バス(グルー)コンプの正しい使い方講座!これでミックスが3倍よくなる!

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コンプの使い方は奥が深く理解するのも難しいです。さらにコンプの中にはbus compressor(通称バスコンプ)と呼ばれるものがあったりするとDTM初心者にはさらに混乱が出てきます。

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普通のコンプレッサーとバスコンプって何か違うの?

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まとまり感をも求めたいときに使うのがバスコンプだよ!

結論から言うとバスコンプレッサー(通称バスコンプ)は厳密な意味でそういうものがあるのではなく、コンプをそのように使うというのがバスコンプの文脈であり、それらを正しく使うことでミックスのクオリティが上がります。

この記事では「具体的なバスコンプの使い方/数値設定」やバスにまとめる意味などについて詳しく解説しているので

コンプ自体が苦手な人でも参考にできるようになっています。

UG
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バスコンプレッサー(バスコンプ)とは

まずはじめにバスコンプとは何か?普通のコンプとはどう違うのかについて解説していきます。

バスコンプと普通のコンプの違いについて

まず、コンプレッサー(Comp)は、音楽制作やオーディオエンジニアリングにおいて、音のダイナミクス(音量の変動)を制御するためのツールです。音が一定の閾値を超えると、コンプレッサーはその音量を自動的に減少させます。これにより、音のピークを抑制し、全体の音量バランスを改善します。

一方、バスコンプ(Bus Comp)は、特定のグループのトラック(例えば、ドラムの全てのマイク、または全てのバックボーカル)またはミックス全体に適用されるコンプレッサーの一種です。バスコンプは、個々のトラックに適用される通常のコンプレッサーとは異なり、複数のトラックを一緒に「グループ化」し、それら全体のダイナミクスを制御します。

主な違いはその適用範囲です。通常のコンプレッサーは個々のトラックに適用され、そのトラックのダイナミクスを制御します。一方、バスコンプは複数のトラック(または全体のミックス)に適用され、それら全体のダイナミクスを制御します。

また、バスコンプはしばしば「グルー」効果を提供します。これは、異なるトラック間のコヒーレンスと一体感を高める効果で、全体のミックスがより統一感のある一つの音楽作品として聞こえるようにします。

バス・トラックとバスコンプの関係性について

バス(BUS)コンプとはバストラックに使うコンプレッサーのことです。基本的な動作方法は普通のコンプと変わりません。

基本的にはスレッショルドとゲインリダクションの関係性でコンプサウンドは決まります。スレッショルド?と思った人は以下の記事を参考にしてもらえれればコンプの使い方から理解できるので参考にしてみてください。

バスBUS) とはソフト音源やオーディオトラックなど複数のトラックをまとめて1つのトラックに送る先のチャンネルのことをバストラックといいます。

バスにかけるコンプはglue(グルー)効果と呼ばれるものが働き、全体的なまとまりがよくなり音に一体感(密着感)が生まれます。この効果が楽曲のクオリティアップに欠かせない要素の一つとしてバスコンプは重宝されています。

よくバストラックはドラムトラックに言及されがちですが、決してドラムトラックだけではなくまとまりを作りたいトラック全てに使っても大丈夫です。

ドラム バス・トラックのまとめ方

キック、スネア、ハイハット、タム、OH、Roomなど(パーカッション等をまとめる場合もある)

ストリングスのバス・トラックのまとめ方

バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスなど(管弦楽器すべてに同じことがいえます)

ギターのバス・トラックのまとめ方

ダブリングなど(クリーンと歪み系でわけた方が良い場合もある)

キーボードのバス・トラックのまとめ方

ピアノやオルガン、シンセベルなど、ジャンルによってはここにブラスやストリングスが入る

ボーカルのバス・トラックのまとめ方

ダブリングボーカル、コーラスなど

これら言ってしまえば普通のマルチ音源のプリセットを作っているのと感覚的には同じです。

しかし、「このドラム、キックの音量はいいけれど、スネアがでかすぎる!」「このストリングスは低音が少なすぎる」

といった不満を解決するためにそれぞれの音量や質感をカスタマイズしていると考えるとバス・トラックの役目はよりわかりやすくなります。

まとまり以外のバストラックメリットについて

バスチャンネル、バストラックなど複数の呼び名がありますが、ここではバストラックで統一します。

個々のトラックで揃えた音量バランスを1つのトラック(ステレオバストラック)にまとめることで全体のミックスがしやすくなるのとマスターアウトに送る量を調整できることです。

例えば、バスを使わずにすべてのトラックをステレオアウトに送るとレベルオーバーになり歪の原因になります。

こちらの画像はドラムトラックだけですが、バストラックを使わずにステレオアウトに送っているものです。おそらく多くのDTMerがこのやり方でミックスをしていると思います

ミックスが上手くいかないと思っている人はこのバストラックを作っていない可能性もあります。各サウンドごとにBUSを作ってそこでまとめることでパツパツなミックスから回避できる可能性もあります動画では、前半をバストラックなし後半をバストラックありにしています。

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少し見にくいかもしれませんが、上記の画像ではステレオアウトでは-1.6しか飽きがありません。この状態で他の楽器が入ってきたらレベルオーバーになります。

ドラムの送り先をステレオアウトではなくバストラック(BUS5)にまとめます。方法は各トラックのアウト先Logic ではSt Outと書かれたところをクリックして任意のバス・トラックを選ぶだけです。

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これで、ドラムのバス・トラックは完成です。

ステレオアウトの前にバストラックがドラム専用の2Mixされたものという考えです。

ドラムだけをまとめたボリュームフェーダーが作られ、その結果それを調整することでステレオアウトに送られる量も変化します。この場合では-7.5まで空きを作れています。

バストラックにまとめたことにで不必要な帯域が持ち上がることがあったり、まとめたトラックに対してもっとパワーを与えたいという様々な理由から、

EQやコンプなどのエフェクトプラグインを使って音を加工/調整することができます。

画像ではキック2トラックに対して1つのキック用バストラック、スネアも2トラックに対して1つのスネア用バストラック、タム類の3トラックをまとめたタム用のバストラック、残りOHやROOMにハイハットとキック、スネア、タムのバスをすべてまとめたDrumバストラックという複数のバストラックを使って音を作りますが、今回はすべてをドラムトラックにまとめています。

バスコンプの使い方 設定方法

通常のコンプでもバスに指すことで音をまとめるという意味ではバスコンプとして使えないことはありませんが、VCAコンプというタイプのコンプは一般的に「バスコンプ専用」的なイメージがあります。

とくにSSLのBus Compは「Glue」と呼ばれる背着剤的な効果により、ひとつひとつの音を上手くまとめてくれます。

なぜSSLのバスコンプがそこまで有名になったの?

SSLのミキサーSolid State Logic SL4000が1980年代世界中で多く使われました。そのミキサーにBUS COMPされ、多くのエンジニアがそのBUS COMPのソリッドな音質に注目し使用されたことで有名になりました。

BUSコンプの設定方法の目的はドラムの場合「パワー感」「後ひと押しのバランス統一」にあります。そのためには必要な設定は以下の通りです。

アタックタイム

もともと持っているトラックのアタック感を変化せないSlowな設定が好まれます。 トラックで作り上げたアタック感をBUSコンプを大きく変化させるのはよほどの目的がない限り避けた方が無難です。

レシオ

4:1では若干行き過ぎかもしれません、潰しすぎることでキックがが痩せてしまうケースがあります。 あくまでほんの僅かな圧縮を気持ち作る程度にとどめます。

リリースタイム

リリースタイムは速い状態から徐々に遅くしてい。音が潰れっぱなしも良くないですし、逆にすぐに戻ってしまうのも曲によっては合わない可能性があります。ほどよいリリースタイムは音の戻りが気持ち良いかどうかを感じるところがベターといえます。

リダクション

-3dB程度のリダクションを心がけます。この-3dBというのは音圧が半分に感じる数値なので、そこを目安にすることが1つの基準になっていると考えられます。

もちろんジャンルやテンポによっては変わってきますが、まずはここを基準に調整していくとやりやすいです。

バスコンプを効果的に使えるドラムミックスのコツ

バスコンプの結果をより効果的にするためには各トラックの音量バランスが重要です。コツとしては、キックを-10dBの出力に合わせること、他のドラムパーツはそのキックの音量を超えないことです。

キックを基準とすることで楽曲のアタック感のある低音を安定させビートに迫力でるようになります。

ドラムの場合はキックやスネアなどそれぞれにコンプをかけてサイドバスコンプを使うこともよくあります。しかしここで注意しておきたいのは、キックやスネア単体にコンプを使う場合でも、もともとの音がしっかりとなっているのがコンプを使う前提になります。

そのためにもキックやスネアの音作りはしっかりと行っておきたいところです。

音作りが決まったら使用するコンプですね。キックにオススメなのはVCAコンプです。

VCA-65ソリッドステートで原音忠実が特徴です。そのため、パラメーターの動きもわかりやすく、パツパツになりにくいことから、キックやベースなどナチュラルなコンプレッションを求められる音源に向いてます。

バスコンプ比較

動画では有名なバスコンプ3つを聴き比べしてみます。

ポイントはどれも音圧感が上がってもメーターはバスコンプをかけていないときより同じか少し小さいくらいということです。

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SSLのバスコンプをエミュレーションしたbx_townhouse Buss Compressor

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4基の「1979VCA」を搭載した正確無比なコンプレッサーVSC-2のエミュレーション。2段かけで使うとより良いサウンドになるためVSC-2を使う人はそのような使い方をする人が多いです。

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オプティカル・コンプレッサーとディスクリートClass-AコンプレッサーがセットのハイブリッドコンプレッサーShadow Hillのエミュレーション。

本来はマスタリング用途されていますが、音をまとめる力にも長けているのでバスコンプとして使う人も多いです。

最後は全部をONした状態です。BUSコンプは1つだけしか使ってはいけないというルールはなくレベルと確認のうえでいくつ使ってもいいです。またコンプでなくてもサチュレーション系でもGlue的な効果を得られる可能性があるので、テープエミュレーター系でもBUSコンプの役割を果たせます。

設定を深くかけるかにもよりますが、基本ビンテージコンプ(V-COMP)などの真空管サウンドは音を良い意味で汚せるのでパワフルな音になり、SSLのバスコンプなどはクリアに音がまとまる傾向として使われます。

今回紹介した他に、WAVESのAPI2500やV-COMPに本家のSSL BUS-COMPなどがあります。

次にSSLのBUS COMPとSOLID COMPを比較します。

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最近はV2が出て音質も機能もさらにグレードアップしています。以下の記事はSSL Native Channel strip2のレビュー記事ですが、途中でSSL Bus Compressor V2の音質もチェックできます。

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SSLのBUS COMPの方がトランジェントがしっかり残っているので音の速さを感じますが、SOLID COMPが決して悪いわけではなく、むしろSOLID COMPのサウンドを好む人も多いと思います。

個人的に選ぶおすすめバスコンプレッサー

上記は基本私が「良い!」と思うおすすめコンプですが、さらに厳選するとvertigo VSC-2を選択します。

VCAコンプレッサーのメルセデスと呼ばれるVSC-2コンプのかかり方がナチュラルで癖がないため、

バスコンプとしての使用から普通のコンプとしての使用まで幅広く使えるからです。

またコンプの二段がけというテクニックを使うことでよりしっかりとしたコンプレッションを得られることでも有名です。

DAW付属のコンプレッサーで「なんかイマイチだなー」と思うときは是非試してほしいコンプです。

vertigo VSC-2は機能制限なしの14日間のデモ期間もあるので気になる人はしっかりと試すことも可能です。

バスコンプにアウトボードを使う理由

プロのエンジニアやこサウンドに拘る人は実機(ハードウェア)アウトボードのコンプをバスコンプに使うケースがあります。

「ソフトウェアではダメなのか?」という疑問もあるとは思いますが、

現状どれだけソフトフェアが進化しても実機のすべての挙動をソフトで再現できるわけではありません。

ソフトは一番変化のわかりやすい部分を再現してるにすぎないからです。その音がハードでなければダメなのか、ソフトウェアでも可能なのかは作り手のこだわりの部分なので、どちらが正解ということはありません。ただやはり実機の方が音質に与える影響が大きいことから、拘る人はアウトボードを使う傾向にあります。

バスコンプは絶対必要?

結論からいうと絶対必要はではありません。まとめた段階で問題がないのであればそれでOKです。ただ何をもってOKとするかは目的に応じて変わります。ただ、バストラックにまとめたとは各パートが浮いてい聞こえる場合などはバスコンプをかけてバランスを取ることでよりまとまったドラムトラックや全体のパワーを上げることが可能になります。

また「Glue効果のないコンプはバスコンプに使ってはいけないの?」と思うかもしれませんがそんなことはありません。1176をバスコンプに使っても大丈夫です。しかしその場合コンプの特性をしっかりと理解したうで使わないと

効果は十分に発揮できないと考えるとよいでしょう。

まとめ

まとめると次のようになります。

  • バス(BUS)コンプとはバストラックに使うコンプレッサーのこと
  • BUSとはソフト音源やオーディオトラックなど複数のトラックをまとめて1つのトラックに送る先のチャンネルのこと バスコンプに代表されるのはVCAタイプのコンプですが、他のものを使ってはいけないということではない 効果的な設定はゲインリダクションが-3dB〜-6dBの間にすること

MIXになれていない人がいきなりバスコンプを使ったからと言ってミックスが急激によくなるわけではないですが、バストラックで音をまとめられるようになってくるとバスコンプによるミックスの向上が望めるようになります。

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