DTMにおけるギターサウンドのリアリティは、専用ギター音源の選択によって大きく左右されます。Prominy、Ample Sound、Impact Soundworksなどのメーカーからリリースされている音源は、エレキギターのシリーズからアコースティックギターまで、多彩な奏法や音色を提供します。
これらの音源は、リアルなギター演奏をデジタル上で再現するための高度なアーティキュレーションやエフェクター、アンプシミュレーターを備え、初心者からプロのDTMerまで幅広く対応しています。操作性も優れており、DAW内での使い方も簡単で、音楽制作のクオリティを飛躍的に向上させます。
この記事ではギター音源の知識が全くない人でも、理解できるように詳しく解説しているので、あなたが求める最高のギター音源を是非見つけてください
ギター音源とは?
ギター音源とは、DTMで使うソフト音源でありギターの音をデジタル形式で再現したものです。これには大きく分けて2つのタイプがあります。
- サンプリング音源: これは実際のギターの音を録音し、それをデジタル化したものです。ギターを弾くさまざまな方法(ストローク、ピッキング、アルペジオなど)を録音し、それらをキーボードやソフトウェアで再生できるようにします。この方法の利点は、実際のギターの音のニュアンスを非常に忠実に再現できることです。
- モデリング音源: こちらはギターの音を合成する方法です。物理モデリングや波形合成などの技術を使用し、ギターの音をデジタル的に作り出します。こちらの利点は、さまざまな種類のギターや演奏スタイルを、一つのソフトウェア内で再現できる柔軟性にあります。
初心者がギター音源を使用する場合、特に音楽制作ソフトウェア(DAW)内での使用が一般的です。キーボードやMIDIコントローラーを使って、ギターのパートを演奏し、曲に取り入れることができます。リアルなギターの演奏を再現するためには、ソフトウェアの設定や演奏方法に慣れる必要がありますが、基本的な使い方は直感的で、多くの音楽制作ソフトウェアがユーザーフレンドリーなインターフェースを提供しています。
おすすめギター音源を選ぶときに気をつけたいポイント
ここではおすすめギター音源を選ぶ場合に気をつけたいポイントを解説します。ギター音源と言ってもこのポイントを見逃してしまうと「自分が思っていた音がでない!」ということになるので気をつけたいところです。
ピックアップによって音が違う
エレウクトリックギター音源の最大の特徴はギターに搭載されているピックアップにあります。ピックアップはギターの信号を電気信号に変換する役目があり、その種類によって音色が変わります。
ピックアップはシングルコイルとハムバッカーと言われる種類があり
音質的には次のようにカテゴライズできます。
シングルコイルピックアップ | ハムバッカーピックアップ | |
音の特徴 | 歯切れがよい明るめの音色 | パワフルで甘く太い音色 |
得意とするジャンル | ファンク、ポップス、ロック、 | ロック、メタル、ブルース、ポップ |
ネックの太さやボディの材質、弦などピックアップの位置など様々な要素が絡み合ってギターという音色が成り立っていくわけですが、ギターに詳しくない人が音色の違いを聴き分けられる要素はピックアップの種類と位置と言っても過言ではありません。
しかし、ピックアップの位置を変更できるギター音源はそれほど多くありません。なぜなら制作過程の手間が一つだけのピックアップと比較して3つのポジションなら3倍になるからです。
またピックアップのはポジションによっても音質が変わります。ストラトとレスポールタイプでそれぞれ異なり、その位置によって音色が大きく変わります。
ピックアップの音色の選択を失敗してしまうとどうやっても自分のイメージする音にはならないので注意が必要です。ギター音源のピックアップについては下記の記事で詳しくまとめているので参考にしてください。
もちろん、シングルコイルだからメタルができないわけではありませんし、ハムバッカーだからポップスができないというわけではありません。あくまでの音の傾向性の一つと思ってもらえれば大丈夫です。
パームミュート(ブリッジミュート)の質感
個人的にこれはギター音源で一番重要なのではないかと思っています。パームミュート(日本ではブリッジミュートが一般的ですが、ここではこれ以降パームミュートとしていきます)は弦に右手の腹を当てて音を短くする奏法で、ポップスからロックまで多用されています。とくにメタルなどで歪んだ音をパームミュートすると迫力のある「ズン」という音になりこの音が求めるギターサウンドのイメージの目安にもなるので、どのようなパームミュートが搭載されているか知っておいた方がよいでしょう。
パームミュートの種類とミュートの違い
パームミュートはハーフパームミュートとパームミュートの二種類が一般的になります。違いとしてはハーフパームミュートの方が音が長いということ、しかし、ハーフと通常のパームミュートを厳密に区分けされている音源はそれほど多くありません。しかしパームミュートの長さでグルーヴが大きく変わってくるのでこのあたりがギター音源の選ぶ時に重要なポイントとなります。
パームミュートには通常とハーフパームミュートがある
これらと間違いやすいのが普通のミュート奏法です。ミュート奏法は左手の弦を押し込む力を弱めることで発音させる奏法です。両者の違いは大まかにいうと次のようになります。
擬音 | 効果 | |
ミュート(スタッカートとも言われる) | ツクツク | 音程を感じさせない |
パームミュート | ズンズン | 音程を感じさせる |
ミュートの場合はフレーズの間に入ってくることで音価(音の長さ)に抑揚をつける用途使われますが、パームミュートはパームミュート自体がフレーズの主役になりえます。
DTM初心者のギター打ち込みで間違えやすいのはこのパームミュートと通常のミュートを一緒に捉えてしまうことです。音を聴いてあまりにも短い(音程的ではない)と感じたらそれはパームミュートではなく通常ミュートの可能性があります。
パームミュートの使い方
オーソドックスな使い方としてはパワーコードと混ぜて使う方法です。2拍目と3拍目の裏がパワーコードでありそれ以外がパームミュートとなります。
ズンズンチャーズンズンチャーって感じですね!
上記の例ではパームミュートとなる部分の下の部分(音程で言えばB)にピアノロールが打たれていますが、これがサスティン(通常の奏法)とパームミュートを切り替えるスイッチとなっていて一般的にキースイッチと呼ばれています。
この他にベロシティの数値によって切り替えたり、鍵盤でいうところの高音部あたりにパームミュートがアサインされているものもあります。
FX奏法の有無について
FX奏法とは通常の奏法ではない特殊な奏法になります。例えば、カッティング時に発生する短いノイズ的な音や、ロックギターなどで使用されるスライドノイズなど、これらの音はメーカーによって捉え方が違うので、イメージするFX奏法が入っているかどうかも重要なポイントになります。
CPU負荷について
ギター音源は多くの奏法やサンプルを切り替えながら使用します。そのため複雑のスクリプトによって管理されることでCPU負荷が高くなる傾向があります。
近年のPCのCPUだと動かない!ということはありませんが、他のソフト音源と併用する場合、音切れやCPUスパイクによって再生が止まってしまう可能性があります。
CPU負荷の軽減方法はバッファの調整やCPU負荷逃しを行うことでいくらか軽減される場合があるので、このあたりもしっかりと覚えておきたいところです。
アンプシミュレーター(エフェクト)について
ギター音源をよりリアルに鳴らすのに必要なのがエフェクトプラグインとアンプシミュレーターです。とくにアンプシミュレーターはリアリティを追求するのであれば必要不可欠な存在です。
アンプシミュレーターはキャビネットと言われる部分のクオリティが評価のポイントで多くのぎたーあんぷしみゅれーたーは実際の空気感をサンプリングしたIR方式が採用されています。
また、紹介するギター音源の中にはアンプシミュレターとエフェクトを搭載しているものとそうでないものがあるので、そのあたりも購入時にしっかりとチェックすると良いでしょう。
シングルコイル ギター音源
シングルコイルといえばストラトキャスターやテレキャスターです。くっきりとした輪郭を持つギターでクランチ系やファンク系のカッティングに多く使われています。
Prominy SC 2
先日7年ぶりにバージョンアップ行い、最強のストラト系ギター音源として復活しました。
1のときと比べるとサンプル容量も格段に増えコードボイシングも大幅に増えています。
Prominy SC(廃盤) | Prominy SC2 | |
容量 | 約123,000サンプル(約64GB) | 約200,000サンプル(約147GB) |
ピックアップポジション | ○5つ切り替え | ○5つ切り替え |
コード | サンプリング+エミュレーション | サンプリング+エミュレーション |
ストラムパターン機能 | ✕ | ✕ |
内蔵エフェクト | ✕ | ○ |
ダウンチューニング | ○LOW-C | ○LOW-C |
エンジン | Kontakt Player | Kontakt Player |
価格(メーカー表示) | 47,800円 | $399.00 アップグレード価格 $249.00 |
Prominy SCの最大の特徴はフレットを自由かつ自然にスライドさせられるレガート奏法です。SCが他のギターと比べて容量が大きいのもこのあたりのレガートをすべてサンプリングしているためでもあります。
紹介している音源の中では最も新しいため、搭載しているエフェクトやアンプシミュレーターの数やクオリティも高く外部のエフェクトやアンプシミュレーターに頼らなくても深い音作りが可能です。
次のデモはSC1の時代のカッティングベタ打ちこみですが、これを超えるサウンドがSC2になっています。
Impact Soundworks Shreddage 3 Stratus
TOKYO SCORING STRINGSでさらに認知度を高めたImpact Soundworksのストラトキャスターギター音源です。
Shreddage 3 Stratusは有料版とフリー版があります。
Shreddage 3 Stratus | Shreddage 3 Stratus Free | |
容量 | 25,000サンプル9GB以上の空き領域 | およそ1GB |
ピックアップポジション | ○3つ切り替え | ○3つ切り替え |
コード | エミュレーション | エミュレーション |
コードパターン機能 | ✕ | ✕ |
内蔵エフェクト | ○ | ○ |
ダウンチューニング | ✕ | ✕ |
エンジン | Kontakt Player 可 | Kontakt Player不可(Kontakt のみ) |
価格(メーカー表示) | $149 | $0 |
パームミュートの質感 | |
パームミュートのバリエーション |
Shreddage 3 Stratusは(Emulated / Fingered / Whammy)というモードをそなえたビブラート機能です。リアルで使いやすいビブラートはソロなどで使いやすいです。
ギター音源を使ってギターを打ち込む時に個人的に必要だと思うのが「ノイズ」です。ギターは弦にタッチした場合や離したときのノイズなど非常に多彩なノイズが組み合わさって音色になっています。
Shreddage 3 Stratusではフレットノイズをはじめ多くのプレイノイズを自由に調整できるため、かなりリアルな雰囲気を作り出すことが可能です。
またディストーションやイコライザー、アンプシミュなど30を超えるエフェクト機能を搭載しているので、外部アンプシミュがなくても使えるギターサウンドをかんたんに作り出せます。
動作のもっさり具合は私の使用環境も影響しているのかもしれませんが、たまにリズム的にモタる場合や、フレットを指定してもうまくフレットの切り替えが行えない場合があります。
パームミュートはギター音源の顔の一つですが、Shreddage 3 Stratusのパームミュートは3段階で調整できる幅をもっていながら、「ズンズン」と重くしっかりとしたパームミュートではありません。個人的にはProminyの方が「ズンズン」と重い響きを出せて好みです。
Music Lab Real Strat 5
老舗のギター音源であるMusic Labのストラトキャスターギター音源です。最新版は6になって200の音色及び内蔵エフェクトが追加されました。
Music Lab Real Strat 5 | Music Lab Real Strat 6 | |
容量 | サンプル数非公開 5GB以上の空き領域 | サンプル数非公開 5GB以上の空き領域 |
ピックアップポジション | ○3つ切り替え(+4パターン) | ○3つ切り替え(+4パターン) |
コード | エミュレーション | エミュレーション |
ストラムパターン機能 | ○ | ○ |
内蔵エフェクト | ✕ | ○ |
ダウンチューニング | ○LOW-B | ○LOW-B |
エンジン | オリジナルエンジン | オリジナルエンジン |
体験版 | ○ | ○ |
価格(メーカー表示) | $149(廃盤) | $139 バージョン5からのアップグレード価格 $59 |
パームミュートの質感 | |
パームミュートのバリエーション |
操作性はかんたんで、アーティキュレーション(奏法)のキースイッチ割当も任意に設定可能でまた容量が低いのもあってCPU負荷及びメモリ使用量が少ないのでサクッと使うことができます。
ピックアップポジションは通常の3つから選択しますが、ウィンドウを開くとさらに通常のギターではありえないポジションをミックスしたモードを選択できます。
Music labのギター音源に一貫して言えるのはカッティングパターンが豊富であるといこと、ギターに不慣れでカッティングパターンもよくわからないという人には助かる機能です。
アップグレード価格はどのギター音源よりも安く、BFなどのでセールではさらにもう少し下がる可能性もあります。
バージョンアップを繰り返すたびに、音質の改善が見られますが、やはり良くも悪くもMusic Labの音質なので、このあたりでは好みが分かれるところかもしれません。
バージョン6ではエフェクト等を内蔵したことでより音作りの柔軟性が広がりましたが、エフェクト使用時のCPU負荷が高かったのが気になりました。
しかし、リアル化どうかはおいておいてさすが老舗のギター音源として扱いやすいです。
Ample Sound Ample Guitar SC
Ample Guitar SC | |
容量 | 約8.4 GB |
ピックアップポジション | 変更不可(プリセット毎に設定) |
コード | エミュレーション |
ストラムパターン機能 | ○ |
内蔵エフェクト | ○ |
ダウンチューニング | ✕ |
エンジン | Ample |
価格(メーカー表示) | $149 |
パームミュートの質感 | |
パームミュートのバリエーション |
Ample Guitar SCは、その多様性と高いクオリティのサンプル、使いやすさから、多くの音楽制作者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。特にクリーンなギタートーンを重視する制作者には特におすすめです。
Ample Guitar SCは、ポップ、ロック、ジャズ、ファンクなど、様々な音楽ジャンルでの使用に適しクリーンなトーンから、エフェクトを駆使した多様なサウンドまで幅広くカバーできるため、音楽制作やアレンジにおいて多くの選択肢を提供します。
サウンドの傾向としてディストーションであっても非常にデジタル的な美しさをもったギター音源です。クリーンのcuttingは他のギター音源では出せないニュアンスを持っているのが大きな特徴です。
ユニークな仕様として試用期間がないほどアクティベーションの数が増加するという点です。
AMPLE SOUND 社製品は、2台までのコンピュータでオーソライズが可能です。尚、製品のレジストレーションを行った日より6ヶ月経過するたびにアクティベーション可能枠が1つずつ追加されます。
(例)2019/12/8 にAMPLE GUITAR SC III をレジストレーションし、自分の2台のコンピュータでアクティベートした場合、6ヶ月後の2020/6/8にアクティベーション可能枠が1つ追加され、自分の3台目のコンピュータでアクティベート可能になります。更に6ヶ月後の2020/12/8には、4台目のコンピュータでアクティベートが可能になります。
Sonicwire:AMPLE GUITAR SC III
ハムバッカー ギター音源
ハムバッカーを搭載したギター音源を紹介しています。シングルピックアップより音が太く丸みがあるのが特徴です。
Prominy V-Metal
とにかく太くどんな歪みであっても音が痩せすることがないメタルギター音源です。メタルギター音源とは言っても、歪ませ方次第でポップスやロック等にも十分使うことが可能です。またProminy製品の特徴であるコードは実際のコードをそのままサンプリングしているため非常にリアルで使えるコードサウンドになります。
Prominy V-Metal | |
容量 | 26,000 サンプル 19GB 以上以上の空き領域 |
ピックアップポジション | ✕ |
コード | サンプリング+エミュレーション |
ストラムパターン機能 | ✕ |
内蔵エフェクト | ✕ |
ダウンチューニング | ○LOW-C |
エンジン | Kontakt |
体験版 | ✕ |
価格(メーカー表示) | $299 |
パームミュートの質感 | |
パームミュートのバリエーション |
メリット
とにかく、音が太いです。歪ませてパームミュートで刻むとメタル一直線です。激しく歪ませてもしっかりと芯を感じられる音質です。
Prominyの特徴であるレガート機能はV-Metalでも十分にその威力を発揮します。音と音のつながりをこれほどリアルでかんたんに操作できる音源は他にありません。
スライドや、ピックスクラッチ、その他様々な奏法ノイズが多数収録されているます。
デメリット
最近流行りのギター音源内にエフェクトが搭載されていますが、V-Metalにはありません。歪み系は外部エフェクターを使うことになります。
V-Metalは複雑なセブンスやセーハによるコードサンプリングはありません。基本的にはパワーコードやソロなどで圧倒的な存在感を示すことを目的としています。
最後に価格の面ですが、Prominyは全般的に高いです。たまにAmazonや楽天などで安くなっていることもありますが、他のギター音源と比べても高いです。
しかし、Prominyのギターは一つもっていれば十分もとが取れるクオリティなので、極めるつもりで購入すれば答えてくれるギター音源です。
Orange tree samples Evolution Rock Standard
Orange tree samples Evolution Rock Standard | |
容量 | 13.4 GB (ロスレス NCW オーディオ形式を使用して 4.51 GB に圧縮) |
ピックアップポジション | ○ |
コード | エミュレーション |
ストラムパターン機能 | ○ |
内蔵エフェクト | ○ |
ダウンチューニング | ✕ |
エンジン | Kontakt |
体験版 | ✕ |
価格(メーカー表示) | $299 |
パームミュートの質感 | |
パームミュートのバリエーション |
デモ音源では後半のアルペジオでそれらを切り替えています。
高品質なサンプリング:Evolution Rock Standardは、細部まで精密にサンプリングされた音を提供します。これにより、リアルなギターサウンドを再現できミュートの数が豊富なのも特徴です。
そのほかにも様々なギター奏法(ピッキング、ストラミング、ハンマーオン、プルオフなど)を選択でき、表現力豊かな演奏が可能です。
またエフェクトの追加が可能で、さまざまな音楽ジャンルやスタイルに合わせてカスタマイズできます。ロックという名前になっていますが、ロック以外のプリセットも豊富にあるので「レスポールらしいサウンドがほしい!」というときに活躍してくれます。
Orange tree samplesのギター音源は手軽さとクオリティが両立しているギター音源です。ハムバッカータイプはEvolution Rock Standardの他に、Evolution StrawberryやEvolution Dracusもあります。それらを含む多くのOrange Tree Samplesのギター音源を下記の記事で詳しく解説しているのでよろしければ参考にしてください。
SHREDDAGE 3 HYDRA
パームミュートの質感 | |
パームミュートのバリエーション |
IMPACT SOUNDWORKSからリリースされているHYDRAは通常の6弦ギターより2弦多い8弦ギターとなりより低い低域まで出せるため、メタル系の重たい系サウンドを得意とします。
音のエッジはシングルピックアップより立っていませんが、とにかく重く深いサウンドがほしいときに役立つギター音源です。
アコースティックギター音源
アコースティックギターでは、ピエゾピックアップを使ったものとマグネットピックアップを使ったもの。そして一番オーソドックスなマイクで録音したものと3つのタイプがあります。
アコースティックギター音源としてリリースされている多くはマイクで収録されたものです。
アコースティックギターにピエゾやマグネットピックアップを使う場合は基本マイクが使えないときの代用品となることがほとんどなので音源化するメリットはあまりないように思います。
音質の違いとしては
ピエゾピックアップ | マグネット | マイク録音 | |
音の特徴 | 硬くて抜けが良い エレクトリックな雰囲気の音質 | エレクトリックギター の PUと同タイプ | 空気感があり響きが豊か マイクの距離と場所で音質が違う |
得意とするジャンル | マイクが使えないライブに使用 | マイクが使えないライブに使用 | フォーク、ブルース ポップス |
Prominy Hamming bird
V-metalと同じProminyから出ているアコースティックギター音源です。とにかく奏法バリエーションが広く、そしてコードサンプリングによる美しいギターサウンドが特徴的です。
プロがコンペを受けるときにはとりあえずアコギはこれ!というほど即戦力になっています。
Prominy Hamming bird | |
容量 | 約80GB 89,000サンプル |
ストロークポジション | 1つ(サウンドホール付近) |
コード | サンプリング+エミュレーション |
ストラムパターン機能 | ✕ |
内蔵エフェクト | ✕ |
ダウンチューニング | ✕ |
エンジン | Kontakt |
体験版 | ✕ |
価格(メーカー表示) | ¥32,890 |
メリット
とにかくコードのリアルさに関してはHammingbirdを超えるアコースティックギター音源は今の所ありません。ソロでも使用することは可能ですが、適当にジャカジャカ打ち込んでもリアルになってくれるのは有り難いです。
スライド、グリスダウンアップ、パームミュート、ボディの叩く音などかなりの奏法が収録されています。私の場合は基本的に、スライド、グリス、コード機能、パームミュートなどをよく使います。アコースティックギターでは納得の行くパームミュートの音質に出会えることがないので、その点でも重宝しています。
デメリット
V-METAL同様CPU負荷は多少高いです。ただ、キースイッチが複雑なのですべてを覚えるには相当の時間と忍耐が求められます。
もV−METAL同様セール時では20〜30%オフになります。ショップによって24,000円〜34,000円程度の価格差がありますが、やはり高価なギター音源の部類に入ります。
リアルに作り込めるだけにキースイッチが多いので操作には若干の慣れが必要です。ただ、簡単なストロークだけにとどまるのであれば使うキースイッチは多くても5つ程度なので、それほど難しくはありません。
お手軽ギター音源
UJAM VIRTUAL GUITARIST IRON 2
パームミュートの質感 | |
パームミュートのバリエーション |
簡単な操作で最高の音質を提供してくれるのがUJAMのポリシーでありその理念はUJAM IRONにも受け継がれています。
適度な太さとエフェクトの良さで簡単にクオリティが高いメタルサウンドおよびロックサウンドを作り出せます。
操作性においては、他のギター音源のようなフレットボードがないので、今発音しているのがどのフレット上の音なのかというところははっきりしませんが、そんなことを気にせずにガシガシと打ち込んでいくスタイルで扱うのがオススメです。
1との違いは単音メロディが打ち込めるようになったことですが、正直のこの部分の使い勝手はあまり良いとは言えない印象です。
ギター音源の購入のポイント
DTM初心者の場合は音質の良さだけで購入すると使いこなすのに多少の時間が必要となる場合があるため最初はシンプルなものを選ぶのがオススメです。
また、どれだけ情報があるのか?という視点も大切です。「実際買って使い方を調べたら英語サイトばっかりだった」という場合もあります。
一昔前まではgoogleの上位には「使ってみた感想」や「レビュー」等の記事がありましたが今は企業サイトばかりになっていますので、検索方法は例えば
「Real Strat 5」だけではなく「Real Strat 5 使い方」やレビューという単語を組み合わせて情報を集めるのがポイントです。
そのうえで「ロックなリフがほしいのか」「コードストローク的なものがやりたいのか」を考えいます。
とにかくロックやメタルのフレーズだけを簡単に素早く取り出したい!という場合は上記のIRONのような音源は便利ですが、作り込む場合はV-METALやReal Strat5の方がより本格的なギタートラックに役立ちます。
ギター音源を使ってギターを打ち込む場合のポイント
リアルなギター音源であればあるほどギターの知識がなくても打ち込めると思うかもしれませんが、半分は正解で半分は間違いです。なぜならよりリアルな打ち込みをしようとするとどうしてもギター奏法の理解とフレットと音色の関係性を理解する必要があります。
といってもそれほど難しいことではありません。こちらの記事でギターを打ち込むための基礎技術について詳しく解説しているので参考にしてみてください。
まとめ
パームミュートの質感 | パームミュートのバリエーション | |
AMPLE GUITAR SC | ||
Prominy V-METAL | ||
Prominy SC2 | ||
Music Lab Real Strat | ||
Evolution Rock Standard | ||
SHREDDAGE 3 STRAT | ||
SHREDDAGE 3 HYDRA | ||
UJAM IRON |
1つの指標としてパームミュートのサウンドを並べてみました。
いくつかのギター音源を紹介してきましたが、優先順位が高いギターは次の3つです。
Prominy SC2
Prominy V-Metal
Prominy Hamming bird
これらは正直なところ価格は若干高めですが、他のギター音源では出せないリアルなコードサンプリング技術を用いられているためリアルな響きが得られます。