この記事では各DAWが求めるPCスペックについてまとめています。
- Logic pro 10.7.4
- cubase 12
- Studio One 6
- Digital Performer11
- Protools2022
- FL studio20
- Bitwig Studio 4
DTMパソコン購入を考えるときにはDAWの必要スペックを参考にする人は多いですが、実は推奨スペックというのにはちょっと落とし穴があったりするので注意が必要です。
書かれているスペックより低い環境でもDAWは動作する場合がありますが安定動作は保証されていないとお考えください。
DAWの推奨スペックの意味について
メーカーでは推奨環境という言葉を使う場合と最低環境という言葉を使うケースがあります。しかし、何を持って推奨とするのかについては詳しい明記はありません。
またPCスペックは最低でも次の4つの項目を総合したものと言えるのではないかと個人的に思っています。
- CPU
- メモリ(量および転送速度)
- ストレージ
- グラボ
なのでCPUだけをみてPCスペックというのは少し偏った解釈になってしまう可能性が高いです。
また何を持って動くのかはユーザーのやりたいことによって意味合いが異なります。
例えば、プロジェクトのフォーマットが44.1kHz16bitなのか96kHz 32bit fで動かすのかによってCPU負荷は違います。そうなると使用できるエフェクトプラグインやソフト音源の数は変わってきます。
Logic Proではデモソングが用意されており、そのトラック数は139になります。
それらに大量のエフェクトプラグインが使用されその数は少なくてみても700以上になります。
このプロジェクトファイルですが、Mac mini2018のcore i7(3.2GHz 6コアX2)の環境で擬似的に、CPUデュアルにしてみた状態で再生させました。バッファは256でCPU負荷が最大で75%になりましたが音切れもなく再生できました。
なのでDAW推奨環境とは公式が公開しているデモソングを再生できるかどうかといのが目安の一つになります。
しかし、上記のプロジェクトファイルはすべてオーディオファイルになります。そもそもオーディオファイルはCPU負荷があまりかかりません。なので公式デモソングが再生できた=自分のやりたいことができると思うのは少し注意が必要です。
多くのユーザーはソフトシンセを多様する状態のCPU負荷が気になるところだと思います。
以前M1チップ、Mac mini2018(Intel core i7)、Xeonプロセッサー、の3つでCPU負荷の計測を行った結果はM1とIntel core i7での違いはそこまで大きくかけ離れてはいませんでした。
ただ、今後の開発アップデート環境で違いは出てくると思われます。
また、音源によってはメモリを多く使うもの、CPU負荷が高いものなどがあり、自分のやりたい音楽性によってよってはメモリやCPUスペックは大きく影響してくる部分でもあります。
Logic pro 10.7.5 推奨スペック
- macOS 12.0以降(Monterey)
- 最小構成のインストールには6GBのストレージ空き容量
- サウンドライブラリ全体のインストールには72GBのストレージ空き容量
Logic Remoteの最低システム条件
- iPad:iPadOS 14.0以降
- iPhone:iOS 14.0以降*
- iPod touch:iOS 14.0以降*
* Smart Control、サウンドライブラリの操作、スマートヘルプ、フルミキサー、プラグインコントロールへのアクセスにはiPadのみが対応
最新の10.7.5ではMontereyだけになりました。
CPUについて触れられていませんが、ネットで調べたところ以下の環境で動作されているのが確認しました。
- CPU → 1.6Ghz デュアルコア (Intel i5)
- メモリ → 8GB
- ストレージ → SSD256GB
MacbookAirのcore i3に関しては前世代のCore i5に匹敵するという声もあるので、使えないことはないと思います。またこちらの動画は2016年のcore i5 1.2GHzですが、
96kHzというハイレゾ環境でのレコーディングも問題なしに動いているので、最新のcore i3の環境がまったく使えない!とはならないと推測します。
Cubase12 推奨スペック
OS (Windows 64-bit) | Windows 10 Version 21H2 (以降), Windows 11 Version 21H2 (以降) |
OS (Mac) | macOS Big Sur, macOS Monterey M1Native App, Rosetta 2 App |
CPU (必須) (Windows) | Intel® Core™ i5 (第4世代) / AMD Ryzen™ |
CPU (必須) (Mac) | 4コア以上 |
RAM (必須) | 8GB |
ディスク空き容量 (core installation) | 1GB |
ディスク空き容(コンテンツ量) | 70GB |
ディスプレイ解像度 (必須) at 100% UI scaling | 1440 x 900 |
グラフィック minimum (Windows) | Windows 10 対応グラフィックボード |
グラフィック (右記以上推奨) (Windows) | AMD R, RX シリーズ以降, NVIDIA Series 700 以降 |
グラフィック (Mac) | Metal 対応グラフィックカード |
Graphics (GPU memory) | 4 GB 以上 (4K 使用時) |
OS 対応オーディオデバイス | ✓ |
ASIO 対応オーディオデバイス推奨 | ✓ |
インターネット環境 | インストーラーのダウンロード, ライセンスアクティベーション, ユーザー登録等 |
補足 | 32ビットプラグイン非対応。 Apple silicon Mac では VST 2 プラグインは Rosetta 2 でのみ動作。 Microsoft Basis Display Driver は非推奨。 |
cubaseの場合、必要なCPUスペックの最低環境がcore i5と明記されています。
StudioOne6 推奨スペック
OS (Windows 64-bit) | Windows® 10以降(64-bit) |
OS (Mac) | macOS® 10.14以降(64-bit) |
CPU (必須) (Windows) | Intel Core i3またはAMD® A10プロセッサー以上 |
CPU (必須) (Mac) | Intel® Core™ i3プロセッサー Appleシリコン(M1/M2チップ) |
RAM (必須) | 4GB RAM(8GB以上推奨) |
ディスク空き容量 (core installation) | 1GB〜2GB |
ディスク空き容(コンテンツ) | 40 GB |
ディスプレイ解像度 (必須) at 100% UI scaling | 1366 x 768解像度以上のディスプレイ(高DPI推奨) (High DPIディスプレイを推奨) |
グラフィック minimum (Windows) | Windows 10 対応グラフィックボード |
グラフィック (Mac) | Metal 対応グラフィックカード |
Graphics (GPU memory) | 4 GB 以上 (4K 使用時) |
OS 対応オーディオデバイス | ✓ |
ASIO 対応オーディオデバイス推奨 | ✓ |
インターネット環境 | インターネット接続(インストールとアクティベーションに必要) |
補足 |
StudioOneに関してはCPUスペックが Core i3からオッケーと鳴っています。さすが最新のプログラムで書かれただけあって低いCPUスペックで動作するようです。
Digital Performer11 推奨スペック
OS (Windows 64-bit) | Windows 10 (64 ビットのみ) |
OS (Mac) | macOS 10.13 “High Sierra” ~ macOS 11.2 “Big sur”以降 |
CPU (必須) (Windows) | Intel Core i3 プロセッサー以上/AMDマルチコア・プロセッサー |
CPU (必須) (Mac) | Intel Core i3 プロセッサー以上 Appleシリコン(M1/M2チップ) |
RAM (必須) | 8GB RAM |
ディスク空き容量 (core installation) | 1GB〜2GB |
ディスク空き容(コンテンツ) | 6GB |
ディスプレイ解像度 (必須) at 100% UI scaling | 1024×768 1280×1024以上推奨 |
グラフィック minimum (Windows) | Windows 10 対応グラフィックボード |
グラフィック (Mac) | Metal 対応グラフィックカード |
Graphics (GPU memory) | 4 GB 以上 (4K 使用時) |
OS 対応オーディオデバイス | ✓ |
ASIO 対応オーディオデバイス推奨 | ✓ |
インターネット環境 | インターネット接続(インストールとアクティベーションに必要) |
補足 |
ablton Live10 推奨スペック
OS (Windows 64-bit) | Windows 10(Build 1909以降)/Windows 11 |
OS (Mac) | macOS 10.13 “High Sierra” ~ macOS 12 “Monterey” |
CPU (必須) (Windows) | Intel® Core™ i5プロセッサー/AMDマルチコア・プロセッサー |
CPU (必須) (Mac) | Intel® Core™ i5プロセッサー Appleシリコン(M1/M2チップ) |
RAM (必須) | 8GB RAM |
ディスク空き容量 (core installation) | 1GB〜2GB |
ディスク空き容(コンテンツ) | 40 GBハードドライブ・スペース |
ディスプレイ解像度 (必須) at 100% UI scaling | 1280 × 800 |
グラフィック minimum (Windows) | Windows 10 対応グラフィックボード |
グラフィック (Mac) | Metal 対応グラフィックカード |
Graphics (GPU memory) | 4 GB 以上 (4K 使用時) |
OS 対応オーディオデバイス | ✓ |
ASIO 対応オーディオデバイス推奨 | ✓ |
インターネット環境 | インターネット接続(インストールとアクティベーションに必要) |
補足 |
驚くのはMac環境に至ってIntel Core 2Duoでも動作するとありますが、快適なDTMライフとは程遠いと考えられますので、
最低でもcore i5以上が推奨スペックと見るのが自然だと思われます。
Protools2022 推奨スペック
OS (Windows 64-bit) | Windows 10 または 11 (64 ビットの Home/Pro/Enterprise エディション) |
OS (Mac) | 10.14.6 (Mojave) 10.15.7 (Catalina) 11.6 (Big Sur) 12.3 (Monterey ) |
CPU (必須) (Windows) | Pro Tools Intro – 64-bit Intel® Core プロセッサ (i3/2 Ghz より早いものを推奨)。 Pro Tools Artist & Studio – Intel® Core i5 プロセッサ。 Pro Tools Ultimate/Flex – Intel® Core i9 または Intel® Xeon プロセッサ |
CPU (必須) (Mac) | Pro Tools Intro – M1、またはIntel® Core 2 Duo プロセッサー (Core i5より早いものを推奨) Pro Tools Artist & Studio – M1、Intel® Core i5プロセッサー。 Pro Tools Ultimate/Flex – M1、Intel® Core i5プロセッサー またはIntel® Core i7プロセッサー。 |
RAM (必須) | 16GB (Introは8GB) |
ディスク空き容量 (core installation) | 1GB〜2GB |
ディスク空き容(コンテンツ) | 15GB |
ディスプレイ解像度 (必須) at 100% UI scaling | 交換のあるNVIDIAグラフィックカード |
グラフィック minimum (Windows) | 1280 × 800 |
グラフィック (Mac) | Metal 対応グラフィックカード |
Graphics (GPU memory) | 4GB |
OS 対応オーディオデバイス | ✓ |
ASIO 対応オーディオデバイス推奨 | ✓ |
インターネット環境 | 必要 |
補足 | Windowsで4K/5Kモニターの使用は現時点でサポートなし |
ハイスペックを求められると思いがちなProtoolsですが、実は他のDAWと似たようなシステム環境で動きます。
FL studio20 推奨スペック
公式サイトには次のとおりに書かれていますがCPUに関する記述はありません。
- Microsoft Windows 8.1、10 以降(64ビット)
- macOS 10.13.6 以降
- 4GB 以上の空きストレージ
- 対応するオーディオインターフェイス
- XGA以上の解像度のディスプレイ (SXGA以上を推奨)
- インターネット接続環境
海外サイトredditではcore i5でも問題なく動いている。という話がありますし、他のサイトでも、core i5、2.7GHzのクアッドコアで問題ない!というレビューもよくみかけます。
実際「どこまでが問題なのか?」は使用しているプラグイン等にもよりますが、DTM初心者が金銭面から考えたときにcore i5は一つの選択肢に十分なりうるといえます。
Bitwig Studio 4 推奨スペック
OS (Windows 64-bit) | Windows 7 64-bit Windows 8 64-bit Windows 10 64-bit Windows 11 |
OS (Mac) | macOS 10.14 Mojave 〜 macOS 12 Monterey |
CPU (必須) (Windows) | Dual-core AMD または Intel CPU、またはより高速なもの (SSE4.1 対応) |
CPU (必須) (Mac) | 64-bit Intel または Apple Silicon CPU |
RAM (必須) | 4GB |
ディスク空き容量 (core installation) | 1GB〜2GB |
ディスク空き容(コンテンツ) | 12GB |
ディスプレイ解像度 (必須) at 100% UI scaling | 交換のあるNVIDIAグラフィックカード |
グラフィック minimum (Windows) | 1280 x 768 |
グラフィック (Mac) | Metal 対応グラフィックカード |
Graphics (GPU memory) | 4GB |
OS 対応オーディオデバイス | ✓ |
ASIO 対応オーディオデバイス推奨 | ✓ |
インターネット環境 | 必要 |
補足 | LINUX Flatpak がインストールされた最新のディストリビューション、またはUbuntu 20.04以上 64-bit dual-core 以上の x86 CPU(SSE4.1対応) |
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まとめ
推奨スペックとは〇〇ソフトシンセを10個使える。□□エフェクトプラグインが3つは立ち上がるというものを約束するものではありません。
メーカーから明確な答えは提示されていませんが、一つの見方として「公式のデモソングが無理なく再生」できるというところが推奨スペックとして捉える一つの方法のように思います。
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