CPUスペックでDTMパソコンを選ぶと失敗するその理由とは

DTM用のパソコンを選びたい!でもパソコンの種類が多すぎてどれを選べばいいかわからなくて悩んでいるDTMerは大勢います。買う買わない別で興味本位で「とりあえずいちばんええやつ」と思って、調べてみその値段にびっくりすることでしょうw

DTMをはじめようとパソコンを選ぶポイントはパソコンの処理能力か値段のどちらかだと思います。このパソコンの処理能力はCPUスペックの高さによって決まります。できれば処理能力(スペック)が高いパソコンを選びたい人が多いとは思います。なぜなら、処理能力が高ければDTMをストレスフリーにできるからです。

よく「DTMオススメパソコン選び」という記事にも必ずスペックのことについて書かれています。それ故に「スペックばかり」を重視しがちですが、しかし、処理能力が高い=値段が高いので思い切るかどうかで悩んでいる人は多いかもしれません

実はDTM初心者の場合この処理能力の高さが実はDTMパソコンを選ぶときの落とし穴です。この記事を読めば「えっ?そんなに高スペックなパソコンっていらないの?」というのがわかってもらえると思います。

今回のお話は基本Macのパソコンをベースに書かれていますがCPUやメモリの数値に関してはWindowsパソコンに置き換えても十分読んでいただかえる内容になっています。

この記事でまなべること

 

DTMを始めるのに高機能なマシンスペック(CPU)絶対に必要ではない

高機能ではないマシンであってもフリーズ機能や負荷分散ソフトを使えばストレスなく使える

高処理スペックDTMパソコン(MAC)とは?

高処理スペックDTMパソコンとはCPUのクロック数値が高くマルチコアCPUパソコンのことを意味します。クロック数値が高い方が(たくさん)処理できます。3.6GHzと2.6GHzでは3.6Ghzの方が速く答え出せると思ってください。

一昔前はこの数値をいかに高くするかというのが企業の命題的な位置づけになっていましたが、テクノロジー的な問題で数値は頭打ちになってしまいました。そこで数値をあげられないならコア数を増やしていけばよいと考え2コア 4コア 6コア 8コアと増えて多いものでは12コアなんてものもあります。1コアに3.6Ghzの頭の良い人が入っていてその部屋がいくつもある。というイメージでいいですよ。このコア数は同時に処理できる数です。

このコア数が多ければ多いほどパソコンの値段が高くなります。

 

こちらはcorei5とcorei7の違いで値段は22,000円の差です。数値的な意味でいうと400Mhzだけ上がった状態になります。今のパソコン事情で400Mhzクロックが上がったところで動作処理がどれくらい変わるかと言われたらほとんど変わりません。

初心者に限らずDTMでこの400MHzの恩恵を感じられることはないです。しかし、両方共4コアなのですが、corei7は仮想スレッドという機能が使えます。これはコアをバーチャル的につく出すことで8コアとして動きます。

当然、CPUの処理能力はコアが多いほうが同時に処理できるのでこのコアが多いほうが良い!というのが一般的な認識ですが、DTM業界はそう単純な話ではありません。

最新のimac2019ですが、

値段は同じですが、CPUが4コアから6コアへCPUも第7世代から第9世代へアップしています。しかし、オプションのCPUの値段が22,000円以上から倍の44,000円になっています。数値だけ見ると旧バージョンは4.2GHz2019imacは3.6GHzと下がっているように思いますが、ターボブーストというCPUをめっちゃ頑張らせたときの能力はimac2019の方が高速です。

しかしそれでも800MHzの差でしかありません。最近はCPUの分散処理が上がってきているとはいえ、DTMパソコンで迷っている人が最新のいっちゃんええやつCPUにするメリットはあまりありません。

なぜならば

差を比較できるパソコンを持っていないと厳密な意味でのCPUの速度の恩恵を感じることはできないからです。そう考えるともしImac2019を買うならば最低限のCPUモデルでも十分にストレスなく使えるでしょう。仮に2017imacを安く手に入れるならばかなりコストパフォーマンスのよいマシン選びが出来浮いたお金で音源を買い足すという選択肢も増えると思います。

DTMは思った以上にマルチコアの恩恵を受けられない?

私のパソコンは一昔前のパソコンではありますが、

  • Macpro2009
  • OS Sierra
  • CPU3.46ghz6コアX2
  • メモリ64GB

2020/01/10現在

  • Macmini 2018
  • OS Mojave
  • CPU 3.2 GHz Intel Core i7
  • メモリ 32GB
  • 使用DAW LogicProX10.4.7

という環境です。

CPUは6コアX2というスペックで12コアのハイパースレッディングという技術で事実上24コアで動いています。CPUクロックは3.46Ghzなので今のマシンとCPU速度だけで言えば引けを取りません。

一方MacMini2018は6コアハイパースレッディングで12コアで動きます。CPUスペックだけで見ると性能ダウンのようにも見えますが、実際のところSSDがより高速されていたり、メモリの転送速度も上がっているので、処理能力としてはあまり変わらなかったします。

そこで次のようなCPU負荷テストします。これは以前DAWの中で1番軽いのは?という記事で書いたテストなのですが、私が所持している音源のなかで1番CPUを処理する音源をいくつ立ち上げられるかというものです。appleが開発しているDAWのlogicはCPUのマルチスレッドの数を調整できるのでフルで24コアを動作させている状態と半分にした状態の12コアでどう変わるか見てみます。

5つのDAWを比較してわかったCPU使用率が1番軽いDAWはどれ?

24スレッド処理の場合

真ん中のCPU/HDと書いている部分を見てもらえればわかりますが、8本のメーターがしか上がっていません。ちなみに右端の一本はシングルCPUつまりマルチスレッドを使っていない状態です。つまり8コアしかスレッドを使い切っていないことを意味します。

12スレッド処理の場合

こちらも見ればわかりますが、4本スレッドがまったく動いていません。つまり8スレッドしか処理できていないことになります。使用するDAWや音源によって状態は変わる可能性もありますが、何倍もかわることはありません。(この処理をいかに効率よく使えるかがDAW開発の要であることは間違いありません)

1番CPUを使うwavesのElemetの「CPUkiller」はマルチスレッドの効果はありません。ちなみにこれを4コアまで落としてみたところ再生はできなくなりました。つまり現状でLogicは8コア以上を効率的に処理できるものではないことになります。さきほどのimacの選択でいうとcorei5とcorei7で言うとcorei7の方が扱える音源の数は増えます。

ただし、この音源が使えるというのはあくまでバーチャルアナログモデリングと呼ばれているソフトシンセのことです。バーチャルアナログシンセはパソコンの中で音自体を作り上げるタイプの音源です。つまりCPUを使って音を作り出していると思ってください。

それに対して、ストリングスやピアノをサンプリングして使う音源をサンプリング音源と呼びます。サンプリング音源はピアノやストリングスの録音した波形データをメモリに読み込んで使うタイプのものです。

厳密に言えばどちらもCPUとメモリを消費する部分もありますが、サンプリング音源がバーチャルアナログモデリング音源よりCPUをつかうことはありません。逆もまた同じです。

つまり一言でいうと

  • サンプリング音源=メモリを使う
  • バーチャルアナログモデリング音源=CPUを使う

メモリはテーブルの大きさ(引き出しの中から音源をたくさんテーブルの上に並べられる)CPUは処理能力(頭の中で想像したものを机の上の粘土を使って作り上げていく)ちなみに引き出しという言葉が出てきたので追加説明すると引き出しはHDDやSSDなどの入れ物を意味しています。こういう捉え方でOKです。

ちなみに多くのDAWに内蔵されている音源はバーチャルアナログ音源とサンプリング音源の二種類が内蔵されています。しかし付属のバーチャル音源のCPU負荷はそれほど重くないので、さほど気にすることはないところでもあります

(studioOneのMaitaiと呼ばれるものは他のDAW内蔵のバーチャルアナログ音源より負荷が高いです)

DTM初心者は作曲をするときにどういう音源を使って作曲するのかを考えると多くはDAWに付属している音源を使うことになるのがほとんどです。初心者が最初からDAW以外の追加音源を買いまくるケースはかなり稀です。

DAW内蔵の音源はどれくらいのメモリを使うの?

DAWに付属しているサンプリング音源はメモリをそれほど多く使いません。ドラムやベースにギター、ピアノやストリングスなどは一つの音色で多くても数百メガも行けばかなり大きいほうです。なので上記の音色数を立ち上げてもおそらく3GBもあれば十分です。

参考記事

DAW内蔵マルチ音源で一番使いやすいのはどれ?

CPUとメモリはどちらが重要?

メモリに関してはDTM以外でも使います。特に最近のSafariはメモリをめちゃめちゃ消費するので、もしDAWと一緒に立ち上げて使ったりすると驚くほどメモリ消費量に驚くかもしれません。DAWにおいてメモリが重要になるのは追加の音源を購入したときになります。オーケストラ系やリアルなピアノなどは非常に多くのメモリを消費します。参考記事

dtmに必要なメモリはどれくらい?32GBは必要? macのメモリ使用量が多いのはsafariが原因!改善策を調査

DTMパソコンどれくらいのCPUスペックがよいのか?

CPUを消費するのは原因その1エフェクト

まず負荷となる原因を知っておきましょう。コンプやイコライザーなどのエフェクトプラグインのなかでも昔のビンテージコンプやビンテージEQなどをモデリングしているものをはそれなりの負荷がかかる場合があります。しかしその中でも特に負荷が多いのは「リバーブ」です。空間の響きを処理するというのCPUの性能が求められます。

リアルなリバーブプラグインを使い倒すような曲を作る場合はより高いCorei7系のCPUが選ぶ〜またはUADを使うことでエフェクト関係のCPU負荷を回避する方法もあります。

UADとは

パソコンに負荷をかえずにエフェクト処理をするものイメージ的にはエフェクト処理を外部のパソコンにやってもらうイメージです。

しかし、これだけで新しいパソコンを買えてしまうのでDTM初心者がUADを購入するにはちょっとハードルが高いかもしれません。そういうときはUADが搭載されたオーディオインターフェースを買うという選択肢もあります。

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これで一発OK?と言いたいところですが、実は動作環境がCorei7なので注意が必要です。

CPUに負荷をかけたくないために高いCPU能力が求められるちょっと本末転倒なところもありますが、それ以上の恩恵があるのも事実です。

CPUを消費するのは原因その2モデリングシンセ

エフェクトのところでも少しお話にでてきましたが、モデリング技術はCPUのパワーを消費します。モデリングシンセとは往年の名機と呼ばれたアナログ・シンセなどをパソコンの中で音源をゼロからモデリング(作り出す)するタイプの音源です。これをバーチャルアナログシンセと呼んだりもします。

先程も説明したwavesのElementやarturiaのシリーズなどがVA音源とよばれています。とくにU-heとよいう昔の名機をエミュレーションしたソフトシンセはCPU負荷が高いことでも有名です。プロの間でも「U-he」は最強のバーチャルアナログ」と呼ばれています

音質に関しては最強レベルと言われていますが、CPU負荷も最強といえます。こういうシンセは一つ立ち上げるだけでもかなりのCPUを持っていくので作曲時には注意が必要です。

みんなが重たいというOmnisphere2はCPU専有率(CPUに負荷をかける)だけでみるとそれほど重くはありません。Omnisphereが重たいのは使っている(サンプル)パッチのメモリが2GBになるのでそれを読み込むのに時間がかかっているため「重たい」という印象を受けます。つまり読み込み環境、音源がSSDなどの高速ストレージに保存されている場合サンプルベースの音源はあまり重たい印象を受けないです。

CPU負荷を分散するソフトを使う

CPUの負荷は一つのアプリの中での数と比例します。例えばDAWの中でたくさんの音源やエフェクトを立ち上げるとDAW自体の負荷もメモリ消費量も高まります。そこでDメインのAWとは別のアプリを立ち上げそちらで音源やエフェクトプラグインを扱うことで1ランクや2ランク上のパソコンと同じスペックの動き方をする方法があります。

それがVienna Ensemble pro通称(VEP)です。これは一つのパソコンにかかる負荷を複数の他のDTMパソコンに分担しようとするものです。

しかしこれを1台のマシンの中で使うとDAWから音源部を切り離したもう一つのDAWを立ち上げることができCPUの負荷を大幅に減らすことができます。

最初は慣れないかもしれませんが、慣れてしまえば非常に快適な創作環境を手に入ります。

どれくらい分散効果があるのかは次の記事に詳しく書いてあるので参考にしてみてください。おそらくみなさんが想像しているより遥かにすごい分散効果があります。

使用できる音源が2倍以上になるCPU低負荷のマルチ音源立ち上げ方
VIENNA ENSEMBLE PRO
クリプトン・フューチャー・メディア

値段だけを見ると先程のimacのcorei5とi7の差より高い買い物になってしまうので今持っているパソコンを28,000円程度でアップグレードできるものと考えるとよいでしょう。また、このソフトは新しいDTMパソコンを買っても使えるので、持っておいて損はないと思います。

DTMにメモリもCPUにお金をかけたくない場合の解決策

できるだけDTMパソコンへの投資は安く済ませたいという人はDAWのバウンス機能やフリーズ機能やを使えばCPUやメモリに依存したDAWの使い方から解放できます。

バウンス機能とは?

作った曲をCDに焼いたりiTunesで聞いたりするためのファイルピアノやギターやドラムなど何十というトラックを2トラックつまりステレオにしたものがWavファイルやAIFFと言われたオーディオファイルになります。

これを各個別のソフト音源で書き出すということをするのが個別トラックのバウンスになります。各トラックをバウンスする理由は例えばミックスなどを外部にお願いするときなどすべての音源をオーディオファイルしておく必要があります。

同じソフト音源とエフェクトプラグインを持っている環境であれば開けるのでは?と思うかもしれませんが、

CubaseのファイルをLogicで開くことはできませんし、プロツールで作ったものをLogicで開くことはできません。しかしオーディオファイルはどのDAWでも読み込めるのでオーディオファイルにしておく必要があるのです。

バウンス時にはソフト音源のままバウンスする方法とソフト音源をオーディオファイルにしてからバウンスする方法の二種類があります。

このときソフト音源をオーディオファイル化することで、ソフト音源に使っていたメモリを解放できるので、「ソフト音源→バウンス(オーディオファイル化)」すればソフト音源で使用していた分のメモリやCPUは使わなくてすみます。

フリーズ機能とは?

処理としてはバウンスと似ている部分もあるのですが、こちらはオーディオファイルに書き出しはしません。瞬間的にメモリやCPUを解放するのですが、フリーズを解除すれば再び、ソフト音源のメモリやCPUを消費することになります。

どちらが良いかは使ってみて判断するのが一番ですが、バウンスでオーディオファイル化するのはメモリ解放するための用途もありますが、それ以上にオーディオファイル化したことでよりエフェクティブな加工を目的にバウンスを多用するクリエイターもいます。

番外編 DAW専用のPCはあるの?

CPUスペックに頼りすぎることは値段の高いマシンを買ってしまうことになる。最初の間はそこまで高いマシンを買わなくてもよいというのが私の考えですが、では逆にものすごくハイスペックなDAW専用PCは存在するのか気になる人は多いと思います。

Macはカスタマイズという概念がないため存在はしていませんがWindowsにはDAW専用にカスタマイズしたマシンがあります。OM FACTORYという会社が作っているのがDAW専用パソコンです。

これはCUBASEに150%最適化したマシンであり、デフォルトのPCなら例えば重たいソフトプラグインとかを50トラックも扱えないのに対してOM FACTORYのパソコンはその倍近くのプラグインを動かせます。流石にお値段がそこそこしますw

しかし、カスタマイズが可能なゆえに相性問題が起きやすいWindowsではそのポテンシャルをフルに発揮できるマシンは少ないとされているなかで隅々までチューンナップしているマシンは絶対の安心感があります。

その安心感は以下のプロの作曲家が導入していることからもそのクオリティの高さが納得できます。

―プロデューサー・音楽家 ―

  • 蔦谷好位置様
  • 中田ヤスタカ様(現在はMac)
  • 森英治様
  • 多保孝一様
  • 杉山勝彦様
  • 寺島民哉様
  • 青木繁男様
  • 景山将太様

DAW専用パソコン制作SITE omfactory

もし金銭的に余裕があり、Windowsでトラブルを起こさないDAW専用PCを望むのであれば「おすすめのDTMパソコン(windows)」としてOMFACTROYのパソコンと私は言えると思います。

ただ、高いですけどねw

CPUパワーが高ければDAWは落ちない?

DTMをやっているとDAWが落ちてしまうことがあります。原因は色々とありますが、「CPUパワー不足が原因」と言われたりしますが、これは一概に言い切れません。

個人的には不安定な動作環境を作ってしまっている方が「落ちる原因」だと思っています。「落ちる」原因ついてはこちらの記事で詳しく書いてありますので参考にしてください。

DAW落ちるのとフリーズ(止まる)は違う?原因と対処の仕方

さいごに

CPUスペックでDTMパソコンを選ぶと失敗するその理由とはお金に困っていないのであれば最高スペックのものを買うのはありですw良いスペックのマシンであれば次の買い替え時にそれを売って資金にするプロはたくさんいます。

しかし、決められた金額でDTMを始めたい人にとっては現実的な話ではありません。失敗とは高い買い物したのにその金額に見合った結果が得られないということです。

VEPといったソフトを使うことで上手くCPUを分散できるものもあるので、そういうものを使って現状のDTMパソコンの能力を上げることもできます。

いずれ高処理が必要な音源を買うから最初から良いものを買っておく!という気持ちもわからなくもないですが、恩恵を受けられるころにはもっと高い処理のパソコンが安く手に入る可能性もあるので、その部分に投資するのであれば音源を一つ買うという選択肢もあります。

大切なのは今の環境で最高のものを作る「創意工夫」です。パソコンのスペックがクリエイターをうむわけではありません。クリエイターがパソコンのスペックを必要とするのです。

なのでまずは今の環境を限界まで触り倒して音楽を作りましょう。

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