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ギター音作りの基礎から応用まで!ピックアップの種類とその音色効果を解析

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ギターのサウンドメイキングにおいて、ピックアップの選択は極めて重要です。

本記事では、シングルコイルとハムバッカーの違いを実験を通じて明らかにし、各タイプのピックアップがギターサウンドに与える影響を詳細に解説しています。

エレキギターのボディやポジションによる音色の変化、ノイズの低減、サウンドのパワーといった要素がどのように影響されるかを、動画と音声ファイルでわかりやすく示しています。フェンダーやギブソンなどの有名な楽器から、DAWやエフェクターを使用したDTMまで、ギター音作りの基本から応用までを網羅。あらゆるジャンルの音楽制作に役立つオススメの機材やピックアップの種類、交換方法についても紹介しています。

UG
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ピックアップとは?

ギターのピックアップの主に2つです。

  • シングルコイル(音抜けがよく高域に特徴がある)
  • ハムバッカー(パワーがあり甘い音で中低域に特徴がある)

なのでギターサウンドに慣れていない人は自分が使っているギター音源がどちらのタイプかを確認することでざっくりではありますが、自分が求めているサウンドを作る目安にできます。

なぜピックアップが重要なのか?

何度もいいますが、ギターの素の音だからです。ギター音源のギターの音はアンプシミュを噛まさずに録音された音。つまり無加工、無化粧(すっぴん)の音です。音を0から作り上げるためにもギター音源は味付けがない状態でないといけません。

ピックアップによって抜けの良い音、甘い音、色々な特性があります。ディストーションエフェクトをかけるにも元のピックアップの音を生かした方向で考えることがギター音作りの基本的な考え方と思っても間違いではありません。

例えばブリッジミュートと呼ばれる奏法でズンズンと刻むロックのリフを作りたい場合でもピックアップが適切に選択されていないと意図した音になりません。

ピックアップの音を理解するメリット

アンプシミュにおいても、すべてはピックアップの音を加工するわけです。例えば、アイドル曲のようなギターサウンドを作りたいとなった場合どう考えるか?どれくらい歪んでいるか?という視点だけではなく、どんな音がどれくらい歪んでいるのかを考えることでより「らしい」サウンドを作ることができます。

ちょっと余談ですが、

私がよく使うギター音源ProminyのV-Metalというのがあります。

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これ巷では「ポップスにも使える」って言われたりするんですが、それをそのまま鵜呑みにして使うと大変危険ですw当然使えるケースもあるけれど、サウンドの意図を理解していないと楽曲にマッチしません。もしクライアントから「アイドル曲のような」という依頼があった場合、何も考えずにV-Metalを使おうものならクライアントからゴーサインはもらえないと思った方がいいです。

なぜならば「そのピックアップの音」は求めらているサウンドではないからです。だからこそピックアップのサウンド理解することが重要なのです。

ピックアップサウンド比較

シングルコイルを例にとって話をしていきます。PUとはボディにくっついている3つの横長のパーツです。

  • 上からNeck
  • 真ん中がMiddle
  • 一番下がBridge

と呼ばれています。

一般的な結論から説明すると

  • Neckは(フロントピックアップ)は甘く柔らかい温かい音がする(ソロ、リードに向いている)
  • Middleはネックとブリッジを足して2で割った感じ。オールラウンドに使いやすい
  • Bridgeは固く冷たい印象(ジャキジャキ刻む系に向いている)
  • ハーフトーンはそれらの要素をさらに分割した印象

これらをスイッチで切り替えてますピックアップは3つですがそれぞれハーフトーンと呼ばれるNeckとMiddleを合わせてNeck Middle MiddleとBridgeを合わせたBridge Middleと全部で5種類のサウンドを作り、それをトーンノブと言われているフィルター(まぁEQみたいな感じ)音質を調整できます。

さてこれらはサウンドにどういう違いが出るのかを知っておくことでギターサウンドの作り方は大きく変わってきます。「でも、聞いても違いがよくわからない」という人もいると思います。慣れている人からすれば聞いた瞬間に「Bridgeの音だよね」と解るようにもなりますが、ギターサウンドに馴染みがないと違いはよくわからないですし、

「なんで、ブリッジは固く冷たい音なの?」という根拠を求める人もいると思います。私もそういう根拠を求めてしまいますw

こういうときに役立つのが「スペクトラム・アナライザー」です。「スペクトラムアナイラザーって?」という人はこちらの記事に詳しく書いてあるので参考にしてください。

一言で言えば「音の周波数を目で確認できるもの」と思ってください。今回はスペアナを使ってピックアップの周波数を確認していきます。今回使用したギター音源はProminyのSC

5ポジションのピックアップの音をフルサンプリングしているギター音源です。一昔前のギター音源ではありますが、音質面のクオリティも高く非常にリアルなギター音源です。

Neck

ではさっそくNeckから見てきます。弾いている音は開放弦の6弦 E2(ざっくり82Hz)多くの倍音が見て取れます。

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Neckの音を基準に以降比較していきます。クリーンで味付けもなく倍音の出方も非常に素直です。音に含まれる倍音もすごくキレイに出ています。18倍音くらいまでキレイに確認できるのは無駄な歪がないとも言えます。倍音に関してこちらの記事が参考になります。

Neckの音の特徴 太くて甘い音(柔らかい)コードカッティング等では音が潰れてしまう印象をうける

Neck Middle

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見比べてみると700Hz〜1.2KHzと2.5KHz〜3.6KHz付近にわかりやすい違いが見られます。

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Neckの方が中音域〜高音域に含めてバランスよく出ているのに対してNeck-Middleは中音域と高音域を削れています。中音域が少ないながらも甘さを含みながらも抜けの良い音になります。

Neck-Middleの音の特徴 Neckに比べると中音域が少ないため 音が抜けやすい

Middle

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Neckと比べると低音が少しばかりふくよかになっているのと、高域が持ち上げられています。また第4倍音(左から4つ目の音)がかなり強調されています。高音域が強調されると「鋭利になった」という印象を受けますが。基音(倍音を含まない)に近い倍音が強調されることで音のコシの部分の変化がわかりやすく感じられます。

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Middleの音の特徴 Neckの特徴を残しながらも音の明るさが際立つ

Bridge-Middle

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ブリッジに近づくに連れて第4倍音が目立ちます。第4倍音は基音の2オクターブ上の音にあたります。この音をどう捉えるかで音の作り方が変わってきます。オクターブ上の音がたされることでより基音が強調されます。輪郭が強調されるのは高域をEQで上げることではなく基音に対してオクターブが強調されることでよりわかりやすくなります。

Bridge-Middleの音の特徴

音の硬さが際立ってくる

Bridge

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240Hz以降を表示しています。第3倍音が一番際立っています。それと同時にそれ以降の周波数の音量も上がっています。とくに1kHz付近の音はNeckに比べ半分近くになっています。1kHz付近はEQでいじってみるとわかりますが、音色の変化がわかりやすい帯域でもあります。変化のわかりやすい1kHz以降の倍音の音量差を線でつなぐとNeckとBridgeの差が明確になります。

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さてこれらを踏まえたうえで音作りをしていくわけですが、よくあるのが「アンプシミュを通すと耳に痛い音になった」のはもともとハイが出ている音色(Bridgeの音の可能性)かもしれません。ピックアップの音色の違いを意識することでGainを回す意味も大きく変わってきます。

ちなみに余談ですが、バンド数の多いEQを使って一つ一つ同じように設定すればNeckの周波数特性を解析してまえばBridgeでNeckのサウンドを擬似的に作り出すことは可能です。OzoneなどについているMatchingEQなどがそれにあたります。

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これはもともとBridgeの音ですが、Neckの音を解析させて再現させています。この1音のみの変化を持って楽曲の中で100%使い切れるわけではありませんが、モデリングギターなどはこれのもっと細かい精度で演算していることになると思います。

レスポールハムバッカーの音比較

私が所持しているレスポール系の音源がMusicLabのRealLPC5なのでそれを参考に見ていきたいと思います。RealLPC5は5になってからピックアップの音色が追加されました。使いやすく人気なギター音源です。

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レスポールの場合はピックアップは2つNeckとBridgeの2つです。ボディ左上のスイッチで切り替えます。

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音色の傾向は基本つけられた位置による音色さです。あとはピックアップ自体の性質によります。

Neck

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ストラトと比較するとこんな感じです。

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高域の出方はシングルの方が圧倒的に出ています。抜けがよいサウンドの理由がよくわかります。しかし、中域の出方はハムバッカーの方が安定しているように思います。このことから、ハムのNeckはシングルより甘い音が出ていると言えます。

Middle

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NeckとMiddleを重ねてみるとこのようになります。

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こちらもブリッジに近づくにつれて第4倍音が強調されていますが、4倍音に続き、8倍音、9倍音も強調されています。4倍音と8倍音は基音Eからして2オクターブ上と3オクターブ上の音になるのでより基音が強調されて聞こえる印象になります。

Bridge

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3つを重ねてみると

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Middleより8倍音、9倍音が強調されているのと同時に第5倍音、第6倍音も強調されています。しかし、高域が伸びているわけではありません。そして、少し見づらいのですが、基音であるE2は少し音量が下がっています。ハムはシングルに比べると、それほど高域がありません。

「ジャキジャキ刻む」というよりはリードが得意という印象はこの倍音の出方からもわかります。もちろんシングルでしか刻んではいけないという話ではありません。これらの音の特徴を抑えたうえで意図とした音を作っていければよいという話です。

ギターの音作りの注意

さて、音作りでよく使うのはEQだと思います。使い方は人それぞれなので「これが正解」というのは正直ありませんが、これだけは注意してほしいのは

「無い袖は振れない」ということです。

これはギターに限ったことではないですが、

存在していない周波数帯域をEQであげても音は変わりませんし、

むしろノイズの原因にもなります。

逆にピックアップに多く含まれている高域があるのにEQでブーストするのはあまり意味がありません。ピックアップがもともと持っている周波数特性を理解していればむやみにEQで上げる必要がなくなります。歪についてはどんな歪になるのかを知っておくことが重要です。

例えばオーバードライブに関しても次のような実験をしてみました。Ik MultimediaのAmplitube4のストンプボックスのオーバードライブをサイン波に使ってみます。一段目はAmplitubeのオーバードライブ二段目はチューブスクリーマーのモデリングです。

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いままでの記事を見てきた人にはもう解るかもしれませんが、Amplitube4のオーバードライブは第2、第4倍音があるのに対してチューブスクリーマーはありません。どちらがよいモデリングという話ではなく、エフェクターによって歪の種類は異なるという点に注目してください

Amplitube4の歪をBridgeのピックアップに使うとどうなるか?Bridgeは第4倍音を多く含むサウンドです。そこに第4倍音を強調してしまう歪が入れば当然耳にいたいサウンドになりやすいです。(もちろん入力における音の大小によってその音質は変化します)

なぜサイン波で実験しているかというとサイン波倍音が存在しません。それに対してギターは多くの倍音を含みます。つまり歪による音の変化がギターでは複雑になってしまうためここではわかりやすい例としてサイン波を使って説明しました。

ここからアンプシミュによって空気感やアンプによる歪が加えられることになると思いますが、ここでもアンプの特性とピックアップの特性を理解しておけば音の作り方として「痛すぎるサウンド」にはならないと思います。

私がギターの音作りにおいてアンプシミュよりピックアップが重要だと思うのはこういう理由からです。

まとめ

ギター音源を使ってギターサウンドを作るときはとにかく「ピックアップの音」をどれだけ理解しているかが大きいです。かいつまんでまとめると

  • Neckサウンドは甘く太い音
  • MiddleはBridgeとの中間
  • Bridgeは第4倍音が強調された抜けの良い音

それ以外のハーフトーンと呼ばれるNeck-MiddleとBridge -Middleはさらにそれらの中間の音になります。ギター音源によって使っているピックアップも違うのですべてが同じサウンドになるわけではありませんが、音の傾向としては近い部分になってくると思います。

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