ギュッと音が締まりながらも存在感があって使いやすくなおかつ6000円を切っているコンプはない?
いろんなコンプを使い始めるとそのキャラクターの違いが楽しくなり色々と触りたくなりますよね。でも基本はやっぱり「難しいのはイヤ」「安くて、音が良くて、安心して使える」プラグインがほしいのはプロ・アマ関係ない願望です。
今回紹介するModel5000もまさに「安くて、音が良くて、安心して使える」VST プラグインですが、安いという部分に関しては期間限定セール中のみ使える言葉かもしれませんので、記事を読んで気になった人は要チェックです!
Model5000とは?
Model5000は最近「安価でクオリティの高いコンプを制作」していることで注目され始めているTone Empireが制作した。VCAタイプのコンプレッサーです。
VCAタイプはバスコンプとして使いやすいのでバスチャンネルに纏めたドラムトラックなどにも有用です!
Tone EmpirのプラグインはこちらのOptoREDもおすすめです。ボーカル、ドラムのOHなど自然なコンプレッションが得られます。
OptoREDは光学式コンプを再現していることもあり、良い意味でぬるめのコンプでボーカルやストリングスなどレベルが変化しやすい素材に適したコンプでした。
今回のModel5000はAPIのコンプレッサー2500をエミュレーションしたものと思われます。
(実機は350,000弱)高い!
しかし、それが99ドルで再現、それも多くのプラグインデベロッパーが出したあとなわけですから、かなり期待が高まります!
Model5000の特徴
- アメリカンコンプレッサーと有名なブリティッシュ「コンソール」コンプレッサーをモデルにしたハイブリッドVCA
- ノックサーキットによるローエンドの重みが得られる
- TransX機能によりトランスカラーを得られる
- 最大8倍のオーバーサンプリング
ノックサーキットとTrans Xによる音質の変化はハマる人にはズバッと!ハマるサウンドです。太りすぎないしまったローエンドをイコライザーなしでかんたんに得られるのは魅力です。
またModel5000にはOptoREDにはないオーバーサンプリング機能が搭載されているのでよりクオリティの高いピークコントロールが可能です。
Model5000システム要求環境
Mac
- macOS High Sierra 10.13.6 or later (Catalina Supported – 64-bit only)
- VST3 / AU / AAX (64-bit host required)
- AMD Ryzen or equivalent
- 2 GB RAM / 300 MB HD Required
- Screen resolution: 1024×768
Windows
- Windows 10 (64-bit only)
- VST3 / AAX (64-bit host required)
- AMD Ryzen or equivalent
- 2 GB RAM / 300 MB HD
- Screen resolution: 1024×768
Important Note:
- This software is 64-bit compatible only and will not function on 32-bit systems.
- AAX format is not compatible with Catalina.
AAXではMacOS10.5では使えないということなのでPTをお使いの人は注意が必要です。
Model5000の使い方
Model5000は普通のコンプの使い方と同じです。「コンプの使い方がいまいちよくわからない」という人はスレッショルドでGR(メーターの針)が3〜6の間にいくようにすると圧縮されている質感を確認することが可能です。
使い方のポイントは、特徴の項目でもお話させてもらったノックサーキットとTransX機能になります。と言っても実際難しいことはなく、KNOCKは基本イコライザー的な音の変化なので、任意で周波数を選び、LIFTで調整するというシンプルな使い方になると思います。
また、TransXはオンとオフのこちらもシンプルなものでONにすることで第三倍音が付加されますが、ただそれだけとも思えないほどの音の変化で一度オンにしてしまうと
オフにしたとき物足りなさを感じてしまうほどです。
Model5000のメリット
マスタリングからバスミックスまで幅広く使える万能コンプ!
基本ナチュラルな音ですが、嫌味ではない程度の色付けが実に音楽的で非常に使いやすいコンプです。
カラッとしたサウンドで基本素材は選ばないと思いますが、個人的にはドラムのバスコンプには多用していきたい音質です。
豊富なプリセットが魅力!
プリセットが意味するところは人によって違うと思います。プロのエンジニアが設定した意図を読み取る人もいればすぐに使えるかっこいい音がほしいという人もいるでしょう。
Model5000のプリセットはなるほどと思わせるプリセットがバランス良く入っています。しかし、コンプに慣れていない人がこれらのプリセットを使うときは、
スレッショルドを調節しながらメーターの針が3〜6あたりにいくようにするとプリセットの効果が非常にわかりやすくなるのでオススメです。
WAVESのAPI2500との比較サウンド
基本パラメーターは同じにしてGRもほぼ同じにしています。
waves API2500の方がスネアに対する反応はよく「パコーン!!」という気持ちよいスネアにサウンドを提供してくれます。
一方でModel5000は全体的にほどよいコンプレッションでこちらの方が大人な感じがします。
どちらが良い悪いというわけではなくキャラクターの違い程度として使いやすい方を使うのがよいでしょう。
MODEL5000 CPU負荷
デメリットというわけではありませんが、オーバーサンプリングを8倍まで使うとかなり負荷になり、下手をするとDAWが落ちることがあります。
私のLogic Pro Xの環境では2回ほど落ちました。
今回のチェックではBFD3と併用しています。Model5000だけで言えばおよそ10〜20%の間になります。
マスタリングで使うときはCPUパワーを確保するためにもソフトシンセ等はオーディオ化またはフリーズ機能をするとよいでしょう。
CPU負荷計測環境
パソコン Macmini2018
CPU Corei7(i7-8700B)6コア HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz
メモリ 32GB
システム OS10.15.7 Catalina
Audio/IF APOGEE Symphony Ensemble
バッファー 256
DAW LogicPro10.6.3
48kHz/24bit
再生ストレージ HDD
まとめ
Model5000は
- アメリカンコンプレッサーと有名なブリティッシュ「コンソール」コンプレッサーをモデルにしたハイブリッドVCA
- ノックサーキットによるローエンドの重みが得られる
- TransX機能によりトランスカラーを得られる
- 最大8倍のオーバーサンプリング
これらの機能でアダルトでしっかりと落ち着いたコンプサウンドを聴かせれてくれるプラグインです。
音もさることながらGUIがとても美しいのでそれだけでもモチベーションが上がります。
今回はドラムだけでしたが、ギターのカッティングやベースのボトムエンドをしっかりと残したコンプサウンドも得意としています。
-
サチュレーション
Tone Empire TF-72a レビュー 驚異の音質とコストパフォーマンス!
-
チャンネルストリップ
Tone Empire Goliath V2レビュー アナログ感が気持ち良い作編曲向けプラグイン
-
テープエミュレーション
汚し系で終わらないTone Empire Reelight PROレビュー
-
コンプレッサー/リミッター
Tone Empire FireChildレビュー 伝説のコンプサウンドを再現
-
コンプレッサー/リミッター
OptoREDレビュー タイトな質感が癖になる光学式コンプ
-
コンプレッサー/リミッター
Model5000レビュー 世界が求めたVCAコンプの音を再現
コメント