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ドラム タイトな音の作り方と考え方について

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「音をタイトにする」という話を聴くけれど「タイトな音って何?」って思ったことありませんか?

ドラムを打ち込み時にタイトという言葉の意味を理解しているのといないのとではクオリティに大きな差がでます。今日はそのタイトの意味とタイトな音の作り方について説明します。

この記事を読むことでドラム打ち込みについてより深く知りたいという方は以下の記事がとても参考になります。

UG
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タイトな音とは?

タイト(tight)には「ぴったりとした」「かたくしっかりしている」という意味があります。ちなみにタイトの反対はルーズ(loose)です。こちらは「ゆるんだ」「だらしない」などといった意味はみなさんが認識している通りです。

ではタイトな音とはどういうものでしょうか?「ぴったりとした音」「硬い音」というのが「タイトな音」になるわけですが、これら一言で説明すると「引き締まった音」というのはみなさんのイメージと近いのではないでしょうか?

逆にルーズな音とは「引き締まっていない音」「ダブついた音」となります。これらを考えながら実際のオーディオ波形を聴き比べてタイトとルーズの音に迫ってみたいと思います。

では引き締まった音とはどういう音なのか?では逆に引き締まっていない音とはどんな感じでしょうか?こちらのキックの音を聴いてみてください。さてこの音はどうでしょうか?タイトでしょうかルーズでしょうか?

続いてこちらの音を聴いてください。

どちらがタイトでどちらがルーズだと思いますか?

それはなぜでしょうか?どこを聴いてそう思ったのかを考えることが大切です。

  • タイトな音とは「引き締まった音」
  • ルーズな音とは「引き締まっていない音」

引き締まるというイメージは筋肉に例えると「無駄=贅肉がない」という言い方はできるのではないでしょうか?では今聴き比べた音はどちらに「贅肉」を感じたか?を考えてみることで「ルーズ」と「タイト」をより理解できるようになります。

ではこれらの音をもう少し具体的に解析してみましょう。

スペクラムアナライザーで確認するとこのようになります。赤が1回目緑が2回目です。多少の違いはありますが、それほど大きな差があるようには思えません。

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では音の長さで見てみると次のような結果になります。上が1回目、下が2回目です。

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1回目と2回目を比較すると発音している長さが倍以上あります。また余韻に関しても一回目の方が長く残っているのがわかります。ではこの長さの違いはどこにあるのでしょうか?今度は違うスペクラムアナライザーを使って音の時間の長さの違いを見てみます。

赤が1回目、緑が2回目です。同時に鳴らした場合、緑の方が先に減衰しています。そして赤の方が長く残っています。そしてその一番残っている周波数帯域は160Hz以下に大きな違いが見受けられます。

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つまり、このこのキックの音色のルーズとタイトの違いは「160Hz以下の音の長さ(余韻)の違い」と言えます。また余韻を残さずに倍音が短い音ほどタイトな音という表現ができます。

演奏面におけるタイトな音とは?

「タイトな演奏してほしい」と言われたとき、どういう音をイメージするのか?というと多くの人は「短い音」をイメージするのではないでしょうか?しかし、この短さというのも、上記の音の残り方は参考になると思います。

すべてのタイトな音が上記の周波数で表されるものではありません。音色によって周波数の出方は様々です。キックがタイトな演奏及び音色になっている場合(例えば、毛布などを入れて音のリリースを短くしている場合)に、ベースがルーズな余韻が多い演奏しているとグルーヴがまとまらなくなります。

よく「ミュート一つでグルーヴが決まる」というのは同じミュートであってもごく僅かな音の長さによってルーズになってしまう可能性があるからです。プロはこの辺りの1msの長さに意図を見出すので、打ち込みギター音源やベース音源がリアルであっても均一化された音の長さにはどうしても違和感を感じてしまいます。

これは生演奏の場合に例えていますが、DTMで打ち込みをする場合にもキックの長さとベースの長さのバランスを意識しないとタイトとルーズが意味もなく混在してしまうことで、打ち込みクオリティの低さにつながってしまいます。

タイトな音色のメリット

タイトが良いという話ではありませんが、タイトにおけるメリットは例えばテンポの速い曲などで余韻が残りすぎるとスピード感が損なわれてしまいます。

2バスのような激しいキックを打ち鳴らす曲の場合にキックの余韻が残りすぎていると16部音符の音の塊が認識しにくくなります。テンポが速ければ速いほど、音の認識は難しくなるので、音の意図を明確に伝えるための方法としてタイトな音色は有用といえます。

音の長さをコントロールできない場合はその周波数帯域をカットするだけでもタイトな音にもなります。またコンプレッサーなどを使って作る「タイトな音」というのもこの余韻をコントロールするこで得られることがわかります。

テンポが遅い曲でも例えば余韻が少ない曲などは「クール」な印象を受けます。これは音の余韻及び倍音によって音の広がり感が弱くなるためです。

ヒップホップなどがクールに聴こえる一つの要因はタイトな音にあるとも言えます。

まとめ

決してすべての音が短いのがタイトな音というわけではありませんが、音の余韻と倍音の関係によって「タイト」な印象を受けやすいのは確かです。

ドラムでいうとスネアやタムなどは音の余韻があるためそれをどうコントロールするかで「タイトさ」と「ルーズさ」が決まります。その場合は音源の中にダンピングという機能があればそれを使って音の長さをコントロールします。なければ、ゲートプラグインを使って音の長さを短くし、自分の基準となる「タイト」を作ります。

基準があれば、演奏面でも「もっとタイトにしてくれ」「タイトすぎ」という注文にも対応しやすくなります。

タイトな音の作り方はルーズな音と比較するところから始まる。これを知っておくだけでもタイトな音に対するイメージは変わってくるでしょう。

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