ギターの音作りに欠かせないのはアンプシミュレーターです。有償無償といろいろとありますが、Logic Pro付属にしているアンプシミュは実はすごいポテンシャルを秘めています。この記事ではLogic Proアンプシミュの使い方と+αでさらに音がよくなるプラグインの使い方について解説します。
Logic Proのアンプシミュでの音作りが上手くいかない。どうすればかっこいいギターサウンドになるか教えてほしいなぁ…
Logic Proのアンプシミュはクオリティが高いですが、好き嫌いがかなりはっきり分かれるサウンドです。
嫌いな人の理由は「もうちょっとだけ空気感があればいいのに…」と思っている人が多いです。
そこでこの記事ではLogic Proのアンプシミュを使ってクオリティの高いギターサウンドを作る方法について説明します。
Logic pro ギター 音作りのコツ
アンプシミュ、ストンポックスプラグインを使う前にXXXを調整!
打ち込みであっても生ギターであってもまずは高域を削るところから始めるとよいです。80年代のDIからライン録音された質感を望まのであれば別ですが、アンプシミュなどを通った音は実際高域が減少します。これは遠い音ほど高域が聞こえにくいのと同じです、良い意味で少し劣化するわけです。この僅かな高域の削減がより生々しいギターへの一歩です。
「高域がギラギラしすぎてなにか嘘くさいなー」と思ったら、思い切ってイコライザーで4KHz以上にハイカット入れてしまってください。これですこしばかりライン臭さが減少します。またこの方法でストンプボックスプラグイン等を使うと歪み系のノリがよくなる(高域の痛さが減少する)のでオススメです。
コンプの設定は僅かなゲインリダクションにする!
ギターにコンプを掛ける場合大切なのは音量の均一化です。そしてこのとき注意したいのは歪もまた一つのコンプレッションであるということ、拾は歪ませすぎるとダイナミクスがなくなります。ディストーションギターでコンプを使う場合は
あまり深いゲインリダクションをすると抜けが悪い原因になるので、まずは-3dB程度のゲインリダクションを目安にするのが良いです。
ゲインリダクションはスレッショルドとセシオで決定します。
参考記事
コンプの使い方はスレッショルドを理解すれば簡単に使いこなせる
プラグインチェインの順番
プラグインをどの順番でつないでいくのかはとても重要です。ギターでの音作りは基本、一番上のプラグインスロットはアンプシミュではなく、イコライザーやコンプ、ストンプボックスといったものです。
これは本物のギターとアンプの接続順を見ると理解できます。
DAWのプラグインチェインもこれと同じです。間違っても一番最初にアンプシミュレーターを持ってきてはいけません。
この3つを踏まえたうえでアンプシミュレーターを使うとよりギターの音色が引き立たせることができます。
Logic Pro Amp designerの使い方のポイント
- 歪ませ過ぎない
- 高域を上げすぎない
- キャビネットで空気感を調整する
アンプシミュで失敗するのはラウドな歪みがほしいからとゲインを大きくしすぎることです。基本的にゲインは上げすぎると音が痩せていきます。音が最も太い状態とは歪んでいない。音の芯を感じる状態です。
よくイコライザーで低音を上げれば「音の芯を感じる太い音が作れる」と思っている人が多いですが、そうではありません。
空気感をいかにうまく再現できるかがアンプシミュのクオリティと言っても過言ではありません。その空気感を作るのがアンプシミュでいうところの「キャビネット」です。このキャビネットのサウンドがリアルなアンプサウンドらしさに繋がります。
専用のアンプシミュはこの空気感の再現に非常に拘っていますが、付属のDAWのアンプシミュではそこがネックになっていることが多いので、その部分を改善するのが重要になります。
キャビネットシミュレーターBoogexを使う
Logic Pro のキャビネットでもそれなりの音を出してくれますが、気に入らないのであればここでは思い切ってプラグインを導入する方法も考えるのが大切です。
今回紹介するのはBoogexという、無料アナライザーで有名なVOXENGOが作っているギターアンプシミュレーターです。Boogexの最大の特徴はキャビネットシミュレーターにIRを搭載しているということIRとはIR(インパルスレスポンス)とは本物のキャビネットにマイクを立てそのキャビネットの鳴り方や響きを録音したもので、IRがあるかないかでギターアンプシミュの音は全然違ってきます。
IRを搭載しているフリーのキャビネットシミュはいくつかありますが、私はVoxengoが好きなのでこれを試してみました。
Boogexの使い方
操作できるのはPreEQとAmpと書かれた2つのノブとCabinet Simと書かれたIR部とRverbとなります。アンプシミュレーターでもあるのでTYPE2と書かれてるボタンとBROKERと書かれているボタンでアンプを選ぶみたいですが、イマイチよくわからない名前がでてきます。
ここでは2つともオフにしておきます。
そしてメインで使うのはPre EQとCabinet Simだけです。(リバーブも使ってもいいですがとりあえず今はその2つです)PreEQはMidが非常にいかにもMIDと言わんばかりの膨らみ方をして私は好きです。
ちなみにCabinet SImでは自分のIRを取り込むこともできるみたいです。
ではBoogexの搭載前と搭載後を比較してみます。プリセットのMesa Boogietoと思われるアンプを選びエフェクターもオーバードライブ系を入れます。
次にLogicのAmpSImでキャビネットをオフにします。
1番下のDirectを選ぶことでアンプだけの音になります。つぎにBoogexを入れます。これで歪みエフェクター→アンプ(logic)→キャビネット(Boogex)という流れができました。
こちらの方が空気の密度がましているのがよくわかります。ここからコンプやEQなどえの音を整えるとさらによくなります。
アンプシミュレーターで音を作るときの注意点
深く歪んだ音はかっこいいですが、歪みすぎると音の輪郭が弱くなり、抜けが悪くなります。せっかく作り込んだ音が曲の中で存在感がなくなってしまうなんて悲しいですよね。そうならないためには歪ませる量がポイントです。「でもおもいっきり歪ませたい!」という人はいると思います。そこで使えるテクニックは、何もかかっていないギターとアンプシミュを使ったトラックをそれぞれ用意するパラレルトラックのやり方がおすすめです。
アンプシミュで音作りをするときに気をつけたいポイントについて以下の記事でも詳しく書いていますので、参考にしてみてください。
内蔵のアンプシミュでは納得できるギターサウンドが作れない場合
私が最近気にっているのは、BIAS FXというギターアンプシミュレーターです。しかしただのシミュレーターではなく、名機と呼ばれるコンパクトエフェクターも大量に搭載し、おまけにギター自体を変えてしまうギターmatch機能を搭載しています。これはレスポールを弾いているけどやっぱりストラトがほしいといったときにギターを持ち変えることなくボタン1つでストラトの音を呼びだせる機能です。
これは生のギターに限らず打ち込みのギターでも変更できるので言ってしまえば「よいギター音源」を1つもってBIAS FX2でいくらもでギターの種類を増やせるわけです。このギターmatch機能はBIAS FX2のタイプによってmatchできるギターの数が違います。
- Guitar Match – Standard 機能(2 ギターまで)
- Guitar Match – Professional 機能 (6 ギターまで)
- Guitar Match – Elite 機能 (18 ギターまで)
詳しくはこちらの記事が参考になります。
BIAS FX2とBIAS AMP2の違い
BIAS FX2はエフェクターとアンプを使うだけに対して、AMP2はアンプのカスタマイズが可能です。真空管やコンデンサーなど完全フルオーダーメイドのギターアンプを作ることができます。
まとめ
IRで何を選ぶかで音はずいぶん変わってきますが、やはりギターアンプの音作りに大切なのはIRだと思っています。無料のプラグインは「ひょっとしたら開発が止まるかも?」という不安と思う人もいるのではないでしょうか?でもVoxengoならそのあたりの心配はないように思います。
DAW付属のギターアンプがIRでなく満足がいかないサウンドの場合は試してみるといいですよ。