ローエンド補強サブベースプラグインとベースエンハンサーの違い

ローエンドがスカスカで困る。もっと重く太い音を作りたい。そんなプラグインを探していると見つかるのが「ベースエンハンサー」と「サブベースプラグイン」です。ですが「これらの違いって何?」と思う人は多いです。とりあえず使っちゃえ!みたいなノリで使っている人もいます。

もちろん結果よければ全て良し!ですが、この記事ではそれらの違いを明確にしてどのように使えば一番効果的なのかを解説しています。

サブベースプラグインって何?

サブベースとは超低域(40〜55Hzあたり)のベースのことです。ヒップホップなどではこの帯域のベースがよく使われますが、これをキックなどに混ぜて使うことでより重く太い音を作ることもできます。

サブベースは主にサイン波で作られます。他の波形でも同じ周波数にすればサブベースなのでは?と思うかもしれませんが、サブベースの役目は必要以外の周波数帯域を邪魔しないような使われ方をするため、倍音が含まれている波形を使うことはあまりしません。

主にRolandのリズム増井TR-808のキックのアタックを削った音で作られることが多いですが、90年代はAKAIのS1000シリーズのサイン波を使うトラックメイカーも多かったです。

ベースエンハンサーとは?

ベースエンハンサープラグインとは基音となる音に倍音を発生させることでより基音をより認識しやすくなるプラグインです。

  • サイン波で基音だけを加えるのがサブベースプラグイン、
  • 基音に倍音を加えるのがベースエンハンサー

このように覚えるとわかりやすいですね。

また発生する倍音はプラグインによって

偶数倍音であったり奇数倍音であったりもします。

これらの倍音は次のように例えられます。

  • 偶数倍音=音が暖かい
  • 奇数倍音=音が冷たい

サブベースを使うメリット/デメリット

サイン波によって実音を加えることができるので、特定の周波数を加えることができます。サイン波が許す限りどこまでもローエンを付け足していくことが可能です。

その一方で、実音を加えることでリリースの長いキックやベースに使う場合は認識できる音のうねりが発生する場合があります。

超低域は人が音程として認識しにくいのでキックの基音の音程とベースの音程にズレがあってもあまりに気になりません。ですが、楽器が少ない曲などではサブベースの音程とリリースの長いキックの音程がズレているとうねりが当然発生します。このうねりが気になる人もいるので、注意が必要です。

ベースエンハンサープラグインのメリットデメリット

サブベースと違い基音に整数倍音を加えることで超低域であってもその音を認識しやすくなります。私達はベースの最低音E1を聴いているつもりでも実際はE2つまりオクターブ上の倍音の音を実音のように聴いています。

低音処理に必要なベースのローカットをする前に覚えておきたいこと

その倍音を加えることで感じることしかできにくいローエンドを耳で認識できるようになり、タイトでファットな低域を作り上げることが可能です。

しかし、倍音を足していくこと若干のドライブ感のあるサウンドになり、ミックス時に音が飽和しやすい原因にもなります。

ベースエンハンサープラグイン聴き比べ

ベースエンハンサープラグインといってもプラグインよって倍音の出方が異なることで音のキャラクターが変わります。まずは倍音の出方を比較し最後に動画でドラムに使った場合の音の違いを確認します。

Waves R Bass

ベースエンハンサープラグインといえばこれ!というくらい定番の低音増強プラグインです。Freqで基音の周波数を決めて、Intensityを上げることで付加される倍音の量が変わります。画像ではこうなるとドライブ感がかなり強くサイン波と呼べるものではなくなります。

Waves Maxx Bass

R-BASSが出てくるまでは低音補強プラグインといえばMaxxBassでした。しかしMaxxBassの方が倍音の出方やダイナミクスについての設定が可能なので、こちらの方を好む人も多いです。

DOTEC-AUDIO DeeSub

ナウいGUI(死語)がイカしてる(死語)ベースエンハンサープラグインです。このプラグインのユニークなところは鍵盤を押すことでサブベースの帯域を決定できます。

また発生する倍音が奇数倍音のみなので、硬く抜けのよいベースエンハンスサウンドになります。

Apple Sub Bass

LogicProX純正のベースエンハンサー(サブベース)です。使い方が少し使い方がややこしいですが、しっかりとサブベースを鳴らしてくれるベースエンハンサーです。

倍音はHighと書かれた上端のBandwidthを右に回すことで増やせます。こちらもDOTEC-AUDIO DeeSubと同じく奇数倍音のみの付加になります。

Waves LoAir

基音の倍音を付加するのではなく、基音より低い音を作り出す変わっったベースエンハンサーです。より重くより太いローエンドを作れます。

Boz Digital Labs Little Foot

音がかなり揺らぐベースエンハンサープラグインです。Little Footの特徴はスレッショルドによって倍音の付加を変更できる点にあります。

Little Footでサブベースを効果的に使うための考え方

サブベースプラグイン

BBE Mach3 Bass

サブベースは実音のみを加えるものなので、倍音は付加されません。

それではこれらのプラグインをドラムにかけて比較してみたいと思います。

さいごに

ベースエンハンサーとサブベースプラグインの違いは以下の通りです。

  • 基音を付加するのか
  • 基音に倍音を付加するのか

また偶数倍音と奇数倍音の音の違いは次の2つ

  • 奇数倍音はルートと5度による倍音なので音抜けがよいが冷たい印象
  • 偶数倍音はハーモニー感が出て音に暖かみを感じる

ベースエンハンサーと一言で言ってもいろいろなサウンドに変化するので、使う場合はその意図をきっちりと理解したうえで使うようにしましょう。