ドラムの打ち込みのコツはスネアの音色を理解することにある

「この曲かっこいいな」と思うロックな曲はとにかくスネアの音作りのクオリティが高いです。しかし、クオリティが高いドラム音源を使ったからと言ってそのスネアサウンドの意図を理解できていないとかっこいい曲のスネアにはなりません。スネアは楽曲のアクセントをつけるサウンドとしてもっとも重要です。想像してみてください。2拍と4拍でなっているスネアがめちゃくちゃかっこ悪い曲を…そんな曲を聞きたいですか?

クオリティの高いドラム音源を使う場合のポイントは奏法の種類を理解することです。そうすれば曲の中でその奏法に適したサウンドを選択できるので曲のクオリティがアップします。

私はBFD3をよく使いますが、その理由はスネアサウンドにhalf edgeサウンド入っているからです。ではこのhalf edgeとは何か?どうすればかっこいいロックな曲のスネアになるのかを見ていきたいとおもいます。

スネアの奏法による音色の違い

スネアは奏法によって音色も音の長さも変わってきます。つまりどんなサウンドで2拍目と4拍目のアクセントを作るのかというのは楽曲全体のアクセントを決めるのと同じなので音色決めは重要です。

まずスネアの奏法によるサウンドの違いを確認してみます。

Hit(スネアの真ん中を叩く)(一番ふくよかな音)

もっともオーソドックスな音色です。Aメロ、Bメロ、サビどこでも使える万能なスネアサウンドです。

 

Drag(引きずるように叩く)

スネアを擦ることでできる音色です。スネアで作るフィルの前に少しだけいれることでリアリティが出ます。アクセントというよりはアクセントに色付けする存在だと思ってください

 

Half Edge(真ん中とリムの間を叩く)Rimの次に抜けが良い音Half Edge

Half edgeとは

上記の通りスネアの真ん中とRimの間くらいをたたくことでRimよりになることでスネアの皮が張っている部分を叩くので音が固くなります。Hitより抜けが良くなります。なぜ、Half edgeを叩くと音が固くなるかというとのは倍音と大きく関係しています。

大太鼓や小太鼓、ティンパニなどのヘッドを有する打楽器は、中心から発生する第2倍音を消されてしまうために中心を叩くと豊かな響きが得られません。ティンパニはヘッドの半径1/3の部分が最も良い響きが得られるとされています。

http://music.animato-jp.net/baion.html

Hitとは違い、音が固くなるため抜けがよくなります。Aメロの2回目などで少し変化をもたせたい場合や、連続するスネアROLLなどで最後の方だけEdgeにすることでROLLに変化を与えられます。

 

Rim Shot(皮の部分と縁の部分を叩く)(一番ぬける音)

抜けが良いため、スネアの中でもっともアクセントが付けやすい音になります。どこでも使えますが、構成のメリハリを付けたいのであればサビにだけ使うことでよりサビ感を強調できます。

 

Side stick(真ん中とリムの間を叩く)

通常のスネアとは音色感が違うのでBメロなどで少し変化をつけたい場合などには特に有効です。またバラードのAメロなどでもよく使われます。

これもサビとの対比で考えるとどこに使えば効果的かが見えてきます。

Rim Stick(スネアの縁だけを叩く)

特殊な奏法で一般的にはあまり使われることはありません。

サンバなどではリムを叩いて演奏するパターンもあります。

Snareの打ち込むをするときのポイント

ドラムの音色を使う時はドラマーが演奏していて楽しくなる(ドラマーが飽きない)ことを意識するのがポイントになります。

スネアの材質の種類

スネアに使われている材質と音の傾向は次の3種類

  1. ウッドシェル                 あたたかい ふくよか
  2. メタル(スチール、ブラス、ブロンズ、アルミ) 明るい きらびやか
  3. その他(特殊素材)              

このような音の傾向がありますが、大切なのは「あたたかい ふくよか」「明るい きらびやか」などは「何と比べて?」という意識を持っておく必要があります。またふくよかという定義をどう捉えておくのも大切です。「ふくよか、あたたかい」という言葉は高音より中低音の方がイメージがあるのではないでしょうか?

しかしウッドシェルの小さいタイプのスネアとメタルシェルの大きいタイプのスネアでは「ふくよかさ」という点では大きいタイプのスネアの方がふくよかに感じるかもしれません。

言葉の意味を知ったからそのとおりに使うのではなく自分の求めている音と材質の音のイメージが合うかを常にすり合わせる癖をつけましょう。

スネアの大きさ

音の高さ(ピッチ)はスネアの大きさで決まります。スネアの大きさで音が変わるの?という人は下の楽器を比較してどちらが音が高いか確認すれば小さい楽器の方が高い音がでるというのがわかると思います。

チェロに比べてバイオリンマリンバに対してグロッケン(鉄琴)チューバに対してトランペットチューニングでもピッチは変わりますが、ギターでも無限にチューニングを高くしていくと最後は弦が切れてしまいます。それと同じでスネアもチューニングだけで無限にピッチをかえることはできません。

スネアのシャリシャリ感は材質の音ではない

スネアに詳しくない人からすれば高音域がシャリシャリした音をスネアの材質と思う人もいますが、あれは裏面についているスナッピーというもの音です。スナッピーとはスネアの裏面についているノイジーな高域サウンドを作り出しているパーツのことです。これがないとトントンという音にしかなりません。

材質で音の影響がするのはスネア全体の同鳴り(倍音部分)に影響します。BFD3のようなドラム専用音源になるとTOPとBOTTOM(スナッピー)とSIDE(同鳴り)を分けて収録されているのミックス次第で音は変わりますし、材質の音を活かしたスネアサウンドを作ることができます。

では次にBFD3を使ってスネアの音質について見ていきたいと思います。

スネアのチューニング

一般的にスネアの標準は大体次の通りです。BFD3のスネアもだほぼ14インチです。

サイズ:10インチ~14インチ

深さ :3インチ~6インチ1/2

標準といわれるサイズは14”×5

このサイズが一番スネアがタン!となる大きさでコレより小さいと(たぅーん)という感じで余韻が聞こえ始めます。逆に深さが5インチ未満だと「タカン!」と行った軽く抜ける音になります。そして14インチのスネアのチューニングは大体192hz〜264hz(G3〜C4)のピッチと言われています。

重たいスネアを作りたいなら重たいスネア(大きいスネア)を選ぶ方方が下手なEQをいじらない分スネアの音質はよいです。基本EQはしないでいいならしない方がよいのです。

闇雲に数値だけを覚えてLOWを足したいなら100hzみたいなことをするのではなくLOW成分が含まれているスネアを選ぶことが大切です。

EQ処理に言えることは無い袖(入っていない周波数)は振ってはいけない(EQであげてはいけない)この言葉をしっかりと意識しましょう。

スネアサウンドの作り方と改善方法

基音に対して倍音をどう補正するかという見方で考えます。Half Edgeの音をもう少し目立たせたい!という場合出てきた第二倍音を少しだけあげてやる(1〜2db)この程度でも存在感のある音を出せます。

注意すべきは倍音が実音つまり出ている音より大きくしすぎると基音のイメージが変わってしまうので、倍音を足し算でいじるときは気持ち程度で収めておく方がよいです。

中音域をがっつり削りたいという引き算で考える時はそこそこがっつり削ってもプラスよりは問題がありません。このあたりはトップエンジニア飛澤さんのミックスを見ることでわかる部分があると思います。

スネアサウンド作る時EQを使うことが多いですが、EQを使う理由は倍音のコントロールです。本来ならば音質(倍音)をコントロールするのはプレイヤーの力量とマイクのポジションです。逆に言えばよほど過度なEQ処理でない限りプレイヤーがEQ代わりになれるということでもあります。

EQを使うのは「出過ぎた倍音等をどう処理するか?」です。これがEQの使い方が引き算であるという理由です。

EQが足し算で使われる理由はその倍音をあくまで補うという形になりますが、むやみに足すことで「意図しない帯域がもちあがり音質が大きく変わってしまう」ので足しすぎは注意ということになると私は考えています。

さいごに

かっこいいロッな曲のスネアに大切なのはEQやコンプでもなく「曲にあったスネア(奏法)を選ぶ」です。重たいビートにしたいのに軽いスネアw選べがビートは軽い印象になります。楽曲アレンジによって全体の印象は変わります。だから、スネア一発で曲のすべてが変わるわけではありませんが、それでもスネアが楽曲のビートに大きく影響するのは間違いありません。

慣れてくればスネアの音が

重い-軽い

硬い-柔らかい

暗い-明るい

などの要素を聞き分けられますが慣れていないときはスペクトラムアナライザーをつかって周波数帯域を確認し、それらが奏法によってどんな倍音を変化するのかをしっかりチェックしていくとより楽曲にマッチしてスネアサウンドを選ぶことができるようになります。

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