DTMでギターをかっこよく リアル打ち込みたい!という人のために基本的な奏法の打ち込み方を動画&画像+テキストで解説しています。
この記事の音源はほぼLogic Proで作られていますが、他のDAW(Cubaseであってもギター打ち込み理解の参考にはなります。
ギター打ち込みで迷っている。楽譜どおり打ち込んだけどパッとしないという人はぜひ最後まで読んでいただければギター打ち込みの新しい一歩に踏み出せます!
DTMでギター 打ち込みをリアルに??
専用音源使えばそんな煩わしいことなんて覚える必要はないよ!
こんなふうに思うかもしれませんね。しかし、どんなリアルなギター音源を使ってもギター特有の奏法や発音のしくみを知らないとリアルには鳴らせず拙いギタートラックができあがるだけです。
この記事ではDTM初心者でもしっかりとギター打ち込みの基礎技術が身につけられるようになっています。D最初から最後まで読んでも良いですし、気になるところだけ読むのもOKです。
DTMギター打ち込み(序)ギターについて
ギターの種類を知ろう!
ギターの種類は主に「エレクトリックギター」「アコースティックギター」の2つになり、もう少し細かくみると「エレアコ」「セミアコ」というタイプがあります。
またエレクトリックギターでは7弦ギターや8弦ギターというものも最近多く見かけるようになってきました。
- ポップスからロックまで幅広く使われる
- 単体では音が小さいアンプ等を使う
- ピックアップによって音が変わる
- 音色はクリーン、モジュレーション、ドライブ系の(歪み)の3種類
- ポップでも使われるが基本はフォークやカントリー系
- ギター単体でも音量は大きい
- ギターの材質で音が変わる
- 音色基本クリーン、及びモジュレーション系
アコースティックギターは主にスチール弦が使われますが、同じアコースティックギターでもクラシックでよく使われるのはナイロン弦になり、大きさや材質も違う場合もありますが基本はガットギターと呼ばれています。
ギターのチューニングと音程について
ギターはの音程幅は最低音E2〜D6(21フレット)の4オクターブ弱の楽器です。1フレットにつき7音の音程幅を持っています。
ギターを打ち込む場合は(特に専用のギター音源を使って打ち込む場合)ギターの音程幅をしっておくことでリアルな打ち込みが出せるようになるので下記の相関図で覚えてしまうことをおすすめします。
DTMギター打ち込みに必要なMIDIの知識(音程編)
MIDIとは(Musical Instrument Digital Interface)の略称で、ハードシンセをMIDIケーブルでつなぐことで、違う鍵盤から違うシンセの音色等をコントロールできたのもMIDIのおかげです。最近ではそれらソフト音源に切り替わっているのでMIDIという知識はそれほど必要ない…と思われがちですが
実はこれだけは知っておいてほしいというのがあります。それはノートナンバーと音程の関係です。
MIDI鍵盤には音程がありその音程にはノートネームとノートナンバーという番号が割り振られています。例えばピアノ88鍵盤で一番真ん中のドはC4 60という番号が割り当てられています。
ところがこの表示にはYAMAHA式とRoland式の2種類があります。Roland式は中央のドがC4 60に対してYAMAHA式は中央のドがC3 60になります。ではどちらが正解なのか?というと国際基準のMIDI規格はC4 60とされています。
画像で見ると表記がオクターブ異なるため、YAMAHA式の場合ギターのピアノロールの表記は実音より1オクターブ低くなります。ここではあくまで表記だけなので発音される音はのRoland式でもYAMAHA式でも同じになります。
私はできるだけRoland式で覚えることをおすすめします。
ここから先のピアノロール及び楽譜に関してのノートナンバー及びノートネームはRoland式で説明します
Logic Proの場合はデフォルトではYAMAHA方式になっていることがあります。その場合は環境設定→表示を選択し一般タブを選び中央Cの表示形式からRolandを選択するとOKです。
エレキギターチューニングについて
エレキギターは開放弦(どこも抑えない状態)で低い音(下記画面上から)、下に行くほど高い音にチューニングされていて一般的なチューニングは以下のようになっています。
6弦 | 5弦 | 4弦 | 3弦 | 2弦 | 1弦 |
E2(82.4069Hz) | A2(110Hz) | D3(146.8324Hz) | G3(195.9977Hz) | B3(246.9417Hz) | E4(329.6276Hz) |
最近ではドロップチューニングといって6弦のE2を1音源下(D2場合によってさらに低く)にしたチューニングで作られた曲もたくさんあります。また低い弦を補強する形で7弦ギターや8弦ギターという多弦ギターも使われます。多弦ギターのチューニングはプレイヤーや作曲者の意図によって変わることがあります
7弦 | 6弦 | 5弦 | 4弦 | 3弦 | 2弦 | 1弦 | |
スタンダード | B1 | E2 | A2 | D3 | G3 | B3 | E4 |
ドロップA | A1 | E2 | A2 | D3 | G3 | B3 | E4 |
12弦ギターのチューニング
12弦ギターはエレクトリックギターでもアコースティックギターでも両方にあります。通常の6弦に加えて、3弦から6弦には1オクターブ高くチューニングされた弦を1弦と2弦には同じ高さの弦がはられています。
12弦ギターは弦同士の微妙なピッチのズレがコーラス等では再現しきれない音になります。エレクトリックアコースティックともにソロというよりはストロークやアルペジオとして使われることが多いです。
ギターの楽譜表記の注意
ギターは楽譜上で書かれた音程より1オクターブ下で演奏します。例え楽譜で以下のように書かれてある場合、(E3、A3、D4、G4、B4、E5)実際打ち込む場合は1オクターブ下の(E2,A2、D3、G3、B3、E4)という具合になります。
動画でオーソドックスなロックのリフを楽譜の音の高さ通りに打ち込んでみました。前半が楽譜どおり、後半は1オクターブ下です。
重くて太いロックな雰囲気を作りたいのに前半のオクターブ高いリフだと迫力がありません。しかしギター打ち込み初心者にはかなり多い「あるある失敗例」です。
ギターの音域の把握はギターの打ち込みには重要なのでバンド・スコアなどを見たら「ギターの実音は1オクターブ下!」と思いましょう。
フレットと音の関係
ギターのフレットと音の関係はリアルなギターを打ち込む上で重要です。ここではギターのフレットと音の関係についてお話します。
下記の画像はギターのフレットを12フレットまでのCのスケールのみを表示したものです。
リアルなギターを打ち込む場合に大切なのはそれが「自然な演奏になるかどうか」です。単音のフレーズであればなんとかなるものであってもそれがコード演奏であった場合は物理的に不可能
フレットは左手の指4本で指板を押さえることになるので、どうしてもピアノと同じボイシングは指の長さなどの物理的な要因で演奏することはできない場合があります。
ボイシングは作曲の重要な要素なのでこのボイシングが正解というわけではありません。ここではピアノボイシングと似せようとする意図での使用になっています。
これはボイシングの基本的な話なので実践的なボイシングについては後でまた詳しくお話します。
DTMギター打ち込みステップ入力の数値と意味
なぜDTMでギターやドラムを入力していくことを「打ち込み」というのかご存知ですか?昔は演奏情報をリストエディタというDAWの機能を使って数値を一つ一つ入力していった文字通り「数値を打ち込む」からDTMで音楽データの入力を「打ち込み」とよばれるようになりました。
しかし、この数値入力による打ち込みは時代ともに変化し、最近では打ち込みと呼ばれる入力方法はピアノロールが一般的です。このリストエディタは数値のみを打ち込む画面なので、その数値が何を意味しているのかを理解するのには慣れが必要です。
しかし、より細かいギター打ち込みはピアノロールよりリストエディタの方が適している部分があるので、この機会に覚えてしまったほうがよいでしょう。
ここではLogic Proのピアノロールとリストエディタの画面について説明します。(リストエディタの表示及び数値はDAWによって多少ことなります)
位置 | 「1111」とは「1小節1拍1ディビジョン1ティック」のタイミングで音が再生される |
状況 | ノートとは音符のこと、ここがMIDI情報の場合、モジュレーションやピッチベンドといった表記になります。 表記が♫や✝といったマークに鳴っている場合もあります。 |
Ch | MIDIチャンネルのことになります。シングル音源(Logic Proの音源のほとんど)はチャンネル1で管理しているので基本は1で大丈夫です。複数のトラックを扱えるマルチ音源等の場合ここのチャンネルを変更することで複数の音色を一度に管理することが可能です。 |
番号 | 音程です。C4(中央のド) |
値 | ベロシティの値で数値あげればベロシティ設定に反映した音になります(1例 音量が大きくなる) |
長さ/情報 | 位置で設定した数値とは逆に、設定した長さの分だけ音を発音するというものです |
位置の意味について補足すると、「1111」とは「1小節1拍1ディビジョン1ティック」です。1ディビジョンというのはLogic Proで設定した入力の細かさです。Logic Proでは上部のコントロールバーの拍子(4/4)と書かれた下にある数値がディビジョンになります。ディビジョンをクリックすればより細かい設定も可能です。
ここでは16分音符にしているので1拍の中身が4分割(16分音符)されていることになります。
そしてこの16分音符をさらに細かく分割できるのが右端のティックという数値になります。ここは分解能とも呼ばれLogic Proは1拍を960に分解できます。ディビジョンが16の場合4分割されているので16分音符は240の細かさで調整できるわけです。この数値が細かいほどギターのストローク時の音のばらつきを再現できます。
分解能が1/960 | 1/480 | |
全音符 | 3840 | 1920 |
2分音符 | 1920 | 960 |
4分音符 | 960 | 480 |
8分音符 | 480 | 240 |
16分音符 | 240 | 120 |
付点8分音符 | 360 | 180 |
8分三連 | 320 | 160 |
16分三連 | 160 | 80 |
32分音符 | 120 | 60 |
DAW | リストエディタ | 分解能 |
---|---|---|
Logic Pro | 有 | 1/960 |
Cubase Pro | 有 | 1/24~960 |
Digital Performer | 有 | 1/480〜2兆 |
Live | 無 | ? |
Protools | 有 | 1/960 |
StudioOne | 無 | 1/400程度 |
リストエディタを使えば音のタイミングや発音の長さなどを数値入力で管理できるのでとても便利ですが、最近のDAW、StudioOneとAbleton Liveなどにはリストエディタが搭載されていないので、ピアノロールで自分の感覚で調整する必要があります。
自分は几帳面だ!徹底的に数値で管理したい!という人にはオススメです。
ベロシティの数値の意味と音の違いについて
ベロシティは一般的に音の強弱を表すパラメーターです。1〜127の幅で1がもっとも弱く127がもっとも強い音が発生します。
英語本来の意味は強さではなく速さ(速度)という意味です。鍵盤や楽器を速く弾くことで音量的な意味合いが変化するわけです。
リアルなギター音源になると演奏の強弱別や奏法別に複数のサンプルを搭載しているものがあります。このサンプルを切り替えるのにベロシティを使う場合があります。
以下の画像のギター音源はOrange tree samplesというメーカーが制作しているものです。リアルで使いやすくセール時には最大60%で購入することが可能です。
Logic ProのSamplerという音源の中にあるAcoustic Steel Guitarなどはベロシティによって4段階の音が切り替えられるようになっています。
一つの音の中に多くのサンプルがあるということはそれだけ多くのメモリを使うということになります。リアルな音源であればあるほどサンプルの数は多くなる。このように捉えてもらっても大丈夫です。
ギターベロシティ入力方法について
ギターに限らずすべての打ち込みにおいてベロシティは大切です。強弱をつけることでより拍子の概念が感じやすくなります。またギターのように人の手が演奏する場合、同じベロシティで演奏することは不可能なので、強弱にある程度ばらつきをあたえることがリアルな打ち込みの基本と言えます。
では何を基準にベロシティを決めるのか?という話ですが、ポイントは拍子になります。4/4拍子はどういう強弱でできているか?これを知ることがベロシティ打ち込みのポイントです。
例えば4/4拍子では次のような強弱になります。
このベロシティはあくまでイメージ的なものであってテンポや曲のジャンル、音色にによっても変わってきます
見てわかるのは「強弱」の繰り返しになっているところです。3拍目が中強となっているのが4拍子の特徴でもしここが「強」だと2拍子になってしまいます。運動会などの入場で「イチ、ニー、イチ、ニー」と声をかけたことがあるかもしれませんが、あれが2拍子です。
これは1拍ずつの強弱ですが、これが8分音符になっても基本的な考え方は同じです。
ベロシティの設定が(音量的)であれば値が離れれば離れるほど両者の差ははっきしてきます。上記の数値はあくまで一つの目安ですが、基準にしながら自分の意図とする強弱の流れを探すとよいでしょう。
ちなみに、ベロシティがまったくない状態と両者を比べると次のようなサウンドになります。
強弱がついた方がメリハリがあると思いますが、音色やコンプなどのエフェクトによってそこまで効果が出にくい場合があります。
ベロシティの設定にハマってしまうと一日中いじってしまうことがあります(体験談)
しかしその割に効果は限定的なので、音にメリハリをつけるという視点で考えある程度はテンプレ化してもよい場合があるので色々と試してみて自分に最適のベロシティ設定を見つけるのが打ち込みのコツと言えます。
ギター打ち込みベロシティを扱う前に注意したいとこと
まずこちらをお聞きください。
コードをじゃらんと鳴らす「ストローク奏法」です。 (後でより詳しく解説します)
現状でベロシティは一定です。発音タイミングを遅らせるだけでもギターらしさはでてきます。ギターのストロークは発音タイミングが大事なのがよくわかりますね。さてではここで1番低い音から順に強くしていくものと
弱くしていくものの2つを聴き比べてみます。
ずいぶん印象が違って聞こえると思いますが、大切なのはここでこの2つの違いをどう感じたか?です・
私は高音域を強くした一回目は低音を強調した2回目より軽く聞こえる印象があります。なぜならば低音が多ければおおいほど音は重くなる傾向にあるからです。
ここに演奏目的の違いを演出できます。つまり「軽い感じの曲にしたいのであるならば」高音域を強くして軽さを演出「どんどん突き進んでいく」のであれば低音を強調楽曲のなかに「軽さを表現したいのか重さを表現したいのか」でベロシティの値を変更することでその意図を表すことがえきます。
コードストロークではこのような解釈ができると思います。
ただ実際の演奏ですと、常に高音を意識した演奏をするのは難しい部分があります。アップストロークとダウンストロークでまた変わってもきます。打ち込みにおいて一般的にどちらが多いか?と言われると前者だと思います。
なぜならはギターという音源をいかにキレイに響かせるのであればより高音域が強調された方が響きとしてはわかりやすさがあります。もちろんこれらは音源によって変わりますが、例えばギターでローカットを入れる理由は低音の濁りが原因です。
それを考えるとやはりベロシティで高音域を活かす方がよりギターらしさにつながると思います。
ソロの場合
リズムにおけるベロシティの考えは強弱中弱のビートを感じることができることを前提されています。8beatの場合
100 80 90 80
こうすることで表と裏の違いを確認することで拍の意識がはっきりします。そして拍を感じるということは音の進行していくという印象を与えられます。
表現的には「グイグイ前に行く!」といった感じです。メロディ(ソロ)を打ち込むときも前に進んでいくことを前提とするならば100 80 90 80という流れをつけたうえで上昇していくメロディはならばベロシティも上がっていく
下降するならばベロシティは下がる。
と覚えてもらって大丈夫です。ポイントはメロディはなめらかに上下するということ歌ってみるとわかるのですが、裏と表がベロシティの差がありすぎると動きがギクシャクするのでベロシティの変化も当然なめらかであることが望ましいです。
ギター奏法の種類と打ち込み方法について
ギターにはピアノにない独特の奏法があります。その奏法はただ譜面を打ち込めばよいという話ではありません。奏法をMIDIでどれだけ再現できるかがポイントになります。
ここでは奏法による打ち込み方法について解説します。
ダウンピッキング、アップピッキング
ピックを使ってギター弾く場合、ダウンピッキングとアップピッキングが基本になります。
6弦から1弦に向かってピックを振り下ろす奏法
1弦から6弦に向かってピックを振り上げる奏法
ダウンピッキングとアップピッキングを打ち込む場合の注意点は発音するタイミングとベロシティの強さです。
ダウンピッキングは低い弦から順番に発音するため、高い弦にいくほど音の発音が遅くなります。逆にアップピッキングは高い弦が最初に発音するため低い弦(6弦)が発音するまでに時間の差が発生します。
またジャンルや奏法にもよりますが、基本的にはダウンとアップは交互に出てきます。拍子の頭はダウンピッキング、拍子の裏はアップピッキングと思っても大丈夫です。
このような奏法の場合、何も調整せずに打ち込むと次のようになります。
それらしく感じるかもしれませんが、発音タイミングとベロシティを調整すると次のようになります。
後者の方がほどよく音がバラけているのがわかると思います。もしこの時点でわからなくても大丈夫です。10フレーズ程度でも打ち込んでいればベタ打ち(無調整)の打ち込みとの差はわかってきます。
このように発音のタイミングとベロシティを細かく調整することでギターのニュアンスを作り出せます。
ではこのデータの具体的な数値です。(開始小節が3小節目なので3から始まっています)
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3 1 1 100 90 E4 0 0 3 140 | 3 2 1 40 80 E4 0 0 1 193 | 3 2 3 1 120 E4 0 0 3 232 | 3 3 3 1 100 E4 0 0 1 232 | 3 4 1 50 80 E4 0 0 1 183 | 3 4 3 1 115 E4 0 0 1 232 | |
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3 1 1 80 95 B3 0 0 3 160 | 3 2 1 30 85 B3 0 0 1 203 | 3 2 3 10 115 B3 0 0 3 223 | 3 3 3 10 95 B3 0 0 1 223 | 3 4 1 40 85 B3 0 0 1 193 | 3 4 3 10 110 B3 0 0 1 223 | |
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3 1 1 60 100 G♯3 0 0 3 181 | 3 2 1 20 90 G♯3 0 0 1 213 | 3 2 3 20 110 G♯3 0 0 3 213 | 3 3 3 20 90 G♯3 0 0 1 213 | 3 4 1 30 90 G♯3 0 0 1 203 | 3 4 3 20 105 G♯3 0 0 1 213 | |
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3.1.1.40 110 E3 0 0 3 201 | 3 2 1 10 100 E3 0 0 1 223 | 3 2 3 30 105 E3 0 0 3 203 | 3 3 3 30 85 E3 0 0 1 203 | 3 4 1 20 100 E3 0 0 1 213 | 3 4 3 30 100 E3 0 0 1 203 | |
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3.1.1.20 115 B2 0 0 3 221 | 3 2 1 1 86 B2 0 0 1 232 | 3 2 3 40 100 B2 0 0 3 193 | 3 3 3 40 60 B2 0 0 1 193 | 3 4 1 10 90 B2 0 0 1 223 | 3 4 3 40 75 B2 0 0 1 193 | |
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3.1.1.1 120 E2 0 2 3 186 | 3 4 1 1 85 E2 0 0 1 232 | 3 4 3 50 55 E2 0 0 1 183 | ||||
最初の赤い数値がタイミングで青がベロシティです。
一番低い音が1となっているのはギターを6弦から弾いていく形をシミュレーションした結果です。
本来はデュレーション(音の長さ)までこだわるべきですが、今回のようなストロークの場合は音がバラけたタイイングとその時のベロシティに注目しながら打ち込む方がよりらしさを作ることができます。
ハンマリングオン/プリングオフ
ギターの中でよく使われる奏法の一つがハンマリングオン/プリングオフです。両者の違いは次の通りです。
右手を使わずに左指で弦を指板に押し付けて演奏する方法
1音〜3音程度上の音へむけてのアプロー弦を超えて下の音に移動する場合もある
右手を使わずに左指で押さえつけていた弦を離すことで発音させる演奏奏法
1音〜3音程度下の音へ向けてのアプローチ
共通する考え方としてどちらも次の音のアタック音(ピッキング)をなくしなめらかにつないでいくということが目的です。
これらを打ち込むときは基本ピッチベンドデータを入力します。ピッチベンドとは任意の音程幅をスムーズに移動させる機能です。
例えば次のようなギターフレーズをを打ち込む場合
ピアノロールで楽譜のまま打ち込むと次のようになります。
これだとギターらしいニュアンスはありません。
ハンマリングとプリング・オフを打ち込む場合はピッチベンドデータで音程を変えるのがポイントになります。
単音のフレーズであればギターの音色をモノモードにすることでハンマリングオンとプリングオフはピッチベンドデータを駆使しなくても打ち込むことが可能です。
モノモードとは同時発音数が1音だけなので、C4が発音されている間にD4の音が入力されるとC4の音が発音しなくなるというものです。
Logic ProのSamplerという音源ではDetailsからModeを選択し、Mono及びLegatoにすることでモノモードになります。LegatoとMonoモードの違いはLegatoは発音している次の音のアタック音を発音させない方法なのでハンマリング・オンプリングオフを打ち込む場合はLegatoモードの方がよいでしょう。
ただし、Legatoモードの場合は当然和音がでないことに注意する必要があります。
和音(コード)とメロディを同時にコントロールしたい場合はやはりピッチベンドで調整するほうが結果的に楽です。
チョーキング
ギターらしさといえばチョーキングです。演奏時に弦をを上にあげることでピッチをなめらかに変化させることができる奏法です。
チョーキングの種類は5種類基本はよく使われるのは1音チョーキングですが
名前 | 表記 | 音程変化幅 |
---|---|---|
1音半チョーキング | 1H.C(1H.D) | 1音半 |
1音チョーキング | C、Cho、 | 1音 |
ハーフチョーキング | H.C | 半音 |
クォーターチョーキング | Q.C | 1/4音 |
チョークアップ(チョーキングした状態でのピッキング | 1音〜半音 |
チョーキングは1音上げる(下げる)のが基本ですが、1音半の移動のチョーキングや、半音移動のハーフチョーキングやクォーターチョーキング(半音の半音)などがあります。
この譜面をピアノロールに打ち込むと次のようになります。
チョーキングを打ち込む場合はチョーキング前の音を基本にし必要に応じてピッチベンド情報を入力する必要があります。
ここではハンマリングオンプリング・オフの箇所でもありましたが、1音半チョーキングを再現するためにピッチベンド幅は通常の1音(CからD)ではなくCからE♭に変更しています。
チョーキングとは和製英語なので世界では通用しません。英語圏では「Bending」と呼びます。シンセサイザーのピッチベンドで音程を変わるのとギターの「Bending」は同じ意味なのです!
ビブラート
ギターらしい演奏方法といえばビブラートです。打ち込みについては2通りの方法があります。1つはLFOを使ったビブラート、もう一つはピッチベンドを使ったビブラートです。
表記は主に波線にvibと書かれていることが多いです。
両者の違いは次の通りです。
LFO
- 一定の周期でビブラートがかかる
- 表現は方法は画一的
ピッチベンド
- 任意の設定でビブラートを調整
- ビブラートの深さなどを自由に変えられる
LFOというのはシンセサイザーの機能の一つオシレーターを揺らすことができる機能です。これをギターに使うことで擬似的なビブラートを表現できるというわけです。ビブラートの多くはモジュレーションホイールにアサインされていることが多いですが、自分で設定することも可能です。
モジュレーションホイールを動かしたときにかかるLFOはMIDIコントロールチェンジ01でかかり具合をコントロールできます。
「表現が画一的…なんかLFOビブラートはあんまり使っちゃだめな感じ?」と思うかもしれませんがそうではありません。
ポイントとしては優しく安定した揺れを与えたい場合はLFO、揺れをより表現のツールとして使いたい場合はピッチベンド、このような使い分けがよいと思いますが、ギターらしいビブラートはどちらかと言われるとピッチベンドによるビブラートの方が細かいニュアンスを作り出せるので積極的に覚えて使いたいのはピッチベンドです。
ギター打ち込みMIDIの落とし穴
さて、単音であればビブラートはピッチベンドであっても、モジュレーションホイールによるLFOでも特に問題はありません。しかし、ギターは同時に6音を鳴らすことができる楽器です。
例えば低い弦をベースに見立てて、高音の弦を伴奏やメロディに使う場合などもあります。
この場合、ドとミの音が一小節鳴り続けています。ハンマリングプリングオフはピッチベンドで打ち込むことになるので先程のデータを参考にするとこのようなピッチベンドになると考えると思います。
しかし、演奏ではC3とE3の音が伸びているわけなのでデータ的には次のようになります。
この状態で演奏データを再生すると次のようになります。
上がってほしくないところまでピッチベンドデータが反映されているのがわかります。
このことから、ピッチベンドやモジュレーションホイールといったMIDIデータは1音だけに反映されるのではなくトラックの音すべてに反映されるということです。
つまり6音の中の1音だけにハンマリングやビブラートをかけるというのは仕様的に無理なのです。
では1音だけビブラートやチョーキング等の処理をしたい場合はどうするのか?というと必要な弦の数だけMIDIトラックを物理的に分けることで解決します。
ここではベースとなるC3のトラック(紫)D3にハンマリングが入りE3になる二番目の音をピンク、残りのフレーズを水色とにわけていますこのようにすべての弦を独立させることでMIDI情報を細かく設定することができます。
打ち込みとしてはかなりめんどくさい部類に入りますが、この辺りを理解できるようになるとDAW付属のギターの音源であってもかなりリアルに打ち込むことが可能です。
「?同じ音ならばべつに同じ音を2回連続打ち込めばがいいのでは?」と思うかもしれませんが、微妙なピッチのズレやそこからチョーキングやハンマリングオフという奏法でフレーズを発展させる場合があります。
なのでピアノを打ち込むように同じデータを二度打ち込めばよいという話ではありません弦が違えば音色も変わってくるということを覚えておくとよいでしょう。
スライド
同じ弦上(フレット)を移動(上下可)します。このとき、ハンマリングは弦を叩いてその音に到達するのに対してスライドは文字通り弦の上を滑りながら移動することで連続した音程の変化が特徴です。
音程の幅は特に決まっていませんが、ダイナミックに聴かせたい場合は音程を広く取ることが多いです
Logic ProのSamplerでは以下の画像の場所からピッチベンド幅を変更できます。
スライドの打ち込みは主に次の2つです。
ピッチベンド
- なめらかな音の変化
- 音の変化としてはおかしい
音階データ入力
- 段階的な音の変化
- 音の変化はとしては普通
スライド奏法はギターの打ち込みの中でもわざとらしく(いかにも打ち込みました的な)なってしまう奏法の一つです。その理由はピッチベンドで打ち込んだ場合、音程は変わっても再生しているサンプルが変わるわけではないからです。
まずピッチベンドとはサンプルを指定した音程に変化できる機能です。たとえばベンド幅が2音の場合、C4(ド)の音をD4(レ)に変化させます。しかし、音程がD4に変わってその音はC4の音を無理やり音程を機械的に上下させているのでどうしてもその変化は不自然に感じます。
そのためMIDIデータで音程入力をする方が良い意味でスライドの雑なニュアンスが出せる場合があります。
音の違いは次のようになります。
MIDIデータでスライドを表現する場合はスライドにあたるMIDIデータのベロシティ等をかなり低くして音と音の間に溶け込ませるようにするのがポイントになります。
有料のギター音源はすべての弦とフレットの音をサンプリングしてキースイッチで音を変化させることができ、スライドデータなども最初から演奏したものが入っていたりするものもあります。
グリッサンド
グリッサンドはスライドと似ていますが、違いは次の通りです。
グリッサンド
- スタート・ゴールが不明確
- 楽譜では書ききれいないニュアンスがある
- グリッサンドのゴールは音を弱く
スライド
- スタート・ゴールが決まっている
- 明確に音程幅が決まっている
- 音のゴールは明確に次の音を出す
以下の楽譜の場合は音に向かって上に線が伸びているのでその音より下の音からグリッサンドするということになります。
ピアノにもグリッサンドはあります。ピアノの場合は完全に1つ1つの音が連続で発音するわけですが、ギターはフレットを滑らせることで音の継ぎ目がありません。そのためスライドのときのようなMIDIデータを入力する形はあまり適してはいません。再現方法としてはピッチベンドが最適です。
グリッサンドは決まった音の動きというよりはニュアンス的な意味が強い奏法です。そのためゴールとスタートの音はどちらかというとぼやかすように打ち込む方が自然な結果になることが多いです。
これは人それぞれのやり方ですが、私はグリッサンドの場合でもピッチベンドの手前に少しだけ短いデータをおくようにしいてます。画像ではタイミングががバラけていますが揃えてしまっても大丈夫だと思います。この目的はノイズ的な成分で音の出だしをぼやかすことです。
また、グリッサンドを打ち込む場合、どのタイミングからどのくらいの長さでグリッサンドするかが大切です。楽譜では3小節目からグリッサンドのマークがあったからそこからグリッサンドするのでは遅くなってしまいます。上記の楽譜ではグリッサンドの到達タイミングは3小節目になっていますが、MIDIデータは3小節手前から入力されているのがわかると思います。
動画で確認すると次のようになります。
また一番最後は定番的なグリスダウンになります。打ち込みのポイントは音の最後を弱くしている点にあります。ここではボリュームを調整してそのニュアンスを再現してみました。
トリル
トリルはハンマリングとプリング・オフを素早く繰り返す奏法です。2音から3音の幅で繰り返すことが多いです。
(下記の楽譜でいえばA,Bラとシを繰り返すことを意味します)
ハンマリングプリング・オフの繰り返しなので、2音目の音のアタック音は発音されないのが特徴です。その音を意図する長さまで繰り返すわけです。
トリルの打ち込みは下記の2つの方法があります。
Legatoモード(打ち込むのが楽)
ピッチベンド(打ち込むのがめんどくさい)
個人的にはトリルはLegatoモードで打ち込むのがオススメです。下記動画はLegatoモードで打ち込んでいます。
モノモードは1音しか鳴らせない発音システムのこと、昔のアナログシンセはほとんどがモノモード。このモノモードをなめらかに演奏させることができるのがLegatoモード。ちなみに複数の音を鳴らせる発音システムのことをポリモードといいます。
トリルを打ち込む場合に注意したいのはトリルがどこから始まるか?ということです。これは曲を聴いて自分が表現したい場所を見つけていくのがよいですが、味のあるトリルとしては音が発音してからしばらくしてトリルを開始する方がらしく聞こえます。
トリルを打ち込む場合動画後半のように音をぶつ切りにして打ち込むのはやめましょう。かりにモノモードであっても発音するすべてのアタックが発音してしまうとトリルにはなりません。
伸びている音に対して次の音をハンマリング・オンさせすぐにプリング・オフさせるのがポイントです。
ポリモードからモノモードへの変更方法はハンマリングのときと同じくDetalisから選択しますよ。
LegatoモードとPolyモードを切り替えられると便利なのですが、Logic Pro Samplerにはその機能がない(発見できない)ためトラックを分けて打ち込むのが最良の方法となります。
ミュート
パームミュート(ブリッジミュート)とは右手の腹を弦の上にあてて音を短く発音させる奏法です。
この奏法の打ち込みは次の二種類が一般的です。
音色を分ける
- トラックを分ける必要がある
- 音が統一しない可能性
キースイッチ対応音源を使う
- 一つのトラック内で完結できる
- サスティンとミュートの音色に統一性がある
プリセット名に「Guitar-mute」的な名前があればそれがパームミュートです。サスティン(音が伸びている)のギターとミュートのギターはDAW音源では別々になっているパターンが多くあります。その場合それらを組み合わせて打ち込みます。またDAWの中に一つのギター音色の中にサスティンとミュートを切り替えられるタイプの音色があります。
Logic Proの場合Samplerの次の3つのギター音源が一つの音色の中でサスティンとミュートを切り替えられます
- Vintage Strat(モジュレーションホイールでの切り替え)
- Warm Electric(モジュレーションホイールでの切り替え)
- sunburst PowerChord(鍵盤上にサスティンとミュートが設定されている)
Warm Electricを例にして説明します。ミュート奏法への切り替えはモジュレーションデータを127で打ち込みます。
(下のオレンジの線がそれです)
Vintage StratとWarm Electricはモジュレーションを使ってミュートとサスティンを切り替える分けですが、モジュレーションに最初からアサインされているLFOも効果も一緒に動いてしまうため、ミュートに切り替えたとき音が揺れてしまうことになります。
この場合はMOD MATRIXの赤丸で囲った電源ボタンをクリックしてオフにするとLFOのみをオフにできます。
ブラッシング
ブラッシングは左手を弦に軽く触れた状態で演奏することでパーカッシブ(音が短い)な奏法のことを言います。単音でも使われますが、主にコードカッティングの1部分として捉えた方が馴染みやすいです。ギターは音の長さでノリをコントロールする代表的な楽器なので、リアルな打ち込みにはブラッシングはかかせません。
ブラッシングの表記は音符に✕印がつけられていることが多いです。打ち込みの場合それらを再現するにはサスティンの音色を短くすること対応します。しかし一つ注意したいのはそのブラッシングの長さがすべて均一になると機械的な演奏になります。
ベロシティの幅は曲のテンポによってコントロールするのがベターです。基本、拍の頭は強めに弾く方がよいですが、それ以外は強弱中弱を繰り返すイメージで打ち込みます。それよりも、ブラッシングは長さとタイミングの方が重要だと私は考えます。タイミングをバラけさせることで音楽的な意味で「チャッ」という音を短く切った音を作れるかでブラッシングの打ち込みのクオリティが決まると思っています。
前半はブラッシングの長さを一定にしたもの、後半はブラッシングの長さを適度に変更したものです。
ギターの打ち込みに限ったことではありませんが、打ち込む場合はそのフレーズを歌うことでより深く理解することができます。
歌うときにはリズムのアクセントを意識するのがポイントです。例えば、上記のカッティングは
- タとツは16分音符
- タと「ー」は16分音符2つ分になるので8分音符
これをグリッドに当てはめると次のようになります。
1 | 2 | 3 | 4 | ||||||||||||
タ | ー | ツ | ツ | ツ | タ | ー | ツ | ツ | タ | ツ | ツ | タ | ー | ツ | ツ |
上記のデータを数値化すると以下のようになります。細かくする基準はもっとも効果的な部分の差をはっきりさせてやること
この辺りは曲の聞き込みと打ち込みの数をこなすことで誰でも鍛えることが可能です。
数値でみると次のようになります。
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3 1 1 25 110 G4 0 0 1 215 | 3 1 3 1 35 G4 0 0 1 0 | 3 1 4 10 70 G4 0 0 0 41 | 3 2 1 25 109 G4 0 0 0 29 | 3 2 2 1 91 G4 0 0 1 228 | 3 2 4 1 70 G4 0 0 0 59 | 3 3 1 15 80 G4 0 0 0 15 | 3 3 2 1 119 G4 0 0 0 226 | 3 3 3 15 80 G4 0 0 0 15 | 3 3 4 1 70 G4 0 0 0 41 | 3 4 1 25 105 G4 0 0 1 215 | 3 4 3 20 70 G4 0 0 0 40 | 3 4 4 1 80 G4 0 0 0 40 | |||
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3 1 1 15 90 D♯4 0 0 1 225 | 3 1 3 1 35 D♯4 0 0 1 0 | 3 1 4 15 70 D♯4 0 0 0 41 | 3 2 1 20 90 D♯4 0 0 0 29 | 3 2 2 10 91 ♯4 0 0 1 228 | 3 2 4 25 70 D♯4 0 0 0 59 | 3 3 1 10 80 D♯4 0 0 0 17 | 3 3 2 1 96 D♯4 0 0 0 226 | 3 3 3 10 80 D♯4 0 0 0 17 | 3 3 4 10 70 D♯4 0 0 0 41 | 3 4 1 15 90 D♯4 0 0 1 225 | 3 4 3 15 70 D♯4 0 0 0 40 | 3 4 4 20 60 D♯4 0 0 0 40 | |||
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3 1 1 10 70 G♯3 0 0 1 230 | 3 1 3 1 35 G♯3 0 0 1 0 | 3 1 4 20 50 G♯3 0 0 0 41 | 3 2 1 15 70 G♯3 0 0 0 39 | 3 2 2 20 71 G♯3 0 0 1 228 | 3 2 4 30 50 G♯3 0 0 0 59 | 3 3 1 5 60 G♯3 0 0 0 20 | 3 3 2 1 76 G♯3 0 0 0 226 | 3 3 3 5 60 G♯3 0 0 0 20 | 3 3 4 20 50 G♯3 0 0 0 41 | 3 4 1 9 70 G♯3 0 0 1 230 | 3 4 3 5 50 G♯3 0 0 0 40 | 3 4 4 30 80 G♯3 0 0 0 40 | |||
開始位置 ベロシティ 音程 長さ | 3 1 1 1 70 F3 0 0 2 0 | 3 1 3 1 35 F3 0 0 1 0 | 3 1 4 40 50 F3 0 0 0 53 | 3 2 1 1 70 F3 0 0 0 49 | 3 2 2 30 71 F3 0 0 1 210 | 3 2 4 40 50 F3 0 0 0 71 | 3 3 1 1 60 F3 0 0 0 18 | 3 3 2 1 76 F3 0 0 0 226 | 3 3 3 1 60 F3 0 0 0 18 | 3 3 4 25 50 F3 0 0 0 41 | 3 4 1 1 70 F3 0 0 2 0 | 3 4 3 1 50 F3 0 0 0 40 | 4 4 4 45 60 F3 0 0 0 40 | |||
大切なのはどこが効果的でどこが効果的でないかを考えながら打ち込むことです。そうすることで「この部分はそれほど時間をさかなくても大丈夫!」というラインが見えるようになってきます。
ギターのブリッジミュートとは和製英語なので世界では通用しません。正しくはマッフルストローク、マッフルノート
キン肉マンの技の名前みたいですね(歳がばれる)
トレモロピッキング
同じ音を連続で弾き続ける奏法です。
最近はあまり使われることが減ってきている感じがありますが、高速ピッキングとしてギターソロで使われます。
打ち込み方法は同一音の連続ということで簡単そうに見えますが実はかなり難しいです。というのもDAWなどのギター音源は基本「同一音」の再生です。つまり同じ音を短い期間で連続で流し続けるとマシンガンのように聴こえることから「マシンガン効果」と言われたりもします。
このマシンガン効果を回避するためにはトラックを2つに分けます。一つはアタックタイムを少し遅くし、フィルターで音を削ったトラック、これが裏の音になります。こうすることで音に自然なコントラストが生まれよりらしさが生まれます。
下記の動画では最初はエディットしていない同じ音を連打しただけのもの、次に少しだけベロシティに抑揚をつけたもの、そして最後はトレモロに当たる音の裏の部分をトラックを分けた状態のものです。
まだまだ機械っぽさは残りますが、最後の方が連続しただけの音よりもより人間っぽさが出ています。トレモロピッキングはとにかく「同じ音だけど同じ音に感じさせない」という意識が大切です。
ピックスクラッチ
弦と平行にピックをこすりながら上行または下降するノイズ的な奏法です。
ここ20年でギター音源は目まぐるしく進化してきましたが唯一進化していないのがこのスクラッチです。
各メーカーのギター音源には数個のピックスクラッチサウンドが収録されているだけで、そのクオリティは正直進化といえるものがありません。こればかりは打ち込みではどうすることもできないので、ピックスクラッチが入ったサンプルを用意するしかありません。
Logic ProではSunburst Power Chordsという音色のF#5 E5 F5 D#5にアサインされています。ただこれも使いやすいかと言われるとそうではなくあくまで「入れておきました」程度のピックスクラッチです。ロックらしさを出すにはアンプシミュレータを使って歪ませるとそれらしい雰囲気になります。
ギターの音作りについて
イコライザーでの音作りについて
イコライザーで音を作るとき注意したいのはギターの音域です。
再度この表を見てください。一番低い音E2の周波数は82.4069Hz一番高い音は1174.6591Hzです。これをLogic Proのパラメトリックイコライザーで確認するとこのような幅になります。
この赤線の部分がギターの実音の範囲です。このように見ると思ったより狭い感じがしますね。
1174Hzより上は倍音の部分になりこの部分が音のきらびやかさや抜けの部分として表現される部分でもあります。
より倍音について詳しく知りたい!という方は以下の記事が参考になります。倍音になれると1Hzの音の違いも確認できるようになりますよ。
しかし抜けがほしいからと闇雲に倍音領域をプッシュするのはオススメできません。実音より倍音が増やしてしまうと音の芯が感じにくくなります。つまり音が痩せたように感じるようになってしまうからです。
歪ませすぎたギターを「音が細い」というのはこういうことが原因の一つです。
ギター打ち込みおけるイコライザーでの音作りは赤枠の範囲で音がなっていることを確認し、抜けがわるいと感じたら他の楽器のパートの音量を調整、また他の楽器のギターの周波数範囲を2dB程度カットすることで、音の太さを替えずに存在感があるギターサウンドになります。
歪みでの音作りについて
ギターの打ち込みテクニック同様に重要なのが音作りです。その中でも歪みによる音作りの幅は広くて奥が深いです。歪みの種類は色々とありますが、ざっくり分けると、クランチ、ディストーションをベースに考えます。
ギターを打ち込んだものに歪ませるときは、少しコツがあります。それはフィルター等で少しだけ高域を削ってやるということです。こうすることで混ざりのよい歪みサウンドを作ることができます。
しかし、まず音作りで重要なのはどんなアンプを使うかということよりも、そのギターの音がどういう音なのか?ということを知ることにあります。
ギターは基本ピックアップによって音の8割が決まると言っても過言ではありません。ピックアップ主に次の2つ
- シングルコイル
- ハムバッキング
シングルはストラトキャスター系に使われ、ベルサウンドと呼ばれる透き通るおうなクリーンサウンドや抜けの良いクランチ系を得意とします。
ハムバッキングの特徴は音の太さでありロック的なソロやカッティングを得意とします。
このギターのピックアップのサウンドの傾向を知らずに音作りをすると高い確率で「音作り迷子」になります。下記記事ではピックアップの音の違いについて詳しく説明しているので参考にしてみてください。
もっとクオリティの高いギタートラックを作りたい!!
この記事に書いてることを突き詰めれば打ち込み初心者であっても必ずクオリティの高いギター打ち込みが可能です。しかし、さらに高みを目指すのであれば、ぜひ生ギターを1台購入することをオススメします。これは安物でも大丈夫です。この記事を読んでから他示してから、ギターを触ったら改めて「ギターの打ち込みは奥が深い!」と感動を覚えます。
DAW付属のギター音源では限界があります。そこで必要になるのがギター音源ですが、どれがいいかわからない。という人のためにこちらの記事を用意しました。
難しいテクニックを使わずにギター音源を使った場合どうなるのか?という記事です。つまりどれが一番楽に打ち込めるか?という話でもあります。
まとめ
DTMギターの打ち込みの基礎的な部分について解説しました。ギター打ち込みは使っている音源によって同じアプローチをしても効果が発揮できない場合が多々あります。
今回紹介した奏法の打ち込みやその中で表記されている数値は絶対的なものではありません。あくまで「このような数値にするとこういう結果になる」というものです。
ここまで読み切った人はすごいです!DTMのギター打ち込みで迷っていた人からすると新しい発見があったかもしれません。それを少しずつ自分で試すことでギター打ち込みスキルは上達していきます。