちらの記事が参考になります。
まとめ
チャンネル・ストリップとしてはユニークな3タイプを組み合わ方式のUniChannel は音良し、使い勝手よし、見た目良しの万能チャンネルストリップです。
すべてのトラックに使いたくなるほど気に入っていますが、あまり使いすぎると飽和気味になってしまうので、インプット量を意識しながら、使っていきたいと思います。
通常価格は$161.02が今だけ$38.55(¥4,330)ほどです。DAWに付属しているイコライザーやコンプでは物足りなくなった人には楽しめるプラグインです。
DAWの付属のチャンネル・ストリップやコンプ、イコライザーに飽きた!。という人や同じツールばかり使っていると音がマンネリしてきます。「そんなことを言うやつは根性ないやつだ!」「DAW付属のプラグインでもいいものは良い!」という声もあるでしょう。その考え方を否定するつもりはありませんが、やはり新しいツールから得られるインスピレーションやワクワク感もまた否定できない事実です。
変幻自在のチャンネル・ストリップUniChannelで自分ならではの音を作り込んで見るのはいかがでしょうか?
PluginBoutiqueで購入すると月替りプラグインが無料でもらえます。無料と行っても100ドル相当に売っているプラグインがもらえるのでかなりお得です。
12月の無料特典は
Antares Choir、Drum Synth、Dawesome LOVE、または Loopcloud 1 か月アーティスト プランの無料コピー
今月の購入で限定無料となるため、 対象となる購入のチェックアウト時に、 Antares の Choir または AIR Music Technology の Drum Synth または Tracktion の Dawesome LOVE またはLoopcloud 1 か月アーティスト プランの無料コピーを請求できます。
重要な注意点:
- Rent To Own プランは、無料トランザクション ギフトの対象外です。
- 2023 年 12 月 13 日に終了
- Plugin Boutique アカウントが登録されていることを確認してください。アカウントをお持ちでない場合は、 こちらから作成できます。
- 有料製品をバスケットに追加します (この特典は 無料製品には適用されません )。
- 無料ギフトを選択し、チェックアウトを完了してください。
- 取引の全額 に対してバーチャル キャッシュやクーポンを使用し ないでください。 (ただし、100% 未満の量でも問題ありません。)
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- このオファーの製品をすでに所有している場合、代替製品を提供することはできません。
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PluginBoutiqueでの具体的な購入方法はこちらの記事が参考になります!