Orange tree samplesギター音源レビューまとめ

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この記事のまとめ

ネットでは数が少ないOrange tree samplesギターのまとめレビュー。Orange tree samplesのギターを買って使っている私が「使いやすさ」「音質」「コスパ」[メリット・デメリット」の面から解説

DTMの世界に足を踏み入れたばかりの初心者から、すでにいくつかのトラックを手がけてきた中級者まで、Orange Tree Samplesのギター音源はその旅の素晴らしいパートナーとなるでしょう。

なぜこの音源がそんなに注目されているのか、その理由は明らかです。リアリズムと表現力の両方に優れ、どんなジャンルの音楽にも馴染むサウンドを提供します.

初心者にとっては扱いやすさが魅力であり、中級者にはその高品質な音色が新たな創造の扉を開くことでしょう。

この記事では、Orange Tree Samplesのギター音源がどのようにして音楽制作の質を向上させるのかを深堀りしています。使いやすさ、音のクオリティ、表現力の面でどのように優れているのか、具体的な例とともに詳しく解説します。

また、実際にこの音源を使用した制作の体験談も交えて、あなたが自分のトラックに深みとプロフェッショナルな質感を加えるためのヒントを提供します。DTMでの音楽制作をより楽しく、そしてより印象的なものに変えるための第一歩として、ぜひこの記事をお読みください。

ギターの打ち込みをもっと基礎から学びたい!という人はこちらの記事がオススメです。

UG
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タップできる目次

Orange tree samplesとは

アメリカ、カリフォルニア州のサンタローザにあるデベロッパーでコスパとバランスの取れたギター、ベース、等を開発しています。

ストラトやレスポールなど色々なギターがありますが、それぞれの特徴がよく出ているギター音源で、打ち込みもしやすいのが特徴です。

ギター音源の多くはサンプリング方式ですがOrange tree samplesのギターは一部モデリング技術を使ったハイブリッド方式になっているのも見逃せないポイントです。

Orange tree samples共通仕様

Orange tree samplesのギター音源には6つの共通の仕様があります。

プリセット

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シチュエーションに合わせた、アーティキュレーション、フレットやピックアップを駆使して作り込まれた、クリーン、クランチ、ディストーション(アコギは主にクリーン系)の3タイプのプリセットを装備

PLAY

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サステイン、パーム ミュート、ミュート、ナチュラル ハーモニクスなどのアーティキュレーション、さらにストリングスラップ、ミュート ストラムなどの特殊効果を選択任意のMIDI CC及びベロシティ等にアサイン可能)その数によって使用メモリが増減します。

ギターによって搭載されているアーティキュレーションが若干異なります。

STRUM

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プリセットから伴奏をパターンを選択するか任意のパターンをプログラミングでき、それらを6つキースイッチにアサインすることが可能です。設定項目はギターによって異なります。

ストラムパターンはEvolution Jazz ArchtopEvolution Songwriterのみオリジナルのパターンが収録されていますが、他のギターはすべて同じストラムパターンになっています。

自分でもオリジナルのパターンを作って保存することが可能なので、お気に入りのパターンを予め作っておくのがよいかもしれません

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CHORD

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ボイシングやオリジナルのコードを設定

スクロールできます
DISABLED鍵盤を押しても普通に音が出る、STRUMが設定されている場合、C1ストラムパターンを再生、D1でダウンストロークD#1でアップストロークができる
HELD NOTES ONLY鍵盤を押しても音がでない、C1ストラムパターン再生、D1でダウンストロークD#1でアップストロークのみ反応する
AUTOMATIC CHORDS抑えた鍵盤のボイシングをギターに近いボイシングフォームに自動修正してくれます。「ギターのボイシングがわからない」という初心者には有り難い機能です。
CUSTOM CHORDオリジナルのコードを作り込むことが可能です。

AUTOMATIC CHORDSモードでコードを発音させるためにはストラムキーであるC1、C#1の鍵盤を押すことで発音します

TONE

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10,000ドル相当とも言われている高品位なリバーブ、コンプ、イコライザー、アンプシミュ、歪み系などのエフェクトを装備しています。

個人的にはかなり癖のあるエフェクトで、イコライザーもかなり大雑把なかかり方をします。
とくにアンプシミュ等は好き嫌いが分かれる音質でもあるので、アンプシミュ等の音作りは専用のプラグインを使った方がよいかもしれません。

CPU負荷の考察について

エフェクトでCPU負荷が高いのは残響系です。Orange tree samplesには3つのリバーブが搭載されていますが、その中で一番負荷が高くなるのは赤い色のリバーブモジュールになり平均で、5%~10%程度CPU負荷が上がります。

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SETUP

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ピックアップ、フレット等のポジション、ピッキングの指定、ドロップチューニング等そのほかのギターに必要な細かい設定をコントロールします。(ギターによって多少異なる)

MULTITRCKINGによるdouble、Triple、Quadはサンプリング方式ではなく、プログラム上でずらしただけのようです。

なぜならば、サンプリングしたものをdoubleにするとそれだけメモリが増えることになりますが、Orange tree samplesのギターでMULTITRCKINGを変更してもメモリは変化しませんでした。

Orange tree samplesのギターはデフォルトでメモリを200~500MB程度使用します。ここからPLAYで任意にアーティキュレーション等を選ぶことでメモリ使用量が変わりますが、実際のところそこでま多くは変わりません。

多くのメモリを使用するのは、サスティンとミュート(パームミュート)だけです。オクターブ奏法や、パワーコードに関してはサンプルではなく、サスティンを使ってプログラムしている状態になります。

しかし、これだけだとあまりリアルにはならないので、Orange tree samplesはRESONANCEという機能を使って本物の響きを再現します。

メモリ使用量はSETUPのPICKMODELING機能のON/OFFでも変わります。
PICKMODELINGはモデリング技術であってサンプルではないのですが、ここに多くのメモリを使うのはそれだけ複雑な処理をしていると思われます。

以下の3つの音源ではPICKMODELING機能のON/OFFによってメモリの増減が起きないまたは不安定な場合があります

  • Evolution Strawberry
  • Evolution Steel Strings
  • Evolution Stratosphere

ただ、上記の不具合についてそれが音源を操作するうえで致命傷なものではなく特に問題なく使うことができます。

上記の音源は開発されたのが古いためプログラム上のバグではないかと考えています。

RESONANCE AMOUNTについて

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RESONANCE AMOUNTは各弦を共鳴させることでよりリアルな響きを再現するものですが、PICKMODELING機能をONにしてMULTITRCKINGをQuadにすると、特定の音だけが止まらない状態になります。

PICKMODELINGはサンプリングではなくモデリングエンジンを使っているため意図せず共鳴しやすい音を拾ってしまったことで起こっているように思います。

回避策としては次のような対処方法があります。

  • PICKMODELING機能をオフにする
  • MULTITRCKINGでQuadを使用しない

MULTITRCKINGをdouble及びTripleにしている分には問題ありません。Orange tree samplesのギター音源をすべて調べたわけではありませんが、Evolution Songwriter、Evolution Texas Twang、Evolution Dracus、Evolution Strawberry、Evolution Stratosphereでは確認できているので、おそらく仕様レベルの話だと思われます。

Orange tree samplesギターのチューニングについて

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Orange tree samplesのギター音源ではすべてのギターで10個のドロップチューニングの設定が可能です。Evolution Dracusは8弦ギターなのでさらに特殊なドロップチューニング設定が可能です。(詳しくはEvolution Dracusのチューニングについてで説明しています)

スクロールできます
StandardDrop DDrop CDrop BDouble Drop DModel DHalf Step DownWhole Step DwonNashvilleNew StandardBariton
E4E4D4C#4D4D4E♭4D4G#3G4B3
B3B3A3G#3B3A3B♭3A3E3E4F#3
G3G3F3E3G3G3G♭3F3C#3A3D3
D3D3C3B2D3D3D♭3C3B2D3A2
A2A2G2F#2A2A2A♭2G2G#2G2E2
E2D2C2B1D2D2E♭2D2E2C2B1

CPU負荷計測環境について

今回の音源のCPU負荷などは以下の環境でチェックしています。

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS10.14.6 Mojave

Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble

バッファー 256

DAW   LogicPro10.6.2

48kHz/24bit

再生ストレージ HDD

ギターの種類や発音条件によって変わります。音色やスライドを多用させるような打ち込みをした場合CPU負荷逃しをしない場合は最大で60%程度の負荷、負荷を逃してやることで25程度まで落とせます。

下記の画像はEvolutionStratosphereのデモで計測したCPU負荷の画像です。

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CPU負荷逃しとは

インストやプラグインが含まれていないトラック(オーディオトラックなど)を選択することでCPUの負荷が分散する方法のことです。

Orange tree samplesのギター価格及びセールについて

基本の販売価格は179ドルでです。Orange tree samplesのギターは公式サイトでの販売になり日本国内等に代理店はありません。セールは以下の通りです。

  • 7月GroupBuy、最大60%オフ
  • 11月ブラックフライデーセール30%~35%オフ
  • 12月付近のホリデーセール(オレンジ フライデー セール)30%~35%オフ

一番のセールは6月後半から一ヶ月間かけて行われるGroupBuyです。最大で60%オフになるので、そのときの購入がオススメです。

Orange tree samples 容量/価格 比較一覧

容量※価格
Evolution Texas Twang9.58 GB179ドル
Evolution Jumbo 125.12 GB179ドル
Evolution Songwriter5.68 GB179ドル
Evolution Infinity3.8 GB179ドル
Evolution Rock Standard6.43 GB179ドル
Evolution Hollowbody Blues4.86 GB179ドル
Evolution Jazz Archtop1.5 GB179ドル
Evolution Mandolin(所持していない)179ドル
Evolution Flatpick 64.81 GB179ドル
Evolution Sitardelic2.02 GB179ドル
Evolution Rick 121.96 GB179ドル
Evolution Modern Nylon2.32 GB179ドル
Evolution Strawberry1.72 GB179ドル
Evolution Steel Strings3.62 GB179ドル
Evolution Dracus7.87 GB179ドル
Evolution Stratosphere2.27 GB179ドル
SLIDE Acoustic1.46 G89ドル
SLIDE Lap Steel715.6 MB79ドル

※公式サイトでは記載のミスなのか、容量がわかりにくい内容があったので、ここではインストールしたフォルダから直接容量を調べて記載しています。

すべてのサンプリングフォーマットは24bit、48khzのwav方式になっています。

最低限知っておきたいOrange tree samplesの基本的な使い方

Orange tree samplesのギターはフレットの位置と弦の指定によってどこでどんな音を発音させるのかが決まります。

フレットの指定はSETUPの中にあります(音源によって場所が違うので注意しましょう)

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次に弦の指定ですがこちらはピアノロール上の一番最低音のところに割り当てられています。

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例えば、フレーズの中で開放弦のAを発音させたい場合は、5弦を指定してピッチにあった鍵盤を入力しないと他の弦や違うポジションのAを発音させてしまうことになります。

Evolution Texas Twang

サンプリング仕様:

  • 21 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 8.92 GB に圧縮) の 24 ビット サンプル。
  • 独自の物理モデリング技術を使用した調整可能なピック位置(すべてのOrange tree sample共通)
  • アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン
  • Kontakt プレーヤー 5.7.0 (free)NKS 対応

Evolution Texas Twangメリット

テレキャスらしい乾いた音が少し歪ませた、ソロ、カッティング、ストロークのどちらとも相性がよい

チャカ(ミュート)の質感が良い

「チキン ピッキング」用の撥弦/ミュート アーティキュレーション、

得意なジャンル

ロック、ポップ、カントリー

ソロでもよいのですが、個人的にはファンクなカッティングが好みの音色です。個人的にはギター音源は歪よりクリーン系のカッティングがどれだけうまく再現されるかを重要視しています。

下記のデモソングではファンクブルース的な感じを作ってみました。

使用音源

ドラム AD2

ベース MODOBASS

ギターEvolution Texas Twang

Evolution Texas Twangのパームミュートについて

個人的にギター音源の良し悪しはクリーンのカッティングの再現度の高さと上記で説明しましたが、やはりギターとえいばズンズンと歪ませてのも大きな魅力です。そのズンズンに必要なのが「パームミュート(ブリッジミュート)」です。

Evolution Texas Twangのパームミュートデモ

Evolution Texas Twangにも使いやすいパームミュートはありますが、プリセットはそこまで重たいものはありません。もしラウド感あふれるものが欲しいのであれば外部のアンプシミュをオススメします。

Evolution Texas Twangデメリット

デメリットというほどのことではありませんが、触っていて感じた不具合等をまとめています。またこのデメリットは他のOrange tree samplesでも同じです。

STRUMモードの使い勝手が少しだけ悪い

STRUMパターンはOrange tree samplesすべて同じ

エフェクトは数値化されない

STRUMモードの再生不具合

Logic Proだけ(AU)かもしれませんが、STRUMパターンのタイミングが再生時に遅れることがあります。これはSETUPで指定できるフレットポジションをオートメーションで書くときにその場所が原因になります。次の画像のAパターンのようなオートメーションの書き方ではSTRUMパターン再生に影響がでる可能性が高いので、Bパターンのような書き方にするのがオススメです。

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STRUMにPLAYアーティキュレーションはない

簡単にクオリティの高いSTRUMを作れるのがOrange tree samplesのギターの特徴ですが、PLAYモードにあるような細かいアーティキュレーションはありません。

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なので、スライド等を多用したSTRUMを作る場合は、PLAYモードで作り上げるか、STRUMモードと併用して作ることになります。

また、STRUMモードには16分3連NOTEががないのでファンク特有の16分3連カッティングをSTRUMモードで作成することはできません。この場合、2小節のカッティングパターンの場合、1小節をSTRUM、2小節をPLAYモードで作るのがよいでしょう。

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Evolution Jumbo 12

サンプリング仕様:

  • 11.9 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 4.76 GB に圧縮) の 24 ビット サンプル。
  • アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン
  • Kontakt プレーヤー 5.7.0 (free)NKS 対応

Evolution Jumbo 12メリット

12弦特有のきらびやかなサウンド

ジャキジャキと刻めるサウンドにパームミュート

自然なステレオ感の調整できる「STEREO WIDTH」が便利

得意なジャンル

フォーク、カントリー、ポップ、ロック

Evolution Jumbo 12ではアルペジオからストロークまで実に「アコギらしい」サウンドです。打ち込み的な感じがしないため少ないオケの中でもしっかりと「らしさ」を伝えられる。珍しい音源です。

また、多くのアコースティックギターはパームミュートへの作り込みが弱いので、「ジャキジャキズンズン」と刻みたくても、納得の行くクオリティになりにくいですが、Evolution Jumbo 12および、Orange tree samplesのアコースティックギター音源のパームミュートではその不満はありません。

Orange tree samplesのエレキギターはピックアップの種類を選ぶことができますが、アコースティックギターにはピックアプはないので代わりにステレオ調整ができる機能がSETUPに備わっています。

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しかし、それと同時にOrange tree samplesにはMULTITRACKING モードでDual Triple Quadと切り替えることが可能です。

Evolution Jumbo 12のデメリット

MULTITRACKINGでTriple以上にすると、ストラムモードの挙動が怪しくなる

ストラムのパターンが他のギターと同じ

Orange tree samplesの他のギターでも起こりうる話ですが、MULTITRACKINGをONにしてDobbleにしてもストラムの挙動がおかしくなりますが、TripleまたはQuadにするとストラムパターンが完全に変わってしまいます。

本来であればミュートパターン的な部分は入れていないのに、それが入ってしまうという状態です。

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動画の対処方法でもSingleのストラムとは違う感じになります。。この辺りの解決方法は分かり次第追記します。

Evolution Songwriter

サンプリング仕様:

  • 24 ビット サンプルの 11.2 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 5.2 GB に圧縮)。
  • アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビンただしレガートには 4x ラウンドロビン
  • Kontakt プレーヤー 5.6.8(free)NKS 対応

Evolution Songwriterのメリット

クリアなピッキングサウンドによるストローク&フレーズ

ボディアタック等のサウンドをサンプリング

テープサウンドを再現したTAPEモードで質感を変化

得意なジャンル

フォーク、カントリー、ブルース、ポップ、ロック

Gibson J-45をサンプリングしたEvolution Songwriterは素朴な音色ならがらクリアな音質が特徴でフォーク的なアプローチにオススメの音源です。

ストロークも良いのですが、個人的には音の粒をしっかりと聴かせたいアルペジオが好みです。   Evolution Songwriterで一番のポイントは、ボディのアタック音が搭載されていることです。このおかげで、右手でボディを叩きながら演奏するパーカッシブなギターの打ち込みが可能になります。

Evolution Songwriterのデメリット

STRUMパターンがあまり使えない

コードによってはストラムパターンの切り替えがうまく行かない

Evolution Songwriterにはオリジナルのパターンがありますが、正直行ってあまり汎用性がありません。オーソドックスパターンが多ければもっと使い勝手が良いように思いました。

またOrange tree samplesの共通仕様ですが、ストラムに16分3連グリッドがないために、指で3連を刻むようなパターンを打ち込む場合は、Playモードに切り替える必要があります。

AUTOMATIC CHORDSでバレーコードがうまく切り替わらない場合があります。その場合は、リストエディタ等がある場合は、2~3程度ストラムキーをずらすことでうまく鳴ってくれます。

Evolution Infinity

サンプリング仕様:

  • 24 ビット サンプルの 5.79 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 3.5 GB に圧縮)。
  • アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビンがあります。ただし、レガートには 4x ラウンドロビンがあります。
  • Kontakt プレーヤー 5.6.8(free)NKS 対応

80 年代の製品であるこの派手な赤のエレクトリック ギターをサンプリング、クリーンなコーラス トーンとロングサスティンが特徴です。勝手なイメージでフェルナンデスのイメージがありますが、詳細はわかりません。しかし、ソロにカッティングにと使いやすい音源です。

Evolution Infinityのメリット

強烈な長さのロングサスティンでソロに存在感!

プリセットが80’sすぎて笑える

得意なジャンル

ロック、ポップ、

Evolution Infinityの特徴は強烈なロングサスティンです。

十分な長さのサステインですべてのアーティキュレーションをサンプリングし、位相コヒーレント ループ ポイントを使用して該当するサンプルをシームレスにループ

phase-coherent(位相コヒーレント)というのは「位相が揃った波形」という意味です。なので、ループポイントが目立たない自然なループを楽しむことができます。

80’Sをプッシュしてくるだけあって、プリセットはまさに80’S一色!最近では効かなくなった「ディストーション+コーラス」という80’Sを代表するプリセットを堪能できます。これはR40以上にとっては「ニンマリ」が止まりません

気持ちのよいサスティンと80’Sらしいドライブ感で簡単に作ってもそれらしい雰囲気になります。

Evolution Infinityのデメリット

ピックアップの切り替えはない

ピックアップはあくまで一つ。しかし、Evolution Infinityに限らずOrange tree samplesのギターはモデリングによるピッキングポジションを選べるので、音色にはそれなりの幅があります。

Evolution Rock Standard

サンプリング仕様:

  • 24 ビット サンプルの 13.4 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 4.51 GB に圧縮)。
  • アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビンがあります。
  • Kontakt プレーヤー 5.6.8(free)NKS 対応

Evolution Rock Standardのメリット

これぞアメリカン・ロック!という言えるサウンド

ミュートの多さはロックの証!

得意なジャンル

ロック、ブルース、ポップ

ボストンあたりのアメリカン・ロックなサウンドを堪能できます。もともと搭載されているエフェクト系がそれらしい(RockMan系)音なのでその傾向にどうしても強くなってしまいます。しかしそのおかげで

レスポール+RockMan=B’zの松本サウンドごっことができるという感じでもあります。

なんとなーくそれっぽい雰囲気で作ってみましたが、雰囲気伝わります?使用したのは以下の音源になります。

ドラム、AD2 UNITED HEAVY

ベース MODOBASS

ギター Evolution Rock Standard(プリセットちょっといじる)

また、ロックといえば、ミュート!パームミュート!、正直なところギター音源を気にしている人の多くはパームミュートのクオリティを気にしていると言っても過言ではありません。

Evolution Rock Standardでは3種類のパームミュートとノーマルミュート一種類があります。この辺りは好き嫌いは分かれるかもしれませんが、次の動画ではEvolution Rock Standardのパームミュートを比較している動画です。

3つもパームミュートがあればそれなりのロックな刻みはできるので使い勝手は良いと言えます。

Evolution Rock Standardのデメリット

ピックアップのセンターがない

KONTAKTの画面を閉じると、プリセットがクリーンに戻される

スクラッチ系の音は少ない

レスポールは、ピックアップの切り替えが、フロント、センター(フロント&リア)リアという3段階で切り替えられますが、Evolution Rock Standardではフロントとリアの2種類のみ、個人的にはフロントのオールマイティー的な音がほしかったために少し残念です。

また、pickで弦をこするスクラッチ奏法は2~3種類程度で、正直「そうそう!これ!」といえるほどのスクラッチサウンドはありません。最近ではあまりスクラッチを多用するようなアレンジは少なくなりましたが、往年のロックサウンドを目指すギター音源ならばもっと使えるスクラッチサウンドがほしかったところです。

Evolution Hollowbody Blues

サンプリング仕様:

24 ビット サンプルの 13.4 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 4.51 GB に圧縮)。

アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン

Kontakt Player 5.5.2(free)NKS 対応

Evolution Hollowbody Bluesのメリット

力強いセミホローエレクトリックギターサウンドが手に入る

クオリティの高い往年のブルースサウンドが簡単に作れる

ジャキジャキとクランチ系で刻むタイプにも向いている

得意なジャンル

ロック、ブルース、ジャズ、ポップ

セミホローエレクトリックギターを丁寧にサンプリングして作られているのがEvolution Hollowbody Bluesです。セミホローエレクトリックギターは一般的に「セミアコースティック」として親しまれています。

Evolution Hollowbody Bluesがどんなセミアコを元にしているかは明らかにされていませんが、おそらくGibson ES-335かと思われます。セミアコの音は音色的な傾向として、音が太く伸びるという特徴があります。

Evolution Hollowbody Bluesはそのあたりをしっかりと再現しているので、クリーンからドライブ系までブルースに限らず使えるプリセットが豊富に用意されています。

今回のデモはちょっと都会的な感じのブルースを狙っていますが、「ジャキっ」と刻むような音や弦を離したときのノイズ感もそれっぽい雰囲気を出せたと思います。

使用音源

ドラム AD2

ベース MODOBASS

エレピ Logic Pro付属のエレピ

ギターEvolution Hollowbody Blues

Evolution Jazz Archtop

サンプリング仕様:

24 ビット サンプルの 3.96 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 1.39 GB に圧縮)。

アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン

Kontakt Player 5.5.2 (Free)NKS 対応

Evolution Jazz Archtopのメリット

暖かみがあるアーチトップならではのギターサウンド

得意なジャンル

ジャズ、ブルース、ロック、ポップ

Evolution Hollowbody Bluesと同様ホローボディジャズギターをサンプリングして作られています。Evolution Jazz Archtopはフルアコなので音に丸みがあります。サンプリング元はわかりませんが、ジャケットのボディの形状から考えると ES-175 Sunburstではないかと思います。

ジャズやフュージョンをしたいのであれば、Evolution Hollowbody BluesとEvolution Jazz Archtopは2つ持っておくことでカラーの違うホローボディサウンドを楽しめます。

ロックやポップスでも使えますが、とくにジャズ、フュージョン等との相性がよいです。

Evolution Jazz Archtopのデメリット

指弾きバージョンが欲しい!

デメリットというかできればホローボディタイプを作るのであれば、是非とも指弾きバージョンが欲しいところです。

Evolution Mandolin

サンプリング仕様:

24 ビット サンプルの 2.5 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 1.05 GB に圧縮)。

アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン

Kontakt Player 5.5.2(Free)NKS 対応

購入していないのでメリット・デメリットはわかりませんが、音を聴く限り、かなりクオリティの高いマンドリンです。使える範囲は限られているかもしれませんが、カントリー系をやりたい人は持っておくと便利な音源のように思います。

Evolution Flatpick 6

サンプリング仕様:

24 ビット サンプルの 10.4 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 4.46 GB に圧縮)。

アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン

そのままのギター信号だけでなく、ギターの豊かさとサステインを増加させる上品な処理を使用した拡張信号の個別のオプション。

Kontakt Player 5.5.2(Free)NKS対応

Evolution Flatpick 6のメリット

粒立ちがキレイなハイクオリティなステレオアコースティックギター音源

ストロークからソロまで幅広く使える音色

得意なジャンル

フォーク、・カントリー、ポップ、ブルース

Evolution Flatpick 6は、フォーク、カントリー、ブルーグラスの音楽に最適な、本格的なフラットピッキングギター

Evolution® Flatpick 6 より引用

フラットピックというのは、一言で言えば「ピックを持ってギターを演奏する」ということです。ただ、広義な意味では「アメリカカントリースタイルを演奏する」と解釈されていることが多いみたいです。

Evolution Flatpick 6はもちろんカントリーに限らず、ポップス、ブルース、フォーク・ロックまで幅広くカバーすることができます。またゲームのBGMによくある爽やかな風景を感じられる雰囲気も非常に得意とし、Evolution Songwriter同様にボディを叩いた音も搭載しています。

今回のデモはカホンと2本のギターを使ったアコースティックポップをイメージして作りました。

やはりすべてがステレオになってしまうところが懸念材料ですが、シンプルな打ち込みでも雰囲気は出やすいのが特徴です。

Evolution SongwriterとEvolution Flatpick 6はどちらがオススメ?

両者の音の特徴は

  • Evolution Songwriter少し暗い(落ち着いた)
  • Evolution Flatpick 6全体的に音が明るく解像度が高い

なので派手にアコースティックギターをかき鳴らしたい!というときはEvolution Flatpick 6の方がイメージにあった音になる可能性が大きいと思います。

またOrange tree samplesにはEvolution Steel Stringsというアコースティックギター音源があります。こちらはフィンガー弾きのサンプルも搭載されているのでよりフォーキーなプレイの再現に向いています。

Evolution Flatpick 6のデメリット

Orange tree samplesの他のギターと違う仕様

ギターのストラムパターンの切り替えが多少シビア

Evolution Flatpick 6はステレオしかない

Evolution Flatpick 6は他のOrange tree samplesのギターと少し違うのはデフォルトで立ち上げた瞬間からストラムモードになっているため鍵盤を弾いても音が出ません。前提としてEvolution Flatpick 6はストラム演奏を一番推しているということなのだと思います。

解除する方法は、CHORDモードでDISABLEDを選択するだけでOKです。

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ギターのストラムパターンの切り替えはやはりタイミングがシビアな感じで、うまく切り替わらないことがあります。

また、ここはメリットでもありデメリットでもあるのですが、Evolution Flatpick 6はステレオ音源仕様。モノラルはありません。なのでどうしても必要以上に音が広がってしまいます。

Evolution Sitardelic

サンプリング仕様:

24 ビット サンプルの 4.65 GB を超える (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 1.87 GB に圧縮)。

アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン

Kontakt Player 5.5.2(Free)NKS対応

メゾナイトトップ、ブラジリアンローズウッド指板、クラシックな「リップスティック」シングルコイルピックアップを備えたセミホローパインボディをサンプリングした、エレクトリックシタールです。

The Kinks See My Friendやビートルズの「ノルウェーの森」で有名です。

また、個人的にはパット・メセニーのLast Train Homeがエレクリックシタールを使った名曲だと思っています。

これらのエレクトリックシタールサウンドを再現させたのが、Evolution Sitardelicです。

サンプリング元はElectric Sitar ELS-1 なのか、コーラル エレクトリック・シタール 3S19なのかははっきりとしません。

コーラル エレクトリック・シタール 3S19は今では販売していませんが、ほぼ同じタイプのエレクトリックシタールであるElectric Sitar ELS-1 は販売しています。

Evolution Sitardelicのメリット

音が太く程よいピックアップサウンドが、バンドやエピック系のオーケストラサウンドと相性が良い

得意なジャンル

サイケデリックロック、ポップ

ソフトシンセに搭載されているシタール系は良くも悪くも線が細いものが多いです。そのためどうしてもバンド系やエピック系のオーケストラでは埋もれてしまうことがありますが、Evolution Sitardelicではしっかりとした出力のあるピックアップサウンドで音が埋もれることがありません。

以下のデモではゲーム音楽のような民族色あふれるオーケストラ曲でEvolution Sitardelicを使ってみました。

使用音源

ドラム AD2

エピックドラム Damage2

ギター Orange tree samples Darcus

ベース MODO BASS

ストリングス EAST WEST Platinum Orchestra

コーラス Omnisphere

エレキシタールEvolution SitardelicX2

生系のシタールよりピックアップによる音色変化が馴染みやすさにつながっているように思います。今回はオーケストラ系ですが、バンド系にも十分にマッチします。

Evolution Sitardelicのデメリット

共鳴弦のコントロールはない

エレクトリックシタールの特徴の一つに共鳴弦があります。これは弾いた弦の振動を共鳴弦が拾って、リバーブ効果的なサウンドを作ってくれるということですが、ネットで調べた限り「あまり意味を感じない」「チューニングがめんどくさい」という理由で使っていない人も多いみたいです。

ただ、共鳴弦にもピックアップがあり出力が可能です。通常共鳴弦はクロマティックにチューニングされているわけですが、これを独自にチューニングして使用する人もいます。

Evolution Sitardeliには残念ながら共鳴弦に関するパラメーター等はありません。実際使うことは少ないとはいえ、あればより再現度の高いエレクトリックシタール音源になったように思います。

Evolution Rick 12

サンプリング仕様:

24 ビット サンプルの 4.25 GB を超える (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 1.8 GB に圧縮)。

-アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン

Kontakt Player 5.5.2(Free)NKS対応

Evolution Rick 12のメリット

エレクトリック12弦ギター特有の広がりのある美しいハーモニーコーラスサウンドを得られる

60~70年代のサイケデリック・ロックに最適!

得意なジャンル

ブルース、ロック、ポップ

リッケンバッカーの12弦ギターといえばビートルズ!と思う人もいるかもしれませんがThe Byrdsの功績も大きいです。

独特のコーラス感のあふれるギターサウンドはロック、ポップ問わず幅広いジャンルで活躍できます。

個人的にはサイケ的なサウンドと相性が良いように思います。ということで今回のデモではサイケ風フォーク・ロックをイメージしてみました。

近年のポップスで使っても面白いとは思いますが、やはり独特のうねりというか不安定感がサイケの雰囲気とあうように思います。

使用音源

ドラム AD2

ベース MODOBASS

ギター Evolution Rick 12

ちなみに、MODOBASSにはLogic ProのFUZZというエフェクターを使っています。サイケ系ベースの歪みにぴったりのエフェクターです。

Evolution Rick 12のデメリット

フィフスコントロールはない

リッケンバッカーの大きな特徴として「フィフスコントロール」と呼ばれる機能があります。通常のギターの多くは2つのピックアップを搭載(フロント、ブリッジ)しそれぞれにボリュームとトーンコントロールが搭載されています。

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リッケンバッカーはこれに「フィフスコントロール」と呼ばれる5番目のコントール機能があり、ブースター的な役割を果たし多彩な音色作りが可能になります。

Evolution Rick 12は残念ながら「フィフスコントール」と思われるようなパラメーターはありません。ただ、これがないとリッケンバッカー12弦ギターとして何かしら劣っているのか?と言われるとそうではありません。

しかし、もし搭載していればより唯一無二のリッケンバッカー12弦ギター音源になったとは思っています。

Evolution Modern Nylon

5 GB を超えるサンプル (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 2.1 GB に圧縮)

Kontakt Player 5.5.2(Free)NKS対応

Evolution Modern Nylonのメリット

ボディ全体を感じられるような深みがある音色が手に入る

クラシック、ボサノバ、ポップスなどに最適

得意なジャンル

クラシック、フォーク、カントリー、ポップ、ブルース

ナイロン弦特有の暖かさと、鋭いトランジェントが特徴的です。ストラムモードをうまく使えばフラメンコのようなストロークも可能です。

今回はナイロンギターの質感がよくわかるボサノバ系のデモを作ってみました。

タッチノイズなどをもう少しこりたいところですが、難しい打ち込みもなしにそれらしい雰囲気は出せるように思います。

Evolution Modern Nylonのデメリット

ラウンドロビンが少ない、または搭載していない可能性

ベロシティによるサンプルが少ない

orange tree samplesのギターは基本、2または3のラウンドロビンを搭載しています。これは公式サイトにも説明があります。しかし、Evolution Modern Nylonはその説明等がありません。

つまりラウンドロビンは搭載されていない可能性があります。クラシック系にも使える音質を誇るEvolution Modern Nylonですから、ラウンドロビンは他のギター音源より多くてもよいと思っているので、少しもったいない印象を受けます。

また、これも他のギター同様なのですが、ベロシティサンプルがあまりありません。それゆえに、「もうちょっとタッチによる音色の違いを出したい!」と思ってもうまく行かない場合があります。

Evolution Strawberry

サンプリング仕様:

1.6 GBの圧縮NCWサンプル(3 GB以上に非圧縮)

Kontakt Player 5.5.2(Free)NKS対応

公式サイトには「ラウンドロビン」に対する記述はありませんが、4x alternating samples for realistic repeating notes.と書かれていることから、4ラウンドロビンと見てもいいような気がしますが、詳細はわかりません。

Evolution Strawberryのメリット

ポップからロック、ファンク、ヒップホップ、ジャズまで幅広く使えるギターサウンド

Evolution Rock Standardと比較してピックアップにミドルがある

得意なジャンル

ロック、ブルース、ポップ

サンプリング元は、おそらくSlash Les Paul Standardだとは思いますがはっきりしたことはわかりません。(Evolution Strawberryの画像ではレフティにも見えますし…)

音の傾向はジャンルを問わないオールマイティなハムバッカーの音です。歪ますとかなりラウドな感じにもなってくれるのでオルタナティブ・ロックにもマッチします。というわけでデモソングはリンキン・パーク的な雰囲気の曲を作ってみました。

使用音源

ドラム AD2 UNITED HEAVY

ベース MODOBASS

ギター Evolution Strawberry

FX UVI ScratchMachine

メインで鳴っているアルペジオ的なリフにはクリーン系のEvolution Strawberryを混ぜることでで歪ませて輪郭を失ったギターを前面に持ってくることができます。

Evolution Rock Standardにはピックアップがフロントとブリッジの2つしかありませんでしたが、Evolution Strawberryにはミドルポジションがあるおかげで音作りの幅が格段に広がります。

Evolution Strawberryのデメリット

Evolution Rock Standardと比較してミュートが少ない

PICK MODELING機能の挙動が不安定

少ないと言っても、Evolution Strawberryには基本的なパームミュートやハーフパームミュートはそして普通のミュートの三種類が搭載されています。正直なところこれで困ることはないのですが、Evolution Strawberryを使ってロックをやりたい!

よりミュートの質感を追求したい!という人にとっては少し物足りないかもしれません。

Evolution Steel Strings

サンプリング仕様:

合計 6.5 GB の非圧縮サンプルのフィンガー アーティキュレーションとピック アーティキュレーションの両方。

ノートを繰り返すときの機関銃の影響を避けるために、4回の交互のサンプル。(おそらくにRR)

Kontakt Player 5.5.2(Free)NKS対応

マーティン D16Rを丁寧にサンプリングしたのがEvolution Steel Stringsです。

Orange tree samplesには次の4つのアコースティックギター音源がありました。

  • Evolution Jumbo 12
  • Evolution Songwriter
  • Evolution Flatpick 6
  • Evolution Modern Nylon

Evolution Steel Stringsには上記で紹介したギター音源にはないとても嬉しい機能があります。

Evolution Steel Stringsのメリット

ピック弾きとフィンガー弾きの2つのサンプルが収録されている

得意なジャンル

フォーク、カントリー、ポップ、ブルース

アタックの強いピック弾きと音が太く丸いフィンガー弾きの両方が使えるのため楽曲の中でギターの存在感をより大きく見せることができます。

フィンガー弾きの音色は倍音の出方もキレイで使いやすい音源です。ジャンルを問わず使いやすいのですが、デモではスリーフィンがーをイメージして作ってみました。前半がフィンガー奏法、後半がピック奏法にしています。

Evolution Steel Stringsのデメリット

音が良いだけに適当に打ち込んでしまいがち

PICK MODELING機能の挙動が不安定

Orange tree samplesの音源すべてに言えることですが、特にEvolution Steel Stringsで思ったのは、今回のデモでスリーフィンガーの曲を作ってみて思ったのは適当にやってもそれらしく聴こえてしまいます。

それだけ音色の質感が良いのですが、それ故にリアルに鳴らすためには音の途切れるタイミングやタッチノイズなどがどこで入るかをしっかりと理解することの重要性を再認識しました。

そしてギターをリアルに打ち込みたいのであればサスティンペダルに頼ってはいけない…ということです(自戒)

Evolution Dracus

サンプリング仕様:

24 ビット、48khz で記録された 15,000 以上のサンプル。(容量7.78GB)

アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン

Kontakt Player 5.5.2(Free)NKS対応

Orange tree samplesが誇る唯一の8弦ギター音源です。元になったのはボディの形状からさいてIbanezかな?と思っていますが、詳しい情報はわかりません。

Evolution Dracusのメリット

8弦特有のチューニングによるヘヴィーでダークな音色

クリアで抜け通いサウンド

得意なジャンル

メタル、ロック、ポップ、ジャズ

8弦ギターなので一番低い弦のチューニングはF#になっています。音の傾向はローチューニングをいました深くて重い歪みは他にはないサウンドですが、実はそれと同じくらいクリーンなサウンド美しいのでリバーブをかけたクリーンサウンドも非常に使いやすく世界観があります。

それらからEvolution Dracusは8弦ギターでありながらもジャンルに縛られずに幅広く使うことができる隠れた万能ギター音源といえます。

Evolution Dracusのチューニングについて

Evolution Dracusに限らずOrange tree samplesのギター音源はすべてドロップチューニングが可能です。

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Evolution Dracusは8弦ギターなので選択できるチューニングとそれらのピッチは以下のようになります。

スクロールできます
StandardDrop EDrop DDrop C#Drop CDouble Drop DModel DHalf Step downWhole Step Dwon
1弦E4E4D4D4C4D4D4D#4D4
2弦B3B3A3A3G3B3A3A#3A3
3弦G3G3F3E3D#3G3G3F#3F3
4弦D3D3C3B2A#2D3D3C#3C3
5弦A2A2G2F#2F2A2A2G#2G2
6弦E2E2D2C#2C2D2D2D#2D2
7弦B1B1A1G#1G1B1A1A#1A1
8弦F#1E1D1C#1C1F#1F#1F1E1
Evolution Dracusドロップチューニング一覧

4弦ベースの最低音の周波数がE1(41.2Hz)なので、Evolution DracusのDrop Dになるとベースの一番低い音よりまだ低い音になります。

今回のデモ音源では重たくアグレッシブなメタルをイメージしたかったのでドロップCを選択してみました。

Evolution Dracusのデメリット

ドロップチューニング時の発音タイミングが遅い

低い音になればなるほど発音が遅れる感じになります。なので、発音タイミングを20ms~30msほど前にずらしタイミングを補正するのがよいでしょう。

ドロップチューニングはサンプルか?

Evolution Stratosphere

サンプリング仕様:

24 ビット、48khz で記録された 10,000 以上のサンプル。(容量2.27 GB)

– スライド、ハンマリング、プリング オフ用のレガート サンプル。

– アーティキュレーションには、3 つのダイナミクス、2 つのピック方向 (該当する場合)、および 2x ラウンドロビン

Kontakt Player 5.5.2(Free)NKS対応

Evolution Stratosphereのメリット

ブリッジ、ブリッジ+ミドル、ミドル、ミドル+ネック、ネックピックアップを選択可能

ジャンルを問わない多彩なプリセット

得意なジャンル

ポップス、ロック、ブルース、ファンク、

クリーンで透明感のあるサウンドからガッツリとしたディストーションまで幅広く対応しているのが魅力のEvolution Stratosphereです。パームミュートもハーフとフルがありしっかりとズンズン刻むことが可能です。

また、ピックアップが5つのポジションすべて使えることでリードからリズムまで幅広い演奏の再現に効果的です。

個人的にギター音源の評価(特にストラト)はディストーションよりもクリーンおよびクランチのカッティングがどれほどリアルになるかを重視しています。なぜなら激しく歪ませるとどうしてもギター本来の音の情報が良くも悪くも間引かれてしまうからです。

というわけで今回のデモフュージョン系のカッティングをイメージした曲です。

使用音源

ドラム AD2

ベース MODE BASS

ギター Evolution Stratosphere

単体で聴くと打ち込み感がありますが、バンドに混ぜるとなんとなくそれっぽい雰囲気に聴こえます。

Evolution Stratosphereのデメリット

使える音を探すのが少し大変

音が細い

カッティングの打ち込みで大変なのは使える音が限られていることです。これは他のメーカーおよびOrange tree samplesのギター音源にも言えますが、美味しいカッティングができるポジションは限られています。

それだけギターの音は情報量が多いということでもあるのですが、Evolution Stratosphereでは開放弦が入るとかなり機械的な響きになります。

あと、Evolution Stratosphereは全体的に音が細い印象があります。外部のアンプシミュ等を使えばもう少音をエフェクト的に音を太くすることも可能とは思いますが、それでも元の音の細さは多少気になるところです。

SLIDE Bundle

サンプリング仕様:

サンプル容量合計 3.94 GB

スライド音に特化したギター音源

4x ラウンドロビンによる 3 つのダイナミクス

Native Instruments Kontakt 4.2 以降の完全な製品版が必要であり、Free Kontakt Player と互換性なし

ロック、フォーク、カントリーのいずれであっても、当社の SLIDE シリーズは、作品にブルース タッチを追加するための定番です。

SLIDE Bundleのメリット

スライドギターに特化した究極のギター音源

得意なジャンル

ポップス、ロック、ブルース、ファンク、

カントリーやブルースをしたい人は強烈にオススメしたいです。とにかく鳴らした瞬間にそれ以外のジャンルでは使えないほどの圧倒的な存在感です。

SLIDE Bundleのデメリット

特化しすぎて使えない

これは好き嫌いの世界でありデメリットというほどのことではありませんが、必要のない人にはまったく必要がない音源です。他のギター音源より多少は安いのですが、それでも購入するには使用目的をはっきりさせておくべきでしょう。

Orange tree samplesギターベスト5

Orange tree samplesの中からとりあえず5本選べと言われたら下記の音源をオススメします。

  • Evolution Rock Standard
  • Evolution Hollowbody Blues
  • Evolution Songwriter
  • Evolution Dracus
  • Evolution Jumbo 12

とりあえずこれだけあればOrange tree samplesのギターの雰囲気は一通りつかめます。

ですが、可能であれば、Group Buyセールを利用してエレクトリックギターに特化したbundleセットもオススメです。

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Evolution Electric Bundle

エレクトリックギターに特化したbundleセット

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Evolution Acoustic Bundle

アコースティックギターに特化したbundleセット

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Evolution Guitar Bundle

エレクトリックギター及びアコースティックギターのすべて網羅した究極bundleセット

Evolution Guitar Bundleの購入を視野にいれるとOrange tree samplesのギターをすべてを最大で60%割引でゲットできるので今回の記事から魅力を感じた人は購入を検討する価値は十分にあります。

AmpleSoundGuitarとの違いは?

機能面で言えば以下の特徴があります。

  • AmpleSoundGuitarはオリジナルエンジン
  • Orange tree samplesはKontaktエンジン

AmpleSoundはオリジナルエンジンゆえにたまにDAW(Logic)ごと落ちることがありましたが、Kontaktエンジンではそういう経験をしたことはほとんどありません。

サウンド面で言うならばAmpleSoundGuitarの方が良くも悪くも小綺麗と言った印象です。それに対してOrange tree samplesは荒々しくどこか雑な雰囲気を感じます。

デジタル的できれいなロックを打ち込みたいのであればAmpleSoundGuitar70~00年代くらいのアメリカンなロックやポップスをやりたいのであればOrange tree samplesがおすすめです。

まとめ

音質
操作性
価格 
購入のしやすさ
エンジンの安定度

Orange tree samplesのギターはやはりアメリカンな雰囲気が強いギターです。特に搭載しているエフェクトはかなり偏った音色になるので、合わないと感じたら他のアンプシミュ等のプラグインを使うことをオススメします。

初心者であってもそれなり鳴ってくれますが、やはりある程度のギター打ち込みの知識を駆使することで最大限のポテンシャルを引き出すことができるタイプのギター音源です。

すべてのかゆいところに届く万能ではないですが、やはり決まればかなり存在感がマシマシになるので、こだわりたい人にはオススメです。

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